SMILES@LA

シェルターからやってきたミックス犬のニコとデカピンのニヤ。どちらの名前もSMILEの犬姉妹の思い出を綴ります。

ドッグフード原材料イジワル企画 「こんな言葉には気をつけて」

2022-08-29 19:33:51 | ドッグフード原材料シリーズ
ドッグフード原材料シリーズはあいかわらずの亀さん更新ですが
書いてない時には各公式サイトを読んでみたりしています。

色々見ていて気になったのは国産の「ちょっとこだわり系」フードの公式サイト。
複数見るとどれがどれだったか区別ができないくらいそっくりなデザイン。
デザインが似ていても必要な情報が書かれていれば、まあ良いのですが......😞 


「あら、今日は最後じゃなくて最初から文句言い始めるのね」

うん、いろいろ言いたいことが溜まってるんだ。

話を戻しましょう。
この手のデザインのサイトでいざ必要な情報を探し始めても、イメージ画像ばっかりで延々とスクロールしないと原材料一覧に辿り着かない!
しかも商品の説明する前から定期購入のおすすめ!!って何度も何度も何度も出てくるの。説明もなしに物を売ろうなんて営業の基本がなっとらんな。
そして購入者の声として紹介されている文章の文体が全部同じなのがたいへん胡散臭い。
私は購入者の喜びの声は基本的に信用していません。レビューは参考にするけれどね。

国産フードだけでなく一部の輸入フードでも同じような傾向のものがありますね。
デザインの傾向は違っても、原産国の公式サイトにはないことが書かれていたり、しかもその情報が間違っていることも珍しくありません。

今日は『こだわりのプレミアムフード』の説明に出てくる間違いを挙げていくという意地の悪い記事です。

さすがにブランド名は出しませんが、こういう説明が出てきたら黄信号なのでご注意ください。

『ヒューマングレードの原材料を使っています』
日本のペットフードにはヒューマングレードの定義も規制もありません。
こう書く以上は一定以上の質の材料を使っていると思いたいですが、私自身は日本産でこの言葉が出ると一歩引いて見る感じです。
「ヒューマングレード」だから魚は骨も内臓も取り去ったフィレだけ、食肉は筋肉部分だけって
犬にとっての栄養面からも食資源の有効利用という面からも間違っていると思います。
また輸入フードでは原産国ではヒューマングレードと定義していないのに、日本のサイトではそうなっているものもある。
全部が全部ではないですが、ヒューマングレードという曖昧な言葉でアピールする製品はちょっと要注意です。

『添加物は一切使っていません』
そんなペットフードはまずありません。
ペットフードに配合されるビタミンやミネラル類は食品添加物に分類されます。
天然由来の酸化防止剤であるミックストコフェロールもローズマリーエキスも食品添加物です。
本当に添加物を一切使っていなかったら、栄養バランスが崩れているか、さもなければとんでもない高価格になります。
栄養バランスのためにありとあらゆる食品を少しずつ使わないといけないですからね。

『保存料も酸化防止剤も使っていません』
保存料はともかく酸化防止剤を使っていないフードなど危険で食べさせられません。
たとえ合成酸化防止剤のエトキシキンやBHAなどを使用していても、酸化したフードよりはよっぽど安全です。
(とは言え、実際には私も合成酸化防止剤は避けますけれどね)
この表記で言いたいことは合成保存料や合成酸化防止剤なのだろうとは思いますが、商品説明としてそこは明確にしないといけません。
『無添加』という言葉も同様です。何が無添加なのかを明記していないのは問題です。

『涙やけを起こしません』
涙やけの原因は、端的に言えば涙が過剰に流れて顔が常に濡れていることです。
涙が多すぎる理由で最も多いのはまぶたや涙腺の形状によるもので、ほとんどは正常範囲です。(治療が必要なこともあります)
透明なはずの涙の跡が赤茶色になるのは、常に目の周りが湿っていることで酵母菌が繁殖した場合と、ポルフィリンという涙の成分による場合があります。
ポルフィリンは体内で鉄が分解される時に生成される物質です。あの色は鉄分のせいですね。
ポルフィリンは唾液や尿にも含まれ、その量には犬による個体差があります。(多いと赤くなりやすい)
涙が増える理由で気をつけなくてはいけないのは、瞼や眼球の傷、炎症、緑内障などの眼疾患で、この場合もちろん治療が必要です。
涙が多くて気になる場合、治療が必要なものかどうかを確認するためにまずは病院で受診です。
フードメーカーがやたらと涙やけを強調するせいで、受診が必要なのにフードにばかり意識が行く可能性は大きな問題です。
私が「涙やけはフードの成分のせい」なんて書いているサイトに腹を立てるのはこういうことです。

『アレルギーになりやすい○○を使っていません』
食物アレルギーの原因となるアレルゲンは犬によって違うので、大切なのは○○不使用を強調するより正確な原材料一覧です。
この○○の部分は小麦、大豆、とうもろこしが書かれていることが多いですが、これらは大丈夫で牛肉や鶏肉がダメという場合は意味のないことですしね。
○○に書かれているのが特定の食品の場合はまだ良いですが、中には本当に脱力するようなのもあります。
「アレルギーになりやすい副産物」は使っていません、とかね。
特定の食品にアレルギーがあるなら、元の産物だろうと副産物だろうと同じです。
今まで見た中で一番ひどいと思ったのは「オーブンベイクドだからアレルギーも安心」というもの。
オーブンで焼いたらアレルギーが出ないなら誰もアレルギーで悩みませんよね😣 

「おかーさんてドッグフードの鬼だね」

確かにそうかもしれない。

それから国産の小規模会社のフードの原材料を見ていくと「あ〜これは同じフードだな」というものがたくさんあります。
ザッと見た感じ、OEM生産を請け負っている会社は二大勢力があるみたい。
1つは先日原材料シリーズでも取り上げたフィールドゲインズ

もう1つはアニマル・ワンという会社だと思います。

どちらも作っているフードは良いものだと思いますし、OEM生産には全く問題はありません。
販売者によって添加しているサプリメントで特長を出したり、肉の種類が少し違う場合があります。
ただ「たまには違うフードでローテーションを」と他のブランドを買ってみたら中身が同じだったということがありますので、その点だけご注意ください。
(でも販売者によっては「長年の研究で作り上げた」みたいに書いていて「おいおい😅 」と思うのはありました)

今回はほんの一部です。
フードに使われているビタミンミネラル類や、フード界のヴィラン扱いのとうもろこしについて、近いうちに(サギでなく!)まとめますね。
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思い切り私事ですが

2022-08-28 21:44:36 | 飼い主の日常
タイトルで「ワタクシゴトですが」なんて言ってますが
考えてみたらブログ自体全部が私事ですわね😁 

U-NEXTで配信されているって昨日知ったんですけれどね
『ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男』というドラマ
うちのオットが第一話にちょこっと出てるんですよ。
主人公がドラマを売り込みに行くCBSテレビの社長の役よ。

↓ここから第一話が無料で視聴できます。

ドラマ自体すごく面白いので、U-NEXT加入している人は全話観るのをお勧め。
特に映画好きな人にはたまらんシーンがいっぱい出てきます。

「あのいつも短パンとハダシで俺に話しかけてくるおじさんのこと?」

そだよ〜、あのおじさんのことだよ。
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日々雑感と準備中のこと

2022-08-26 01:37:08 | ひとりごと
このブログ、ニヤを見送った後に「しっかり書いていきます」とか言った割に
書く書くサギばっかりでほんとダメダメですよね。

ニコニヤの世話をする時間がなくなったから、色々できる時間が増えたはずなのに
いろんなことの生産性がすごく落ちているの。おかしいなあ😅 

「毎日ダラダラしてるの?」「ニコのごはんも作らなくていいのに?」

ダラダラしてるつもりはないんだけどボーッとしてるかもしれない。
締切のある文章はきちんと書いているけど、な〜んかダメだね。

今日、国産フードの原材料を色々見比べていてね「全部同じじゃないさ!」とちょっと呆れました。
原材料の名前や順番を微妙に変えているけど、絶対同じだろ!っていうのがポロポロ出てきました。
OEM生産は別に悪いことではないけれど、なんだかスッキリしない😣 

あと商品説明や原材料の説明にあまりにも間違いが多いので「こんな表記は間違いです」という記事にしようと思います。
さすがに製品名は出さないつもりですが、こんなこと個人ブログでないとできないですからね(笑

それからドッグフードのブランド別ではなく、原材料のひとつひとつを掘り下げて解説するものを作ろうと思っています。
ビタミンミネラル類も原材料シリーズでは「ビタミン類ですね」の一言で終わったりしていますからね。

なんだかまた書く書くサギをやってるなあという感じですが、今度こそちゃんとします。
「ふーーーーーーん......😑

ホントだって!
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ドッグフードの原材料を見てみよう ブリスミックス

2022-08-19 17:07:08 | ドッグフード原材料シリーズ
ドッグフード原材料シリーズ、今回はブリスミックスです。

アーテミスやソリッドゴールドの総輸入代理店である株式会社ケイエムティが販売しているオリジナルフードです。
原産国はアメリカなので、キアオラやナチュラルハーベストのようなOEM生産ですね。
つまりアメリカのペットフードメーカーに生産委託をして独自の商品名やパッケージで販売しているということです。

この会社は少し前にアーテミスの日本での販売を終了しますと発表していましたが
どうやら流通の都合がついたようで、終了のお知らせはどこを見てもなくなりました。

OEM生産のオリジナルフードは、特定のメーカーの製品の輸入ができなくなった時に備えるリスク管理にもなりますね。


「フードがみんなのボウルに入るまでいろいろあるんだねえ」

ほんとだよねえ。

昨年書いたアーテミスの記事はこちら

過去のドッグフードシリーズはこちら
 

ドライサーモン・キヌア・全粒黍・全粒オーツ麦・玄米・フラックスシード
醸造酵母・塩・リン酸カルシウム・塩化カリウム・塩化コリン
パンプキン・ブルーベリー・チコリ根・クランベリー・ローズマリーエキス
緑イ貝・MSM・イヌリン・タウリン・ユッカシジゲラ・アガリクス
ストレプトコッカス サリバリウス(口腔内善玉菌)
エンテロコッカスフェカリスEF2001
プロテオグリカン(サメ由来)・プロピオン酸カルシウム・炭酸カルシウム
セレン酵母・キレート鉄・キレート亜鉛・ビタミンE・ビタミンC・硫酸銅
キレートマンガン・ナイアシン・パントテン酸カルシウム・ビオチン
リボフラビン・ビタミンA・チアミン硝酸塩・ビタミンK3・ビタミンB12
ピリドキシン塩酸塩・ビタミンD3・ヨウ化カルシウム・葉酸

ドライサーモン
最初から紛らわしい名前が登場しましたね。素直に読めば乾燥させた鮭ですね。
言うまでもなく良質のタンパク質で、乾燥して水分が抜けているので調理後に実質タンパク質が目減りすることもありません。
しかしこの会社が扱っているアーテミスの原材料表示はチキンミールやサーモンミールをドライチキンやドライサーモンと表記しています。
ドライチキンやドライサーモンなら鶏肉や鮭を温風や低温で乾燥させただけのものでタンパク質はほぼそのままです。
一方ミールの場合は、高温加熱で脂肪分を搾り、乾燥させて粉に挽いたものです。
高温加熱の際にタンパク質を構成するアミノ酸の一部が変質してしまいます。
またサーモンの場合はオメガ3脂肪酸の良い供給源である脂肪が取り除かれているので
DHAとEPA(どちらもオメガ3脂肪酸)を何らかの形で添加する必要があります。
アメリカで乾燥サーモンを使ったフードはいくつかありますが、この製品よりもずっと高価格になります。
つまりドライサーモンを使うと、この製品価格では無理だということで、これはやっぱりサーモンミールだと思われます。

キヌア
古代穀物のひとつで雑穀の一種です。
水溶性と不溶性両方の食物繊維が豊富で、炭水化物の他にタンパク質やミネラルも多く含みます。
育てるために必要な水や肥料が少なく、環境にやさしく持続可能性の高い食べ物です。

全粒黍
キビ、桃太郎のきび団子のキビです。キヌアと同じく食物繊維やビタミンミネラルが豊富。
キビの食物繊維は消化も良く発酵性で腸内細菌の餌として最適、プレバイオティクスとして優秀です。

全粒オーツ麦
オートミールの原料であるオーツ麦は、炭水化物、タンパク質、食物繊維をバランスよく含みます。
キビとオーツ麦は全粒と書かれているので、種皮や胚芽も含まれているためさらに高食物繊維です。

玄米
キビとオーツ麦に続いて、玄米も全粒穀物です。
米は炭水化物源ですが、玄米なので食物繊維が豊富でビタミンミネラル類も多く含みます。
キヌア、キビ、オーツ麦と違って玄米の食物繊維は大部分が不溶性です。

フラックスシード
日本語では亜麻仁です。亜麻の茎の繊維は布地の麻の原料です。
これは亜麻の種(=仁)で、大型の胡麻のような見た目です。
抗酸化物質であるリグナン、食物繊維を豊富に含みます。
オメガ3脂肪酸の一種アルファリノレン酸と、オメガ6脂肪酸のリノール酸をバランスよく含みます。
アルファリノレン酸が体内で活用されるためには次の段階の脂肪酸であるDHAやEPAに変換しなくてはなりません。
犬はこの変換能力が低く、多くの場合アルファリノレン酸は活用されることなくエネルギー源としてのみ吸収されます。
そのためフラックスシードは犬にとってはオメガ3脂肪酸の供給源にはなりません。

醸造酵母
食品の醸造や発酵に使われる酵母なのでこのように呼ばれます。
一般的にはビール酵母やパン酵母と呼ばれるものの総称です。
ビタミンB群やアミノ酸を豊富に含み、プロバイオティクスとしても働きます。

犬に塩は有害だという誤解はよく見られますが、犬にも塩は必要です。
塩は体全体の細胞の機能を正常に保つ=つまり全く塩を摂らないと生命が維持できません。
ドッグフード100gあたり0.25g〜1.5gが適量の範囲とされています。

パンプキン
アメリカ産のフードなので、このパンプキンはハロウィンの飾り付けに使われるオレンジ色のカボチャです。
ペポカボチャと呼ばれるもので、日本の南瓜よりも糖質が低く食物繊維が豊富です。
抗酸化物質のひとつであるベータカロチンも豊富に含みます。

ブルーベリー
これも抗酸化物質のポリフェノールを豊富に含む果物です。
抗酸化物質はその名の通り酸化を防ぐ働きを持ち、細胞の老化を予防します。

チコリ根
チコリの葉の部分はちょっとお洒落な野菜としてサラダなどに使われますが
根の部分は効能のあるハーブとして扱われます。
利尿作用や抗炎症作用の他に水溶性食物繊維のイヌリンを豊富に含みます。
体質によってはお腹がゆるくなったり、おならが増える可能性があります。

クランベリー
酸味が強くて生食には向かず加工食品やサプリメントとしてよく知られる果物です。
抗酸化物質のビタミンCやポリフェノール、食物繊維も豊富に含みます。

ローズマリーエキス
ローズマリーは抗菌抗酸化作用の強いハーブとしてよく知られています。
そのためローズマリーエキスは天然由来の酸化防止剤として広く使われています。

緑イ貝
ニュージーランド産の二枚貝、ムール貝やカラス貝と同じイ貝の一種です。
オメガ3脂肪酸のDHAやEPA、コンドロイチンを豊富に含みます。
これらの抗炎症作用のために、関節ケアのサプリメントなどに多く使われています。
また亜鉛などミネラル類も豊富です。

MSM
メチルスルフォニルメタンの頭文字で、天然のイオウ化合物です。
穀物、緑黄色野菜、牛乳など身近な食物に含まれており、体内でタンパク質などの生成に関わっています。
抗炎症作用が強いため、関節炎などのケアにサプリメントとしてよく使われています。

イヌリン
チコリ根のところでも書きましたが水溶性食物繊維のひとつです。
腸内細菌の餌となるプレバイオティクスとして働きます。
でもこの製品、水溶性食物繊維を含む穀類やチコリ根を使っているのに、さらにイヌリンを添加するのか?とは感じます。

タウリン
アミノ酸の一種に分類されることもありますが、正確にはアミノ酸様化合物(アミノ酸に類似した物質)です。
筋肉の機能維持や抗酸化作用、神経伝達など重要な役割を果たします。
本来は必須アミノ酸のメチオニンやシステインから体内で合成できるのですが、高温加熱などでアミノ酸が損傷していたり
過剰な食物繊維によってタウリンが体外に排出されてしまう場合には余分に添加することが必要です。

ユッカシジゲラ
リュウゼツラン科の植物ユッカの地下茎から抽出したエキスがユッカシジゲラです。
抗炎症作用が強いため関節炎などのケアに多用されます。
また便のニオイを抑える働きもあります。

アガリクス
この製品およびアーテミスのドッグフードが大きく打ち出している原材料のひとつです。
アガリクスはブラジル産のキノコで1980年代にブームとなり、今もサプリメントなどが根強い人気です。
キノコ類は全般にベータグルカンという食物繊維を豊富に含み、免疫機能を活性化させると言われています。
アガリクスの抗ガン作用は効果があるという証拠はありません。
反対に発ガンを促進する作用があるという説もありますが、これはある特定の製品を
実験動物のネズミに大量投与した場合でアガリクス全般に当てはまるかどうかは不明です。
フードに配合されている量では薬効も副作用も考慮外で良いだろうという気はしますが
他のフードでハーブ類が配合されているもの同様に「入ってない方が使いやすいのに」と個人的には思います。
ただし肝臓に疾患がある場合には避けた方が良いと思います。

ストレプトコッカス サリバリウス(口腔内善玉菌)
これはカッコ書きされているように、人や動物の口腔内の常在菌のひとつです。
ブリス菌とも呼ばれるので、製品名のブリスミックスの由来でもあるようですね。
口臭や歯周病を予防し口腔内を健康に保つ働きを持つ微生物です。

エンテロコッカスフェカリスEF2001
こちらは腸内で働く微生物です。いわゆる腸内細菌ですね。

プロテオグリカン(サメ由来)
プロテイン(タンパク質)と多糖類の一種グリカンが結合した糖タンパク質です。
軟骨に多く含まれ、カッコ書きされているサメ由来というのもサメ軟骨から抽出したという意味です。
抗炎症作用が強く関節炎などのケアがうたわれていますが、食物として摂取しても効果は薄いという説もあります。

パンプキンの前にリン酸カルシウム、塩化カリウム、塩化コリンがありますが後の他のビタミンミネラル類と併せて書きますね。

ビタミンミネラル類としてたくさんカタカナが並ぶ中に、
リン酸カルシウム
プロピオン酸カルシウム
炭酸カルシウム
パントテン酸カルシウム
ヨウ化カルシウム
と、カルシウムと名のつくものが5種類も表記されています。
このうち、カルシウム補給を目的とするのはリン酸カルシウム(骨由来)炭酸カルシウム(貝殻や卵殻由来)とヨウ化カルシウムです。
ヨウ化カルシウムは炭酸カルシウムとヨウ素の化合物で酸化防止剤としての働きもあります。
プロピオン酸カルシウムは防カビ剤として働きます。
パントテン酸カルシウムはパントテン酸(ビタミンB群の1つ)補給を目的としています。

他のミネラル類の鉄や亜鉛などに付いているキレートというのは吸収を高めるためにタンパク質と結合させているという意味です。
セレンの場合は酵母と、銅の場合は硫酸と結合させることで吸収率を高めています。

この製品は粗タンパク20%以上、粗脂肪8%以上とどちらも低めです。
ウェイトコントロールでもタンパク質はもう少しあってもいいのでは?と思いますが脂肪に関しては良いと思います。
体重だけでなく、療法食を食べるほどではないが胃腸が弱いとか膵臓が弱いという場合にも使えそうですね。
(疾患がある場合にはかかりつけの獣医さんに相談してくださいね)


もうひとつ、ラムベースのフードも。
重なる部分も多いので、特徴的な部分を見ていきますね。
 

フレッシュラム・ドライラム・玄米・えんどう豆・えんどう豆粉・黍
カノラオイル・ポテトタンパク質・フラックスシード
トマト搾り粕(リコピン)・野菜エキス(天然風味料)
サーモンオイル(DHA)・塩化コリン・グルコサミン塩酸塩
ストレプトコッカス サリバリウス(口腔内善玉菌)
エンテロコッカスフェカリス EF2001・アガリクス・コンドロイチン硫酸
ビタミンE・キレート鉄・キレート亜鉛・キレート銅・硫酸鉄・硫酸亜鉛
硫酸銅・ヨウ化カリウム・チアミン硝酸塩(ビタミンB1)
キレートマンガン・酸化マンガン・アスコルビン酸・ビタミンA
ビオチン・ナイアシン・パントテン酸カルシウム・硫酸マンガン
亜セレン酸ナトリウム・ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)
ビタミンB12・リボフラビン(ビタミンB2)・ビタミンD3・葉酸 

フレッシュラム
一番最初に生のラム肉が書かれているのは良いことですが、調理後に水分が飛んだ状態では実質量は少なくなります。

ドライラム
これもドライサーモンと同じく、ラムミールのことだと思われます。
ラム肉を加熱して脂肪を搾り、乾燥して粉に挽いたものです。
水分が飛んでいる分重量当たりのタンパク質含有量は多くなりますが、アミノ酸の一部が損失している可能性があります。

えんどう豆、えんどう豆粉
グリーンピースとしておなじみのえんどう豆。
炭水化物源としての他、タンパク質、食物繊維、抗酸化物質を含みます。

カノラオイル
品種改良した菜種から採ったオイル。
オメガ3脂肪酸のアルファリノレン酸とオメガ6脂肪酸のリノール酸を含みますが
フラックスシードのところで書いた通り、犬はアルファリノレン酸を活用できません。
そのためカノラオイルはオメガ6脂肪酸の供給源とエネルギー源となります。

ポテトタンパク質
馬鈴薯澱粉を製造した際に、少量含まれるタンパク質を精製した副産物です。
必須アミノ酸のうちいくつかが欠けているので犬にとって理想的なタンパク質ではありません。
なぜ配合しているのかちょっと不思議に思います。

トマト搾りかす
トマトジュースなどを搾った際に残る果肉と繊維質を乾燥させたものです。
食物繊維と抗酸化物質のリコピンの供給源となります。

サーモンオイル
オメガ3脂肪酸のDHAとEPA(どちらも犬の体内で活用できる)の理想的な供給源です。
抗炎症作用や免疫機能のサポートなど重要な役割を持っています。


「全体的にはどんなフードなの?」

全体的には悪くないと思う。
でもこの2種の他どの製品も高確率でミールだと思われる原材料をドライ○○という書き方をしているのは気になります。
細かいことのようですが、栄養も変わって来るし何より本来の意味が違う。

全粒穀類や豆類を多く使っている他に食物繊維そのものや食物繊維の多い原材料も多用しているので便の量は増えると思います。

それから「なぜなんだろう?」とちょっと不思議なのが、製品ごとにビタミンミネラル類の添加物が微妙に違うこと。
通常、同一ブランドの違う種類のフードだとビタミンミネラル類は全く同じという場合がほとんどです。
ペットフードに添加するビタミンミネラル類はあらかじめ配合済みになっていますからね。
そういう細かい違いを全部表記しているのは良いことだと思うのですが、なぜ違うのかが不思議な点です。

メインのタンパク源以外の原材料もフードの種類ごとにかなり違うので、同一ブランドでのローテーションもしやすいですね。
ただその場合アガリクスはずーっと継続して摂取することになるのがちょっと難点です。
キノコも含めてハーブ類は時々お休みしたいと思うので。

他のブランドとのローテーションには使いやすそうな気がします。
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またリンクですみません

2022-08-16 01:44:18 | ごあいさつ/お知らせ
このところ他に書いたもののリンクばかり貼っていてすみません。

こういうの3本ほど書くと力尽きちゃって😅 
次のドッグフード原材料シリーズ書いてる途中なので、次回にはアップしますね。

さて、愛犬の食事に生肉を与えている方もいるかもしれませんが
こういうリスクがあるということは知っておかれた方が良いと思います。
以前にこのブログでオランダのユトレヒト大学の研究で似た内容の報告を紹介したことがあります。
これはつい最近発表されたイギリスのブリストル大学による研究結果です。

私も昔はニコニヤに生の肉を食べさせたことがありますが
ニコが5歳くらいの頃から表面加熱だけでもするようにしていました。

よく「生肉には酵素が含まれているから体に良い」という説明を見かけますが
生肉の酵素は喉元を過ぎて胃に入ると胃酸によって活性を失うので
生肉でないとダメとか、生肉の方が良いということはそんなにありません。
サルモネラ菌やカンピロバクターは普通に付いていると思った方がいいし
上に貼った記事のように薬剤耐性菌が体内に入ると相当に厄介ですからね。

確かにお肉を圧力鍋で長時間煮込んだり、こんがりキツネ色に焼き上げると
アミノ酸が変性して本来の働きができなくなるということはあるのですが
表面だけ火が通るくらいに2〜3分茹でるなど、工夫してみてくださいね。

もうひとつ、これも犬の食事についての研究のことを書きました。
カナダのサスカチュワン大学とアルバータ大学の考古学者による調査結果です。
北米やヨーロッパで発掘された古代の犬と同じように、
古代のシベリアの犬たちが何を食べていたのかを骨の成分を分析した結果、
犬たちは「あれ?」と思うくらい穀物や淡水魚を食べていました。

「犬はオオカミと同じ祖先を持つから肉食中心で、穀物は不要」という
ドッグフードのラベルやパッケージでよく見る言葉が必ずしも正しくないように思えてきます。

よかったら読んでみてくださいね〜!
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