木村秀子 Blog

ピアニスト 木村秀子の音楽日記

セネガル旅行記 9.神エンジニア現る

2018-06-01 15:09:55 | セネガル
2018.2月12日(mon)

ブランチにラハを食べる。なんだ、このムニムニした触感は。
美味しいぞ、うん、クセになりそう。
          ←Lakh
セネガルでは女性が出産をした一週間後、親戚を集めて命名式をする時に皆で食べるんだそうな。
オートミールを砂糖とミルクを加えて炊き、レーズン、ヨーグルトをかけてグニュグニュ混ぜる。確かに体に良さそうな味。お茶は定番のケンケリバ。

午後、少し練習したら3時ごろにハディが「チュ」を作ってくれた。
          ←チュ
魚と野菜をコンソメとトマトソースで煮込んだもの。ハディの作るものは全て美味しい。

しばらくするとザールが空港から友人を連れてきた。
レコーディングエンジニアのジェジーさん。
コンゴ出身で、レイ・レマやパパ・ウェンバと仕事をしてきた人。
セネガルには20年以上滞在し、ユッスー・ンドゥールや、チョーン・セックなど、
そこでもトップクラスのミュージシャンのレコーディングを手掛けた
セネガルで1番の技術者で、ユッスー・ンドゥールのワールドツアーでは
2回ほど、日本にも来ているという。
要するに、アフリカのトップスター達と渡りあってきた人。
ミリアム・マケバとも仕事したと言っていたなぁ。
英語がとても上手く、頭の回転も速く、優しい。
しばらく話ていると、その内容から
彼が多くのミュージシャンに信頼されているのが容易に想像できる。
「セネガルの音楽は難しいでしょ。good jobだよ」と彼が言う。
「うん、すごく難しい。でも新鮮だよ。」と答えると
「その考え方も含めてgood jobだよ」と言われた。
ミュージシャンへの対応までも素晴らしい。

ザールが言うには、ジェジーが一旦レコーディングに取り掛かると
止まらなくなり、2日徹夜、3日の午後までにマスタリングを終わらせるという。
12月はミュージシャンのアルバム制作繁忙期だそうで、
セネガル中のミュージシャンが彼を頼って来るから休む時間が無く、
もう一人のスタッフと2人で交代でこなすんだとか。
技術と知識さえあれば、広い場所も多くのスタッフも要らないという。
アフリカにこんなハードワーカーが居るんだ。

しばらくしてハディの絶品夕食。
レンズ豆とジャガイモと牛肉を煮込んだもの。
          
そしてムハムサ。(粒の大きいクスクスにヨーグルト、砂糖、ミルクなどをいれ混ぜたもの。ムニムニした触感)

食事中もずーっとずーっと音楽の話で盛り上がっていた。
アコースティックな楽器をレコーディングする際の
コントロールスペースの黄金比率やら飛行機で楽器を運ぶ際の注意、
タマ(セネガルのトーキングドラム)をサンプリングした話などなど
挙げたらキリがない面白い話を沢山してくれた。

しばらくするとタボー(私にキーボードを貸してくれた、ザールバンドの初代キーボーディスト)がピアニストの友人を連れてジェジーに会いに来た。
          ←ザールバンド初代キーボードのダボーさん
今回、ジェジーはダボーの呼びかけでセネガルに帰ってきたそうな。
「ピアニストが3人いるじゃないか!よし、セッションしよう!」とザールが言い、皆でリハ室へ。

左からザール、ダボーの友人、神ジェジー(ブルーのシャツ)、カズ(ベース)、ダボー(キーボード)
リハ室といっても一軒家の最上階の部屋で、音はダダ洩れだ。
「もう遅いからこの辺で止めよう」とダボーが言ったのは夜の12時。
誰も苦情なんか言って来ない。
セネガル人は大らかだ。

常々思う。人脈は宝だと。
ここで出会った人々は、音楽をやっていなかったらきっと出会えなかったであろう人々。
音楽を続けてきて良かったなぁ。
それにしても、ここの人は皆んな、一旦スイッチが入ると止まらなくなっちゃうのね。

続く。





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