今時テレビなんて観ません、でもみましたブラックペアン、ドラマなんであり得ないことをオーバーアクション
よいと思いますよ面白ければ。あ、外科でペアンは今ではあまり使われませんよ
さて真面目な話、医療解説、若い人には関係ないが知っておいた方がよい知識。
あのドラマの手術は「CABG」なるものです、ようは心臓に栄養を送っている血管が詰まったのでなんとか心臓に
血液を送ろうと土管をつなぎ合わせるようなもの。虚血性心疾患、心筋梗塞ですね。しかし今の治療の97%は薬物のみの治療とPCI(血管を広げてステント入れる)
になります。外科ですと進撃が大きいことと体外循環で心臓を一時止めないとならないことから患者さんに負担がかかる、しかしPCI治療では無理な場所や弁狭窄が併存
している場合に外科手術になります、それがCABG。ただし主人公の手技(ダイレクトなんとか)をする心臓血管外科医はいません、危険だからです。
ちなみに昔はやったONBEAT(心臓を動かしたまま血管をつなぐ)は今は減っています、基本体外循環で心臓を止めて手術します。
(エビデンスで予後は体外循環の方がよいからです)
もう一つ、公開手術なんてありませんよ、個人情報がうるさいさなか絶対にありません、施設の倫理委員会で通りませんのでドラマの中の話。