私のあたまのひきだし

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【R-18】冷たい熱帯魚【ネタバレあり】

2011年12月04日 23時47分06秒 | 映画

=あらすじ=

静岡県のとある町で、小さな熱帯魚店を営んでいる社本信行(主演:吹越 満)の娘:美津子がスーパーで万引きで捕まる。
謝罪しに行く社本と、その妻:妙子(神楽坂恵)
美津子の態度に、スーパーの店長の怒りは収まらないが…そこへ一人の男がやってくる。
それは、その町で大型熱帯魚店を営んでいる村田幸雄(でんでん)だった。
仲裁に入る村田、納得する店長、そして、「ここで知り合ったのも何かの縁ですから、うちの店を見ていって下さい」的に半ば強引に
連れて行かれる3人。
巨大なお店には、社本の店にはいないような熱帯魚もいるし規模からして全然違う。
そして、村田の妻:愛子(黒沢あすか)が登場。
ひとしきり、店を案内した後、村田は言う

『ひとつ、どうです。美津子ちゃんがここで働くっていうアイデアは?』

そして、あれよあれよという間に、一気に巻き込まれて行くことに―



※再度、忠告。  ラストまでネタバレありです!!








=感想=

えーっと、まず見た瞬間の感想は「長い!!」でした…。そして、ストーリー性がない。
ストーリー性重視の人・グロいのが苦手な人・救いようのない話が苦手な人は本気で止めた方が良いです。
本当は、映画館で見たかったほど期待していたのですが…最初は(損したかな?)と思っていました。
…しかし、時間が経過するにつれ、スルメ映画に!!!!


まず、冒頭。
奥さんが物凄い勢いで冷凍食品のみをスーパーのカゴに入れていきます。
で、そのままの流れで家のレンジで調理。あれが“料理”と言えるのか?と言うほど凄いです。
そして、3人での食事が始まるのですが…
娘は漫画を読みながら⇒携帯に電話掛かって来る⇒そのまま外へ遊びに行ってしまう
と云った、家庭が冷め切っているのは冒頭3分以内に分かります。

その後、スーパーからの電話の際、妻を探すのですが…。
奥さんは外で煙草を吸ってます。それを見つける社本。
でも、見てみぬフリ。わざと、反対の方を見て「妙子?」と声を掛けて探すフリをします。
奥さんはその間に吸殻を捨てます。


で、村田と知り合った後の展開なんですが…
いやぁ、多分、この映画の1/3か1/4は、この村田が喋っているシーンです。
もうね、なんて言うの?
テンションがおかしい(本人談:58人殺している人間がまともな訳ないですが…)
このでんでんという役者さん、結構、人のいい役を今までやってるだけに(多分、公式HPで顔を見たら分かります)
ギャップが凄いww

テンションがおかしいし、行っていることは倫理的にやってはいけないことばかりなんだけど
【なぜか、言っていることがそこまで間違っているとも思えない】所が怖いww

まず、社本の前で、共同出資者という名の生け贄を殺します。
その後の処理がまぁ、手際が良いこと。
愛子と一緒に毛布に包み(ここから社本が巻き込まれ)、山奥の昔、新興宗教が使っていたらしき家の中の風呂場で解体ショー。

えぇ、ここグロいです(私は平気でしたけど、一緒に見ていた友人はダメでした)


内臓や骨を○○サイズまで細かく切り
骨や衣類は焼き、灰を山へばら撒きます。内臓は川へ。

村田は笑いながら「ボディが透明になっちゃったwww」と言います。
そして、何事もなかったかのようにいつもの生活へ―


そうやって、流されるままに転落していく社本。
そう、この人のいけないところ、根本の部分はそこ。
前妻が死亡した後、妙子と結婚して家庭を築こうとするのですが、美津子がすぐに心を開くわけありません。
そんなことは誰が考えたって分かることでしょう。
それに店の状況からしても、閑古鳥が鳴いてそうな雰囲気。というよりも、商売ッ気があるとも思えません。
家族も、仕事も、本当は欲しいくせに、何もかも放棄しているように見えるの。
自分では何もしないの。

だから、村田に言われます。
『やりたいことをやれ!!』
と。


物語の終盤、村田を裏切った顧問弁護士をバラして川に捨てた後のシーンで
村田が自分の妻とSEXするように仕向けます。
そして、そこで社本、覚醒ww
やっている最中にボールペンを握り締め、まずは愛子の首目掛けて1撃―
その後、村田をボールペンで滅多刺しにします。
あの吹っ切れた瞬間、あの強い感情、あの場面、思わず爆笑してしまいました。
やっと、やっと、感情が出た瞬間だから。

愛子に旦那を同じ方法でばらしておけと命じ、自分は家族の元へ。
今までの社本とは違います。
美津子を店から強引に連れて帰り、妙子に「食事を用意しろ」と言い、ご飯を食べます。
えぇ、そこだけは『普通』です。

ですが、食事中に美津子が電話に出たことを今度は叱ります。
外に居た彼氏と娘を殴り倒し、娘をまた家の中へ。
そして、今度の標的は妙子に―
妙子に、村田と関係を持ったこと・自分との結婚は失敗だったこと・後悔していることを白状させながら、犯します。
途中で美津子が目を覚ますのですが、再び殴って気絶させ、行為にふけります。


その後、二人を放置して再び山へ。
中盤で県警の人からもらった名刺の番号に電話を掛け、「村田の愛子が山の山頂付近の小屋で旦那をバラしている。自分はカタを付けに行く」とそれだけ言って、切ります。


小屋に戻ると、解体処理は半分進んでいて
愛子が恍惚な表情を浮かべて近づいてきます。
フェラしようとする愛子の頭に目掛けて、傍にあったマリア像で2回頭を殴るのですが致命傷にならず
血だまりの中、二人は格闘になります(ここの愛子の演技も凄いww)

社本に馬乗りになり包丁を振りかざす愛子
あれはもう終わったなと思ったら、頭の傍に包丁を突き立て、社本にキスをする愛子。
その機を逃がすはずもなく、社本が包丁を奪い、愛子のわき腹に刺します。
愛子はそのまま「アンタぁぁ…」と情けない声を出しながら、自分が解体していた旦那の元まで這っていき、そこで絶命(もしくは気絶)


社本が外で座っていると、そこへ県警の車が。
「二人は中にいます」
と告げ、捜査員2人は中へ突入。

警察の車を見ると、中には美津子と妙子が。

車内で何かしらの説明を受けたかどうかは分かりませんが、変わり果てた夫の姿を見て、駆け寄る妙子。
手に包丁を持ったままなので、そこで社本は妙子を刺します。

続いて、美津子へ。
ただ美津子に対しては「一人で生きられるよな?一人で生きたいんだよな?」と問いかけ
包丁で小突いているだけです。
「痛い!」という美津子に
人生は、痛いんだよ!!!
と叫び、その包丁を自分の首に当て、自殺します。


そして、それを見た娘がケタケタ笑いながら「やっと死にやがったか、クソ親父!」と蹴りを入れます。
(この台詞を、裏切りと取るか、精一杯の強がりと取るかは人それぞれだと思います。)

それで、社本の好きだった丸い地球のイラストが出て終了―


まぁ、本当に救いようのない話だし、そして、人生、巻き込まれるときってあんな感じなんだろうなと思います。



=疑問点と残念な点=

■あそこまで死体解体をグロくするなら、徹底的にして欲しかった。
 お風呂場で解体は理に適ってます。が、出てきている包丁。あれって、その都度、新品にしているの?
 悪いけど、どれもこれも刃こぼれもしていなければ、綺麗なまんま。人一人解体するにしてもダメになるでしょう。
 あと、血と臓物のシーンばかり。若く痩せてる死体じゃないんだから、脂肪の表現があってもよかった気がします。


■魅力的な人物ばかりなのに、バックボーンが描かれていない。
 社本が妙子と結婚した理由(どこで出会ったかとか。逆視点からでもOK)
 村田と愛子はどういう風に知り合ったのか?
 一番最初に小屋へ行ったとき、村田が小さい声で「俺は小さい頃、ここでひどい目にあったんだ」みたいなことを言いますが、それは何か。
 というか、村田は最初から壊れていたのではなく、誰かに壊された(散々、理不尽な目にあった)結果、
 社会的に悪いことだろうが殺人だろうが『やりたいことをやれ!!』というあぁいう思考になったのだと感じました。

■栄養ドリンクの中身について
 最初の犠牲者:吉田のときは、村田も手をつけなかったので即効性の青酸系の毒物かと思っていたのですが…
 社本と村田が外に出ている間に、数本も飲み、それから苦しんで死んでます。
 顧問弁護士のときも、空き瓶がかなり転がってました。
 そして、弁護士の若い部下が飲んだときに社本が止めるのですが、実際には絞殺。
 その後、村田自身が1本飲んで死なないところを見ると、覚醒剤のようなモノが入っており1本では死なず
 大量摂取で死に到るようなモノなのでしょうか?

■入浴剤とお醤油
 死体をバラすときのお風呂に、必ず入浴剤が入れられてます。
 脂肪を落としたいのなら、お湯+台所用中性洗剤が一番です。
 何で、入浴剤なのでしょうか?死んだ後でもバラしやすいように、皮膚を柔らかくする為??

 あと、骨を燃やすときのお醤油。
 あれは只単に趣味なのか?なんか意味があるのか。
 まさか、焼いているところを見つかった際に「バーベキューですよw」とでも言うつもりだったのでしょうか?^^;
 謎です…。

■何故、妙子は殺したのか?
 社本自身は自分への愛がなくなったと思っていて殺したのでしょうか?
 でも、あのラストのシーン。あれは社本から寄っている訳ではなく、妙子から駆け寄っているんです。
 少なくとも心配はしていた(愛情はあった?)ように見えるのに、何故殺したのだろう?


 あー、あと、社本を共犯だと言い、後継者だとまで言った村田が自分を妻を犯せと言った場面。
 あれって実際に、共犯同士の繋がりを強くさせるには効果的みたいです(というか常套手段のようで。)
 共犯関係だけだと裏切る可能性高いけど、兄弟になるとそうならなくなるのかなぁ…
 たかだかそれだけな気もするけど、結構大きいのかな、ウェイトが。



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8 コメント

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まあ、なんですよ (910si)
2011-12-05 22:57:15
おとぎ話ですから、まあその辺は大目に見てあげましょうよ。でも雑だよね。
異国の方々にはそこそこウケていたようですが、東洋的湿度感(もいまいち希薄な気が…)ではなく単純にスプラッタ映画として見てるのでしょう。
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雑っていうか… (sizer)
2011-12-06 21:08:13
コメントありがとうございます、910siさん!

単純にスプラッタ映画として見られると…それはそれでまた違う気するんだけどなぁ…って感じ。外国の方の評価ってどうなんだろう?

>まぁ、その辺りは大目に~
大目にっていうか、疑問に思っちゃうんだもん。仕方ないじゃん?
イチャモン付けるんじゃなくて、あるべきモノがないとか、「何で何で?」が強く出てしまうのは…私の悪い癖??
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しょうゆ (なづ)
2012-03-18 21:29:57
醤油は臭い消しらしいですよ
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あぁ、なるほど~。 (sizer)
2012-03-19 22:23:34
コメントありがとうございます、なづさん♪

醤油…そういうことだったんですね~。
確かに香ばしい匂いにはなりそうですからね。
あれだけ細かくしても、全部焼くのは大変でしょうし…。
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Unknown (百瀬)
2012-07-22 01:51:24
初めまして、この映画が実話を元にしているとの事で、詳しく知りたくなって調べたらこのブログが最初に出てきました。
私的にとても面白い映画だと思ったので、この感想を見て凄く嫌な気分になりました。
有るべきものとは?リアリティを求めるなら死体の画像でも見て満足したらいいと思います。
長いとおっしゃいますが、邦画独特のダラダラとした部分が無い分良かったように思えますが。
私はストーリー性重視ですが、実話を元にしている分、感受性豊かな人ならあのシーンだけでも何とも言えない気分になると思います。(私自身グロいのは平気です。)
細かい心理描写に気付きもせず、バックボーンは?なんて。人の想いは十人十色だと思っていますしあなたのブログなので何を書こうが自由だと思いますが、とても嫌な気分になりました。

また、マッドハウスアニメについても書かれていましたが、声優さんに然り、ファンとしてそんな軽い見解で軽々しく語ってほしくありません。
あなたには作品を批評する眼はないと思いますのであまり簡単に批評してほしくないです。
wは笑いで無く嘲笑の意味なので理解している上でご使用になっているのかは分かりませんが、それも不愉快に感じます。
あなたは自分を変わり者だと思っているようですがそれは違います。
疑問を投げかけて困惑している周りを見て、やはり周りの人は私の考えを理解出来ないんだと悦に浸っているだけの人ですよ。
何で?何で?が強く出てしまうのは理解力が乏しいからだと思います。
もっと外に出て視野を広げた方がいいですよ。

いきなりでとても失礼だとは重々承知していますし、申し訳ない気持ちもありますが、どうしても書かずにはいられませんでした。
不適切だと思われたなら削除して頂いて構いません。
失礼致しました。


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鬱すぎる・・・・(疲 (るいん)
2012-08-16 20:17:04
初めまして。るいんと言う者です。
『冷たい熱帯魚』の感想でいいのがないかな~と思い探していたらここにたどり着きました・・・(失礼

先ほど借りたDVD見終わりましたが・・・いやあ鬱展開wwww見終わった後は苦笑とため息しか出ませんでした…
衝撃的過ぎて・・・これからの人生でこの作品を超える作品に出会える気がしませんw(え

キャストの方々も全員ノリノリでしたね。特にでんでんさんがヤバいww女優の人たちも、逆に2流な感じがハマっているという・・・まあツッコミどころも多いですが。そこらへんは気にしない方向で(おい

で、sizerさんが気になっていらしたバックボーンですが・・・
村田は社本に刺された後に「お父さん許して」とか「もう悪いことしません」とか言っているので、多分幼いころに虐待を受けていたんだと思います。そこから「やりたいことをやる」だの「俺は自分で解決した」だのと歪んでいったんでしょうね…・まあだからと言って人殺すのはどうかと思いますが。

駄文におつきあい下さりありがとうございました。またお会いする機会があれば。
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入浴剤とお醤油 (ゆの)
2012-08-17 00:08:08
あれ、実際の事件でも同じだったみたいですよ
入浴剤は血の色ごまかし効果と、お醤油は臭いごまかし効果だそうです
一応ちゃんと意味はあるんですよー
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あまりお気になさらずに (通りすがり)
2012-08-29 10:10:53
私はこの映画を見たことはありませんが気になって検索したところこちらのサイトにたどり着きました。
目に付いたコメントが少し配慮に欠けていると思いコメントしました。

実際のことを題材にしていてもそれを知らない人にもわかるようにするのが表現者の能力ですので、
疑問に思われてしまったというのは監督にとって不名誉なことというだけであって見る側の問題ではないのであまりお気になさらずに。

表現する者は常に批評に晒されるものです。
生業にしている以上は当然それを覚悟している、あるいは覚悟すべきことです。
あなたが見て思ってその批評を書いてもらえるのは製作側にとって正負に関わらず名誉なことですよ。

表現する者にとって一番悲しいことは人の目に触れないことです。
確かに批判されると心痛むこともよくありますが、それを理解した上で表に出て表現しています。
批判的であっても批評されることは名誉なことだということだけは勘違いしてほしくないと思います。
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