『 うさぎの言霊 』 Rabbit's Kotodama 

宇宙の謎、神と悪魔と人とは?

《 最終章 》 〈 第十二話 〉 最 奥

2019年02月10日 10時52分48秒 | 小説



ところで、俳優の榎木孝明さんが、
30日間の不食をしたのが話題になりました。

下記参照 
https://www.huffingtonpost.jp/2015/06/18/takaaki-enoki_n_7609298.html

いやあ、お見事としか言い様がありません!
この方は、余程食への執着が無いものと思います。

当然、食べることが何より幸せ、などと思っている人は、
空腹感は勿論、力が入らないなどの症状を訴え、
あえなく挫折となるでしょう。
一日一食生活もできないでしょう。

不食は私も知ってはいます。
ただ全然食べないというのは寂しいので、
朝昼を軽食、夕食を腹八分目食べる生活を送っています。

実際は、食べなくても平気なのに、
長年の習慣により、一日家にいれば何か口にしたくなります。

そこでちょっとしたお菓子を食べて、
飲み物を飲むということになるのです。

参照 「れいちぇ」
http://www.rache1.com/entry/tabenai-hitotachi





十和田湖で天の岩戸が開けられ、出現した大黒天様から、
うさぎの姿に変えられた私は、
出雲大社上空 3000M 驚愕の神霊界、大霊宮へ ・・・

そこで行われた神々の世界会議において、
正邪の戦いの宣戦布告といえる、
「 神裁きの三日間 」 に於ける掟の三ヶ条 が示されました。

 正神軍の武器は、主神に対する祈りのみ ・・・

 その正邪の決戦は結果、正神軍の大勝利となり、
 邪神軍とそれに同調した醜い魂を持つ人間の魂は断罪されました。

邪神アポフィスとその妻イングリッドは、
シリウスの 「嘆きの星」 という衛星になり、
ルシフェルと七人の部下達は、火星と木星の 「嘆きの星」 になりました。

 「嘆きの星」とは、魂を焼き尽くす業火を
  透明な球体に閉じ込めた星のことです。

  つまり、その業火の星の中心に、一人一人の魂が存在しているのです。

 激痛の中、徐々に業火で穢れた部分が浄化され、
 定められた刑期を終えると、美しき無の光となり、
 創造主という産みの親の元へ同化してゆくのです。

業火に入るほど穢れてはいないが、神への信仰心や霊的感覚が極端に乏しい、
動物レベルに堕ちた人間の魂は、火星か木星の内部世界へ転生しました。

 そこでの猿人の如き、
 ほとんど進化が許されない修行期間は、860億年です。

  100年足らずで、だらしなく音を上げている現代人には、
  耐え難い苦行となるでしょう。

  勿論、どの修行場にいても精進を重ねれば、
  魂のレベルアップは可能です。

ただ火星木星以外の星への転生は860億年不可能となります。

火星と木星には、宇宙連合という月の内部世界を本拠地とする組織から、
それぞれの星に、随時交代しながら1万人体制で管理しておられます。

 あなたが死後どのような転生先に行かれるのか知れませんが、
 天変地異が起これば、どうせ皆死ぬんだから、
 それまで好きなように生きるさ!

 などと思っている人間は例外なく、同じ低レベルの魂達と共に、
 「地獄の星」 「猿の惑星」 の如き、
 火星か木星への転生を余儀なくされるでしょう。

  自分の想像が現象化すれば本望なのでは?
  皆と一緒ならいいのでは?

   私はまっぴら御免ですね!

  まるで携帯やゲームの操り人形か、
  無知無関心人間と同じ星へ転生するなど、
  絶対に嫌なので、どんな神の試錬にも耐え抜き、
  アセンションを目指すのみです。

   例え現状がアセンション不可能であっても、
   目標が遠い高みになければ、
   それに見合った努力はしないでしょう!

  最低、故郷の星に帰還することができれば、
  アセンションのチャンスは幾らでもあるのです。

   人生は永遠の霊性進化の為にあります。

   神理の道を歩まない人間は、動物レベル同然なのです。

     苦言を呈するのはここまでと致しましょう ・・・



《 キャラクター&キャスト 》

 ( 主神一族 )

御爺様 ガチョン / 谷   〇
叔父様 オチョイ / 藤村  俊〇
お父様      / 北大路 欣〇
お母様      / 吉永 小百〇
お兄様      / 福山  雅〇
お姉様      / 香〇  唯 
スミレ      / 石原 さと〇
      
うさぞう ・ 信造 ・ 作者 ・ ナレーター : 伊藤 敦〇

     

 さて、ひと月の盛大なる祭りが終わりましたが、
 ここで問題が発生しました。

  あたくしはどうなるのでしょうか?
  ということです。

   困ったウサギがどうするのか?

     宇宙の謎を究明する?
     そりゃないでしょう!


(推奨BGM) 

ベートーヴェン - 交響曲 第7番 イ長調 Op.92

指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団

1962年3月
ベルリン イエス・キリスト教会

1 第1楽章 Poco Sostenuto-Vivace 0:00
2 第2楽章 Allegretto 11:26
3 第3楽章 Presto, assai meno presto 19:28
4 第4楽章 Allegro con brio 27:18

https://www.youtube.com/watch?v=B16Aj4GvNS8





  さて、夢のようでもあり現実のようでもある
  怒涛の日々が過ぎ去りましたが、
  一人? じゃなくて一羽のあたくし、
  うさぞうは未だにウサギの姿であります。

んん~~~? 一体どうすれば元の姿に戻れるんだろう ・・・

 ひと月と四日前、僕は自宅にいる時、
 突然意識は青森の十和田湖にありました。
 この物語の零地点であります。

零=ゼロ=0 は無ではなく、
A 地点B 地点 を繋ぐ役割を担っているのです。

数でいえば、-20~10~ 0 ~10~+20 
というようなことです。

1~9 の次に必ず を入れないと
十進法の数は続いて行けません。

つまりどのような出発地点があったとしても、
それ以前が存在しています。

過去と現在と未来の関係も同じこと ・・・ 
現在が ということだけです。

ただその 0 は一瞬で過ぎ去ります。

その 0 前後に1~9 が続き
10、11、12 とアップするのか、
はたまたダウンするのか? プラスかマイナスか? 

それとも上か下か? 神理の道か? 邪道の道か?    

 それが永久永遠に続いていき、廻っていく ・・・      

『 宇宙の謎に挑んでみよう! 』参照


《 宇宙根源の 「 生命の樹 」 の三柱に記された三ヶ条!》

一、どこまでも広がる白い空間の中に光の粒子が 
  所狭しと ひしめき合っていた

二、宇宙には 始まりも終わりも存在しない
  あらゆるすべてが 永久永遠に循環している

三、創造主とは誰あろうそれは あなたの永遠課題として
  あなたの魂意識に 遺伝子の中に 眠ったままである  
    


第二ヶ条の、 

「 宇宙には 始まりも終わりも存在しない
 あらゆるすべてが 永久永遠に循環している 」

  この謎は実に興味深いものがあります。

 私が思うに、自分の存在は
 「零=ゼロ=0=霊=レイ=現在」 に相当すると思います。

 どう時間が動こうが、
 自分の時間は常に ゼロ=零=霊 であると思います!

仮に、自分の肉体が死んだとします。

その瞬間は、ゼロであったかもしれませんが、
それは、単に分岐点で、肉体と魂が分離したに過ぎず、
それぞれは時間が経過していく・・・

肉体は、腐敗していくか、或いは火葬されるか ・・・

魂は、己の意志で選択をしなければなりません。
魂は、霊=レイ=0、の状態を保ったまま、先を進んでいくのです。

宇宙根源の生命の樹を上に登るのか? 
堕落を貪り真っ逆さまに下るのか?


 おそらく、生命の樹の枝の先と根っこの先は、
 美しい弧を描いて繋がっているのでしょう。


 永久永遠に循環しているとは、
 そのような宇宙の形を連想させます。

あらゆるすべて ・・・ 時も同じく当てはまるのであれば、
生命体の魂の寿命も永遠!

 宇宙で最も小さな創造主である人間の魂には、
 選ぶ自由が与えられています。

ただ、その自覚のある魂ならば、
迷わず上に続く神理の道を歩むべきです!


 救いの光に背を向け闇に向かう者は、
 愚かの極みと言わざるを得ません!


あ、それでこの物語の零地点のことですが、あそこに戻れなければ、
私のこの姿も元に戻れないと思うのですが ・・・

きっと、間違いなく零地点に係わる重要人物はスミレ様、
そして最終的なウサギの姿に変身させた大黒天様であると ・・・ ?

 パチパチパチパチ パッチンパッチン!!!

   あああ、お出ましで御座います!


《 お見事な推理で御座いますわ!

あなたの独り言を聞かせて頂きましたが ・・・

お父様が提示した謎掛けの答え ・・・
仮説を幾つか上げておられましたが ・・・・

正解かどうかは御自分で検証なさることですわ、
永遠の神理の道を辿ってね。ほほほほ ・・・

あ、そうそう、人類に与えた課題の一つ、
素数の謎 を解くことも忘れずにね! うふふふ ・・・ 》


《 そうじゃそうじゃ、スミレお嬢様のおっしゃる通り!

亀並の速さでも構わんが、
確実に一歩一歩前進することを宗とすることじゃ!
決して怠けて居眠りなどせんことじゃな。

 ぶわっはっはっはっはあ!!!


 「 ははあ、肝に銘じまする!

  ああ、あのところで、
  私はこの先どうすればよろしいのでしょう?》


《 あのね、細かいところは気にしないで、
 この次元に留まればいいのよ!

この次元でさえ、時は永遠に廻っていくわ。
あなたもあたくしも大黒天殿も永遠に年を取らずにね!

面白いわよねぇ! 一人一人の想像の世界って、
 ねえ、小さな創造主殿! おほほほほ ・・・ 》


 「 そ、そうおっしゃいますれば、そうですが ・・・ 」


  そうだ! 閃いた!! 

 素数の謎とは、漠然としたものですが ・・・

ランダムに配列する素数は、
各次元を繋ぐ接着剤のような働きがあるのではないかと ・・・

 ゼロが、1~9を繋ぐ役割を担っているように、
 素数もそれに似た働きがあるかもしれません。

きっと、平面的に捉えていては
明確な答えは見い出せないと思うのです。

また 「数霊学」
「カバラの数秘術」
も駆使する必要があると思います。

数多の数学者がこの謎に挑んでは挫折し、身を滅ぼしたそうですが、
宇宙の全次元的、特に霊的な部分を無視しては解けないでしょう!

  因みに、素数とは何か知らない方へ ・・・ 素数2357
                 https://2357.aimary.com/


《 あらあら、勉強熱心ですこと ・・・
 では、我等は最奥に帰りますがぁ、見たいであろう最奥を ・・・
 此度の褒美として見せるだけなら構わないぞよ。》


《 おう、おぬしは運がいいのう。わしは今日だけ招かれておるのじゃ。
 最奥とは、それは美の極致の世界だから、お見せして頂きなさい。》


 「 は、それは願ってもないことに御座いますが、
  私はどうすれば宜しいのでしょう?」


《 それは何も心配ない。
 汝の脳裏に映像と音声を送信するだけの事。
 ですから目を瞑っていなさい。宜しいかしら。》


 「 はは、畏まりました。ありがとうございます。」



  私は目を瞑りました。

  一体どうなるのでしょう?

まず、私の脳裏に映って来たのは、星も疎らな宇宙空間です。
そこにスミレ様と大黒天様が佇んでおられます。

次にスミレ様の仰せになられたことは、実に妙であります。


   《 御父様、御目を開けて下さいな。》


な、何でしょう? ええッ、宇宙空間が横一直線に光が走り ・・・

    う、宇宙が割れました?

  扉というか光の真中心から閃光が走り、
  その光が宇宙全体に広がっていきます。

    まるで宇宙の夜明けのようだ。

  むむ、その光が ・・・ 次第に弱まり、
  あれっ ・・・ 何か光の先に映像が見えます。

花畑のような美しい草原に、
揺れる木々や色とりどりの蝶や野鳥が飛び交っています。

何とも心洗われるような美しい光景が拡がっています。
ただ、それは宇宙空間に出現した光の中の光景であります。

  えっ、不思議なことに大黒天様が左隣に見えます。


   《 スミレ御嬢様からお先にどうぞ。》

   《 ありがとう。では、ほ~~~い。》


ええっ、次の瞬間その光の草原に吸い込まれて行きました。
あれ、私の視線が光の中に同化していくような感覚を覚えました。

 まさか私の視線自体がスミレ様の視線になっているのか?

た、ただ・・・視線の先には何故かもうお一人のスミレ様が?
それで、ええ~~スミレ様と合体したような感覚が・・??  

 振り向くと、そこには主神様の御姿が ・・・?
 うう~~なんだろうこの感覚?

  な、何だ!

その主神様の左目から小さな光が飛び出して来たと想ったら、
左隣に大黒天様の御姿が ・・・ どうなってるんだ???


《 大儀であったな。まあ座りなさい。
 大節は過ぎたが、まだまだこれからが本番じゃ。
 ははは、その前に一服致そう。》

   主神様が、お楽しそうに仰せになりました。

《 はい、御父様 ・・・ るんるんるんる~ん♪》  

   スミレ様 はルンルンです。

《 しかし、見事な桜に梅の花で御座いますなあ ・・・
 おお、済まんなぁ。もうそれ位で良いぞ。
 造美もどうじゃ一献。》

   大黒天様のお隣は、奥様なのか? 
   何ともお美しい女神が ・・・

《 頂きますわ。此度はお疲れ様でした。》  

   実に仲睦まじい光景で御座います。

 主神様のお隣には奥様と思しき神様に、
 ガチョン様?らしき神様におちょい様。

アコースティックギターで弾き語りをしておられるお兄様?
そして、ハープを奏でるお姉様? らしき御姿が御座います。

  それに周囲には六大神の皆様そしてその奥様方が ・・・

   それにしても一体どうなっているのか?


《 あら、これはね、あなたの推測通り、
 今見えている光景は私の脳の視覚野を通した映像そのものなの。

 それに地球に存在した私の姿は、
 この最奥から私の意識を御父様の宇宙に
 送り込んでいただけのことなの。
 たまにそうしてるわ。

 私の姿なんていうのも実は、単なる映像そのもの、
 単なる分身なのよ。
 本体はいつもこの最奥にあるわ。

 御爺様も叔父様もそうしていたのよ、分かった?》

   「 は、はい。」


  凄過ぎて着いてゆけない。

それで、皆様方の前には巨大な満開の桜が数十万本、
しかも色は様々・・・

中には梅の木も多数混じっております。

 その奥には何と富士山と瓜二つの山が聳え立ち、
  その裾野両端から連なるのは ・・・

  たぶん、ヒマラヤ山脈かアルプス山脈が~、
 偉大な神々を取り囲んでいるのであります。

富士山の手前には美しい湖が逆さ富士を映し出し、
そこから流れ出た五十鈴川と思しき川が、
優美な鈴の音色のようなせせらぎを奏でているのです。

 辺りには暖かな風に乗り、芳しい花の香りが充満しています。
 そして野鳥の美しい囀りが響いております。

そこで神々は和風の長椅子に腰掛られ、
お酒を酌み交わし優雅な花見の真っ最中で御座いました。

何ともこの上なく風流な空間で御座います。
この場に居合わせれば、誰しも言葉を失うでありましょう。

 私はその夢見心地の中にありながら、
 まだ頭の整理が付きません。


 ・・・ 宇宙の扉は縦に開いた。

   まさか主神様の御目のことなのか?

 主神様の瞼が開いたら最奥? なのか ・・・ 
 この楽園の世界。

いやっ、その前に問題なのは、
瞼という扉の内部に存在するのが宇宙ということになれば ・・・

つまり宇宙全次元そのものが、
主神様の脳裏に想像した世界ということになりはしないだろうか?

  気になる記述は「竹内文書」にありました。

 創造主は光すら無く 『 意志 』 のみの存在であると ・・・
 それを 隠身神 (カクリミシン) と言います。

最高次元界 「最奥」の神であらせられる主神様が、
意志のみの存在であれば御姿は特定出来ません。


Kさん によれば、宇宙根源の 「生命の樹」 の次元領域は、
西暦 2010年 2月の時点で、以下にまで上昇しています。

  物質-非物質次元領域 = 1872.1次元領域
  霊的次元領域 = 3242.1次元領域


ただ、この領域が
「最奥」 と同じ領域と言えるかどうかは分かりません。

因みに、全宇宙で最高峰に位置している 「ひまわり銀河」 が、
西暦 2010年 2月の時点で、到達している領域が、

  物質-非物質次元領域 = 984.1次元領域
  霊的次元領域 = 1253.1次元領域

地球の表層上の領域は以下にまで上昇しています。

  物質次元領域 = 4.1次元領域~4.9次元領域
  霊的次元領域 = 5.0次元領域 (幽界のこと)


このように、「生命の樹」 と、銀河や星の次元領域は、
想像し難いほどの開きがあります。


私が現在、スミレ様の目を通して見ている世界は、
それは正しく宇宙の外で、
どれほどの次元領域であるのか見当もつきません。

また、創造主の御姿は、人型 ( ヒューマノイド )であると思われます。

全宇宙の生命体の形態は以下の通りですが ・・・

  異形種型生命体 = 96% 
  ( 龍、昆虫、魚、動物、人魚、その他 )

  ヒューマノイド型生命体 = 4%


世界天皇であらせられる日本の天皇家は、
「万世一系システム」 が代々続いております。

  「万世一系システム」 とは、

  “ 宇宙根源の 「 生命の樹 」 から連なる、
   正統的な魂の系統を繋ぐもの ” 
です。

その天皇家の魂が
どの星から転生してくるかといえば、シリウスA です。

シリウス星系内の人々は、
地球人と変わり映えのない容姿であるとのことです。

その他に、異種の生命体たちと、
ひしめき合うように暮らしているとのこと ・・・

 以上を踏まえれば、
 創造主の御姿は人型であると考えて差し支えないでしょう。

さて、創造主のお姿とは ・・・

以下は、Kさんによる情報です。


「皇祖皇太神宮」の御祭神
は、

天地身一大神(あめつち まひとつの おおかみ)さん

元無極體主王大御神(もとふみ くらいみぬし おおかみ)さん
天国竈大神(てんごく かまどの おおかみ)さん
皇祖皇太神(すめおや すめら おおたましい おおかみ)さん
別祖大神(とこおや おおたましい おおかみ)さん
神国御廟命大神(しんこく みたま みことの おおかみ)さん
神明三十日明大神(かみあかり みそ ひまもり おおかみ)さん
日月人風光主大神(ひつき ほおひの おおかみ)さん

以上、8柱によって成っています。
これは、数霊「8」で、そのまま “ 弥勒の世へ向かう弥栄 ” を表しています。

『竹内文書』に書かれている古代天皇家の系図を観ますと、
元無極體主王大御神さんが、一番最初に書かれてあります。


しかし、そのさらに上に、それよりも前に、天地身一大神さんが降りて来たという流れがあります。

これは、「万世一系システム」の中に書かれてありますが、
念のために、全宇宙の最高峰に位置している、
ひまわり銀河内に存在するアカシック・レコードを観てみますと、
この神々は、ヒューマノイド型生命体であり、
“ その原型となる先祖である ” という記述があります。

また、上記の御祭神、8柱の神々はすべて、ヒューマノイド型生命体です。


天地創造を表すために、このような名称となっており、
ひまわり銀河では、別の異なる名称がありますが、このブログ上では非公開です。

この神々が存在していたのは、
地球物質界の時間軸で換算して、約3000億年以上も前からのことです。

つまり、天上界の神々とは、または、古代天皇家とは、完全なる宇宙種族たちであり、
何らかの想像や、喩え話の世界ではないのです。


以上抜粋終わり ・・・


創造主のお姿は、ヒューマノイド型生命体であるとのことです。

しかも、創造主とされる神以前にも、
天地身一大神(あめつち まひとつの おおかみ)様がいらしたとも ・・・


ということは、創造主という称号は、天地身一大神様にあるのかどうか?

 ムムムのむむうムウ、謎だ! なんてこったい ・・・
 やっぱり人間レベルじゃ理解不能です。


  さあさあ、ますます混乱してきましたが、
  創造主のお姿は人型なのは確かなようです。

 ですから、神の姿を見たければ鏡を見ればいい訳です。

例え気に入らない姿でも、そこに映っているのは神の姿であります。
それを見て、神や親に不平不満を言ったら無礼というものです。

結局はあなたの魂の実相が物質化しただけのことです。
誰も恨めないのです。

 気に入らないから整形するなど愚の骨頂!

ただ当然、異種の動物、昆虫形態の可能性は大きいですが、
文句を言わないことです。同じ仲間に失礼です。

神社の御神体は、鏡であることが多いのですが、
参拝した時に拝殿の前に立てば、
鏡に自分の姿が映ることになります。

 そこで神の子であるということを確認し、
 鏡の奥におられる神様に祈りを捧げる。

  その為、神社の御神体は鏡なのです。

 そんなことは、宮司は知らないかもしれませんが ・・・


姿はともかく、想像という能力は主神と同じという事実。

 したがって、その想像の世界では神の如き自由があり、
 様々な分野の設計構築が可能であり、
 それを元に実際の物質を加工して文明を築ける訳であります。

その為に与えられた器用な十本の指なのです。

主神様の脳裏に全次元があるのなら、
まさにとてつもない神霊力であり、
それが故の頂点の「創造主」 の
称号をお持ちなのであると実感出来る訳であります。

本当にそうであれば、
宇宙の形など人間に分かろう筈も御座いません。

 唯物主義者なら尚更のことであります。
 探れば探るほど謎が増すだけです。

だいたい自分の想像した世界の形ですら
見当が付かないのですから ・・・

 あ~ただ一つ、
「超図解」竹内文書 に示された
『 言霊還元帰一の図 』 が御座いますが ・・・

この図形こそ、
世界で最も美しい全次元宇宙を現した図形であると思います。

是非一度じっくり御覧頂きたいもので御座います。


  ああ、段々視界に光が溢れ、
  宇宙の扉、主神様の御目が閉じてゆきます。

 直に光は消え、私の視線は主神様の宇宙に戻ったのです。


《 どう、面白かったでしょう。ウサギ形態の創造主さん。
 神理の道を力強く歩むのよ! ではさようなら、じゃあね~~。》


 「 はは、ありがとうございました。 
  スミレ様、身に余る光栄でした。
  今後も最期までアセンションを諦めずに精進致します。」


ああ、スミレ様の言霊はもうお聞きすることはないのだろうか?
ただ ・・・ 前進あるのみだな。

現在も未来に於いても、
宇宙全次元は神の愛と光に満ち溢れている。
そしていずれ死は訪れる。

  その瞬間に人は別世界を目にするのです。
    どんな世界が広がるのだろう。 

   私は楽しみでなりません。

   せめてもの故郷の星への帰還は、最低線の願いであります。

  どのような転生だとしても、
  新たな修行が始まり廻っていくのです! 永遠に ・・・ 



 今まで読者の皆様には大変お世話になり、
 本当にありがとうございました。

最初からの読者がどれほどおられるかは知れませんが、
途中からの読者の方は、是非初めからお読み下さい。

また多くの人に対して辛辣な言葉を使いましたことを、
深くお詫び申し上げます。お許しください。

今後は、序盤の文書構成を、納得いくように修正する予定です。

小説の執筆は、この一作のみです。

ご感想ご意見などがあれば、遠慮なくお寄せください。
お待ちしております。


ところで、正邪の最終決戦と謳っておきながら、
実はシリウス文明が始まってから、3000年後には、
二ビルのアヌンナキとの戦いは本格的に始まりますので、
最終という表現は矛盾してしまいます。

その辺は目を瞑ってください。悪しからず。
他にも矛盾点があるかもしれませんが御了承ください。

また現時点に於いて、地球が非常に危機的状態であることは、
言うまでもありませんが、
地球規模の大浄化が本格的に始動するきっかけとなるのは、
富士山の噴火と、ベテルギウスの爆発になります。

富士山の噴火は、南海トラフの三連動地震が引き金になるようです。
それに合わせてベテルギウスを爆発させるというのが、
神の御計画なのかもしれません。

 我等は、ただひたすらお詫びと感謝、
 そして出来うる限りの霊的準備をして、
 その時を待つのみですね!


  では皆さん、さようなら~~~!
  死んでもお元気で~~!

転生先が同じ人は、きっと会えると思いますから、
その時はよろしく~~~!!!

  ええ~~~、アセンションじゃないの?
  アセンションじゃ?

いやでも時間なさ過ぎて無理じゃ ・・・

  最期まで諦めないんじゃないの?

おっしゃる通りですね。内なる声さんごめんなさい!
諦めません!


  あっ、独り言です ・・・・






《 最終章 》 〈 第十一話 〉 真の祭り

2019年02月10日 09時31分59秒 | 小説



 《 キャラクター&キャスト 》

( 主神一族 )

御爺様 ガチョン / 谷   〇
叔父様 オチョイ / 藤村 俊〇
お父様 創造主=主神=生命の樹=チョンの神
         / 北大路 欣〇
お母様 ーーーーーー 吉永 小百〇
お兄様 ーーーーーー 福山  雅〇
お姉様 ーーーーーー 香〇  唯 
スミレ ーーーーーー 石原 さと〇

氏 神 スプリングフィールド / ジャン ・ レ〇
湖 神 ナセル / キャサリン ・ ゼータ ・ ジョーン〇
うさぞう 信造 作者 ナレーター / 伊藤 敦〇
 


   ( 推奨BGM ) 

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲

セレナード第十三番 ト長調 K.五百二十五
『 アイネ・クライネ・ナハトムジーク 』 

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

1965年8月19~21日
サンモリッツ サル・ヴィクトリア

1 第1楽章:Allegro 0:00
2 第2楽章:Romance. Andante 5:22
3 第3楽章:Minuetto. Allegretto 10:53
4 第4楽章:Rondò. Allegro 13:16


https://www.youtube.com/watch?v=v5eS_0pQZ_A  

 モーツァルトって天才過ぎて、
 どうも私は今ひとつ好きになれません。

 この曲のどの楽章にしても、完璧な美しさがあり、
 聞き惚れてしまいます。
 しかし嫉妬のような感情が僅かにあるのは確かです。

 それは、私が最も好きな作曲家であるベートーヴェンよりも、
 才能が上だと思えてしまうからなのです。  

 ただ何回聞いても溜息が出ます。
 モーツァルトさん、あなたは本当に凄い! 







     暫くすると、サアッ、と雲が消えていきます。


    そして快晴の空が戻って来ました。

   と思ったら、「 次 元 晶 」 での地獄界の映像が消えた代わりに、
  先程のような虹に野鳥や昆虫達、
精霊が飛び交う様が映し出されております。

 ああ、神議り場にあった球庭までもが ・・・

  そ、それに川か滝なのか、どっちか分かりませんが、
   螺旋状に流れる滝が大穴を貫き、えっ、廻っている?

   地球の裏側で反転して戻って、表側と繋がった。

ああ~~凄過ぎ!! ・・・ DNA二重螺旋の意味でしょうか?

 次に出現したものは、
  この大穴中心の最上部に映し出された、
   天上界の神々と天使の交響楽団と合唱団なのです。

   この演奏会場は、
  色鮮やかな花畑に囲まれた円形の丘陵地帯の中心に御座います。

何と言う極楽浄土かエデンの園そのものの世界。

そんでもって、おお~遂に、あの神議り場中心部にあった、
玉子型雛壇議長席が出現致しました。

当然頂上の議長席には主神様の御姿が、
そして天神六大神の皆様が勢揃いで御座います。

  この議長席というより、
  今現在は会議ではないので主祭席とでもしておきましょう。
  その主祭席は演奏会場よりも斜め上に浮遊しております。

 太陽神人、シリウス神人を始めとする天上界の神々の皆様、
十二神将様、閻魔大王様、火之夜芸様、
そして各光玉の守護神の皆々様は浮遊席にお乗りになり、
主祭席の下に御整列されております。       

 それと四大天使の皆様もその下に加わりました。

 主祭席の周囲等間隔に点在する各光玉の群衆達は、
 この壮観で圧倒的光景に言葉を失っております。

そして邪神軍など赤子同然であることも、
一目で理解出来たので御座います。

今回の正神軍大勝利の立役者たる七大聖者は人の姿に戻り、
神の光輪から出て参りました。

 皆それぞれの光玉に戻る許可が出されたのです。

  それに伴い、光玉の聖者も地上に降りて参りました。
   皆、大歓声で迎えられています。

    拳三とマーフィー、かすみに犬四郎?
    犬四郎は ・・・まさか青年の姿に!

     人の 「 霊成型(ひながた)」 に戻れたのか?

     ただ当然、かすみに犬四郎は幽霊の姿であります。

    それでも皆で抱き合って喜んでいます。

   剣三郎にミツエ、エミリーにミランダも感涙に咽び泣き、
  お互いの健闘を讃え合っている ・・・ 本当に良かった。


《 犬四郎は特別じゃ。
  動物に堕ちた者は大抵数百年は許されるものではない。
   だが、皆良くやってくれた。実に見事じゃ。》

《 本当に良く耐えて、神の期待に応えてくれました。
  素晴らしいですわ。》


  ブライトホルン様と早池峰様は、
   御自分も楽団員ということで演奏会場に戻られました。

   ああ、お名残り惜しいです。

   ただ、スプリングフィールド様とナセル様は
  既に任を解かれておりましたが、
 私にお付き合い下さるそうで残られました。
ありがたいことです。

演奏会場には勿論、おちょい様にスミレ様の勇姿も御座います。

そのスミレ様は三角錐に近い丘陵の頂上でタクトを持たれ、
演奏再開をお待ちです。

 ただ、このステージの演奏者は、
 スミレ様を中心として扇状に段々下に広がる体形であります。

おちょい様の合唱団は、スミレ様とは背中合わせで反対側に、
同じく扇状の体形になっています。

この体形は通常の逆の発想であります。

指揮者や演奏者には問題ありませんが、
 この場合は聴衆が聞き辛くなります。

  しかし、そこは霊界の話だけに
  音霊の波動が聴衆に届けば問題無しで御座います。

  それに主神が下になるなど言語道断ということです。
  三角の頂点は主神が鎮座される場所で御座います。

  そこから下々に主神の大愛が降ろされ、
  逆に下からは神の子の愛で上に吹き上げるという形が、
 「神護目 =カゴメ」 の紋章であり 「ダビデの星」 なのです。

 二つの正三角形の両方が上下重なり合って初めて、
理想の神十字文明が築けるので御座います。


つまりは、「イルミナティー」や「フリーメーソン」の
ピラミッド型の思想である、世界の頂点を極めた権力者が、
下々の人間を力で支配するというものは、
宇宙初発から連綿と続く、神々の世界にしか通用しないものであります。

そこには、大いなる愛と秩序だった法則が必要不可欠になります。


ただ神々に逆向して、邪悪な願望を満たそうとするのが、
 現存する邪神に操られた
 イルミナティーやフリーメーソンであるという訳です。

 「 カバラの数秘術 」 という神の秘宝も悪用して
 世界征服を目論んでいるのです。

それは大まかには達成されておりますが ・・・

悪の欲望は留まる所を知りませんから、
これからもエスカレートするのですが、
そこは百も承知の神々ですから、
今後は完全にストップされるということです。

  「神裁きの世」 というのはそういうことです。



   ああっ、スミレ様のお帽子の頂上部分の玉の上におわしますのは、
   ベニヒワ様で御座います。

   こちらにいらしたのですねェ ・・・

   一番控えめな御姿なのに一番頂点におられるとは、
  余程の御神格がお在りと存じます。


《 むふふ、そのと~~りじゃ。
  わしは主神の父じゃ。

   名はガチョンじゃ。憶えておくが良い。
    いや忘れよ。ほほほほほ~~い! 》


  いやあ、そうで御座いましたか、納得致しましたって、
   あの場から思念波が届きました。

     ああ~ビックリです。


《 うふふ、ついでだけども ・・・

 御爺様ったら三つの宇宙を同時にコントロールできるのよ。
 凄いでしょう。そのまたついでに叔父様は二つよ。

あたくしはぁ~~、まだまだ形になっていないのよねぇ ・・・

もう、創作意欲満々になってきたから、最奥に帰ったらがんばらなきゃ。
 じゃあね~。 

  あ、も一つついでに最奥には、
 お母様とお兄様とお姉様がお留守番しているの。むふっ。》


   あああ、ありがとうございました。

   スミレ様 ・・・ なんという事実だ。
   複数の宇宙を同時に制御するなど ・・・???


  「 お聞きになられました?」


《 聞いたわい。ガチョン様とは、で、伝説の主神と崇めれたお方じゃ。
 あ、そうじゃ。わしの龍体の止まり木の角は、そのままにしておこう。
 ありがたや~ありがたや~、もう最高じゃ、光栄じゃ。

 円座になって良かったわい。ありがとうございました。
 スミレ様。ガチョン様。 お~いおい ・・ おい ・ おうう ・・》


《 あらあら、よほど嬉しかったのですね。あたくしも同感ですわ。
 止まり木用にベニ様バージョンのぬいぐるみを進呈致しましょうぞ。
 は~~い。》


《 なんじゃ。これは良く出来ておるぞ。
 そっくりじゃ。いや~嬉しいのお。おぬしはやはり偉大な女神じゃ。
 しかし、チュウチュウ言うのも可愛らしかったな。ははは ・・・
 おお、こんなことをしている場合ではないぞ。始まる始まる。》


   ああっ、司会者の神流様が
   満面の笑みを浮かべ高らかに御声が響きました。


《 お集まりの主神様を始めとした神々と神の子人の皆様。
 も~う私は興奮を抑え切れません!

  遂に、つぅ~いにこの日を迎えることが出来ました。

 シリウス文明、そして神十字文明の夜明けを、
 こうして光り輝く魂をお持ちの皆様と喜びを分ち合う、
 何と言う幸福感に充実感に達成感!

  これ以上の幸せは御座いません!

 これも一重に、
 主神様の大愛なる御心があってこそ味わえるので御座います。

さあ、この全次元界、宇宙の真中心の神、
主神様に対し盛大なる拍手を御願い致します!!


((( おおおおおおおおおおお~~~~!!!)))


  この大きな空間に、とてつもない万雷の拍手、
   そして歓喜の波動と言霊が響き亘ります。

  その場でお立ちの主神様が御手を振られます。
   感極まって涙しておられます。

  皆、感涙に咽び我を忘れ、歓喜に陶酔しております。
   その大歓声は暫く続きました。    

    ここでは司会者は止めませんでした。

   頃合を見計らって、司会者が動きました。


《 皆様、真にありがとうございます。
 では、主神様から御言葉を賜ります。》


  主神様は震える手を握り締め、力強く仰せになりました。


我が全家族よ。良くやってくれた。

  見事と言うより他無い!


三日以上の難行苦行。それは厳しく感じたに違いない。
しかし全ては我が天意と受け取り、
力を合わせ不屈の精神で乗り越えてくれた。

 その我が子の愛、しかとこの胸に響いて参った。
  皆、ありがとう。心から礼を申すぞ。

  汝等は神の子の誇りを取り戻したのだ。

そして我を親として認め実感することが出来た。
ようやく我等親子は本来の生活に戻れるのだ ・・・

さて、その生活の場であるが、
実はこの地球と月と太陽は、これよりシリウス星系へ瞬間移動させる。
 他の惑星は翌年の1月1日になる。

  もうその準備は万端!

  フォトンベルトという次元転移装置を、太陽系ごと潜れば、
 そこに広がるのはシリウス星系となるのじゃ!

果たしてそんなことが可能か否か?
我が制御するのじゃ、心配無用であるぞ。

皆、我と意志を一つにする為、オウムと連呼するのじゃ!
 さあ、我に続くがよい!

   では参るぞ!

    オウム、オウム、オウム ・・・ 》


   興奮を抑えつつ、宇宙の聖音オウムを皆で連呼しています。

 すると辺りが眩い光に満ちていきます。
その光は、一人一人の全身全霊に溶け込み、
更には、全ての神々と神の子人との隔たりをも溶かしていくようです。

宇宙はこの時、同化融合したのです。

フォトンベルトという光の輪をくぐる感覚は、
 生命誕生の瞬間に似ているのかもしれません。

 生まれ変わる太陽系の全惑星の姿は、
 きっと以前より遥かに輝いていることでしょう!

五連星であるシリウス星系の父星、
母星とも言うべき星の住人の皆様の、
歓迎の声が魂に響いてきています。

  とうとうシリウス星系に到着した模様です。

    ここで、主神様の御声が響いてきました。


《 さあ、ようやくシリウス星系に到着したぞ!

待ちに待ったこの瞬間を共に分かち合えるのは、
感慨深いものだなぁ ・・・

 皆の魂が光輝いておるぞ。よく付いて来てくれた。

 では本日を新聖紀元年とし、
 正神そして神の子人が協力し合っての、
 シリウス文明、神十字文明をこの領域に築くのだぁ~~!!!



 ((( おおおおおおおおおお~~~~~!!! )))


《 うむ、ありがとう、はっはっは ・・・

 ところで、気付いている者がいるだろうが、
もう人と人の間での思念波は通じないよう封印は戻した。

それに魂というチャクラの光も見えない。
それは、要らぬ責め裁きを生まぬ為だ。

ただ、これからの一月間は先祖との交信だけは許そう。
お互い執着の無いよう絆を強めるのだ・・・

 しかしだ、
 自力で霊能力の復活をしてもらわなければいかんぞ!

 さて、これから一月間、
新聖紀元年を記念し、祭りを開催しよう ・・・

真の祭りじゃあ。本来の祭りをするのじゃあ。
わしも皆と一緒に楽しみたいのだ。

親子水入らず存分に楽しもうぞぉ。
酒も振舞おう。 御馳走も出すぞぉ。

  うわっはっはっはぁ~!



  ((( おおおおおおおおおお~~~~~~~!! )))


  いやあ、こりゃあ凄い。疲れも吹っ飛ぶぞぉ、やったあ。


《 さて、その前にスミレに叔父上。そして八百万の神々よ。
  新聖紀元年に相応しい演奏の方宜しく頼みましたぞ。
   それに人の皆も練習の成果を見せてくれ。》


  ((( ははぁ~~!!!!! )))



《 では、これよりベートーヴェンの交響曲第九番、
  第四楽章部分から演奏をさせて頂きます。
   皆様、宜しくお願いを申し上げます。》


   おお、ソリスト男女四名の美しき神がお出ましです。
  そしてスミレ様のタクトが振り下ろされました。



      ( BGM ) 

 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
 交響曲 第九番 ニ短調 作品 百二十五 『 合唱 』 第四楽章

   カラヤン&ベルリンフィル    ( 43分より )

(320) ベートーヴェン - 交響曲 第9番 ニ短調 Op.125《合唱》 カラヤン ベルリンフィル 1962 (日本語訳付き) - YouTube

 


        



    壮大なる神々による演奏に合唱。

   その歓喜の波動が全次元に響き亘ります。


  ここは私もトランペットで参加したいものですが、
  ここは我慢致しましょう。


《 なんじゃ、吹けるのか?》

「 はい、高校の部活で少々しておりましたので ・・・」

《 はい、ではこれで吹いて見せて頂戴な。》

「 あ、これは黄金のトランペットですね。凄い。

  いや~~そうおっしゃられましても、
   まだ私はウサギで御座いますので無理なんです。

   唇がどうもいけません。 前歯がマウスピースにぶつかりますし、
  それに前足の指では如何せんバルブ操作ができません。」

《 あ、そういえばそうじゃ。ぶわっはっはっはあ ~~ !!

《 ごめんなさいね。うさちゃん。おほほほぉ ・・・》

「 あ、いえいえ。」


 ・・・ ぼくって、いつまでこのカッコなのかな?


  そんなこんなで歓喜神気の演奏会は終了し、
  新聖紀元年を祝う祭りが始まったので御座います。

  そこは我等も参加させて頂きました。

    役得役得ぅ、むふふ ・・・

  うわッ、このお酒うまうまうまぁ~~!
  この魚の甘辛煮なんてギョギョギョ~~ッ!
  キンメか何か? 美味すぎ~~!
  この美味しそうなお肉なにって? ・・・

    あ、あれっ、これは失礼致しました。



 さて、ひと月という長い祭りも、あっという間に過ぎ去り、
シリウス文明は実質的に動きだしました。

これを境に、地球内部世界アガルタへアセンションできる者と、
故郷の星への転生をされる者とが振り分けられました。

アセンションを果たした者は、
神の光玉内の人間と先祖の割合では2割超の人数でした。

 それ以外の人は、自分の魂の生まれ故郷に帰還したのです。
  彼等はアセンションを目指し、日々精進することとなりました。


   いずれの魂も希望と夢に胸を膨らませているのです。





 さて、如何でしたでしょうか?

太陽系がフォトンベルトを潜ると
シリウス星系に瞬間移動するということは、
定かではありません。

 あくまで私の発想であります。

  Kさんの情報には、どのような方法でシリウス星系に、
  移動するかは、以下の情報を参照してください。


「フォトン・ベルト」は、地球には、西暦2012年12月には到達する予定です。
「フォトン・ベルト」の役割というものは、
「teleportation」(瞬間移動)する際の、
最終的な「coating」(表面を覆う)作業といったところです。
大規模なフォトン(光子)で「coating」を行ない、
「teleportation」(瞬間移動)する際に、ネガティヴ・エネルギーから、
完全に、惑星の身を守るという作業です。


  『 そこに付随した情報 ・・・』


その最終リミットは、西暦2012年12月21日です。

翌日の12月22日(冬至の日)には、
太陽と月と地球のみが、テレポーテーション(瞬間移動)します。

このとき、太陽と月と地球の3つの星は、
一旦、天の川銀河系星雲・太陽系から離れます。

太陽と月と地球のテレポーテーション先は、
シリウス星系の中心部です。

このときの、天の川銀河系星雲・太陽系から、
シリウス星系までのおおよその距離は、
約137億5785万9543km で、
テレポーテーションに掛かる所要運行時間は、
約3分を予定しています。

天の川銀河系星雲・太陽系内の他の惑星たちは、
その後、西暦2013年1月1日に、同様に、
シリウス星系の中心部にテレポーテーションを行ない、
そこで、先にテレポーテーションした、
太陽と月と地球の3つの星と合流する予定です。

ここで云う、テレポーテーション(瞬間移動)とは、
アセンション(次元上昇)のことです。


  以上です。


最終リミットから早6年ということになりますが、
その延期の期間はいつまでになるのでしょう?

神の大愛は人間の想像を超えています。

その延期の期間があってこそ、
魂の向上の修行が続けられるというものです。

深いお詫びと感謝をもって、その日を待ちましょう!


  さてさて、次回が最期のお話になります。

 「 最 奥 」ってどういう次元なんでしょうねェ ・・・
 どうやら、その次元をスミレ様が見せて下さるそうです。

みなさま、お楽しみに~~!



天の川見たいですよねェ ・・・

 私は一度も見たことがありません。

  昼夜を問わず、
   いつでも空の向こうには広がっているというのに ・・・

     死ぬまでに何とかして見たいと思っています。






《 最終章 》 〈 第十話 〉 断罪の儀( 後 編 )

2019年02月09日 12時49分13秒 | 小説




    全宇宙全次元の神の子が見守る中、
   主神様による直々の裁判が始まろうとしています。

  断罪される魂達の心中は察して余りあります。

  そして、止むなく裁かねばならない主神様の心中は、
   これもまた察することなどできません。

     果たして、どのような判決になるのでしょう?




         暫くして司会者の声が響きました。



         《  ・・・ 黙想終わります。

     只今より 『 断罪の儀 』 を執り行わさせて頂きます。

           卑しき邪神に邪霊共よ!
        これより主神様から直々のお言葉を賜る。

         表を上げ、心して聞くのだぁ!


          「「「 ははあ!!! 」」」


     主神様は静かに御目を開けられ、
 右手で黄金の飾り太刀 「 氷龍剣 」 をゆっくり抜き放たれました。


   その刃には、光輝くダイヤモンドダストが纏わり付いています。
      次にその切っ先を下にいる邪神夫婦に向けられました。

            そして御目からは炎の神気が放出しました!


         《 アポフィスにイングリッド!!

     汝等の所業不届き千万、神の風上にも置けぬ行いである。

        幾度とない我の愛情を無視し悪行を改めず、
     手下を利用し我が子等を極限まで穢し、弄び堕落させ、
       己の快楽の道具とした事は決して許し難い!

        まずは魂が生まれてからの全ての罪穢を、

       己の目で篤と確かめるがいい! 大黒天殿ぉ!


  ド迫力の言霊からは、炎の波動が発せられております。

    その凄まじい神気は邪神と邪霊達を更に震撼させました。

      そして大黒天様がその場に御起立され、
       頭上の主神様に会釈されると邪神に向かい、
        正しく鬼の形相で仰せになりました。


       《 堕天した者達には説明不要であろう!

  人の魂を持つ鶴と鮫、神の光玉で流星火矢を受けて亡くなった者、
         そして地獄の幽界の住人に告ぐ ・・・

         ただ、これは重要であることから、
     全宇宙の神の子も今一度、しっかり聞いて頂きたい!

    よいか、汝等には魂の産みの親である神が存在するのだ。
       それから転生を繰り返し今日に至った。

     過去世の記憶があれば修行にならない者が多い故、
         幽界で記憶を消す行をするのだ。

     これより過去世からの全ての罪状の記憶を呼び覚まし、
    己の醜い過去を見れば断罪されるは当然と思えるであろう。

           心して見るのだ!! 


           ( 推奨 BGM )

     フレデリック・ショパン作曲  『 エチュード 』 
   十二の練習曲 作品二十五 第十一番 イ短調 「 木枯らし 」 

        マウリツィオ・ポリーニ (ピアノ)







ざわめきが、困惑する波動が、悲鳴とも呻き声ともつかない声が、
 それぞれの魂から発せられています。


    幾度とない過去世の記憶とは ・・・

 これこそが 「 アカシック・レコード 」 と言われるものだろう。
果たして、過去にどんな恐ろしい罪状があったのだろう。


盗み、詐欺、堕落、怠惰、小さな嘘の積み重ね、暴力、、逆恨み、

妬み、嫉み、怨念、不平不満、情欲に溺れる、強姦、不倫、離婚、偽善、
殺人、自殺、子殺し、親殺し、動物殺し、裏切り行為、権力闘争、
そして戦争 ・・・

神利用、神盗人、神雇い信心 ・・・


 後、何が御座います? 限がありません。

   「 塵も積もれば山となる。」


叡智晶には、邪神アポフィスの過去が上映されています。

偉大な神であった頃の何とも凛々しい姿から、
妻を巻き込み次第に権勢欲から神の誇りと魂の輝きが失われ、
 堕落していく様が手に取るように伝わって参ります。

  堕天した後の転落振りは、目を覆うばかりです。

 同じく堕天したルシフェルを顎で扱き使い、
地上の神の子人を惑わせ争そわせ、
 清楚で美しいもの全てを穢そうとした姿。

  いいように神の子人は人間に堕ち、
  正気を失い神の存在すら忘れていく様は、
  余りに見苦しいものです。

 絶え間なく続くうめき声は、
息も絶え絶えとなり茫然自失となっているようです。

邪神夫婦と、邪霊達に鶴と亀の一部だった鮫、
 そして流星火矢を受け亡くなった者に、地獄界の住人達。

  その脳裏に見せられた地獄絵図から生み出されるものは、
   果たして失望か絶望か、それとも思考が消え去るか?

    現実逃避の技はもう使えません。
    無駄なのです。

   断罪止む無しの想いが固まった者が出始めております。


主神様による弾劾裁判。

 ぐうの音も出ない証拠を突きつけられれば、観念する他ありません。
  遠山の金さんの桜吹雪を見せつけられたような感覚と同じでしょう。

   人間には、この技は使えません。
    だから人を裁くなど許されないのです。

   ただし、現在警察が無くなり裁判も無くなれば
  犯罪者が喜ぶだけです。

欲望を制御出来ない人間だけでは収拾が付かないのであります。


さて、必要無くなった神と人の魂はどのように断罪されるのか、
しかと御覧下さい。

 人間と邪神では、天と地ほどの開きがあると思います。

  あなたもお考え下さい。


邪神と神の子人の魂に見せられた過去の記録という記憶。

断罪される人間の記憶は、
その同じ一族で、神の光玉内にいる人の魂に写されたようです。
皆、己の不甲斐なさを痛感しています。

 そう、同じ一族でも能力差や、
  魂の善徳と悪徳の差が出てしまいます。

    勤勉な者と、遊び惚ける者の違いが出て当然であります。
     そして、その積み重ねが大きく明暗を分けたのです。



    もう全ての記録映像の上映は終了した模様です。



     《 ・・・ 皆、ある程度は納得したようだな。

       不完全ではあるが、止むを得ん。

    こんな事で罪穢が積まれるのかと不満があって然りだ。
   それが分からないから罪人となり裁かれるのだからな。

  残念だが、汝等はもう使い道が無い。
 我が示した幸福への道を嫌い、
 自ら邪神の誘惑に乗り、邪道下道の道を歩んだ。

 それ故、地獄の業火に入る事となる。

  その下の火の道を通るとどうなるのか、

   まずは魂が焼かれた後の姿を見るがいい!!!


    そう仰せになると炎の神気が消え ・・・
   背後から主神様に眩い光が入り込んで来ているように見える。

 これは主神様が放射しているのではない。

何処からともなく背裏の部分に、ゆっくり光が差し込んでいるのだ。
主神様は意図的に見せておられるのでしょう。

これが魂が焼き尽くされ、
 光の根源である主神様に帰還する姿なのでしょう。
  何とも切なく美しい光景に見えます。

   御覧の皆様は、胸が締め付けられております。

  主神様は怒りの御目を閉じられ、
 深い悲哀の感情になり遊ばされたようで御座います。

涙がまた溢れ出ておられます。

地獄の業火は、またの名を 「ゲヘナの火」 とも言います。

醜く汚れた魂は、何百年も煮えくり返る火に炙られ、
 死ぬ事も出来ずに焼き尽くされるのを待つ他ありません。

  魂は水晶玉のように美しいそうですが、
   そこに汚れが付いて積み重なると本来の神の子の力、
   霊力が失われます。

   これを 「 罪穢=包み気枯れ 」
  つまり罪で魂が包まれ、
 気が枯れてしまうという意味合いがあるのです。

その状態が悪化すれば、
次は内部に汚れが浸透していくのではないかと思うのであります。

つまり、体の表面に付いた汚れは洗えば取れますが、
皮膚の中まで浸透するような汚れ、
例えば刺青等は皮膚を削り取る以外方法がありません。

また、魂の穢れは心と肉体にも影響し、
その汚れを取る為に病気という
「 ミソギハラヒ=身削ぎ開陽霊=清浄化 」 が必要になります。

 汚れ付いた曇りが心に作用すると悩み苦しみが、
 そして肉体に作用すると熱で患部の毒素を溶かして浄化するのです。


 共に痛み苦しみを伴います。

魂の曇りの多くは、
神を蔑ろにし他人を傷付けたことが原因であります。

ですからお詫びが先になければ、許され救われることはありません。
それに加えて、曇りを取って頂けることに感謝するのです。

 ところが逆に不平不満で悪想念を発すれば、
  浄化されるどころか更に曇りを積む結果になります。

   ましてや、単に上辺だけのお詫びに、
   薬で清浄化作用を止めるなど言語道断であります。

   更に霊力の低下、人としての能力の低下を加速させるだけです。

   ただ注意すべき点は、薬は悪ではなく、
  その効果と副作用をよく理解し、
 お詫びと感謝で飲ませて頂くことが大事であります。

それも必要最低限であります。

これを魂に置き換えれば、
外部は元より内部に浸透した曇りという汚れを削り取った場合、
本来の魂ではなくなってしまうのではないでしょうか?

 そんな歪んで醜い魂は使えない。
  故に焼き尽くす以外方法が無くなる。
  結論はそうなります。

 主神様の辛抱は桁違いと言われますが、
その辛抱が出来なくなるほどの罪穢を我々は積んだので御座います。

 故に、腐った文明ごと滅ぼされて当然であります。



    主神様の御目が静かに開かれました。

      そして炎の神気も戻りました。


《 ・・・ どうだ。

  今の光は汝等が辿る末路だ。美しい光だったであろう。
   現在の光は約千年をかけ魂が焼き尽くされた光なのだ。

    その光は絶え間なく還って来る。

   全く親不孝極まりない大馬鹿者、不届き者である。
  この我が子の不甲斐ない姿は常に見なければならない。

それが親である我の責務だ!
 どんな悪行を犯した者でも我が子だ!


   故に還れば涙で迎える。

    それしか出来ないからだ ・・・

    ただし、数千年では焼き付くせない魂が
    アポフィスにイングリッド、
   そしてルシフェルを筆頭とする八人の堕天使達である。

それ以外の部下達は一万年から十万年とする。
 当然悪魔の位が高い者ほど刑期は長くなる。

   それでも随分情状酌量した結果だ ・・・ 》


  悲鳴が辺りに響き亘ります。

 主神様は、ここで天を仰ぎ、更に表情が険しく成られました。

  そして鋭い眼光が光ります。


《 グリオス、ドルン、オルゴラン、バクスト、
  シアニード、フレッタの刑期は、
  平均五十万年、アンドラスタは五十五万年だ!

 汝等の断罪の場所は、火星と木星上空の宇宙空間に用意した。

それは、二つの星の上空 『 嘆きの星 』 で焼かれることになる。
 つまりは宇宙刑務所外 独房のようなものだ。

   この件に対しての異議申し立ては受け付けぬぞ! 》


    何てことだ、「 嘆きの星 」 とは ・・・ 
   火星と木星の静止衛星になるのか ・・・ ああ、憐れだ。


《 ・・・ 次に、ルシフェルの刑期は百万年だ!

  馬鹿者め。 ぬうう ・・・ 

   汝の 「 嘆きの星 」 は、火星上空だ。

   最期はアポフィスにイングリッド。
  汝等の刑期は ・・・ 五百万年だ。 戯けめぇ ・・・

アポフィスの 「 嘆きの星 」 は、シリウスA、アルメーラ、
 イングリッドは、シリウスB、ディジターリア だ。

  ただ、イングリッドは情状酌量の余地があると見て、
   一万年差し引くことにしよう ・・・ んん? 何だ。》


    邪神夫婦が何か言いたげだ。 きっとあのことだろう。
   必死の形相のアポフィスが ・・・ 意を決して話始めた。


【 ・・・ ああ、主神様。
  い、今までの数々なる御無礼、
   全ての罪穢を心からお詫び申し上げます!

  今となってはそのお詫びの証を立てることは叶わず、
我等夫婦に出来る事と言えば、
 部下達の罪穢を背負う事しか方法が御座いません!

  我等はその刑期の二倍でも三倍でも構いません。

   どうか、彼等にお慈悲を賜りたく、どうかぁ !・・・ 】


   これには、部下達も驚きを隠せないようだ。
  ただ、主神様は冷静に彼等の真意を御覧の様です。


《 そうか話は分かったが、言うは易し、成すは難しだぞ!
  我の目は節穴ではない。

   永きに亘り堕落し、
   淫らな行為を繰り返す汝等を見て参ったのだ。

  きっと一月もしたら、
 今言った事を後悔し嘆くことだろう。 違うかな? 》


【 恐れながら申し上げます。はっきり自信は御座いません。

  情けないことに怖くて、
   この通りぃ ・・・ ふっ、震えが止まりません。

  ですが、私も遥か太古の神の記憶が呼び覚まされ、
 主神様の子である誇りを取り戻すと共に、
この堕落した魂にすら、
主神様の天意が常に流れ込んでいることも感じております。

ですから私達は、無様に刑に服す姿を神の子人に永遠に見せ付け、
 己自信にも刻みたいのです。

  主神様の大愛を裏切った史上最も愚かな神であることを ・・・

  その罪を、妻と共に償わせて下さりませぇ! 


《 ・・・ で、イングリッドはどうだ。》


 【 はい、私も夫と同様の想いで御座います。
   もう何の執着も御座いません。

   私は誇り高い神として、己の犯した罪を償いたいのです。
  そうでなくては主神様と幾多の神々、
 そして部下達と神の子人に示しが付きません。
 その為にはどんな苦しみも厭いません。

 どうか部下達の罪穢を我等に上乗せして下さい。

  それが我等夫婦のケジメで御座います。

   何卒、お許し賜りたく慎みて御願い申し上げ奉りまするぅ。】


    主神様は思案に暮れておられる御様子 ・・・


《 ・・ そうか。そこまで申すのであれば汝等の願い、
   聞かぬでもない。

 こうしよう、刑の執行から百年たっても
 汝等夫婦の意思が変らぬようであれば、
 他の者の刑を百年短縮しよう。

  その後、百年ごとに吟味し、その都度百年短縮させよう。
   それでどうだ? 》


【 はは、在り難き幸せに存じます。
  ただ、我等の刑期の延長は如何ほどで御座いましょう?
   その部分には触れられておりませんが ・・・ 】


      アポフィスの言う通りです。 



    ( 推奨 BGM )  

  フレデリック・ショパン作曲
   ワルツ第9番  作品 69ー1 『 別れ 』 

    ウラディーミル・アシュケナージ (ピアノ)       







    主神様は、ギロリ! と、彼を睨まれました。



 《 それがどうしたぁ! 断罪などしたくないものを ・・・
  わしが定めた宇宙の法則を厳守する為、止む無く執行するだけだ。

 誰が好き好んでこんなことを ・・・ 全く馬鹿馬鹿しい!

  最期に神らしい言葉も聞けたことだし、わしは満足じゃ。
  これ以上聞くでない戯けめが ・・・》


     何という慈悲深き御心なのでしょう。
      これが大愛というものです。

      あ~痺れた。


【 ははぁ、あ、ありがとうございます。ありがとうございます。
  主神様、心より感謝御礼申し上げます。

   も、もう思い残すことは御座いませぬぅ、
    はあ ・・・ ぐうぅ ・・・ 】


     邪神夫婦は、涙で顔がグシャグシャであります。


《 まだ話は終わっておらぬぞ。

汝等の 『 嘆きの星 』 での刑期は、
 先程も申したが五百万年じゃ。五百万年じゃぞぉ。

  何という罪深さじゃ、戯けぇ ・・・

 ただなぁ、百年ごとの吟味の時、
一時間だけ業火を消し、夫婦間の思念波の交信を許そうではないか。

 会わせてはやれぬが、せめてもの情けじゃ。

  それと他の者たちにも
  百年ごとに一時間だけ業火を消してやろう。

それぐらいはよかろう。大神の皆様は如何ですかな? 》


   すると、中末様が他の大神様のお顔を御覧になられました。
  そして満面の笑みで主神様に向かわれ、


異議無しで御座いまする!


《 おお、汝等は付いておるぞ。
  幾多の神々は怒りを通り越し、呆れ果てておったが、
   まだ慈悲の心は残っておった。感謝するのだ!


【【 は、ははぁ ・・・ 】】  二人は泣き崩れた。


《 ・・・ よいか、業火の中では苦痛しかない。誰の助けもない。
 焼かれては死に、死ねば直ぐ生き返る。生死の境は無いに等しい。

  アポフィスにイングリッドよ。

 わしの目が節穴ではないと言ったのは、
何か目標や夢がないと百年持ち堪えられないと分かっているからだ。

 難行苦行となるが、全ての者へのお詫びの想い、
  そして夫婦の愛、神の子人への愛、親神への愛を必ず持ち続け、
  百年後にその証拠を見せてくれ。

 その日は宇宙全域の生命体にも分かるようにしておく。     
よいな、魂が焼き尽くされるまで神の威厳を保ってくれ ・・・

 我が子よぉ、愛しておるぞぉ ・・・ 》


【 ・・・ あ、ありがとうございます。 
  お父上ぇ、愛しておりまするぅ ・・・ ぐうう ・・】


    アポフィスが答えた。


お、お父上様、
  わたくしも愛しておりまするぅ
 ・・・ ああ・・】


     イングリッドが答えた。


  主神様の無限の大愛が、邪神夫婦と堕天使達に邪霊達、
 八百万の神々そして神の子人の魂を揺さぶります。

主神様の大愛あってこそ、
今の今まで 「七度目の天地かえらく」 の執行猶予がなされたのです。

四十八神を始めとする幾多の神々の怒りは既に限界を超えていたものを、
主神様が抑えて下さっていたのです。

 その証拠に、様々な聖者や預言者を使い警告をされてきました。

  イエス様にお釈迦様は太陽から遣わされた太陽神人です。

 その大聖者たる太陽信仰の教えは、
今や権力者が権力を維持する為の方便となり、
人間主体の最低の姿になり果てました。

今の人間達には、自分の都合のいい教えだけを残し、
 不都合な部分は曲げたり削除するという愚行が横行しております。

  キリスト教、仏教、その他、新興宗教然り!

 徒党を組むと、ろくなことがありません!

そうは思いませんか? 
どこぞの宗教団体の幹部に信者の皆様!

 挙句の果てには、宗門宗派の対立からの紛争に戦争!

それは信仰ではないでしょ! 神の愛の欠如ですね!
教えを守らないのだから、行く先には地獄が待っていますよ!

 神の道を外れれば、破滅に至る道あるのみ。

  それは、邪道魔道外道下道そのものだからなのです。



      ( 推奨 BGM ) 

 フレデリック・ショパン作曲 『エチュード』 十二の練習曲
     作品二十五  第十二番 ハ短調

     マウリツィオ・ポリーニ (ピアノ)





       

    主神様は長い時間邪神夫婦を見詰められた後 ・・・

   ためらいながら重い口を開かれました。



《 ・・・ もうこれまでだ。
 済まぬが、汝等は誰より先に刑を執行せねばならない。

 覚悟はよいか? まずは百年 ・・・
  そして焼き尽くされ無の光になりし時、涙で迎えよう。

  さらばだ、アポフィスにイングリッドよぉ!


     【【 ははああ~~っ!! 】】


   悲痛な叫びが青空に木霊します。

 するとアポフィスとイングリッドは、その場で フッ、と消えました。



アポフィスは、シリウスA アルメーラ に、
イングリッドは、シリウスB ディジターリア に、
瞬間移動させられたのです。

その様子は、神の子には魂に直接。
 我等は叡智晶で見ております。

 あれ、大神の皆様とその他の神様は、
 主神様から離れた場所に後移動なされました。

邪神夫婦は、
直径百メートルの透明な光の球体内部中心におります。

そこで主神様は右腕を高く上げられました。

それが合図だったのか、
私の側にいらしたブライトホルン様と、
 早池峰様の御姿が消えました。

 二人の神様、ブライトホルン様はアポフィスの元へ、
 早池峰様はイングリッドの元へ向かわれたのです。

ブライトホルン様が、「 嘆きの星 」 に両手を当てておられます。
早池峰様も同様の体勢であります。

  そして、ブライトホルン様がアポフィスに声を掛けられました。


さらばだアポフィス! ・・・ 私は、もう何も言えん。》

【 いいんだブライトホルン。 さらばだ ・・・ 友よ ・・ 】


《 イングリッドさん、ああ ・・・ さようなら ・・ 》

【 ありがとう、そして ・・・ さようなら。
  私達の分までがんばってね。】

《 分かったわ ・・・ ああ ・・》



《 ブライトホルンに早池峰。 火を入れよぉ ー! 》


   主神様の御声が響きます。


   《《  ははあ!! 》》


 二人の竹馬の友は、
「 嘆きの星 」 に当てた手の平から内部に向かって、
何か火花を入れられたようで御座います。

すると一瞬にして真っ赤な炎が、
「嘆きの星」 の内部に広がりました。

  彼等夫婦はその紅蓮の炎に飲み込まれ、姿は見えなくなりました。

     何とも痛々しい光景であります。


《 さらばだアポフィスにイングリッドよ。
  はあ~、虚しいのお ・・・》

《 さようなら、アポフィス ・・・ そしてイングリッド。》


  スプリングフィールド様とナセル様が、
   涙ながらに呟かれました。

     ただ、これで終わりではありません。


       《 次は堕天使達を断罪する。

     ルシフェルを筆頭とする八人の堕天使達よ。

  汝等は最期に功績を積む事が出来た。それは褒めて遣わす。
  よくやった。見事である。故に残念でならない。

   己の愚かさを炎の中で噛み締めるのだ!

    さらばだ愛する我が子よ!!


     【【【  ははあ!!!  】】】


 ルシフェルと七体の堕天使は、
 それぞれの 「 嘆きの星 」 の位置に瞬間移動をさせられました。

ルシフェルは火星の北極上空へ、担当天使はミカエル様が ・・・
アンドラスタは火星の南極上空へ、担当はガブリエル様が ・・・
グリオスは火星の赤道上空へ、担当はウリエル様が ・・・




 ドルンは木星の北極上空へ 、担当はラファエル様が ・・・
 オルゴランは木星の南極上空へ、担当はメルキゼデク様が ・・・

バクスト、シアニード、フレッタは、
木星赤道上空三箇所の均等な場所に ・・・

 バクストの担当天使は、メタトロン様が ・・・
 シアニードの担当は、ヨフィエル様が ・・・
 フレッタの担当は、ハニエル様が ・・・




  オルゴラン以下の担当天使は彼等と縁の方であります。
  ただ、私が初めて拝見する方ばかりです。


堕天使達の「 嘆きの星 」 は、火星と木星の衛星になります。

 それは尊い魂である神の子人間達を、
  人間以下、更に動物以下に堕としめた責任。

   その責任を取らせる為の措置と考えられます。

   この火星と木星は、何度も言う通り、
  堕ちた人間達が、860億年、地獄の転生の行を送る星です。

別名、永遠に進化できない 「 猿の惑星 」 と言っていいでしょう。


  ただ、転生する場所は、それぞれの星の内部世界ですので、
   二つの星の静止衛星化した
   「 嘆きの星 」 を見ることはできませんが ・・・      


《 ルシフェル様、あなたの最期の凛々しい御姿は決して忘れません。
  お別れです ・・・ 永遠に。》

【 ミカエルよ、君に介錯賜るとは光栄なことだ。
  天界で反乱を起こした時は済まなかったな。

  もう遠い思い出だが、
  私は君の気高く美しい想念に嫉妬していたのだよ。
 愚かなことだ。許してくれ偉大なる天使よ。

  そして友よ ・・・ 永遠にさらばだぁ!!


 ルシフェル様ぁ! ・・・ うう ・・》


  天使の皆様と堕天使達は、
   それぞれ会話があったようで御座います。

      そして主神様の御声が悲しく響きました。


《 裁きの天使達よ。火を入れよぉーーっ!!! 》 


  《《《 ははぁ!!! 》》》




  「 嘆きの星 」 に火が入りました。

   こうしてそれぞれの星の上空には、
  『 嘆きの星 』 という静止衛星が誕生したのであります。

  その星は物質ではありませんが、色はオレンジ色で、
 自ら発光する小さな恒星と言えるかもしれません。



          ( BGM ) 

   ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
       交響曲 第九番 第一楽章

       カラヤン&ベルリンフィル


* 私が最高と思える演奏の録音が、YouTube にありました。

 長年探し求めていた演奏に出会え、感動しています。
 中学生の時に購入したレコードの第九が
 私にとって最高だったからです。

カラヤン&ベルリンフィルの第九の録音は何度もありますが、
CDショップでは見つけられず、今日に至ってしまいました。

 指揮、演奏、合唱、ソリストによる独唱、
 録音、全てに於いて完璧なのです。

  その至高の演奏をBGMとして、
  クライマックスの場面を御覧ください。






             

《 次は元邪神軍兵士達だ。

   汝等は通常のゲヘナの火に落とす。
    最期の勇姿は我が目に焼き付いておる。

      よくがんばったものだ!
      それに加えて大馬鹿者に親不孝者だ!

       刑期は、先程も申した通り、一万年から十万年だ。

       さらばだ愛する我が子よぉ!


      無数の兵士達は、一瞬で姿が消えました。


《 ・・・次に、憐れな丹頂鶴と同化した者達よ、
  神に仕えるのは辛いが楽しいものである。

    良い経験が出来たであろう。褒めて遣わす。

     汝等の刑期は、情状酌量し平均千年とする。
     勿論、罪の度合いによるがな ・・・

     最期に醜い鮫と同化した者、
    神の光玉で流星火矢を受けし者達、
   そして地獄界の住人達よ。

汝等には残念としか言いようがない。
堕落の道の先をこれから歩むのだ。
この道は激痛と辛さのみだ。

 汝等の刑期は、平均千年とする。

  分かったな!

   それ以外の、幼稚で醜い魂を持つ者は、
   火星と木星への転生を強制的に行う。

   刑期は860億年だ!

  後悔しても、もう遅いのだ。

 業火の中で焼かれないだけまだ増しであろう!
感謝することだ。

そこでは進化をかなり制限することにする。
 猿人の生活は弱肉強食そのものじゃ!

   覚悟を決めよ     

   今より地球の地獄界の釜の蓋と、
   地の倉の底蓋を吹き飛ばし、
   醜き者全てをゲヘナの火の中に投げ入れてくれる。

 永遠にさらばだ。愛する我が子よぉ!!!


   すると丹頂鶴と鮫の怪物、その他の邪霊達は、
   主神様の真下に移動させられました。 

  主神様は天を仰ぎ大きな溜息をつかれると、
 憤怒の闘気が発せられました。

その闘気はあの左腕の 『 業 炎 剣 』 に集中しておられます。
その為、辺りには凄まじい放電からの稲妻が飛び散っています。

戦慄の波動は、宇宙全次元を貫き隅々まで行き渡っているようです。
 その深紅のオーラが強烈な光を放ち、見る者を圧倒しています。

  それは主神様の嘆きと悲しみの波動が、
   宇宙全ての粒子を振動させる為、
   生命を持つ者、特に魂を持つ者に対して、
  多大な影響を及ぼすものと思われます。

そして神々と神の子人に熱い涙を流させるのです。

 そしてまた地球上に厚い雲が立ち込め、雨が降り出してきました。
  今度は雷鳴と強風が吹き荒れております。

   世界中の同志同胞の皆様は、
   この緊張感の中でも気絶もせずに
   正気を保てるほど鍛え上げられたようです。

  実に頼もしい限りで御座います。


ええッ、地球の大穴に異変が ・・・


こ、これは、『 次 元 晶 』 に地獄界が映し出されております。

 主神様の神気は更に膨れ上がってきました。
  すると、業炎剣の龍の口が開いてゆきます。

   その口の先は地球の大穴の真下、
    地獄界中央に向けられております。

     一体どうなるのでしょう?


    主神様は右手で、炎の神気を纏った業炎剣を支えておられます。


《 ゆくぞぉ、破邪あぁぁ ーーーーー!!! 》


  う、うわっ ・・・ 主神様が叫ばれると共に黄金の龍の口から、
   真っ赤なエネルギー弾が発射されました。

   その神気の弾丸は地球の大穴中央に吸い込まれていきました。

 業炎剣から放たれた神気の砲弾は、
何百階層にもなるという地獄を上層階の中央部分を破壊し、
どんどん下の階層の天井を突き破っております。

まるで巨大な地獄のビルに大穴が開いていくように、
次々と破壊されてゆきます。

当然地獄の住人はパニックになり、その穴から落ちてゆきます。
 ああ、もうじき最下層まで到達しそうであります。

   ん? あの最下層部分に溜まっているというか、
     醜くこびり付いているようなものが見えますが ・・・


《 あれは地の倉に溜まった悪徳じゃよ。
  全く、醜悪極まりないので見るのも嫌なのであるが、
   もうこれで見納めじゃ。
    まあ、皆で溜め込んだ物であるから反省しきりじゃがな。》 

     ああ~。

《 ほんと、清々致しますわねェ。》

「 つまり肥溜めか廃棄物貯蔵所みたいなもので御座いますね。」


   そして遂に地の倉も破壊され、
   人の魂が汚泥に混ざって落ちていきます。

    その行き着く先は火の海であります。

      悲鳴が止めどなく響いております。


           ただただ憐れで御座います。




 さて、如何でしたでしょうか?

私が想像した神裁きの現場の様子は、どこまで真に迫るものか?
更に厳しいのか否か? 何ともいえません。


ところで 「 嘆きの星 」 は私のアイデアです。

以前は 「 断罪の星 」 としていましたが、
愛が無いかな? 
と感じましたので、「 嘆きの星 」に改名しました。

 刑期に関しても大よそでしかありません。

  また宇宙刑務所では、
  受刑者がどんな生活を送っているのかは不明です。

そんな結末を迎えるより、
美しくも愛に溢れた神理の道を、一歩一歩登る努力をしましょうよ。
勿論、そこには愛のある 「 神試し、神鍛え 」 がありますが ・・・

 それも神の山を登る醍醐味というものです。

 楽して登ったら面白くも無ければ、充実感も得られません!
 勿論、楽に登る手段は有りませんが ・・・

それに体力も精神力も鍛えられず、
何かあれば直ぐ根を上げる、「ぐうたら人間」 になります。
次は坂道を転げ堕ちるだけです。

 それだけ、「 心と魂の浄化 」 というものは、
 現代人には難しいものがあります。

ただ、今の自分は最低レベルにあると思える人も、
転生先の行は皆同じであります。

 魂の向上の行をするか否か? 何れかになります。

  それは、やる気の問題とも言えるでしょう。


  それでは、今日の宇宙画像をどうぞ ・・・


《 最終章 》 〈 第十話 〉 断罪の儀 ( 前 編 )

2019年02月09日 11時25分38秒 | 小説



 遂に始まった正邪の最終決戦!

その決戦も三日目に突入し、邪神軍は全面降伏し、
正神軍の完全勝利となりました。

現在、邪神の地下神宮にて、同期の神々が邪神と酒を酌み交わしています。
邪神アポフィスは、偉大な神々の愛と友情に触れ、
 次第に心を開いてゆくのです。

  そして、樹齢千年の盆栽である真柏に、
  850年間余りも憑依し沈黙を続けていた妻、イングリッド ・・・

  その邪神の妻は、夫であるアポフィスと再会和解し、
 主神に対して心からのお詫びをするという強い決意を示しました。
同期である四人の神々が見守る中、邪神夫婦の運命や如何に ・・・

そして遂に、宇宙は新たな文明の夜明けを迎えようとしています。

全ては、自分自身で選んだ道であります。
 眼前に広がる道は、光に満ちているのか? 闇に閉ざされるのか?

  その道を明確に示されるのは、
   誰あろう我等が生命の源である創造主その人であります。

( 入力した現日時 )
 西暦二〇十九年 /
 平成三十一年 二月九日(土)午前九時五十五分

この時間は、私の描いた小説の中の時空です。
ただ、読者の皆さんは、リアルタイムで感じてください。

( 執筆当時の作者時間 ) 
 平成二十一年 十二月九日(水)午前零時十分


  《 キャラクター &キャスト 》

( 天神七代神 )

初代 元無極躰主王大御神
  モトフミクライミノヌシノオオミカミ( 創造主 = 主神 )北大路 欣〇

二代 中末分主大神
   ナカナシワカレヌシオオカミ / 仲代  達〇

三代 天地分主尊大神
   アメツチワカレヌシノオオカミ / 高〇   健

四代 天地分大底主大神
   アメツチワカシオオソコヌシオオカミ / 松本 幸四〇

五代 天一天柱主大神
   アメハジメアメハシラヌシオオカミ ( エホバ神 ) 竹脇  無〇

六代 国万造主大神
   クニヨロズツクリヌシノオオカミ ( 大黒天 ?) 西田  敏〇

七代 天御光太陽貴王日大光日大神
   アメミヒカリオオヒナカキオウヒオオテルヒオオカミ

   ( 天照日大神 アマテルヒオオカミ ) 中村  雅〇   


氏 神 スプリングフィールド  ジャン ・ レ〇
湖 神 ナセル ーーーーーーー キャサリン ・ ゼータ ・ ジョーン〇
山 神 ブライトホルン ーーー ヒュー ・ ジャックマ〇
山 神 早池峰 ( はやちね )  檀 れ〇

うさぞう 信造 作者 / ナレーター : 伊藤 敦〇


「 邪神軍団 」

邪神 アポフィス  / ブラッド・ピッ〇
 妻 イングリッド / チャーリズ・セロ〇
侍女 ルリエス   / ジェシカ・アル〇

総  帥 サタン (ルシフェル/クラウド) アントニオ・バンデラ〇
  大将 ハガード  / ブルー〇・ウィリス
  少将 フェリウス / オーランド・ブルー〇
  大佐 レイカス  / ラッセル・クロ〇

( 七大悪魔 ) 

司令長官 アンドラスタ / ジョージ・クルー〇―
 将 軍 グリオス   / アンソニー・ホプキン〇
 将 軍 オルゴラン  / トミー・リー・ジョーン〇
 将 軍 バクスト   / ウイル・スミ〇
 将 軍 ドルン    / ウェズリー・スナイプ〇
 将 軍 シアニード  / アンジョリーナ・ジョリ〇
 将 軍 フレッタ   / アン・ハサウ〇イ





             ここは富士山麓。



        神の光輪上空の雲の大穴が急速に広がり、
      僅か数分で水平線と地平線から雲は消え去りました。


     朱に染まった東南の空には、金星がまだ輝いています。

        そして、遂にその夜明けは訪れました。

     燦然と輝く黄金の朝日が、東の水平線に現れ始めました。
   その何とも言えない、神々しくも荘厳なる太陽が昇って参ります。

      それは、三日間閉ざされた天の岩戸が開けられ、
     太陽神 がお出ましになられたようにしか思えません。

     また岩戸開きとは、もう一つの意味があると思います。

    それは親である神の存在と、自分が神の子であることも忘れ、
         人間のみの世界であると思い込んだ。

        つまり神に対して心の扉を閉ざしてしまった。

     その永きに亘る心と魂の岩戸を己でサトリ開放し、
       主神様に相対して真のお詫びをさせて頂く、
       これが個人の岩戸開きではないでしょうか?

      それが出来ない醜い魂は裁かれてしまうのです。


             ( BGM ) 

      ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
     交響曲 第九番 ニ短調 作品百二十五 第四楽章 『合唱 』

        ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 
        ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団  



   




      ?・・・ この音は、どこからするのだろう。


   第九の第四楽章が ・・・ これは叡智晶からするだけでなく、

         全次元に響いているようです。


         《 はははは、これを見よ。
       天上界の映像じゃ。実に御見事じゃあ! 》


      スプリングフィールド様が仰せです。
    あああ、これは何とも凄いことになっています。

  天上界のエデンの園では、
 数十万の天使の楽団が見事な演奏を披露されているのです。

正に極楽浄土と言えるその演奏会場でオーケストラを指揮するのは、
誰あろう スミレ様 であります。

第四楽章の冒頭部分をダイナミックにタクトを振るうお姿は、
激しく大胆で且つ優雅さを兼ね備えております。

 しばらく御姿を拝見しないと思っていたら、
  演奏会の御準備を成されておられたに違いない。
   実に卓越した華麗なる指揮で御座います。

    主神とは、全知全能で在らせられる証拠であります。

   むむ、叡智晶には世界各光玉に於いての先祖と子孫全員が、
  天使の指揮の元で合唱部分の練習が
 行われている様子が映し出されております。

この練習は、言霊で行われていますので
音程のズレはほとんど無いようであります。

それに、先祖を代表してベートーヴェンやモーツァルト、
その他の音楽家の方々が天使の補佐をされています。

 おおっ、カラヤン氏もおられます。
  皆様の実に楽しそうな笑顔の波動が私に響いて参ります。

    三日間の疲れは吹き飛んでいるようです。


     美しくも神々しいこの旋律。

   神々が奏でる崇高なる音霊の調べ ・・・

フォルテッシモから始まる第四楽章の冒頭部分は、
あたかも遥か天空から流れ落ちる滝の如き光景を彷彿とさせ、
その滝壺からの流れは、第一、第二、第三楽章の主題が回顧されては消え、
 やがては歓喜の主題という大海に流れ着く ・・・

  その雄大なるうねりの大波調が、
   壮大且つ荘厳な旋律を産みだしているのです。

  正にそれはベートーヴェン生涯最高傑作と言える交響曲不滅の金字塔。
 これは彼の全身全霊を以っての、神に捧げた曲なのです。

そのシラーの詞を良く御覧下さい。
きっと激しく魂が揺り動かされるに違いありません。

 こちらを参照してください。 シラー 合唱歌詞和訳のサイト
 

この偉大な曲を、過去にはヒトラーなどの独(毒)裁者が、
兵士の士気を高める為に利用し、演奏していたのです。

さぞかしベートーヴェンは四次元幽界で、
悔しさの余りピアノの鍵盤を両手で叩き付けていたことでしょう。

良く見れば、後ろに控えた合唱団の指揮者は、
オチョイ様 であります。

 本物の天使の歌声を指揮なされるとは ・・・ 楽しみで御座います。

   曲はまだ序盤ですから ・・・


この様子を我等は、邪神地下宮殿で歓喜感動を以って拝見しておりますが、
アポフィスの目は誰より輝いています。

  こよなく芸術を愛するアポフィスにとっては、
  その羨望の眼差しは当然と言えるでしょう。

    ただ、妻と共に涙するだけであります。



       午前七時ジャスト ・・・





あっ、気付くと七時を迎え黄金の太陽はその全容を全次元に示しております。

 その時、邪神宮殿の見えない天井から一筋の美しい光が降り、
  スポットライトのように漆黒の床を照らしています。

   その光は次々と円形状に差し込んできます。

    直径は約十メートル。 光は全部で六つ。

    これは間違いなく六芒星を表していると思われます。



    何とも神秘的な光景であります。
    神々は、その様子を心静かに御覧になられております。

   その時、ブライトホルン様が席を立たれ、こう仰せになりました。


《 アポフィスにイングリッド、そしてルリエス。

今より宇宙天地創造六大神の神々が御降臨遊ばされる。
履物を脱ぎ、あの光の輪の手前で正座をし、お出迎えするのだ。

この模様は全宇宙全次元、そして地球全土の神の光玉にも中継される。
よいな、心して掛かるのだ! 》


【 分かった。覚悟は出来ている。
 イングリッドにルリエス。言う通りにしよう。】

【【 はい!! 】】


  彼等は履物を脱いで後ろに揃えると、
 床に正座をし両手の平を上に向け、頭を下げてその時を待った。

体は震えているが、その表情には強い覚悟が伺える。

その様子を見守る神々は、彼等から少し離れ、
 靴を脱いで正座をし姿勢を正されました。

   私は床に降ろされ、ナセル様の隣に座り頭を下げました。



       宇宙天地創造の六大神


    その偉大なる神々は、
   どれほどの御苦心をなされ宇宙を創造されたのだろう。

  見当が付かない程の永い年月が必要だったに違いない。

 当然、七日で出来たなどということは在り得ない。

主神様を初代とし、
七代に亘って練りに練られた構想と構築を積み重ねられたのです。

それは奇蹟の芸術と神学が融合した天意と光の充満界。
壮大なるロマンと大慈大悲の愛に溢れた世界なのです。

その神秘界、妙智力界に生かされている我等神の子人であります。
そう思うだけで無上の喜びを禁じ得ない訳で御座います。

 ただ、その主神様を初めとした神々の大愛を忘れ、
  転生を繰り返し今日に至った我等で御座います。

   神の霊籍に目覚めることが出来ずに、
    裁きの瞬間を迎えようとしている憐れな魂が
     多数おられることが残念でなりません。

      その親玉、邪神はこの地下神宮にて・・・


      その手下達は大黒天様からお褒めのお言葉を賜り、
    その後、千葉沖洋上からテレポート致しました。

  堕天使達とその部下は富士山麓に移動し、
 その場に土下座をして主神様の御沙汰を待ちます。

巨大丹頂鶴の肉体に同化してしまった魂は、
止む無くそのままの姿で羽をたたみ、
駿河湾の揺れる水面に浮かんでおります。

その鶴の隣には、東京湾で黒焦げになっていた、
背中に甲羅がある巨大鮫が漂っています。

彼等は判決の時を、無意識に体を震わせながら待ち受けているのです。
そして全世界の同志達は、裁かれる者達の鎮魂歌を練習しております。


     地下神宮、見えない天井から降り注ぐ六つの光の帯。

    その一つ、一番手前の帯の中に小さな炎の玉が現れました。

       その炎の玉は次第に大きくなってゆきます。
     炎の玉は、次々と他の帯にも同様に出現しています。

    一番手前中央の炎の玉は直径1メーターほどになった時、
       一瞬轟々と燃えて人型になってゆきました。

         その炎の勢いが次第に弱まると、
        その御姿がくっきり露になりました。



  その御姿は天神七代、天御光太陽貴王日大光大神様で御座います。
  東京の「神の光玉」の守護の任を解かれてのお出ましと思われます。

  次にお出ましになられたのは、天御光様を中心として向かって右奥、
     天神六代、国万造主大神様 (大黒天)で御座います。

    向かって左には天神五代、天一天柱主大神様で御座います。

      天一様の後ろには天神四代、天地分底主大神様。

      大黒天様の後ろには天神三代、天地分主尊大神様。

      そして最期、一番中央奥に御降臨遊ばされた神様が、
        天神二代、中末分主大神様で御座います。


      皆様の服装は白装束であります。

   長袖から一体となったワンピースの裾は床スレスレです。
  胸には、大きな炎の円の中に神十字の紋章の刺繍が、
 鮮やかに浮かび上がっております。

一番手前中央の天御光様は、邪神達の前に歩を進められ、
向かって右側に移動なされました。

つまり大神 六芒星の扉が開いた形になったのです。

その中央奥の中末様が、ゆっくり前へ進まれ、
 開いた扉を抜けられると、被告人達の手前で歩を止められました。

   白銀の頭髪とお髭が御立派な中末様は、
    炎の如き光を放つ短い杖を右手に握り締め、
     浮かないお顔を天に向けられました。


         そこで大きな溜息を一つ ・・・



  《 ふうぅ ・・・ 聞こえるであろう、あの交響曲の調べが ・・・ 

     あれは歓喜の歌であるが、汝等の為の鎮魂歌でもある。

        もうこんなことは今回で最期だ。

           幾億万年積み重ね、
    ねじ曲がった欲望から引き起こされる競争に闘争に戦争。

         愛と生と死。 真 善 美。

    全てが主神様のお気に召さない最低な姿に堕ち果てたぁ ・・ 

     汝等は欲心を与えた主神様と我等の責任だと、
          侮辱し詰っていたが、
       もう恨み言を言う気は無いようだな。

  断罪の前に言い残すことがあれば、主神様に直に申し上げなさい!

        アポフィスにイングリッドよ。
      この輪中央に入り我等と共に参るのだ。》


  するとアポフィスは青褪めた顔を上げ、震えながら答えました。


     【 ・・・ し、しかし我等のような
       卑しく堕ちた魂に御目通りが叶うとは、
         あまりに申し訳ないことに御座います。】


   《 アポフィスよ、二度言わせるでない! 輪の中に入るのだ。

     ルリエスは富士山麓のルシフェル達と合流しなさい。
          そこで沙汰を待つのだ。

     アポフィスにイングリッドよ、主神様の大愛は無限だ!
    それを魂に刻み付けてから断罪されるのだ。では、参れ。》


     【【 ははぁ、在り難き幸せに存じまする!!】】


      二人はそう答えた。
    その後、イングリッドはルリエスに小声でささやいた。


     【 さようならルリエス。ありがとう ・・・ 】


  イングリッドの手が、ルリエスの肩からゆっくり離れた。
 ルリエスは彼等を涙で見送った。

中末様が奥にお戻りになられると、
邪神夫婦がその後を追い、円の中心に正座をしました。
二人はお互いの手を握り絞めています。

天御光様はゆっくり元の位置に戻られ、円の扉は閉じられました。
それぞれの大神様は中心にいる邪神に向かわれました。

  皆様、神妙な面持ちで御座います。


     中末(なかなし)様が閉じていた御目をゆっくり開かれ、
       その厳しい眼差しを邪神夫婦に向けられました。



        《 ・・・ 参るぞ、心を鎮めるのだ!

         主神様が宇宙全次元に差し込まれた
        「 光の神儀 」は今引き抜かれておる。

     我等はその光が引き抜かれた神の光輪の真下に移動する。

      それから浮上し、裁きの場へと赴くのだ。良いな。》


         【【 ははぁぁ!! ・・・ 】】



      彼等はガタガタと体を震わせながら答えました。
        その恐怖が私にも痛いほど伝わります。

     同期の神々も同様に彼等の行く末を案じておられます。

   間も無く、邪神と共に六大神の皆様は、静かに消えてゆきました。

   


           ( 推奨BGM ) 

          ジャン・シベリウス作曲
     交響詩 「 フィンランディア 」 作品二十六 

        カラヤン& ベルリンフィル








    我等は直ぐ、叡智晶で富士山麓の様子を確かめました。


  確かに、業炎剣の「光の神儀」が徐々に引き抜かれていきます。
  その燦然と輝く光の帯は、「神の光輪」を抜けると、
  一気に宇宙の彼方へ消え去りました。


    六大神の神様と、邪神夫婦を乗せた光のエレベーターは、
     富士の地下千キロメートル付近に御移動なされました。


       《 よし、我等も光輪近くに参ろう!》


      皆様はスプリングフィールド様の意見に同意し、
     ルリエスを連れ、直ぐに瞬間移動をされたのです。



  ここは富士より約十キロメートル離れた駿河湾上空であります。

 側には巨大な丹頂鶴の姿があります。

あ、それと忘れていましたが、
東京湾でハリ様から 「神の雷槍」 を受けた鮫の怪物の姿も見受けられます。

 ルリエスは神々に礼を言うと、富士山麓の堕天使達と合流しました。

私はナセル様の右肩に乗せて頂いております。
叡智晶では、大神様と邪神の様子が映し出されています。

ただ、そこには十二神将の皆様が勢揃いされていました。
皆様はあの炎剛槍を立て、大神様の周囲を囲み外側を向いておられます。

 神議り場の守護は必要なくなったということでしょう。


 この絵は、これ以上無いほど壮観であります。

第九の合唱が、歓喜の歌が魂に響き亘ります。
スミレ様の指揮に、合唱隊を指揮するおちょい様が合わせておられます。

 そして、中末様の御声が響いて参りました。


     《 アポフィスにイングリッドよ。覚悟は良いな。
     まずは神の偉大さを思い知るのだ。心して見よぉ!


        そう仰せになると ??!! 

      あああっ!! まっ周りのというか?

    絶句で御座います。在り得ない光景。


この三日間で驚愕したこと数知れずですが、
 これはまた強烈で御座います。

  一体どうなったのか ・・・

  それが在る筈の地面から地中からというか?

端的に言えば、地球に大穴が開いたので御座います!!!

 富士からその地球の真裏まで、
  直径幾つか分からない筒状の大穴がぁ、開いたのです。

 当然、我等がいる真下は御座いません。
見えるのは地球の裏から覗く星空なのです。

  逆の側から見れば、この青空が見えるのだろうか? はあぁ ・・・

 それにしても叡智晶から見る日本は、
北は秋田付近、西は四国付近までの大穴が開いた状態です。


  一体直径何百キロあることか?


ただ妙なことに、その穴の壁面部分は黒いだけで、
 地層やマントルは認識出来ません。

   実際はどうなのでしょう?


     当然、世界の光玉の皆様は私と同様に、
      頭を抱えるか、頬を挟み込むか、
       目と口は開きっぱなしで御座います。


        《 ぶはあぁ!! 全く凄い光景じゃな!

        圧倒的神業としか言いようが無いわい!

     これは全次元を映し出すことが可能な
    唯一の映像装置 『 次 元 晶 』 じゃ。

     ただこれは我等の魂に直接見せている映像なのだ。
      それ故、実際に穴は開いてはおらん。

         どうじゃ、偉大であろう神とは ・・・ 》


「 三十郎様に?
 いや、スプリングフィールド様にナセル様、・・・ 神は偉大です。」

   《 真にそうで御座いますこと ・・・ 素敵ですわぁ。》


   やはり錯覚幻覚なのです。

 物質的に、これが現実とすれば海水は穴に落ちていきますが、
  そんな現象はありません。

   故に神は偉大なりで御座います。

  ただし例外なのはルシフェルの軍団と巨大鶴に巨大鮫。
 それに大穴の枠内にある神の光玉であります。

  皆、空中に浮かんで見えます。

 邪神夫婦と堕天使軍団は、断罪の恐怖から一変し、
あまりの神業に頭が空っぽになっているようです。

その在る筈の無い大穴から、断罪される邪神夫婦と六大神様、
そして十二神将を乗せた
 光のエレベーターがゆっくり上昇してゆきます。

   それは球形の光に見えます。


  次の神業は、雲の無い空から雨が降り、
 大穴に無数の円形の虹が出ているということです。

  更には、地球内部世界アガルタの中心に存在する
   霊的太陽( セントラル・サン・システム )だけが、
    燦然とした輝きを放っている様子が確認できます。

  霊的太陽は地球の真中心、つまり人間一人一人の真下にあって、
常に救いの光を放射しているのです。

  そして地球上の全てのパワースポットにも繋がっているのですが、
    そのことを如実に感じられた瞬間でした。


     それに加え ・・・ 

あああ、これは、あの神議り場に有った球庭が幾つも出現しています。

 その球庭の周りを飛び交う、色とりどりの野鳥達と昆虫達、
  そして妖精達まで総出演で 「 エデンの園 」 を演出しております。

 それは夢想だにしない幻想の世界と、
数霊、言霊、音霊、色霊、形霊 の織り成す

神の芸術の世界と言えるでしょう。

神十字文明の夜明けを祝い、それと同時に断罪される者を哀れむ。

その主神様の大慈大悲の愛は、
 全次元に鳴り響き、皆の魂は癒されていることでしょう。

  その言葉にならない歓びの波動が伝わって参ります。

    止めどなく永遠に続くかの如くに ・・・

     この空間にいる者は、
     時間の制約が一切無くなったかのような
     錯覚に陥ってしまうでしょう ・・・

    正に夢の世界であります。

   あなたはどう思われるでしょうか?

 確かなのは、今私が見ている天国化した世界は、
私の中に存在しているということです。



ああっ、何と世界各国の神の光玉が、
 その玉ごと富士周辺に集まって来ております。

  直径三キロの玉の下半分は地表そのもので、
   百近い光玉が集まるという凄い光景で御座います。

  その全ての光玉が、地球に空いた大穴に浮かんでおります。
 その位置は、この大穴の外縁に均等な距離で整列しています。

地下からは断罪のエレベーターが上昇を続け、
「 神の光輪 」 の真下に到達しつつあります。

 あれっ、神の光輪から四大天使と七人の聖者達が出て来ました。
  そこに、見覚えのある神様が現れました。

  その神様は、誰あろう閻魔大王様であります。

 そして神の光輪の守護神、火之夜芸様も炎の甲冑ではない、
通常サイズの人型に成られております。

更には、地球の守護神である「 丑寅の金神 」
 正確には、
  国之常立神様・月讀命様・素戔嗚尊様が御出現されております。

  加えて、今回のアセンション計画を指揮しておられた菊理媛様
 そして祓戸四神の神々のお姿も見えます。

何とも壮観壮大な光景であります。

それともう一方は、神議り場で司会をされていたお方です。
 この神様の御名は川神 『 神 流(かんな) 』 様であると、
  ナセル様から教えて頂きました。

  エレベーターは神の光輪の中心から少々ずれた、
 百メートル程下で停止しました。

十二神将様方は神の光輪に向かう姿勢でエレベーターより若干下がり、
弧を描くように一列に御整列されました。

閻魔大王様と火之夜芸様は、
断罪のエレベーターの斜め下、約五メートルに控えられました。

司会の神様はその下、約十メーターにおられます。

その下に四大天使と七人の聖者達が整列しました。

 ここで大神様方も履物を脱がれ、その場に御正座されました。
  あ、あの司会の神流様が例のアナウンスをされるようです。


       《 宇宙全次元の同志同胞の皆様方。

      只今より創造主である主神様御降臨の元、
     『 断罪の儀 』 を執り行わさせて頂きますので、
         演奏を一時中断願います。》


       ああ、合唱の歓喜の歌が停止しました。
        皆様、その場で正座をされています。


    《 断罪の儀に先立ちまして、黙想させて頂きます。 

          もくそ~う ・・・・・》



           静寂の時が流れます。



  スプリングフィールド様の命により、私は目を開けております。

  あああ、神の光輪中央から凄まじい神気が放出されております。


  邪神や堕天使達とその部下達は恐怖に慄きガタガタ震えています。

           無理もありません。


   間も無く、主神様の御姿が見えて参りました。人型の御姿です。

      神の光輪を抜けゆっくり降下されております。

      お召し物は、大神様方と基本的には同じです。


     違いは左腕に燦然と輝く黄金の 『 業炎剣(ごうえんけん) 』 が装着され、
 深紅の腰帯左側には、金銀の装飾が施された飾り太刀が下がっております。


       《 あの太刀は 『 氷龍剣(ひりゅうけん) 』 という。

     業炎剣 の温度は太陽コロナの最高温度を上回るが、
  逆に 氷龍剣 は絶対温度、摂氏零下273.16度を保っている。 

        その温度は自在に制御可能なのだ。
     あの武具は、主神様だけが扱える神剣なのじゃよ。

        わしも拝見するのは初めてじゃ。》


      スプリングフィールド様、解説ありがとうございました。
     全く驚愕で御座います。

   主神様の御表情から拝察致しますと、
  深い悲しみと失望感が渦巻いておられる御様子です。

 気になるのは、中末様が神議り場で仰せだった、
主神様の頬に刻まれた 「 涙 流 川(るいりゅうせん)」 の事であります。

主神様の頬には、
御目の下から太く深い涙の痕がくっきりと刻まれております。

今までどれほど苦しみ抜かれ、失望の涙を流されてきたものか、
 我等人の類が分かろう筈が御座いません。

  ただ、その痛みを感じようとする努力をさせて頂くのみであります。


    その閉じた御目からは、大粒の涙が溢れ出でております。

     その悲しみの波動が全次元に響いているのです。


     現在、全ての神々と神の子は涙しています。



    そして雨が止めどなく降りしきっています。



 主神様は、邪神が乗るエレベーターから十メーター程上で静止なされました。







   その後、主神様はどうなされるのでしょうか?

 主神様の大いなる愛が無限であることを、
邪神とその手下達は理解できるのでしょうか?

次回をお待ちください。

 このお話は二分割とさせて頂きます。



 以下は、全宇宙最高峰に位置する、
「 ひまわり銀河 」 内に存在する
アカシック ・ レコードからダウンロードされたものだそうです。

 この宇宙情報は勿論 Kさん からの情報です。




宇宙根源の 「 生命の樹 」 の三柱に記された三ヶ条!


一、どこまでも広がる白い空間の中に光の粒子が 
  所狭しと ひしめき合っていた

二、宇宙には 始まりも終わりも存在しない
  あらゆるすべてが 永久永遠に循環している

三、創造主とは誰あろうそれは あなたの永遠課題として
  あなたの魂意識に 遺伝子の中に 眠ったままである


この謎掛けは、全宇宙の最高峰に位置する、ひまわり銀河の住人たちでさえ、未だに解けずにいるそうです。

それでも私は、この謎に挑みたいと思いますが、あなたは如何に?

ただ、上記の三ヶ条を読まれて血が滾ってくるのであれば、
まだ救いはあるやもしれません!


「 国立天文台のサイト 」 参照

https://www.nao.ac.jp/gallery/weekly/2017/20170725-subaru.html

りょうけん座の方向、
およそ2400万光年の距離にある M63(NGC 5055)は、
美しい渦巻きを持つ大型の渦巻銀河です。

均衡のとれた渦巻きが大輪の花を思わせることから
「ひまわり銀河」という愛称でも呼ばれています。

春の夜空の天頂付近に昇り、
夜空の暗い場所では小口径の望遠鏡でも銀河の
明るい中心部を眼視で捉えることができます。


 


《 最終章 》 〈 第九話 〉 再 会

2019年02月08日 20時55分49秒 | 小説


  駿河湾に待機していた、伝説の邪龍 「ヤマタノオロチ」 は、
 大黒天様の大愛なる慈悲により、そのおぞましい姿が美しく変化しました。

その姿は全長3,000m、美の極致とも言うべき、
白銀の羽を纏った巨大な丹頂鶴となったのです。



 全世界の神の光玉で、多くの神の子達に見守られる中、
  改魂した悪魔達は、
   神から与えられた使命を全力で遂行しようと努力しています。


    《 キャラクター&キャスト 》

「 ガチョン 」 ベニヒワのベニ様 / 谷  〇

氏 神 スプリングフィールド  ジャン ・ レ〇
湖 神 ナセル ーーーーーーー キャサリン ・ ゼータ ・ ジョーン〇
山 神 ブライトホルン ーーー ヒュー ・ ジャックマ〇
山 神 早池峰 ( はやちね )  檀 れ〇

うさぞう 信造 作者 / ナレーター : 伊藤 敦〇


「 悪魔軍団 」

邪神 アポフィス  / ブラッド・ピッ〇
 妻 イングリッド / チャーリズ・セロ〇
侍女 ルリエス   / ジェシカ・アル〇

総  帥 サタン (ルシフェル/クラウド) アントニオ・バンデラ〇
  大将 ハガード  / ブルー〇・ウィリス
  少将 フェリウス / オーランド・ブルー〇
  大佐 レイカス  / ラッセル・クロ〇

( 七大悪魔 ) 

司令長官 アンドラスタ / ジョージ・クルー〇―
将 軍 グリオス    / アンソニー・ホプキン〇
将 軍 オルゴラン   / トミー・リー・ジョーン〇
将 軍 バクスト    / ウイル・スミ〇
将 軍 ドルン     / ウェズリー・スナイプ〇
将 軍 シアニード   / アンジョリーナ・ジョリ〇
将 軍 フレッタ    / アン・ハサウ〇イ


  ブライトホルン (独: Breithorn、大きい山の意)は、
  スイスとイタリアの国境にあるペンニネアルプス山脈の山。

    標高4164m。

  マッターホルンとモンテローザのおよそ中間、
  テオドゥル峠の東のアルプス主系に位置する。

  (ウィキペディアより抜粋)
     


     早池峰 ( はやちね )

  岩手県にある標高1,917mの山。北上山地の最高峰。
  六角牛山、石上山と共に「遠野三山」と呼ばれる。
  (ウィキペディアより抜粋)




    二〇XX 年 十二月 二十二日(月)5:00

            カウントダウン 2:00




    大黒天様率いる巨大丹頂鶴は、
   日本列島を浮島にする為の刺激を海底に与えています。

  後もう一息というところでしょうか。
 その刺激に因って海底火山が目覚め、
 海面に噴煙と蒸気が上がっています。

 火之夜芸速男神様 を始めとする、菊理媛様と祓戸四神の神は、
 日本以外の大陸を沈める為の補助作業、
  そして核関連施設の封印を確実迅速に進めておられます。


    その様子を叡智晶で見守っていると、
     ベニ様 が、チュ、チチッ、と波状飛行をしながら、
      久しぶりにお出ましになりました。

      すると小さな雲が出現し、
      ベニ様は座布団代わりにその雲の上に鎮座なされ、
     ジイッ! と我等を御覧になられました。


《 うむ、励んでいるようじゃな。

  もう直、シリウス文明そして神十字文明の夜明けだ。

   その前に最期の任務を与えよう。
    邪神の元へ再び行ってもらう。

    此度は信造は控え、スプリングフィールドとナセルが対談しなさい。
   汝等は、奴とは同期だ。勿論、本来の姿に戻って宜しいぞ。

 それにもう二人の神を指し向ける。
  それで奴と積もる話をすればよい。

   主神はアポフィスとイングリッドのことが不憫でならないのじゃ。
    時間寸前までその場にいること。

   そして邪神の断罪される様を、最期まで見届けるのじゃ。
  では、奴の元へ送ろう。良いな。》


《《 はは、畏まりました! 》》

  「 ははぁ! 」




             ( BGM ) 

      フレデリック・ショパン作曲 『 ノクターン 』
        マウリツィオ ・ ポリーニ ( ピアノ )    
 






            儚げな響きが聞こえてきました。


           ここは、邪神地下宮殿の一室。


         前回より照明が落ちている。

      大型のスピーカーからは、ショパンのノクターンが ・・・

    邪神の顔色は既に無い。生気も無い。
 美しい音色が虚しく鳴り響くだけである。


  彼は一人でソファに座っている ・・・ ルリエスはいない。

   我等の姿は、視界に入っている筈なのだが ・・・?


  スプリングフィールド様のお姿は、
 人で言えば三十代の紳士である。

黒髪のオールバック。御目はブルー。

お顔の頬からお口周りのお髭が御立派であります。
服装は洒落たダークブルーのスーツ。

  長身で、全体的に落ち着き払った風格を漂わせておられます。


  ナセル様は、想像以上の美しき女神振り。

 ウェーブがかった長い黒髪が背中まで伸び、
額には宝石をあしらったティアラが輝いています。
大きな青い瞳にお口は小さめです。肌は小麦色。

細身のお体には、
胸元から足首までのタイトなロングドレスをお召しです。

 色は、ゴールドを基調とした
  ピンクとグリーンのグラディエーションが鮮やかです。 

   それで私はナセル様に抱っこされております。
   決して嫉妬は御遠慮願いますぅ。

  スプリングフィールド様は、
 両手でエクトプラズマらしきものを手の平から出されて、
その光る白いもやを巧みに操り、
四脚の椅子とガラスの丸いテーブルを造られました。

どれも美しい彫刻が施され、宮殿には相応しいものです。
その大きめのテーブルはアポフィスの前へ、
 四脚の椅子はその周りに配置されました。

   我等はアポフィスに向かって左側に座りました。

    そして私はナセル様の膝へ ・・・


  ただ、息が詰まるほどの静寂が続いています。
 透明なピアノの音色は、更に静寂さを引き出しているかのようです。

実に不思議だ ・・・

邪神は我等に視線を移しましたが、さほどの動揺は感じられません。
恐らくは断罪される恐怖で
 感覚が極端に鈍くなったのでしょう ・・・ 全く哀れです。

  すると今度はナセル様が、テーブルの上に何かをお造りです。

 なるほど、これは数種類の薔薇をガラスの花瓶に活けた物です。
 辺りには、実に華やかで芳しい香りが漂っています。

  この薔薇はイングリッシュローズに違いありません。
   八重咲きの花弁がゴージャスで、花のクイーンそのものであります。

   気付くと、アポフィスが食い入るようにその薔薇を見つめている。


【  ・ ・ ・ 美しい 。 僕の好きなものばかりだ。


《 まあ、それは良かったわ。
  わたくしはナセル。随分久しぶりですこと。》


《 わしはスプリングフィールドじゃ。邪魔しておるぞ。
  全く気の毒でならんわい。》


【  何だ君達は? ・・・ 何時の間に ・・・ 
      ふっ、見ての通り死人同然だよ。


《 まあまあ ・・・あら、お見えのようだわ。》


   ああ、そうかあの方々も同期でいらしたのだ。


《 アポフィスよ、邪魔するぞ。久しぶりだな。
  私はブライトホルンだ。》

《 私は早池峰です。憶えておいでですか?》


    二人の神様は、
  こちらの神様に笑顔で会釈され、椅子に座られました。

ブライトホルン様の出で立ちは、純白のスーツにゴールドのネクタイ。
ガッシリとした長身に映えています。

 最も印象的なのは、燃えるような神気を放つブルーの瞳であります。


  早池峰様は、絞り染めの着物姿であります。

 真珠の白を基調とし、上半身の左肩からは満開のピンクの桜が咲き乱れ、
下半身の右側には桜吹雪と風を表現した波線と共に、
一羽の鶯が舞っています。

 長く艶やかな黒髪を後頭部で束ね、その髪は腰まで伸びています。
  何とも上品で控えめ、それでいて華やかさも合わせ持っています。

   きっとこの絵柄は、シリウス文明の春を願われてのことなのでしょう。


【 ふ、同 期 の 桜 か ・・・ 】  


   早池峰様のお着物を眺め、邪神が呟いた。


《 その通りだ。桜は用意しておいた。》 パチッ!


     ブライトホルン様は左の指を鳴らされ ・・・?





   ええっ! 我等の前後に見事な桜の紅白二種類の大木が ・・・ 

  枝は頭上を覆っています。

 そしてライトアップまでも ・・・

 この位置はアポフィスを正面として左右に分かれて設置されている。

  満開となった桜が咲き誇り、皆様からは溜息がこぼれます。


《 私からはお酒を、日本の吟醸酒ですのよ。一献お味見をどうぞ。》


   早池峰様は、朱塗りの杯をアポフィスに差し出し、
    酒を静かに注がれました。

    その流れには金粉がくるくる泳いでいます。

   アポフィスは グイッ、 と一息で飲み干しました。


【 ふう~~、うまいなぁ。

   こんな地下の隠れ家で花見とは、ぐうう ・・・
    もう花とも音楽とも ・・・ 

   イ ン グ リ ッ ド とも ・・ あ あ ・・ 】


《 なあ、アポフィスよ。ルリエスを呼んではどうかな。
  わしは彼女が不憫でならんのじゃ。

  そのうちイングリッドは必ず姿を現すじゃろう。
  それまで待つことだ。

  わしらは最期までお前達を見守り、そして見送ろう。
 永遠の友としてな。》


《 そうですわよ。是非お呼び下さい。
  ささ、もう一献。皆さんもお召し上がり下さい。》


    早池峰様は人数分の杯を用意なされました。


そうか、分かった ・・・ 

 ・・・ ルリエスよ、客人が見えている。接客を頼む。


   間も無くルリエスは現れたが、
   二日前に私が訪れた時より驚くことはなかった。

   彼女は客人に深々と御辞儀をすると邪神の後ろに控えた。

  当然、ルリエスの生気は無い。

 ただ偉大な神々の波動に触れ、時折和らいだ表情を見せている。



   それから ・・・ 誰も語らない







      静けさが心に染み渡ります・・・











       語らないのに神々は語っているようだ




      そうとしか思えない ・・・



   つまりこの空間に生じる気を感じ取っているのでしょう。

 魂の全霊を以ってすれば、
 張り詰めた糸の微妙な波動から来る心情を掴めるのかもしれません。

  それに客人の神々は、
   アポフィスに対して暖かな波動を送っておられるようです。


     酌み交わす酒を味わう ・・・


    その一連の動作からは、

  瞬間瞬間の時が過ぎるのを惜しむ心情が私に伝わって参ります。



 鮮やかな色彩の流れと香り ・・・ 神々の愛と光の芸術に酔いしれる。


 友はアポフィスとルリエスに微笑み、酒を勧める。

  その酒を味わい ・・・ その時と友情を味わう。


   ここに至っては、慰めの言葉など無意味ということでしょう。


   その証拠に、この場の雰囲気が和らいできました。

  邪神の表情にも生気が見えます。


愛と光はここに満ちている ・・・ 邪神の魂にも沁みてきたようです。



      二〇XX 年 十二月 二十二日(月) 5:30

               カウントダウン 1:30







     《 アポフィスよ、少し明るい曲を掛けてはどうかな? 》


          ブライトホルン様が問い掛けます。


      【 ああ、君の好きな曲にしてくれて結構だよ。】 パチッ!



     アポフィスが指を鳴らすと、十メートルほど離れた場所に、
    レコード棚が床からせり上がってきました。

  その棚から、ブライトホルン様が一枚のレコードを選ばれました。
 ああ、レコードがジャケットを飛び出し、宙を舞っています。

 ふわりゆらり何度か回転した後、
 レコードはターンテーブルに音もなく着地と同時に針が落ちていきます。

  ブライトホルン様が ニコッ、 と微笑まれました。



             ( BGM ) 

     クロード・ドビュッシー 作曲 二つのアラベスク  
          モニク・アース ( ピアノ ) 

   
  https://www.youtube.com/watch?v=xLZJ1YFIl8A






    直に美しく優雅なピアノの旋律が響いてきました。


  それに合わせて、数匹のモンシロチョウとモンキチョウが、
 紅白の桜の巨木の周りを飛び交い始めました。


そよぐ風に舞う蝶達、そして桜の枝は優雅に踊っているようです。

目の前には、何とも言えない幻想的光景が広がっています。


  アポフィスは、その光景を遠い目で見詰めています。


  
         【 ・・・ なあブライトホルン。

         いつの事か自分でも忘れてしまったが、
         君には随分失礼な事をした記憶がある。

           詳細は憶えていないが ・・・ 

         憶えているのは怒りが抑えきれず、
         君にも大神様にも八つ当たりをして、
         天界を去ってしまったということだ。

     気付けばルシフェルとその部下達まで堕天させてしまい、
         地球上で憂さ晴らしをしていた。

        詫びる気持ちが芽生えた時もあったが、
      やはりプライドが邪魔してズルズルと今の今まで ・・・

   フッ、懐かしいなぁ、お互い競い合い、良きライバルだった。

         ただ、君の方がほんの少しだけ
      才能が上だった事が原因だったような気がする。

       済まないブライトホルンよ。許してくれ。】


         《 ははは、今更よしてくれ。

        私も詳しい原因は憶えていないのだ。
        もう昔の事だよ。だから気にするな。

   詫びるなら主神様と大神様方、そして多くの部下と神の子人にだ。》


       【 その通りだ。僕は永遠に近い期間を、
       激痛を噛み締め詫びる日々を送ることになる。

       多くの尊い神の子の魂を道連れにしてだ!

          なんと愚かで幼稚なことか!

             それに無様だ!

          神の威厳の欠片も無いとは ・・・

     そう思っても死ぬ事すら出来ないのだ。 おおお ・・・ 】


      顔を両手で覆い、
       肩を震わせ大泣きするアポフィスを見守る友人の皆様は、
        ただ気の毒でならない御様子。

         そこへ早池峰様は立ち上がり、
          そっと彼の肩に右手を乗せられました。


     《 ねえ、そろそろ彼女にお出まし願いましょう。
   私とナセルさんでお誘いしてみますから、見ていて下さいな。

         宜しいでしょう。ナセルさん。》


     《 勿論ですとも。御一緒にお迎え致しましょう。》 


      ? ん ・・・ 何だろう。 

     何処からか女性のすすり泣く声が ・・・


    
   やはり、音源はあの盆栽からだ。
   樹齢千年の真柏(しんぱく)から悲しき波動が伝わってきます。

    そこへ、早池峰様とナセル様が歩み寄ります。


   《 イングリッドさん、恥ずかしがらないで出ていらして、
       時間は余り残されていませんのよ。》


     早池峰様が呼び掛けます。 続いてナセル様も ・・・


  《 御願いです。御主人がお待ちですよ。出ていらして ・・・ 》


  おおお、真柏が淡い光を放ち、小さな龍神が出て参りました。
 その龍神は次第に光を放射しながら、人型に変化してゆきます。

光り輝く美の女神とも言うべき美しさ ・・・
皆様が溜息を漏らしておられます。

お隣の肖像画より、表情が柔らかい印象を受けます。
早池峰様とナセル様はイングリッドと抱き合い、
 涙を分ち合っています。

  イングリッドは、早池峰様から頂いた絹のハンカチで涙を拭うと、
   震える声で話し始めました。


 【 早池峰様にナセル様、そしてスプリングフィールド様、
  ブライトホルン様、ありがとうございます。

 我等のような愚か者に対して、
このような深い御愛情を賜れるとは、
何と御礼申し上げればよいものか ・・・

我等はもう二度と御会いする機会を
 与えられない身でありますのに ・・・ 】


   早池峰様が彼女を止められました。


《 ねえ、その話はよしましょう。
  それより彼と話してあげて、後悔の無いようにね。》


  アポフィスが堪らず、イングリッドに歩み寄り土下座をしました。


済まない、済まないイングリッド!! ・・・

  僕は、主神も友も失望させ、妻も裏切った。
   その罪を、深く考えようとしなかった。

   己の非を認めたくなかったからだ!

  愚かだよ。いつも逃げてばかりで、己の周りには城壁を廻らす。
 攻撃してくる奴は上から火矢で攻撃する。

 己を守る為にはそれしか方法が無かった。

  勿論、城内には君がいた。
   だが、君は自分の意志で城外に出て行った。

   僕は失望したよ!

  守る者がいなくなり、僕の生きる意味はもう何処にも無かった。

芸術に没頭しても満たされなかった。そして今日を迎えた。
遅すぎた。何もかも ・・・ だが心は決まった!

彼等の御蔭で神としての誇りを僅かだが取り戻すことが出来た。

 だから僕は心底、
  主神様にお詫びをし、謹んで断罪をお受けするよ。

   君とは ・・・ もう、お別れだね ・・・

  全ての罪を僕が被ることは出来ないだろうけど、懇願してみるよ。
 主神様に、出来得る限り部下達の罪を僕が背負うと ・・・ 】


    彼女は彼に立つよう手を取ると、こう言いました。


【 あなた、それは私も同じ気持ちです。私も同罪ですもの。

  だから、ルシフェルやその部下達の罪の軽減を、
   私も主神様に御願いしますわ!
   それが我等夫婦としてのけじめですもの。

   ただ、お別れですね。 私の愛する旦那様。 

  離れていても想いは一つですわ。

そして、主神様を初めとした神々と神の子人に与えた苦痛を、
共に分かち合いましょう。

でも怖いわ。 凄く怖い!

 こんな恐怖を大勢の魂に与えて弄んで来たのね。
  自業自得だわ!

    ああ、あなた、愛してるわ! ・・・ 】


     【 ああイングリッド、済まない!

        愛してる ・・・ 永遠に ・・ 】


      二人は抱き合って泣いた。

     竹馬の友は、涙して見守るだけですが、
    共に心の痛みを共有しておられるのです。


 【 いけない。ルリエスのこと ・・・ 

   ごめんなさいねルリエス。
   あなたには可愛そうなことをしてしまったわ。

   許してなんて言えないけど、本当にごめんなさい。

  辛かったでしょうに ・・・ 】


「 そんな、勿体無いことです。

  私はお二人にお仕い出来ることが嬉しくてなりませんでした。
  ただ、己の至らなさを悔いるばかりです。

  旦那様、奥様、
 今まで本当にありがとうございました ・・ ああっ ・・・」 


【 ルリエス。君の苦しみなど考えた事も無かった。
  済まなかったな。さあ、こちらへおいで ・・・ 】


   ルリエスは、アポフィスとイングリッドと抱き合い涙しています。 

    あれ、何だろう? 光が差して ・・・


    《 あら、これは雨 ・・・ 》


    ナセル様がお気付きですが ・・・ 霧雨だ。


   しかも淡い虹が一つ ・・・

  これは主神様の愛、天意なのでしょう。

  邪神の夫婦の決意に対する、一つの応えなのかもしれません。
  それに深い悲哀と慈愛の涙そのもの。

   きっとそうに違いない!

  その主神様の愛の波動に触れ、
 皆様は感動に打ち震えておられる御様子です。

 特に邪神夫婦とルリエスは、大粒の涙越しに食い入るように見詰め、
 主神様の大いなる天意を魂に刻んでいるようです。



     現在時刻、午前六時三十分。


    スプリングフィールド様が叡智晶を起動なされました。

  地球上に雨が降り注ぎ、
 虹が各光玉に出現している様が映し出されています。

一つ一つの光玉上空には、
雲の大きな隙間から太陽の光が差し込んでいるのです。

世界中から歓喜から来る大歓声が沸き起こっています。

 耐えに耐え忍んだ三日間の苦労が報われる時が、
  間近に迫っているのですから、その喜びは一入です。

  ただ、全てが太陽光である筈が御座いません。

  太陽が照らさない裏の半球では、
  光玉の守護神が直接の光で照らしているのだそうです。

 何とも荘厳なる光景であります。

日本列島は直、四つの海底プレートから切り離されるようです。
邪神の部下達は大黒天様からの勅命を果たせそうです。

 その様子を見た邪神が、驚きの眼で見詰めています。


【 何と、あの者達が ・・・ 邪念の無い波動を放ち、
  大神様の手足となって仕えているとは、素晴らしい。

   実に見事だ! これが奉仕というものだ!

  済まない、ルシフェルにその部下達よ。

 許してくれ ・・・ 

 私はお前達を、単なる道具としか見ていなかった。

  愚かだ! 全く愚かだ! 許してくれぇ ・・ おおお ・・・ 】


    彼は、妻とルリエスと共に泣いて詫びた。




    改魂したルシフェルが操る巨大丹頂鶴が、
   最期の真炎弾を放つ場所に出現致しました。


クルウゥ~ッククッ、キュウックルウ、
         クルッキュウ~、クウ~クルゥ ・・・


   大平洋に木霊する美しき鳴き声。

    誇らしげに幾度も ・・ 幾度も ・・・


   ただ、相当体力気力霊力を消耗しているようで、
  立っているのがやっとという感じだ。

実は現在、鶴の肉体に取り込まれた人と動物の魂の霊力だけでは足りず、
 ルシフェルや七人の部下、そして全兵士の霊力も加えられているのです。

   それほど真炎弾の多用は霊力を消耗するようです。

     ルシフェルの言霊が響いてきました。


  「 我が同志同胞達よ。皆よくやってくれた。

  我等は最期の最期にようやく神の使命を果たすことが出来たのだ!  


 これが最後の真炎弾となる。

 悔いの無いよう、主神様への愛とお詫びの念と、
 全霊力を、この地球と丑寅の金神様の魂に刻み付けよう。

  心の準備はいいかあ。では行くぞぉ!

    我等が愛を主神様にぃ、発射ああぁ~~!!


     最期のルシフェルの号令が、大海原に響き亘りました。

     そして全世界の神々と神の子が見守る中、
   遂に最期の真炎弾が大平洋に放たれました。


ヒュヒュヒュゥゥゥ~~~~、ゴオッ !!!


   轟音と共に巨大な水柱が高々と上がりました。


((( おおおおおおおおおおおお ~~~~~ !!! )))


   ドックン ・・・ ドックン ・・・ ドックン ・・・


     全世界から大歓声が響いて来ます。
      まるで地鳴りがしているようにも思えます。

     その音に混じり、地球の鼓動のような音もしています。

    これは直接魂に響いているのかもしれない。

   しかも、自分の心臓の鼓動と
  同調しているかのような感じさえ致します。

 地球という生命体が、
  新たに生まれ変わったことの表れなのでしょうか ・・・


  ただし、美しく生まれ変るということは、
  醜悪なる穢れを払拭しなければ成し得ません。

 その避けては通れない一線。

地球上に存在する、幽界の領域全てを破壊し、
地獄の業火へ投げ落とされる憐れな人間と邪神邪霊の魂。


『 主神の大経綸 』 の大節。

  地球と太陽系のアセンション計画。


     シリウス文明、神十字文明、ミロクの世の夜明けが、

         訪れようとしています。







   邪神に対する偉大な神々の愛と友情 ・・・
  御堪能頂けましたでしょうか。

 さて、小説も大詰めになります。

 邪神とその部下達の命運や如何に ・・・

  次回、『 断罪の儀 』 を、御期待ください!



( 2015年5月 当時 )

さて、私は4日5日と、一泊二日で、東京のパワースポットを巡りました。
詳細はまたの機会と致しますが、一つ印象に残ったシーンを御紹介致します。

それは、「 裏北斗七星包囲網 」の神社の一つである、
水稲荷神社を参拝した時のことです。

  以下参照 ・・・

  水稲荷神社
http://mizuinari.net/index.html





以前、北斗七星包囲網、表と裏の神社巡りをさせて頂いて以来、
二度目となりましたが、その時は境内に猫の楽園かと思われる程、
猫が拝殿前の両脇に寝そべったりじゃれあったりしていました。

 私は、今回も多くの猫に会えると期待していましたが、
 一匹も見当たらず落胆しておりました。

 その為、宇迦之御魂神 (ウカノミタマノカミ)様に、
 猫に会えるようお願いをしました。

  すると帰り際に猫の気配がありました。
  すかさず写真に収めた一枚が以下の写真です。

   招き猫です。

    挙げているのは、後足ですが ・・・




 この猫は前回でも印象に残りました。

  なんといっても、その目に強い霊気を感じるのです。

   普通の猫とはまるで違います。

    それは目が合えば分かります。
     実際合わなければ分からないでしょうが ・・・

       宇迦之御魂神様、ありがとうございました。

          皆さんも是非、御参拝を ・・・





《 最終章 》 〈 第八話 〉 主神の神儀

2019年02月08日 13時47分44秒 | 小説




「 神の光輪 」 
 霊峰富士上空3000メートルに出現した凸レンズ状の光輪のこと。
 世界中の 「神の光玉」 からの祈りの帯が集結する場所。

 守護神は 「 火之夜芸速男神 = ヒノヤギハヤオノカミ 」
 神槍 「 炎輪槍 = エンリンソウ」 を操り、
 富士周辺に展開した多国籍軍を、数十秒で全滅させた「火の神」の代表格。


「 神の光玉 」
 
 全世界の要所に出現した美しい魂しか入れない祈りの聖域。

 通常は3キロ圏内。先祖の魂が障壁となって守護する。
 その上空には、地域に縁のある強力な神が守護する。

 東京の 「 神の光玉 」 は皇居を中心とした30キロ圏。

 守護神は 「 天照主日大神 」
 天神七代の神でもある。 

 正式名称 : 天御光太陽貴王日大光日大神


「 神の光網 」 
 全世界の 「 神の光玉 」 同士を網状に繋ぐ光と祈りのネットワーク。 


 遂に始まった正邪の最終決戦!
 その決戦も三日目に突入致しました。

現在、意外にも邪神軍は全面降伏となり、
遂に 「神の光輪」 が完成致しました。

今まで、7名の聖者の内、
拳三、マーフィーはその資格を得られずにおりましたが、
厳しい神の試練を乗り越え、
ようやく 「 神の光輪 」 へ入ろうとしています。

 さて、サタンを筆頭とする邪神軍にどのような沙汰があるものか?

  感動の展開を御覧ください。


 因みに邪龍ヤマタノオロチは、
 数千億の人間と動物の肉体と魂で練り固めて構築されたものです。

邪霊力エンジンは、その人間と動物を電流で痛めつけ、
激痛と不平不満のネガティブエネルギーを更に変換増幅させ、
循環することで邪龍の巨体を駆動させるという
世にも恐ろしいものなのです。


    《 キャラクター&キャスト 》

天神六代  国 万 造 主 大神 ( 大黒天 )  西田  敏〇

氏 神  スプリングフィールド : 三十郎 / ジャン ・ レ〇
湖 神  ナセル : チカチュウ / キャサリン ・ ゼータ ・ ジョーン〇
うさぞう 信造 作者 : ナレーター / 伊藤 敦〇

土門  拳三 ーーーー 妻夫木 〇
   かすみ ーーーー 成瀬 璃〇
マーフィー・ラッセル  ヘイデン・クリステ〇セン
( 豆芝 ) 犬四郎   加藤 清〇郎  


「 悪魔軍団 」

総  帥 サタン (ルシフェル/クラウド) アントニオ・バンデラ〇
  大将 ハガード  / ブルー〇・ウィリス
  少将 フェリウス / オーランド・ブルー〇
  大佐 レイカス  / ラッセル・クロ〇

( 七大悪魔 ) 

司令長官 アンドラスタ / ジョージ・クルー〇―
 将 軍 グリオス   / アンソニー・ホプキン〇
 将 軍 オルゴラン  / トミー・リー・ジョーン〇
 将 軍 バクスト   / ウイル・スミ〇
 将 軍 ドルン    / ウェズリー・スナイプ〇
 将 軍 シアニード  / アンジョリーナ・ジョリ〇
 将 軍 フレッタ   / アン・ハサウ〇イ


       ( 推奨 BGM ) 

 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 作曲   
 ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 「皇帝」 Op. 73

 マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)

 クラウディオ・アバド指揮

 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団  

 

 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 「皇帝」 

     





    日本時間、午後十時五十七分

  拳三と犬四郎の姿が見えました。


彼等は富士上空、北の方角から飛んで来て
「 神の光輪 」 の手前で止まりました。

 大黒天様からは、マーフィーが到着するまで待機との御命令です。


  マーフィーは五十九分二十秒に到着。

 危ういところでした。
彼は飛ぶ訓練をほとんどしていませんでしたから当然です。

ところで、二人の体は適性な大きさになりましたが、
 形に於いても実に洗練された姿に変身しております。
 
  その二人は光輪の前で戦慄を憶えています。

 何しろ目の前の光輪は、凸レンズ型の小太陽なのですから。
二人はこの事実を知る前に、
 月の修行に向かいましたので知る筈がないのです。

  勿論、月から 「神の光輪」 を観察しておりましたが、
  厚い雲越しでの観察では、
  光輪内部の状態までは伺い知ることはできなかったのです。

 犬四郎は、かすみちゃんに呼んでもらい、我等と共におります。

勿論、炎の獅子から豆芝に戻ってです。
犬四郎はかすみに抱っこをされ大喜びです。

 我等は、富士から約三キロ離れた空中で様子をみております。

  拳三、マーフィーは光輪の下で、
    光輪中央に鎮座される大黒天様から御言葉を賜りました。


        《 拳三、マーフィー両名共、
     厳しい神鍛えを良くぞ耐え忍びこの場に戻った。

           褒めて遣わす。

  体も適性に成り、ようやくこの神の光輪に入る資格を得たのだ。

        故に、これからが本番である。
   他の者は数段神気も増し、霊的レベルも上がっておる。

       さあ、明日の七時まで後八時間じゃ。

      その前に、主神様が一度お見えになられる。
   故に午前零時まで、この光輪を神気満堂にせねばならない。

       両名共、恐れず光輪内部に入るのじゃ。

          拳三は丑寅 の黒点へ、

    マーフィーは未申 の黒点へ、さあ来るのだぁ!


          「「 ははぁ!! 」」


    拳三とマーフィーは意を決し、炎の光輪に身を委ねた。


        そこは別世界。

    天意(あい)と神気の充満界であり、
  そのエネルギーは縦横無尽に光輪内を駆け巡っていた。

 二人は、そのエネルギーの流れが己の魂と肉体を貫くのを感じていた。

二人がそれぞれの黒点内部中央に辿り着くと、
更に有り得ない戦慄を憶えた。

己の全身全霊、そして神経が露(あらわ)になり、
この 「 神の光輪 」 から、全世界の 「 神の光玉 」 に張り巡らせた
「 神の光網 」 に直結していると感じた。

  剥き出しの神経と血管が、
  脈打ちながら全世界の神の子の祈りを感じる。

 その祈りの波動は、嘆きと悲しみと深い後悔とお詫びの念、
そして主神様の天意に対する深い感謝の念、
その波動が幾重にも止めどなく己の胸と魂に響いて来る。

更に、彼らには見えているのだ。

祈りの主である同志たちの姿が ・・・
そして、その祈りの主に対して会話が出来るということを ・・・

( ありがとうございます。あなたの深い祈りは、私が確かに受け取りました。
 必ずその愛の祈りを主神様にお届け致します。)

 このように一人一人、祈りの主に感謝の想いを伝えていた。


  外部から見える映像では、深紅の龍の如きプラズマが、
  黒点の聖者目掛けて吸い込まれるように美しい放物線を描いて見える。

  我等は唖然として見守るだけである。

 ただ、光輪内の神々と聖者達は常に感動に打ち震えている。

その感動の波動が、それぞれの全身から神気の波紋の様に内部に広がり、
更に神気の密度が増しているようだ。

密度が増せば、神の光輪の火の気による光度も増すことになる。

光度が増すと共に、光輪表面の黄金のコロナが富士上空一面に広がり、
 深夜だというのに真昼の明るさ同様となってきました。

  気の毒なのは、富士山麓で待機を命ぜられた邪神軍である。

  彼等は誰一人として、
 まともに座っている者がなく、その場で悶絶している。

邪悪な魂を持つ彼等にとって、この強烈な神気が充満した領域は、
地獄の業火の中にいることと同様となります。

これは言うまでもありませんが、
皆、憑依していた肉体は脱ぎ捨て、魂のみの姿で御座います。

サタンと他の七人の悪魔も然り ・・・


ここで、各聖者達の「神の光玉」 担当地区が御座いますので、
御紹介致しましょう。


「 大黒天様 」 中心 : 忠臣 / 全世界を統括

「 ミカエル様 」 子 / 日本、中国、モンゴル、東南アジア諸国

「 土門 拳三 」 丑寅 / 朝鮮半島、オーストラリア周辺

「 カーリー・アモリーノ 」
 卯 / ヨーロッパ全域
  ( 補佐役 : ガブルエル様 )

「 アジス・ビキア 」 辰巳 / アフリカ全域

「 ムハンマド・ハルドゥーン 」 午 / 中東、インド周辺
  ( 補佐役 : ウリエル様 )

「 マーフィー・ラッセル 」
未申 / ロシア全域

「 ミリアム・コルシェフ 」
酉 / 北米全域
  ( 補佐役 : ラファエル様 )

「 クリスティアーノ・エデュー 」 戌亥 / 南米全域

   




  二〇XX年 十二月二十一日(日)午後 十一時 五十九分


     もう直ぐ主神様 御降臨の時刻です。

  膨れ上がる神気満堂の 「 神の光輪 」 が煌々と照り輝き、
まるで宇宙全域、全次元をも照らすかのような光となっております。

     さて、この後どうなるのでしょう?
    大黒天様が光輪内の皆に呼びかけます。


《 皆の者、良く聞きなさい。これより主神様に御降臨頂く。
 その為、この神の光輪の向きを水平にする。

それに我と火之夜芸殿はここまでのみ役故、次の任務に就く。
その任務とは邪神軍のお守りだ。ははは・・・

更に、菊理媛殿(ククリヒメ)
そして 祓戸四神(ハラエドヨンシン)の神々が加わり、
 共に任務を遂行することとなる。

 主神様は、これからこの光輪に 「 光の神儀(カギ) 」 を差し込まれる。

その光は、

主神様の 神剣 「 業 炎 剣(ゴウエンケン) 」 から発せられるものじゃ。

その神儀は宇宙全次元を貫く光じゃ。

つまりは 「 光の神儀 」 を軸にして、
 宇宙全次元ごと左回転でゆっくり十八回廻すのじゃ。


 ただし降臨といっても実際、
主神様は 「 最奥 」 という別次元界に居られるので、
聖者の皆は今まで通りに振舞えばよいことじゃ。

真の御降臨は明日の午前七時であるから、そのつもりでおればよい。
 後は四大天使に任せる。

 集中力を切らさぬよう最期まで精進することじゃ。

では、健闘を祈っておるぞ! 》


    「「「 ははぁ!!! 」」」



菊理媛= 古代エジプト神 セクメト =
  聖母マリア = シリウスA アルメーラの守護神
  瀬織津姫の母 = シリウスの母

  夫的存在は、天火明命(あめのほあかりのみこと)=
  天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)

祓戸四神 筆頭 = 瀬織津姫 =
  古代エジプト神 ソティス = マグダラのマリア
  シリウスB ディジターリアの守護神  

  夫的存在は、さておそらくは、
  天照皇大神 = 太陽神人 : イエス?
  じゃないかと私は思います。 断言はできませんが ・・・

  因みにシリウスは、二連星ではなく五連星です。

  ただ、現在の低レベル科学では発見されておりませんが ・・・
  

 『 祓戸四神(ハラエドヨンシン)』

  1、瀬織津姫 (せおりつひめ)
  2、速開都比売 (はやあきつひめ)
  3、気吹戸主 (いぶきどぬし)
  4、速佐須比売 (はやさすらひめ)    

  参照 ・・・ http://infinity108.com/2190/

上記の情報は、ほとんどは K さん からのものです。    




大黒天様は火之夜芸速男神様と共に、富士山麓に降りてゆかれました。
 なな、何と余りに凄過ぎて、頭の整理がつきません。

   全次元を廻すって? ・・・ 業炎剣とは?

   ・・・ 戦慄で血が凍り付きそうです。

    かすみと犬四郎は叡智晶を見ながらビックリ。
    口が開いたまま思考能力ゼロのようです。


  《 わしは聞いたことがある。

  主神様の業炎剣は剣の形は成さず、
 龍の形に左腕が変化されるのだそうだ。

その龍の色は、オリハルコンのような燃える黄金色を放つそうじゃ。

つまり光の神儀とは、
 業炎剣という龍の口から発せられる光のことである。

  それを軸に十八回七時間を掛けて宇宙全次元を左に廻すのじゃ。

  はああ、こんなことは宇宙開闢以来初めてのことじゃ。》 


   チュウウウウ。


  「 あああ、その後はどうなるので御座いますか?」


《 主神様が御降臨なされ、邪神と堕天使は裁きに掛けられ、
  手下の邪霊共々地獄の業火、或いは宇宙刑務所に収監される。

   他の者は、ほとんどが火星か木星への転生となる。
    そして晴れてシリウス文明がいよいよ始まるのじゃ。》


     あああ、神の光輪が動いていきます。

     徐々に傾き水平になってきました。     

    ただ大天使と聖者の向きは水直を保っている。
   そして、体の正面を神の光輪中心の黒点に向けています。



    二〇XX年 十二月二十二日(月) 午前零時


すると宇宙空間の遥か彼方から、一筋の光が差し込んできました。

 その光は、例えようもないほど美しいものです。

  まるでダイヤモンドダストと金粉の集合体とでも言うべき輝きを放ち、
   ゆっくり天から降りてきます。

    その光は「 神の光輪 」の中央を貫き、
     その真下にある富士の火口に降りてゆきました。

     光の神儀の直径は、約百メートルです。

    その後、 「 光の神儀 」 は一瞬で宇宙の果てまで貫いたようです。

   ここまで来ると映像を見ただけでは理解不能であります。


《 わしとて、そこまでは理解出来んな。 
  わしも神としては若造じゃからな。》

   チュウウ。   

  「 はあ ・・・ 」  あ、僕です。

  「 私も何がなんだか ・・・?」  かすみちゃんです。

  「 あのぼく、まわるのはとくいですよ。」

    で、でしょうねえ犬四郎君。
   ああ、回らなくていいんだけどぉ ・・・


クオォ~~~ン ・・・ クウオォ~~~~~ン  ・・・


  ああ、出雲大社上空3,000m、
   大霊宮、神議り場内、浮遊議長席頂点におられる、
    主神様の化身、鳳凰の鳴き声が全次元に木霊しています。

    トランペットのファンファーレにも似た、
    美しく気高く全てを包み込むような大愛なる波動が、
   神々と神の子の魂に染み渡たってゆきます。

 我等の魂は純粋で美しいほど、その愛に呼応し易いのです。
この何とも心地よい波動は、邪気が多いものほど苦しくて当然であります。

三十郎様に因れば、もう既に宇宙全次元は回転が始まっているとのことです。

 地球の地軸は今現在 「 北 極 」 が 富士山で、
  「 南 極 」 が南米の アルゼンチン沖 であります。

   ただ、回転しているといっても実感は有りません。
    この先、どうのような変化があるのでしょう?

    当然、全次元に影響する大きな変化が有って然りであります。


    一方、大黒天様と火之夜芸様はどうしておられるのか ・・・
    大黒天様は、息も絶え絶えの悪魂達を正座させました。


  《 さて、邪神軍のサタンを筆頭とする邪霊の皆に申し渡す。

 主神様は今現在、「光の神儀」を軸に全次元を回転させておられる。

        明朝七時まで十八回左に回転させ、
 全次元に火の気を巡らすことにより、あらゆる邪気を祓い清めるのだ。

     その後、午前七時には主神様が御降臨なされる。

        そして汝等を直々に裁かれるのだ。

  その後は主神様により、地球表層上の幽界の中心軸を破壊なされ、
    幽界全ての魂と汝等を「 ゲヘナの火 」の中へ落とすか、

         「 宇宙刑務所 」への収監か、
     或いは「 地獄の星 」 への転生をさせることになる。

    それまで、ただ待つのでは汝等も耐え難きことであろう。

            そこで汝等に問う。

      お詫びの証をお立てしたいか否か? 何れだ! 》


「 おおお、させて頂く事あれば、何なりとお申し付け下さりませぇ!」


 《 ほう、サタンはこう申しておるが、他の皆は相違無いかぁ!》


      「「「 相違御座いません!!! 」」」


         《 よし、ではサタンよ。

   汝等が邪念に因り産み出せし邪龍ヤマタノオロチを以って、
       我と共に聖使命を遂行してもらおう。

 本来は我等だけで執り行う手筈だったが、特別に汝等の意を汲み、
     我等の手伝いすることを許そうではないか。

    感謝することだ。それでは汝等は我と共に参れ!

        火之夜芸殿は別行動となる。》


        「 大黒天様、火之夜芸様。

    大愛なる御心、何と御礼申し上げればよいものか。
   この御恩は我等が邪神軍の全身全霊全能力を振り絞り、

       必ず報い奉(たてまつ)りまするぅ!」



  《 いい心掛けだ。では直ぐ様その思いを見せてもらおう。
   ヤマタノオロチに急ぎ戻り、瞬間移動の準備をするのじゃ。

          皆の者ゆけ~い!


        「「「 ははぁ!!! 」」」


       邪神軍は直ぐ瞬間移動で邪龍に戻りました。

     まるで水を得た魚のように ・・・

   やれば出来るものを、我と慢心が正しき道を曲げたのだ。

 邪神を曲津神 (まがつかみ)とも言いますが、
その邪神はどうしているのか?

部下にも居留守とは、何とも連れないではありませんか。

サタンを唆(そそのか)したのは、どうせ邪神アポフィスなのでしょうに、
彼は己すら見失い生きる屍であります。

 全く不甲斐ない。

  腐っても鯛のサタンと部下達は、
   最期の生き甲斐を与えられ興奮を抑え切れないようです。

    ただ、邪龍の肉塊とその持ち主達には当然、傍迷惑であります。
   それ故、不満の大合唱が地球上に響き渡って行くのです。


グオッ、ゴアッ、ゴンガンギイッ、
    ギャッ、グアッ、ギャアアアァァ~~~~~!



「 フェリウス少将、テレポートを急げ!

  いいか全兵士に告ぐ!

   己の全能力を出し切るのだ。

    もう邪神アポフィスに忠誠を誓う必要は無い!
     最期の最期まで主神様の御為に魂を燃やし続けるのだ!

       そのことを胆に銘ぜよぉ!



        「「「 ははあ!!! 」」」

 
   邪神に洗脳されていた者達は、ようやく正気を取り戻しましたが、
  残念ながら最期の御奉公になるのです。

  我等はその最期を、祈りつつ見届けるのみであります。

   大黒天様がヤマタノオロチの側で、御神勅を下されます。




    《 準備はいいようだな。

   では、汝等が成すべき使命を申し渡す。

 それはこの日本列島を浮き島にすることだ。

これから日本の海岸線沿いの要所を、
邪龍による邪魔龍幻死砲で破壊してもらう。

火之夜芸殿、そしてこれから共に任務を遂行する、
菊理媛殿と祓戸四神の神々は、
日本以外の大陸その他の島々を沈める為の役目だ。

 ただ、汝等の邪霊力エンジンは人間と動物の魂を酷使するが、
  神の御為なれば功績も積まされることになる。

   故にお詫びと感謝で励むことだ。

     まずは神津島沖に ・・・んん? 》


  オオウア~オオッオオッ、
オオアウ~オオッオウ~、ハアウア~、フウ~ウ~ ・・・



 「 ?・・・これは、通常のエンジン音ではないな。

そうか、神の大愛に感極まり、悲鳴が歌声のようになったのか ・・・
済まない、堕ちた神の子人よ。

元々は美しい魂だったものを、我等が穢して汚した為に、
 地獄の低周波数帯にまで堕としてしまった。

  レイカス大佐、電圧を下げろ。
  それでも出力が維持出来るのであれば、それで行こう。」


 「 は、了解致しました!

   ・・・ 機関室、可能な限り電圧を下げろ!
    それでも出力が維持出来るか否かを見る、な?

      こ、これはしゅ、出力が上がって ・・・

       そ、そんな馬鹿な。
       電圧が零になっただと、

     それに、あああ ・・・

   総帥、大変です!
    この邪龍形態が変化してゆきます!

       外部カメラに切り替えます。」
 

     ドーム型スクリーンに、有り得ない ・・・

    あのヤマタノオロチが、そして ・・・


シャア~~ンシャン、シャア~~ンシャン、
            シャンシャン、シャンシャン ・・・



   「 何だと? ああ ・・・ 有り得ん!

     あの美しき鈴の音霊。

     な、何と、だ、大黒天様ぁ ・・・
    何と言う慈悲深き御愛情なのだ ・・・ おおお ・・・」


 サタンはその場で立ち尽くして咽び泣いた。

七人の悪魔、側近や全兵士達も然り ・・・

大黒天様が成されていること、それは右手で 「打ち出の小槌」 を振り、
その 産土力 (うぶすなりき) を以って、
 醜悪なるヤマタノオロチの形態を変化させておられるのです。

  小槌が奏でる美しき鈴の音色。


シャア~~ンシャン、シャア~~ンシャン、
             シャンシャン、シャンシャン ・・・


    その音霊に大いなる大黒天様の愛が乗り合わせ、
   小槌が振り下ろされる度に、
    虹色の鱗粉の波紋が空中に広がってゆきます。


ハアオウ~ウ~、フウ~ウ、アウ、ハウ、
         アウ~オ、ハウ~オ、フウ~フウ~ウウ~~ ・・・


    何とも心地の良い歌声が響いて来ますが、
   悲鳴とは異質な美しい波動であります。

   「 打ち出の小槌 」 からの波動は神気が強いと思いますが、
     彼等邪霊の魂に苦痛を与えたりはしないのだろうか?


シャア~~ンシャン、シャア~~ンシャン、
             シャンシャン、シャンシャン ・・・


   それに大黒天様の言霊も、
  全身麻痺を誘発する程の霊力があると思いますが、はて?

 もしかして、この変化がもたらす意義とは?
 多分、私のウサギスーツと同じ効果を与える為なのでしょう。

  つまりは邪龍の表面を、
  神気の影響が及ぼさない光の皮膜で覆っているのではないでしょうか。

 でなければ、電流を流さずともエンジン出力が上がったりはしない筈です。
 彼等は己の意志を以って、魂の全霊力を搾り出しているのです。

  それは邪な物とは無縁な、美しき想念から発せられる尊いものです。

 神の大愛にお応えすべく、一心不乱に波調を合わせようと努力する姿 ・・・
  これが本来あるべき信仰の姿、そして神の子人の姿なのです。


シャア~~ンシャン、シャア~~ンシャン、
             シャンシャン、シャンシャン ・・・



   美しき想念であれば、
  そこから産み出される物は自然と美しい造型になります。

  それが故に、醜き 「 邪龍ヤマタノオロチ 」 から、
   美しき純白の翼を持つ 「 丹頂鶴 」 に変貌を遂げたのです。

    その大きさも洗練された証なのでしょう。
     全長三千メートルほどに収縮致しました。

     この比類無き優雅さは丹頂鶴ならではでしょう。


    

   丹頂鶴は誇らしげに巨大な翼を広げ、
  美しい鳴き声で大黒天様に御礼を申し上げているようです。

  その華麗な姿は十文字そのものであり、
   神十字文明の曙を象徴するかのようでもあります。


クルウゥ~ククッ、キュウックルウ、
         クルッキュウ~、クウ~クルゥ ・・・



   彼等は神に仕える喜びを最期に知ったのです。

  この鳴き声は後悔の念の表れなのかも知れません。
  心なしか悲しく胸に響いて来るのです。

   この鶴はカゴメの歌にも登場致します。

  さて、籠の中の鳥は?
  後ろの正面にいるのは果たして誰なのでしょう?
   鶴ではありません。

 それは「 天之御中主神 =あめのみなかぬしのかみ 」 なのです。
そして天の川銀河をサポートする役目がおありです。

カゴメの 「六芒星」 は、「シリウス」 を表しています。
 それは、シリウスを裏側から見た側面 でもあります。


 表側から見れば 「五芒星」 ということです。 ややこしいですが ・・・

天之御中主神は、「シリウス星系」 内の大御所と言うべき存在なのです。


また 「神護目」 は別名 「ダビデの星」 とも言います。  
その紋章はモーセが広めたのです。

モーセの真の足跡は、「超図解」 竹内文書/高坂和導 編著/徳間書店
 223頁よりお確かめ下さい。

  旧約聖書はモーセが書いたのではなく、
  サタンが書いた偽書であります。

  更に、サタンの正体は、二ビル星のアヌンナキ。

故に、宇宙天地創造の矛盾や、聖者達の理解し難い言動が多々出てきます。

それはサタンが神と神の子人を侮辱し惑わせる為に、
巧妙に史実を歪曲、捏造したのです。 

 人物は実在したのでしょうが ・・・

 そこが騙しのスペシャリスト、
 イルミナティーを操る親玉たる所以であります。

主神様はカゴメの歌に大いなる愛を込め、
太古の昔から歌い継がせてこられたのです。

勿論、この神十字文明の夜明けを夢見てのことです。

 今現在まで伝わったのが奇蹟でありますが・・・

「 太陽信仰の真髄はシリウスにあり 」参照


現在、その「神護目」と「神の光輪」、そして「霊峰富士」 の中心を、
主神様の「業炎剣」 の光が貫いているのです。

 実は、「 神の光輪 」 の裏側は、
  六芒星の紋様が浮かび上がっているのです。





  大黒天様は、丹頂鶴の姿を愛しげに暫し眺められ、
   こう仰せになりました。


《 我が愛する子供達よ。

  神から離れ、このような醜い魂に成り果てたとはいえ、
  我が子に変りはない。

 故に醜い姿のままで断罪されてしまうのは、余りに忍びないのだ。
せめて、せめて美しき神の末裔の誇りを魂に刻み込んでほしいのだ。

主神様の愛と、我の愛、
 親の愛というものを理解できないままではならん。

  わしは許さん! 許さんぞ!
   親不孝者めぇ ・・・ うう、おおぉ ・・・
 》


    号泣される大黒天様の大愛に
   サタンが全身を震わせながら応えます。


「 うう ・・・ だ、大黒天様ぁ、慈悲深きお心遣い、
 光栄の極みに存じまする。

  邪神軍を代表し、厚く御礼申し上げます。

  我等一同全力を以って、残された時間寸前まで、
  お詫びと感謝の証をお立て致します故、
 何卒、存分にお使い下さいませぇ 
・・・



《 そうか、よ~く分かった。

  最期に見せてくれ、我が子である証拠を、
  そして命の炎を燃やすのだ。

 悔いを残しては地獄の業火には入れまい。良いなぁ!!


     「「「 ははぁ!! 」」」


   大黒天様は、
  駿河湾上の巨大な鶴を今一度愛しげに見詰められました。

  その姿は月明かりに照らされ、美しく白銀に輝いております。


《 ・・・ サタンよ。汝はもはや悪魔王サタンではない!

   堕天使ルシフェルである!

 愛するルシフェルとその同胞達よ。我に着いて参れぇ!!!


      「「「 ははぁ!! 」」」



 ( 推奨BGM ) 

 フレデリック・ショパン作曲 『エチュード』
 十二の練習曲  作品十 第十二番 ハ短調 「 革命 」

   マウリツィオ・ポリーニ (ピアノ)

 ショパン:練習曲(エチュード *革命)op10:ポリーニ(p) -


  



     日本時間、午前零時三十三分。


   大黒天様は先に瞬間移動をなされました。


「 フェリウス少将、大黒天様のテレポート先に座標を設定。
  テレポート直後、直ちに邪魔龍?

   いや ・・・真炎弾 とでも改名しよう。

    真炎弾 発射準備だ! 分かったな!


「 は、了解! テレポート致します! 

  ・・・ 5・4・3・2・1・GO!


フオン、フオ~~ン、
   フュフュフュフュ~~~~、フイン!

  

  巨大鶴は、大黒天様がお待ちの神津島沖に到着致しました。


《 よし、手始めにこの海底に発射してもらおう。

 真炎弾とやらをな ・・・ ははは。

今から正確な座標の数値を叡智晶からの映像と合わせ司令室に送る。
これから日本列島を一周する間、約五十発の真炎弾が必要となる。

重要なのは、一体化している四つのプレートから、
日本列島の形を崩さずに浮かび上がらせることである。

微調整はわしが行うが故に、汝らはわしの言う通りにすればよい。

 残り時間は約六時間半。

  皆、意志を一つにし集中力を高めるのだ! 急ぐぞ!


「 はは、畏まりました! 」  ルシフェルは答えた。


「 よし、フェリウス少将。真炎弾発射準備!


は、真炎弾発射準備致します!

 エネルギー44%。座標に対しての発射角度、52度。
 カウントダウン開始 ・・・ 5・4・3・2・1・発射ぁ!


ヒュヒュヒュゥゥ~~~、ゴオッ!!!


   鶴の口ばしが開くと、真っ赤なエネルギー弾が発射されました。

   海面にはとてつもない高さの津波の波紋が広がっていきます。
  ですが、その巨大津波は大黒天様がすぐさま中和されました。

 エネルギー弾は数秒後海底に到達し、大爆発を起こしました。

その為、関東一円には中規模の地震が起きました。

勿論、神の光玉に影響はなく、その周辺のビルが少々崩れたに過ぎません。
地震の前に、ほとんどの都市は邪神軍に破壊されておりましたので、
特に代わり映えがないのです。 


遂に始まった日本列島浮き島計画への序曲。
そして日本以外の大陸、その他の島々は沈下させなければなりません。

何とも言えない虚しさを禁じ得ませんが、それも神の御計画です。
 人間には、神の思慮深さを推し量る想像は困難と言えます。

  「 全てを善へ導く神仕組み!」 「 全ては神試し神鍛えなり!」

    これは神理と確信致しますが、御賛同頂けますでしょうか?


 火之夜芸速男神様 は、世界の海底プレートの要所を、
あの炎輪槍を右肩に担ぎ、
まるでロケット砲を撃つような体勢で爆炎弾を放っておられます。

菊理媛様、祓戸四神 の神々と、その補佐役の神々は、
世界に点在する原発、核兵器を装備する軍事施設、
並びに核搭載の軍艦、軍用機などを光の障壁で封印し、
 地殻大変動が起こった際、
  放射性物質が大気中に飛散しないようにしておられるのです。

   邪龍によって破壊された原発を含めた核施設は、
   入念に封印する必要があるようです。

   核 とは、太古の昔から神々の戦争で使われ、
   銀河や幾多の星を破壊してきた歴史があります。

ですから核に対して、神々は特に神経質にならざるを得ないのです。

  ましてや宇宙共通惑星である地球を、
   破壊しかねない最悪の物質を放って置く訳にはいかないのです。


《 うさぞうよ、主神様が現在、
 宇宙全次元を回転しておられる理由の一つは、
 地球の地殻大変動を起こす力を引き出す為ということだ。

 それにより地球は徐々に縮小していくことになる。

  だから、日本以外の大陸を海底に沈めることが可能となるのだ。

  地球が縮小しなければ、
  現在の海水量では大陸を覆うことはできんからな。

 原発や核兵器の放射線の影響を無くすには、
何万年もの間、海底深くに沈めて浄化せねばならん。

大黒天様と他の神々の皆様の役目は、
あくまでも原発と核兵器を、
 確実に海底深くに沈める為の補助作業ということになる。

  勿論、日本の原発もその対象じゃ。

 最大の目的は、地球を含めた太陽系のアセンションにある。

それは、シリウス星系に太陽系まるごと瞬間移動させるのじゃ。

あ、奇想天外過ぎて理解できんかな? ははは!

よいか、汝等はどんな困難をも乗り越え、
 常にお詫びと感謝を忘れず邁進せねばならんぞ。よいな。》

   チュウチュウチュッ!


「「 はい、畏まりました!!」」  私とかすみは答えました。

「 は、はい、よく分かりませんけど、がんばります!」


  犬四郎君は、舌を出して尻尾を振っています。


《 あ、そうじゃ。
  そろそろおぬし達二人は東京の光玉に戻った方がいいな。

   かすみは犬四郎と一緒であれば行けるであろう。
    そして光玉の皆と共に祈るのじゃ。良いな。

     また会おうぞ。かわいい子供達よ。》


《 いい子でしたわね。 また会いましょう。
  心はいつも一つですわよ。》


「 楽しかったですよ。 二人ともがんばってね。
  またどこかで会いましょう!」


  クウン、クン ・・・   と犬四郎は鳴いています。

  三十郎様は二人の頭を撫でておられます。
  チカチュウ様と私は握手を致しました。

   短い間でしたが楽しい一時でした。


「 あ、ありがとうございました。
  お名残惜しいですが、 うう ・・・ 私達は戻ります。」

「 ありがとうございました。
  ぼくは、はやく人間になれるようにがんばります。さようなら。」


  涙の別れです。
  犬四郎は炎の獅子に変身し、かすみを乗せて飛んでいきます。

   我等は手を振りながら見送りました。






   さて、物語も佳境に入ってまいりました。

 ミロクの世、アクエリアスの時代、
 神十字文明、シリウス文明の夜明け ・・・

 ようやく神が望まれる結末になろうとしています。

  ただし実際は、それを望まぬ邪神や人間はおります。
   私には気が知れませんが ・・・

 読者の皆さんが、邪道下道の道を選ばないことを祈っております。


  冬の大三角形



 シリウスは巨大な恒星です。

  それに比べ、太陽その他の惑星は随分小さいですね。

    今日の夜は、晴れていれば夜空を観察してみては如何でしょうか?

      ただ、今日はおっそろしく寒いので重装備で ・・・






《 最終章 》 〈 第七話 〉 激 突

2019年02月07日 16時48分25秒 | 小説



  遂に始まった正邪の最終決戦!
 その決戦も三日目に突入致しました。

ここで邪神軍は沈黙してしまいます。
あらゆる攻撃が正神軍に通じず行き詰まってしまったのです。

彼等は会議を開き、今後の方向性を審議しましたが、
なんと邪神軍全面降伏する決議になりました。

そこで次に取った行動は、
 あの伝説の邪龍、「ヤマタノオロチ」 を復活させてしまったのです。

  その巨大な怪物は、
   霊峰富士を望む駿河湾へテレポートしました。

   そのヤマタノオロチがテレポートする前に、
   炎の獅子に跨った女神がマーフィー奪還の為、
   ロッキー山脈に出現していました。

 しかし、その時既に異常事態が地球を襲おうとしていました。

それは拳三が地球に向かい加速を続けていましたが、
地球に接近した今でも、その加速を止めようとしないのです。

つまり拳三は地球を破壊しかねない
巨大隕石そのものとなってしまったのです。

それに気付いたマーフィーは、かすみ、犬四郎と共に、
 拳三の軌道を変える為に、体当たりを敢行しようとしていましたが、

  果たしてどうなるものか ・・・


《 キャラクター&キャスト 》

土門  拳三 ーーーーー 妻夫木 〇
   かすみ ーーーーー 成瀬 璃〇
マーフィー・ラッセル ー ヘイデン・クリステ〇セン
( 豆芝 )犬四郎 ーーー 加藤 清〇郎  


「 悪魔軍団 」

総  帥 サタン (ルシフェル/クラウド) アントニオ・バンデラ〇
  
  少将 フェリウス / オーランド・ブルー〇
  大佐 レイカス  / ラッセル・クロ〇


( 七大悪魔 ) 

司令長官 アンドラスタ / ジョージ・クルー〇―
 将 軍 グリオス   / アンソニー・ホプキン〇
 将 軍 オルゴラン  / トミー・リー・ジョーン〇
 将 軍 バクスト   / ウイル・スミ〇
 将 軍 ドルン    / ウェズリー・スナイプ〇
 将 軍 シアニード  / アンジョリーナ・ジョリ〇
 将 軍 フレッタ   / アン・ハサウ〇イ


  (推奨BGM) 

ロベルト・アレクサンダー・シューマン 作曲
ピアノ協奏曲イ短調 op.54

クリスティアン・ツィマーマン(ピアノ)

ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

シューマン - ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54 ツィマーマン(ピアノ)

 


     

( おおおおおおおお~~~~~~~!!! )

  
( きゃあああああ~~~!!! )

    
( オオオ~~~ン!!! )



   マーフィー達の熱き波動が、宇宙空間を満たす光の海、
    そして主神様の天意の充満界に拡がっていきます ・・・

     むむ、駿河湾にテレポートしたばかりのヤマタノオロチが、
      こちらの異変に気付いたようです。


「 総帥、忘れておりましたが、拳三に仕掛けたシアニードの罠。
  私は放ってはおけません。
   どうか我等もマーフィーと拳三の衝突に合わせての、
    邪魔龍幻死砲 発射の許可を御願い致します!」


「 いいだろうアンドラスタ。皆も聞いたな。
  これも主神様に対するお詫びの証になるだろう。
   それに元はと言えば我等が撒いた種だ。

    この宇宙共通惑星である地球に傷一つ付けてはならない!

    いいか、只今より、 
   ヤマタノオロチによる
  最大邪霊力を以っての邪魔龍幻死砲を発射する。

フェリウス少将、邪霊力エンジン全開!


はは、邪霊力エンジン全開致します!

  邪龍各機、上空二万メートルの
   今から示す座標にレーザー焦点願います。」


     レーザーって、各邪龍の両目から出てきた。

    うわわわわわ ・・・


グオッ、ゴアッ、ゴンガンギイッ、ギャッ、
  グアッ、
ギャアアアァァァァァ~~~!!!


  「 間に合ってくれよ。我等にとっては最期の見せ場だ。」


     これは凄いことになってきた。 ヒイエエ~~~


《 ぬ ? ・・・ は、はは、畏まりました。

  直ちに遂行致します ・・・

   大黒天様の御神勅じゃ。
    チカチュウ殿にうさぞうよ、いざ行かん!》 チュウ!


  「 は、何処へで御座いましょう?」


《 ふふふ、ヤマタノオロチの内部、サタンの元へじゃ!》 イザ!


「 うお、畏まりました。」 

    こりゃあ凄いことになった ・・・ ムフフ。
     という訳で、瞬間移動で御座います。


 総帥! 大変です!

  このサタン機頭上の邪気障壁の一部が消失しました。

   何者かが機内にテレポートしてくるものと思われます。
    如何いたしましょう!」


「 それは正神軍からの使者であろう。丁重にお迎えするのだ。」

 
  ここはヤマタノオロチ最後尾サタン機内、
   司令室そして巨大円形雛壇の頂上。

    魔王サタンの目の前に推参で御座います。

    ですが、流石にサタンは冷静であります。
   彼の大きく見開いた漆黒の目が我等を凝視しています。


《 サタンよ、朗報を持ってきた。心して聞くのだ。》


  「 ははぁ! 」


    彼は瞬時に椅子から降り、床に額ずいた。 側近も同様である。


《 面を上げよ。これは大黒天様よりの御言葉である ・・・

 『 汝等の全面降伏の意思を確認した。その謙虚な想いは認めよう。
  その報いとして邪龍に「 月光 」「 火の気 」を与えよう。』 

                     ・・・以上だ。》


    するとドーム型スクリーンには、雲海に大穴が広がり、
   邪龍全体に月光と火の気が降り注ぐ様が映し出されました。

  あっ、却って邪神軍の皆様は苦しそうですが、止むを得ません。

   ただ彼は感動に打ち震えている。
    そして司令室の兵士全員も同様に感嘆の声を上げた。


「 これは有り難き幸せ。
 わたくし邪神軍を代表し、心から御礼申し上げます。
 この御恩に報いる為にも、最期の作戦を断固遂行致しまする!!


《 うむ、汝等の想い、しかと大黒天様にお伝えしよう。
  では、さらばだ!》
 

   苦しいのに感激するとはこれ如何に?

  悪の美学の粋を、神々と神の子人に見せ付けたいということか?
 彼はそのようなことを言っていた。

大黒天様はその意に応えられたということでしょう。

 月明かりに浮かび上がる巨躯は、
  史上最も凶悪なる邪龍ヤマタノオロチとして、
   神の子ヒトの魂に刻み込まれ、永遠に語り継がれていくことでしょう。


     吾等は瞬間移動をし、マーフィーの元へ戻りました。

     そんなことになっているとは知る由もないマーフィー達は、
    宇宙の大海原を突き進んでいた。


( 二人とも、いいか。拳三の姿が近付いて来たのを感じるだろう。

  今から気を高め、拳三に激突する寸前に気を爆発させるんだ。
   失敗は許されないぞ!

    チャンスは一度切りだ!

     行くぞ、拳三おおおお~~~~~!!!


      ( にいさ~~~~~ん!!!)

      
 ( オオオオオオオ~~~ン!!!)


    す、凄いスピードです。

  だが、拳三のスピードのほうが何倍もあるでしょう。
 これが弾丸同士なら当たらないでしょうが?

け、拳三がこちらのマーフィーに気付いたようだ。
何かまずくないだろうか?

それに、ヤマタノオロチからのレーザー照準が、
拳三の額に当たっているのだが、本人は気付いてはいない。

 これも幻覚の影響かもしれない。


  そのヤマタノオロチは、例えるなら邪龍山脈か悪魔連峰か ・・・

 その醜く波打つ山脈は、大黒天様の粋な御配慮に因り、
柔らかな月の光を浴びている。

それとは別に強烈な火の気は、更に邪神軍を苦しめ、
その山肌全体からは焼け焦げたような異臭と共に、
 どす黒い煙が立ち昇っている。

   地球を覆う特殊な雲の存在は、
    火の気をある程度封じるという意味合いがあるのだ。

    創造主は邪神軍にも配慮されていたのです。

  その邪神軍最大最強最終兵器体内では、
 邪霊力を増幅させる為の電流が最大電圧となり、
邪肉の持ち主達の悲鳴が絶叫となっております。

体外の邪気は不気味に発光し、
その八体の邪龍と蠍の魔獣との融合体は、
三角錐の邪魔龍幻死砲の砲台と化しています。

 黒煙と放電を伴う砲台の先は、雲海の位置より遥か上にあり、
  それはあたかも、

  『 邪悪な電飾のクリスマスツリー 』 に見えなくもありません。


  この模様は、「神の光輪」 から 「神の光網」 を通じ、
 各 「神の光玉」 の一人一人の魂に配信されています。

世界の同志は、神に祈りつつ固唾を飲んで見守っております。

 あああ、ヤマタノオロチの体内が赤く発光し、
  その邪光弾が八機の邪龍の咽を通って、
    邪口まで到達致しました。


総帥、エネルギー充填完了!
  マーフィーと拳三の衝突地点に合わせての発射時間は、
   三十二秒後で御座います!!」


「 よし、間に合ったか!
  これも主神様のお導きだ!

  では、カウントダウンを始める。
  いいか、こちらのタイミングと同調させるんだ!

 いくぞ諸君!・・・・5・4・3・2・1・発射あぁーー!! 」  


「 拳三、受け取れぇ! 」  アンドラスタです。 いいねェ ・・

  「 発射だぁ、死ねえぇ! 」  グリオスです。 おいおい ・・

   「 発射ぁ! 」 オルゴランです。 ノーマルです ・・・

    「 くたばれぇ! 」  バクストです。 ちょっと ・・・

   「 ぶちかませぇー、ファイアー! 」  ドルンです。 あのねェ ・・

  「 やっちまいなぁ! 」  シアニードです。 だからさあ ・・・

「 行っちゃてぇ! 」  フレッタです。気合が足りない ・・・


ギリギリギリギリ、ググググゥ~~~~ゴアッ!!!



     
   

  ううわあ、雲海を突き抜けた八体の龍の口から放たれた邪龍波が、
 一箇所に集束し巨大な邪光が凄まじい閃光を放つと、
放電に包まれた邪光弾が発射されました。

そして宇宙空間の拳三目掛けて炎の尾を引き、
 凄まじい勢いで向かっていきます。

  その邪光弾の直径は約二千メートル。
   拳三は地球から迫り来る異変に気づいたようだ。


( な、何だあれはデカイぞ、黒く燃えてる。また彗星か?
  何で地球から来るんだ。

  だが距離はまだある。それにもう一つ彗星が ・・・
  ただ何か妙な感じだ。邪気が接近するのを感じる。何でだぁ ・・・

 ああ、ぶつかるぅ ・・ うああああ~~~ は? マーフィー ・・・)


     はああ~~、ぶつかったぁ! 両方同時にです。

  良かった、こともないのですが、凄い爆発の閃光が音も無く拡がり、
 拳三とマーフィーは弾き飛ばされました。

ただ、お察しの通り二人の体は激突の衝撃でバラバラです。

拳三は北の方角に弾き飛ばされました。
 マーフィー達は西に弾かれました。

  ある意味、映画 「 アルマゲドン 」 です。

   この映画のヒーローはならず者ですが、
   今の奇跡を起こしたのは、正統派ヒーローと悪魔です。

 我等はマーフィーの近くに行きました。
彼の意識はありません。

その体は上半身を残して、下半身はどこかに行ってしまいましたが、
赤い霊波線がちぎれた下半身を集めて引き寄せています。

 その信じ難い光景を、
  肉体の無いかすみと犬四郎は唖然として見つめていました。
   しかし、ハッとしたかすみと犬四郎がマーフィーに縋ります。


( マーフィーさん、マーフィーさんしっかりして ・・・
  ああっ、凄く縮んできてるわ。

   ねえ、犬四郎。
   マーフィーさんは私に任せて、
  あなたは兄さんを神の光輪へ連れて行ってくれる。
 急いで御願い。頼んだわよ!)


( はい、分かりました。 必ず連れて行きます! 

  ウオオオオ~~~ ・・・ )


    犬四郎は右の前足を挙げて敬礼の真似をし、
     雄叫びと共に飛び去りました。




          (推奨BGM)  

       クロード ・ アシル ・ ドビュッシー作曲
        『 アラベスク 』 第一番 (ピアノ)CANACANA 







          日本時間、午後十時五十分。
         カウントダウン ( 八時間十分 )


  かすみは、再生が完了したマーフィーの側で必死に呼び掛けています。


   ( マーフィーさん、マーフィーさん起きて、起きて ・・・ )


  かすみはマーフィーの魂に、
 強く響くよう祈りながら言霊の波動を送っている。

マーフィーの体は、
恐らく「 神の光輪 」に入れる適性な大きさになっているようだ。

後は自力で「 神の光輪 」まで辿り着かなければならない。

 ただ、このままで行けば激突時の衝撃により、
  地球から離されるばかりである。

   かすみの霊力では、
   肉体を持つマーフィーを止めることは出来ないのだ。


( ねえねえ、マーフィーさん、マーフィーさん、あっ、目を覚ました。)


( あっ、いけない気絶して ・・・ 
  かすみちゃん、拳三と犬四郎はどうした。)


( 大丈夫。兄さんは地球には衝突しなかったわ。
  犬四郎には、兄さんを探して
   神の光輪に連れて行くよう頼んであるのよ。
    早く行かないと間に合わなくなっちゃうわ。)


( いろいろ済まない。ちょっと待ってくれ、拳三を探してみる。

  あっ、あんな所まで飛ばされたか ・・・ グリーンランド辺りだ。
   ただ犬四郎はもう直ぐ着くな ・・・拳三、拳三、起きろ! 起きろ! 

   む、通じるぞ!!

   おい拳三! ・・・ よし起きた。

  いいか君は犬四郎と合流して神の光輪に向かうんだ。
  時間が無いぞ。急ぐんだ。こっちもギリギリかもしれない。

  あ、それから出来るだけ宇宙空間を飛ぶんだ。
   大気中では空気抵抗が邪魔になる。)


 ( ああ分かった。
  け、犬四郎の意味は分からないけど、とにかく急いで向かうよ。

 それから君が僕を止めてくれたんだな。
 僕には地球がもっと先に見えていたんだ。
 ありがとう、恩に着るよ。じゃあ、まただ ・・・

 ふう、犬四郎って??? 何か来る。まさかアレか?

  距離はあるけど ・・・炎のライオン?
   舌を出して ・・・ しっぽ振ってるぞ!

     お~~いおい、お前、犬四郎なのかぁ~~?


( はい、そうなんで~す。そんなことより急ぎましょう。)


( うわあ、近い! や、やっぱり距離感が変だ ・・・
  しかも犬四郎がしゃべった! それに随分ぼやけて見える?

   ああいや、それどころじゃない!

   ううわ、十一時まで五分しか無いぞ。
   もう行く。犬四郎ありがとう。

  あいや、僕は距離感が正常じゃなかったんだ。

 ん? 何だ犬四郎 ・・・)


( 僕、拳三さんの目に付いているゴミみたいな物が見えるよ。
  なめれば取れると思うんだけど、いいですか?)


  あ、言われてみれば拳三の目の周りに、
   薄っすらと汚れた膜が付着している。


( 何? そうなの ・・・ じゃあ舐めてくれ。)

( はい。)


  すると、少々細めのオレンジの目玉を、
   炎の舌でペロペロジュージュー舐め始めた。
    その邪気の汚れは直ぐに取れたようだ。


( おおっほう、なんか熱かったけど、どうやら正常に戻ったぞぉ。
  よ~しよし良くやった。ああ~あ、スカスカだな。
   撫でられないよ。

    ははは、よし、お前も一緒に来てくれ。
     僕の背中に乗るんだ。

      よし ・・・ 目標補足!

      近道で北極点を通って行こうって雲で見えないけど。
     じゃあ行くぞ。

   土門拳三と犬四郎、ケンケンコンビ。 

  気合だ ~! 行っけぇ ~!!!

( オオオウウウゥ~~~!!!)


    拳三は犬四郎と共に炎の気合で飛び始めました。
   この速さでは時間に間に合うでしょう。

マーフィーは ・・・飛ぶスピードはいまいちだが、何とかなるでしょう。

   かすみは、のろのろ飛んで後を追いかけている。


( あ、そうだ。一緒に連れて行ってもらえば良かったかなぁ。
 全然進まない感じだわ。瞬間移動なんて見当もつかないし、どうしよ?
 も~う、えいえ~い・・・? あれれ??? )


《 お~~い! そんな速さでは明日になっても着かんぞ~い。
  ついでだから、わし等と一緒に来なさい。》


   チュウチュウ。
     あへ?




( はああ??? ああ、あのど、どちらさまで、
  あ、いや、私目がおかしくなったわ。)


《 おかしくは無いわい。わし等はこのとおり通りすがりの神じゃ。
  たまにはこんな者もおる。気にするな。それから挨拶は後じゃ。

  かすみよ、おぬしは体が大き過ぎるから、体を縮めるのじゃ。
 やれば出来るであろう。》


    チチチ。
  通りすがりの神ぃ?


( はい、畏まりました。) 素直ですね。


   かすみは、私と同じくらいの大きさになった。

  そう言えば、私にしてもウサギスーツのせいか、
  体の大きさを変えることなど出来ませんので、
   恐らくは三十郎様とチカチュウ様も同じなのです。

    いや、私に合わせて下さっているだけかも?


( この位で宜しいでしょうか?)

《 うむ、結構じゃ。ではそのウサギの左隣に座りなさい。》

( はい、し、失礼致します。)
( はい、どうぞ~~。) 


  私は ニコッ、と笑ってお尻をずらした。

   チュチュウ! 

   チカチュウ様も、とってもかわいらしい笑みで迎えられました。

   あらら、それでかすみは申し訳無さそうと言うより、
   凄く興味深々で私の隣に正座した。

  目が何かキラキラ熱視線である。


きゃきゃっ、きゃわいいい~~ん! 夢だわきっと ・・・

  はっ、あの失礼を致しました。
   ついうっかり、思念が筒抜けなの忘れておりまして・・)

   チチ。

( だいじょうぶだよ。気にしなくていいから。
  これはウサギスーツで、中身は51才の中年男なんだけどね。

  まあ、魂は永遠の青年といったところだね!
 如何でしょう! 三十郎様にチカチュウ様!)


はははは! おぬしの言う通り、わしは三十九万年生きとるが、
  永遠の青年である!》


《 わたくしも二十七万才ですが、永遠の美少女ですわ! ほほほ ・・・》


( わあ、素敵ですね! 私の魂の年齢は何才か分かりませんが、
  少女の心を忘れずに精進致します!)


    かすみは笑顔で答えた。

 ただ、ぬいぐるみのチカチュウ様が凄くかわいらしいのは分かるが、
 私の姿も随分かわいいのだろう。

  何しろ大黒天様の御趣味でありますから ・・・
   私は、未だに自分の顔を見たことが無いのだが ・・・


《 鏡など出さんぞ~、面倒だ。では参る、いざ神の光輪へ! 》

  チュウ~~~!

  ( はは。)

   ( はあ・・・?) 

    かすみちゃんびっくり、もう着いちゃいましたとさ ・・・


  あわわ、こちらは富士山麓 ・・・

そこへ堕天使八人、その側近達と無数の兵士達が勢揃いして、
富士の裾野の一角を埋め尽くし地面に正座しておりますがぁ ・・・

 実に神妙な面持ちであります。
  ただ殆どの者は富士周辺の神気の影響で苦しがっています。


 そしてヤマタノオロチが駿河湾に見えます。
有り得ませんこの巨体。

 八機の邪龍の頭は正面から見ると縦長の楕円形に整列して、
  雲海の下におぞましい姿の全容を晒しています。

    勿論、富士上空には雄々しい火之夜芸速男神様が ・・・
     その上には「 神の光輪 」が燦然と輝いております。  


《 よいか、邪神軍の連中は大黒天様より御沙汰が有るまで、
  その場での待機を命ぜられておる。

   まさか、執行猶予期間内に全面降伏するとは思わなんだが、
   これも主神様の大愛なるお導きがあってのことだ。
  それに神の子人の祈る強さが増した証拠でもある。

 実に見事じゃ!

  直に拳三とマーフィーも到着する。
   そして「神の光輪」は完成する。

   我等は祈りつつ、その神々の愛の奇跡を魂に焼き付けるのじゃ。
   未来永劫、例え神に昇華したとしてもじゃ。

  二人とも分かったかな。》

   チュウチュ。


   「「 はい、分かりました!!」」



( 執筆当時の作者時間 二〇〇九年十一月十八日 (水)午前零時 )





 あ ~~、 さてェ ・・・

   この後の展開はどうなるんでしょ?

      分かりません!


          次回をお楽しみに ・・・ 



   
  おまけの宇宙画像です。


《 最終章 》 〈 第六話 〉 史上最凶最悪の邪龍

2019年02月07日 11時17分00秒 | 小説



  《 キャラクター&キャスト 》

総  帥 サタン (ルシフェル/クラウド) アントニオ・バンデラ〇
  大将 ハガード  / ブルー〇・ウィリス
  少将 フェリウス / オーランド・ブルー〇
  大佐 レイカス  / ラッセル・クロ〇

( 七大悪魔 ) 

司令長官 アンドラスタ / ジョージ・クルー〇―
将 軍 グリオス    / アンソニー・ホプキン〇
将 軍 オルゴラン   / トミー・リー・ジョーン〇
将 軍 バクスト    / ウイル・スミ〇
将 軍 ドルン     / ウェズリー・スナイプ〇
将 軍 シアニード   / アンジョリーナ・ジョリ〇

将 軍 フレッタ    / アン・ハサウ〇イ

     「 プリティ ・デビルス 」

       側近 A / キャメロン・ディア〇
       側近 B / ルーシー・リュ〇
       側近 C / ドリュー・バリモ〇


マーフィー・ラッセル (二十五才) ヘイデン・クリステ〇セン
土門 かすみ (二十一才)ーーー  成瀬 璃〇
( 豆芝 ) 犬四郎 ーーーーーー  加藤 清〇郎


さて、将軍ドルンにより月から強制送還されたマーフィーですが、
拘束されつつも、全く怯ひるまず悪魔共と戦っています。

彼の武器は、神への愛と情熱、不屈の精神、冷静な洞察力!
それに対抗する悪魔共の武器は、神と彼に通用するのでしょうか?

       その結末や如何に ・・・?



            ( 推奨 BGM ) 

        ヨハン ・ セバスチャン ・ バッハ 作曲
       ハープシコード協奏曲第1番 ニ短調 BWV1052   



 

  ( 執筆当時の作者時間 二〇〇九年十一月五日 (木)午前二時 )


     現在日時、十二月二十一日(日) 18:20
             カウントダウン 12:40





            ここは地球。


      北米大陸を縦断するロッキー山脈、その一角。





   この地で今繰り広げられていることを解説する前に、
  月で拳三とマーフィーが離れ離れになった、
 その後から現在に至るまでの過程を、録画された叡智晶の動画を元に、
掻い摘んでご説明致しましょう。

地球に強制送還されたマーフィーは、
 ロッキーに集結したサタン機、グリオス機、
  オルゴラン機、バクスト機、シアニード機に囲まれました。


「 サタン機 」 

 真っ白のイメージでお願い致します。クチバシはレモン色です。            


    

 この時点では、マーフィーは気を失ったままです。

そこで拘束具「 蜘蛛の繭 」を解かれ、代わりに十字架に磔にされました。

蜘蛛の糸で十字架に頭以外を縛られ、
その上で両掌、両足首に金属の杭を打ち付けられたのです。

 悪魔共に情けという感情は御座いません。

   激痛で目が覚めたマーフィーは失望しましたが、
     直ぐ我に返り不敵にこう言いました。


「 おい、無駄な努力だな。
 月での攻撃をまともに受けても、僕はこうして無傷で生還した。

 だからお前等は僕を殺すことが出来ない。
  幾らでも痛め付ければいい。

  正直怖いが、
 これも鍛えと思えば君達に感謝出来るようになるさ、きっとね。

 君達の邪龍は地球の生ゴミ同然だよ。
  もう腐ってきてるんじゃないか? フン。」


    言いますねぇ。


「 おいおい、黙って聞いていれば良く謳う木偶の坊だな。

   私は悪魔王サタンだ。

   お望み通り強烈なリンチはしてあげるさ。
  色々趣向を凝らしてね。
 君もきっと気に入ってくれるだろう。

  さて、世界一周旅行と洒落込もうではないか。
   その後は、神の光輪に入る事無く、
   南極点にでも十字架ごと突き刺して差し上げよう。

  では、皆の者参ろうではないか。」


    磔状態のマーフィーは、
    邪気の球体の中に閉じ込められたまま、宙に浮いている。

   間も無く、五機の邪龍と共にテレポートしました。

 まず、アメリカの神の光玉を巡り、
その守護神と神の子達に向かって、

「 もう神の光輪は完成せず、正邪の戦いは邪の勝利が確定した。」 

等と謳い、
マーフィーの体をサタン機以外の邪龍に攻撃させ、晒し者にしました。
 悪魔共は攻撃しながら罵声を浴びせ続けたのです。

  そのマーフィーの姿を目の当たりにした光玉内の群衆は、
  涙を流しながら必死でマーフィーの為に祈りました。

 ここでも聖者から、悪魔への憎悪の想いを持ってはいけないことを、
補佐役から末端の人々に徹底させていました。

マーフィーの家族がいる光玉では、
 サタンがそこの弱みを突いて祈りを混乱させようとしましたが、
  マーフィーの家族も他の者達も動じませんでした。

   サタンを始めとして、
   他の悪魔共も顔色が優れなくなってきています。

   それもその筈、手応えが無い上に、
   却って志気を高め光玉の光度が増すので、
  その光を浴びて苦しくて仕方がないのです。

そして当然マーフィーの体は徐々に縮小していきます。

 マーフィーは体が縮む度に邪気が抜けて、
  神気が増してきていることを実感していました。
  彼の魂は静かに轟々と燃え、信念は揺ぎ無いものになっています。

 悪魔共は、それでも意固地になり、
次に向かった先は中東のアフガニスタンとイラクでした。

  これには理由があります。

  何故なら、マーフィーの叔父はイラク戦争で戦死しており、
  また彼の友人はアフガニスタンでの掃討作戦中、
 タリバン武装勢力との交戦中に銃撃され死亡しているのです。

それに因りマーフィーは、
 イスラーム教とアメリカ政府と軍に対する
  不信感が少なからず有るからです。

 タリバンもアルカイダも、
元はと言えばアメリカが育てたようなものです。

マーフィーは、それを熟知しているが為に
払拭しきれない悪想念がまだある、
とのサタンの部下の調査に因り、
 そこを突こうというサタンの思惑は、
   果たして功を奏するのでしょうか?


    サタンは、
   イラクの光玉付近上空に浮遊させたマーフィーにこう言います。


「 マーフィーよ、お前の叔父を殺したイラク兵の家族は、
  あの中にいる。この映像を見るのだ。」


    するとマーフィーの目の前に、
    光玉内の模様を写したスクリーンが現れた。


「 あの中にいるのであれば、魂が美しい選ばれた神の子だ。
 その資格があるということだ。恨みなどもう無い。

僕の大好きな叔父は、今は邪龍に取り込まれていると思う。
それも僕ががんばれば、もしかしたら救って頂けるかもしれない。

 ただ、今は一人のことより、
  全人類の家族を救うことに集中しなくてはいけないんだ。

   もうこのままでいいから、月に連れて行ってくれ。
   拳三と一緒に修行がしたいんだ。

  以前はあなたも偉大な天使だったのでしょう。
 御願いします。月へ戻して下さい! 」


馬鹿言うな! てめえの言う事なんぞ聞く耳持たねえよ。
  全くさっきから歯応えは無いやら暗いやら ・・・

   日本へ行って侍の修行したんだろが、
   だったら少しは気合入れて抵抗してみやがれってんだ。

    畜生ぉ~~!!


    バクストが苛立っている。

  ??? 何だろう、オルゴランの邪龍から光る物体が二つ、
  マーフィーの元へ近付いて来ました。

   驚いたのはマーフィーだ。

    それとは別に ・・・ むっ、この只ならぬ神気は??

    ああっ! 眩い光が上空から地上を照らしている。

  あっ、あれは光玉から伸びた
「 神の光輪 」 に繋がる 「 神の光網 」 の一部が、
強烈な光を放っているのだ。

その光の根源が、光網から離れマーフィーの元へ近付いて来た。
それは、紛れも無いガブリエル様の御姿だ。

 何とも神々しい輝く神気に包まれ、純白の翼が優雅に羽ばたき、
  光の風を辺りに振り撒いている。

   悪魔共は油断していたので邪龍内はパニックになりました。    

    ガブリエル様がマーフィーに語り掛けます。


《 マーフィーよ、よくぞ今まで神の鍛えに応えてくれた。
 直に適性な体に成れるであろう。

  今までの労をねぎらい、
   大黒天様からご褒美を頂いたので受け取るが良い。

   ははは、それは汝のイラクで戦死した叔父エリック・ラッセルと、
  アフガニスタンで戦死した友人チャーリー・マクレガンだ。

二人は取り込まれた邪龍から、特別に「神の光玉」に入ることを許された。

良いか、マーフィー、エリックにチャーリーよ、主神様にお詫びと感謝を、
 そしてその証をお立てするのだ。

   如何なる時と場合に於いても永遠にだ。良いな! 》


   「「「 ・ ははあぁ ・ あう ぅ ・ ああ あ ・・ 」」」


     三人共、泣きじゃくり殆ど言葉にならない様子だ。
    無理もない。このような奇跡はそうそう無いのだから。



         《 サタンと四人の悪魔よ。

        もしお詫びをしたいのであれば、
      神の光輪の元へ集い、ひれ伏して懺悔せよ。

        最期位は礼を正しては如何かな。 》



       「 ガブリエルよ、久しぶりだな。

      とは言え、積もる話をする気にはなれん。
       もう帰ってくれ。私は今機嫌が悪い。」


  「 そうだ。帰れ帰れ。お前等のやることは一々癇に障るぜ!」


    バクストも苛立っているが、苦し紛れの感は否めない。


         《 そうか、ならば帰ろう。
        その前に君達に礼を言っておこう。

        マーフィーと拳三が世話になった。
       それに世界の神の光玉の皆も鍛えられた。

         君達の御蔭だ。 ありがとう。

          功績と罪穢は別だからね。

     では、マーフィーと拳三を引き続き宜しく頼むよ。

            さようなら。》


        ああ、これぞ神の愛そのものだ。

       ガブリエル様はマーフィー達に微笑むと、
  光玉内の群衆にも微笑み手を振りながら去ってゆかれました。


     この模様を見た世界の同志の皆様は感涙に咽び、
         興奮の坩堝と化しています。

       その後、救われた二人の魂は栄光の
       「神の光玉」 に入って行きました。



「 ちっく しょう、ふざけんな。 
  礼なんかいらねえよ ・・・ バカヤロウ。」


    やけくそだ。


「 バクスト、もういい。 ロッキーへ帰るぞ。」   


    サタンは戦意喪失のようです。
    他の悪魔も冴えない顔だ。明暗の差は増すばかりです。


「 バクスト、総帥がそう言うんだ。言う通りにしようぜ。」


「 分かったよ。 
 なあ、オルゴラン ・・・ 俺、さっきから震えが止まらないんだ。  
 涙も勝手に出やがって、みっともねえよ。

 こんなの最低だぜ ・・・ ううぅ ・・ 俺は最低だ ・・ 」


「 そう言うな。俺も同じだ。悪魔の最期はこんなものだ。
 堕天した報いだよ。そして俺達の地獄は果て無く続くだろうよ。

 もう取り返しが付かない。 二度とな ・・ ぅぅ ・・ 」


「 おいおい、いい大人がメソメソだらしないねえ。
 ふん、あたしは最期まで泣いたりはしないよ。

 絶対、絶対だ! 怖くも無い!

 火に焼かれても泣かないよ。叫び声も上げない!
 あたしは最期までサタン様のお側でお使いするんだ ・・・ 

 最期まで ・・ぁぁ・・ 」


   シアニードは振るえを押さえながら、精一杯強がった。
    青く強張った顔で ・・・

    もう一人おります ・・・ 堕天使グリオス。
   彼は ・・・ 無言で宙を見つめています。

 ただ、見つめているのは遠い記憶かもしれない。
 彼は現実逃避をしているようだ。 

 目が何か楽しそうだ。


   遥かなる記憶かぁ ・・・ いつの事だろう?

      あなたは ・・・ どう思われます。













                 ここに来て、邪神軍沈黙 ・・・

                  総帥サタンの思考停止 ・・・


                 静寂に包まれたロッキー山脈 ・・・

               彼等の命運や如何に ・・・
















 間も無く全機テレポートをし、ロッキー山脈へ戻った。

月の別働隊は既に戻っていた。
そして悪魔の邪龍八機が揃った。

 この時のマーフィーの身長は百メートルを割っていた。

   次に始まるのは、
    恐らく最期の悪魔の祭典、最期の儀式 ・・・









  









                    ( 推奨BGM )  

                フレデリック・ショパン作曲  

           十二の練習曲 作品二十五 第七番 嬰ホ短調 

              マウリツィオ・ポリーニ (ピアノ)


   





















この地には、深い悲しみと絶望の波動が渦巻いていた。


 この何とも言えない虚脱感は、全機の邪龍の体全体から滲み出ている。

   それぞれの堕天使も同様である。


         皆、目が虚ろで誰一人黙して語らなかった。




















               どれ程の時間が経過したのだろう ・・・


           静かだ   余りにも ・・・



      雪山も   息を潜めている


   灰色の雲を   ただ見つめる


 気が付くと粉雪が音も無く降りてきた ・・・ 風は無い  

まるで彼等の心情を表すかのようだ   


   
サタンは その粉雪が舞う様を死んだ目で追っている

まるで生きる屍 先程から瞬き一つしない ・・・


?  唇が動き始めた 何か歌っているのか ・・・ 聞こえない




 彼は暫くすると側近にスコッチを頼んだ そして皆も飲めとも言った

  部下達はすすり泣いている


    サタンは 
     ショットグラスの琥珀の揺らぎを見つめながら何を想うのか?


      彼の大きな漆黒の瞳から一筋の涙が零れた


      頬を伝い落ちた涙の雫が ゆるり琥珀と混ざる



     グラスを上に挙げ ただ ジッ と見つめた



「 ・・・ 寒いな  それに 
 ただ   むなしぃ ・・・ 」




       頬杖をついて また黙った 


             それから 体の振るえは止まらなくなった



















日本時刻、午後七時十分
カウントダウン ( 十一時間五十分 )







  邪神軍が沈黙して ・・・ 彼等の時は未だ動かず。

   総帥の思考が復活するまでは、誰も動けないのだろう。


  それでも全次元の時が止まる事は無い。

 容赦無く時は進み断罪の瞬間は近付く!


時を刻む音霊は無いだろうが、邪神軍の兵士達には、

一秒一秒を刻む 「 秒針 」 が胸 に突き刺さっているに違いない。

 更に 「 分針 」 は腹をえぐり、「 時針 」 は首 を刈るのだ!

  そのような妄想に駆られ、正気ではいられないだろう。


      哀れだ ・・・ 憐れだ。



   人生を諦め断罪を待つ他無い邪神軍の面々の顔色は最悪です。

    この先どうなるのか? 

    あなたも想像空想美想してみて下さい。
   妄想など無粋ですよ。

神の子人を含めた正邪の神々の黙示録。

 あなたの描くクライマックス。
  自由な発想で魂という小宇宙に描いてみて下さい。

    音楽、風景、心の葛藤、そして極限の愛、等など ・・・







                      ( 推奨BGM )

                ポール・デ・セネヴィル 作曲
                 「 マリアージュダモール 」

               ジョージ・ダビッドソン(ピアノ)
               
                 注:ショパンではありません。



 



            さて、邪神軍の皆様は、え~~まだ駄目ですか?

           まるで邪龍が動く気配無し。


         思考回路がショートした模様。



      一体彼等は何をしているのか ・・・ ?




( サタン )      
 あれっ、いない! 何処?
 側近と共に完全防寒でクラウド山(実在)の頂上に
 その姿が ・・・ 自分探しか?

( アンドラスタ )
 シャワーを浴び、着替えて鏡の前でポーズ。
 溜息を一つ吐くと、ソファに座りバーボンを飲みながら物思いに耽る。
 な、誰か来た。

( グリオス )
 色情狂だけに、やることは一つ。 狂っているのです。

( ドルン )
 オーストラリアにテレポートし、山を標的に大砲を撃っては、
 エアーズロックに当たったとか、外れたとかに一喜一憂しています。
 実弾シューティングゲームですか? まあ楽しそうです。

( オルゴラン )
 あらら、バクストと共に側近を交え、バレーボールの試合を? 
 楽しそうだ。 先の事など考えたくないのでしょう。

( バクスト )
 部下達は宴会を開き、どんちゃん騒ぎをしている。

( シアニード )
 シャワーを浴び、着替えて鏡の前でポーズ。 か、完全防寒!
 それで側近三人を引き連れサタンの元へ ・・・
 アポ取らなくて大丈夫ですかね、お姉さん?

( フレッタ )
 シャワーを浴び、着替えて鏡の前でポーズした後、
 側近、自称 「プリティ ・デビルス」 達は、
 ティーを飲みケーキを食べながら愚痴をこぼす。

側近 A 「 ねえねえ、フレッタ様ったら、
     お一人だけアンドラスタ様の所へ行かれてしまうなんて
     ズルイですわ!」

側近 B 「 何時もあの方は自分勝手で付いて行けませんわ。ぷんぷん。」

側近 C 「 あたしは生まれつきそうなのっておっしゃって酷いですのよ。」

側近 A 「 あっ、そうそう。
      アンドラスタ様の軍のリッグ中佐って素敵だと思わない?」

側近 B 「 あら、あたくしは断然バグソー中将ですわ。オホホホ ・・・」

側近 C 「 えっ、まあ、それはぁ~良い御趣味ですこと、おほほ ・・・」


          がが、ガールズトーク? はあ ・・・


         でも、この後どうするのでしょう?

   あっ、叡智晶に記録がありました。 恐れ入ります三十郎様。

             なになに ・・・


       『 日本時間、午後十時半まで自由行動。
       各将軍は同時刻サタン機に集合。遅刻厳禁。』



       こんな通達が邪龍各機に出ておりました。












          日本時間、午後十時三十分。



     ここはサタン機内の一室 ・・・ 遅刻者は無し。
   大きな円卓にそれぞれ座っている。


円卓の奥、左側には、等身大と思われる邪神アポフィスの立像が、
向かって右手にはイングリッドの立像が鎮座している。


左右の邪神夫婦中央奥の壁には、
 赤地に白い円の中に、
  赤青二体の8の字に絡み合っているような龍が描かれ、
   その中央に、黒いサソリが見る者を睨んでいる。

   しかも蠍のハサミは二体の龍を挟み込み、
   更に、龍の交差部分にサソリの尾の毒針が突き刺さっている。
  言葉だけでは表現し難いものですが、
何とも皮肉めいた絵柄だ。


  霊の元つ国の、日章旗の真逆な色合い。

   そして赤龍は火の神 を、青龍は水の神 を表し、
   それらすらサソリの邪神軍は凌駕するという、
   正神軍を侮辱した絵柄であります。

  最も無礼なのは恐れ多くも、二体の龍の交差部分は主神を表し、
そこに毒針を突き刺しているということなのです。

  これが邪神軍の旗印なのだろう。

   「 弱い犬ほど良く吼える 」 でしょうねェ。

     堕天使達は、当然、皆神妙な面持ちです。
     それに口が利けなくなったようだ。

    暫くの沈黙の後、サタンが重い口を開いた。



「 皆、聞いてくれ。今まで私に良く着いてきてくれた。
 礼を言う。 ありがとう ・・・ そして申し訳ない。

 どんなに詫びても許されるものでもないが、
 ここまで堕ちてしまっては主神様が我々を許すことはない。

 私の責任だ。皆を火の海に道連れにしてしまうとは ・・・ 
 本当に申し訳ない。
 ただ、皆に許してくれとは言わない。

 皆には、悪魔王サタンではなく、
 かつて大天使長ルシフェルだった誇りを最期まで見届けて欲しいのだ。

 それでなくては皆を堕天させた責任は果たせないと思っている。
 どうかな、皆の意見を聞かせてくれ。」


流石です総帥!! ただ謝る必要など微塵もございません。

 我等は一蓮托生。始めからその想いでおりました。
 私は今でもその想いは変りません。

 最期の最期までルシフェル様の背中を追い続けます!!!


   シアニードが擁護した。


「 彼女の言う通りですよ。我等は十分楽しんだし満足している。
 ただ、その報いを受けるだけですよ。

 間違っていることをお座なりにして来たのは、皆同じだ。
 だから、今更誰も異論などありませんよ。

 一つ言えるのは、あなたが我等の総帥であることで、
 罪の重さが格段に違うということです。

 それは、我等が総帥に詫びなければならない事であると、
 私は想いますよ。

 俺達なんて気楽なもんだったよなあ、バクスト。」


「 オルゴランの言う通りだぜ総帥。

 俺は偉大な大天使長ルシフェル様に憧れ、
 ここまで着いて来れたことを誇りに思ってるんですよ。

 例え堕天した今でも尊敬の念は変りはしません。
 ただ、この先は御一緒出来ないことが残念でなりませんがね。」


「 総帥、私は月で己に誓いを立てた通り、
 主神にお詫びの証をお立てしたいのです。

 それしか、今の我等に出来ることは御座いません。

 アポフィス様とは連絡が取れませんし、
 我等だけでも揃ってお詫びを致しましょう。

 御願いです。総帥!


「 わたくしはアンドラスタ様の意見に賛同致します。どうか総帥。」

「 フレッタが言うんなら俺は構わないぜ。他に妙案は無いしなぁ。」


「 へえ~、グリオスが折れるとはなぁ。

 ははは、最期に頭を下げるとは思ってもみなかったが、
 無様に最期まで抵抗すること自体、恥の上塗りになるだけか?

 俺様は東京湾と月で思い知らされたからなぁ。
 まあ、潔く降参するのが得策と言う訳だ。

 邪道の先には分厚い障壁が立ちはだかる。
 その障壁を造ったのは正神だ!

 そこで止むなく正道に振り向く ・・・
 その先には主神の光が見い出せるんでしょうかねぇ、総帥。」


ははは、思い出せ! 天使だった頃の記憶を ・・・

 『 全てを善へ導く神仕組み 』 ・・・ 

 神に向かえば愛と光は降り注がれる!

 今まで、下ばかり見ていたから神の無限の愛と光は見えなかった。

 まあ、強がって主神に背を向け、
 二度と振り向かないと己に誓ったから当然だがな。

 とはいえ、背中には光が当たっている ・・・ 
 神の愛とはそういうものだ!

 それ故、アンドラスタの言う通り、今はお詫びしかない!

 最期にくだらんプライドを捨てるということだ。
 捨てればスッキリするだろんだろうなぁ。 ははは ・・・

 では、行こうか富士へ ・・・

 ただその前に、この邪龍形態をまとめておこう。
 それぞれの単体では見苦しい。」


「 つまり、予定通り アレ を復活させるとおっしゃるので?」 


    何です?


「 その通りだドルンよ。 皆もそれを楽しみにしていた。
 アレ すら正神軍は問題なく屈服させるということを、
 神の子の魂に植え付ける。

 その方が主神は御経綸を進め易いであろう。
 主は偉大なり! そういうことだ。 よいかな諸君!!」  


     ちょっと、何なんです?


     「「「 おおぅ!!! 」」」




            ( 推奨BGM ) 

      ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
     交響曲 第九番 ニ短調 作品百二十五 (第一楽章)

          カラヤン&ベルリンフィル



  


   サタン以外の悪魔達は、それぞれの邪龍に戻っていった。

 間も無く、八機の邪龍は不気味に光始めた。

すると、サタン機以外の邪龍が、普通の龍体に変化していきました。
通常の形態に戻したということか?

 それぞれ一体の全長、八キロは有りそうです。
  ただ手足は有りません。 色は赤黒。


   何をしようというのだろう。


 サタン機 は ・・・ 龍体のようだが? 違います。

確かに龍体ではありますが、
なな、何とその途中からの形態が違うのです。
それは ・・・ 蠍の尻尾に繋がっているのです。

 龍の頭は遥か上空に有りますが、
  その尾はサソリの尻尾の途中から繋がっています。

    サタン機は、龍とサソリが一体化した邪龍なのです。

     色はサソリの部分はどす黒く、龍体の部分は赤黒です。
     見るだけで血が凍り付きそうだ。

    しかもこの化け物の全長は二十キロほど有ります。

  こんな光景信じられません!




         「 さて諸君、準備は整った!

           只今より 悪魔の祭典、

     最終章 『 ヤマタノオロチ復活の儀 』 を執り行う!

     七機の邪龍の将軍、全兵士そして可愛い蛆虫共よぉ、 
       我と同化融合し、神々と神の子人に、

      悪の権化の醜さを嫌と言うほど見せ付けるのだ!

           さ~あ来い!!!


 「「「 うおおおおおおおお~~~~!!!」」」 う、うわっ。


グオッ、ガウッ、ゴオッ、ギイッ、ギャッ、グアッ、
      ギャアアアアアアァ~~~~ッ !!!



  凄まじい絶叫の不協和音が辺りに木霊します。 
   エンジン全開という訳です。

    その七機の邪龍がサソリの背に、尾から合体してゆきます。


まず、アンドラスタ機がサソリの頭の上に ・・・

   次に、その右肩付近にグリオス機が ・・・
     その後ろにドルン機が ・・・
      その後ろにシアニード機が ・・・

       左肩付近にはオルゴラン機が ・・・
      その後ろにバクスト機が ・・・
     その後ろにフレッタ機が ・・・

  そして、サソリの尾から繋がった龍が、
最後尾上空から七機の邪龍を見下ろしているのです。


  な、何というおぞましい怪物なのだ。
   これがヤマタノオロチなのか?

     今までの人間のイメージとは随分違うようです。






  竹内文書では約百七十億年前、上古二十二代天皇の治世期の記述に、
 ヤマタノオロチとは、

「 天皇に敵対する山賊の集団で、山田の大蛇賊の事 」 とあります。

勿論、その山賊集団を退治したのは 素戔嗚尊 様であります。
それが後世、大蛇を退治するという神話になったようです。

   真実とは面白いですね。


     ・・・ む、あれは何だ?


「 総帥、右舷後方から敵出現!
 マーフィーを奪還する模様です。如何致しましょう。」


「 何? そうか、マーフィーは忘れていたな。
 彼にはもう用が無い。拘束具を外して放っておくのだ。」


「 はは、畏まりました。」


「 しかし、何だあれは?
  炎の獅子に跨った女神か? ふ、面白いな。

   それより駿河湾にテレポートする。
    レイカス大佐、全回線を開け。」


「 はっ、全回線開きます。」


    前方のスクリーンには七人の悪魔が映し出された。


「 いいか諸君! これより駿河湾へ向かう。
  覚悟はもう決まっている筈だ。

   残念ながらアポフィス様との連絡は取れず終いだが、
    我等 邪神軍は全面降伏をする!

      主神様の御前で無様な失態は許されん。
       そのことを胆に銘ぜよ! ゆくぞぉ!!


    「「「 おおぅ!!! 」」」


「 フェリウス少将、駿河湾へテレポートだ!」

「 は、駿河湾へテレポート致します ・・・5・4・3・2・1・GO!


  フィフィフィフィ、フュフュフュフュゥ~~~~~ グイン ! 


      あらららぁ、行っちゃった。




            ( 推奨 BGM )

      ラフマニノフ:ヴォカリーズ作品34の14

     André Previn/London Symphony Orchestra








    ところで炎の獅子と女神 ・・・正体は何者なのか?


  女神の姿は、天女の様な衣装プラス羽衣を纏っています。

その上、燦然と輝くオーラに包まれた絶世の美女で、
何処と無く誰かに似ています。

・・・ お分かりですよね、勿論。

 いきなり開放されたマーフィーは面食らっている。

   それに、目の前には女神と獅子が ・・・ 
     大きさはマーフィーの三分の一ほどだろう。


「 あの、助けて頂きましてありがとうございました。
 宜しければお名前をお伺いしたいのですが・・・」


「 わ、わたしはかすみです。分からないの?
 それにこの獅子は犬四郎なの。それから私達が助けた訳じゃないのよ。」


「 何だって? き、君はまさか死んでしまったのか? 肉体を感じないぞ。」


「 そうなの。犬四郎もね・・ねえ、あなた元の姿に戻ったら?」


   ウオン、オン!  あ、あらら、炎の獅子は豆芝の姿に戻りました。


「 ほらね。私達死んじゃったけど、
  こんなに元気で神様にお使い頂いているのよ。

  それよりあなたが無事で良かった。

  不死身なのは分かっていたけど、あんな酷い目に遭って、
 わ、わたし辛くて見ていられなかった ・・・ うう ・・ 」


「 あああ、そそ、そうか、ただ積もる話は後だ。
  今、不味い事になっているんだ。」


「 どうしたの? 兄さんの事?」


「 そうなんだ。今地球に向かっているんだよ。

  それで飛ぶ速度は加速を増して制限時間までは
   間に合いそうなんだけど・・・・

   何か胸騒ぎがするんだ。

  飛ぶ速さの加減が出来ないのかどうか?
 このまま加速を続ければ、地球に激突してしまうかも ・・・」


「 そ、そんな・・・ねえ、思念波で交信出来るんじゃないの?」


「 それが ・・・存在や位置は確認出来るんだが、
   思念波は伝わらないんだ。

    何故なのか? ・・・

     何か拳三に邪気が纏わり付いている感じがする ・・・

    うう、もうそろそろスピードを落さないと不味い。僕は行く。
   早く拳三を止めないと、
  巨大隕石が落ちてくるのと同じ衝撃が地球に与えられてしまう。」


「 私も行きます。
  犬四郎と私は、あなたと兄さんを助けるようにと、
   ミカエル様から仰せ使っているの。
    犬四郎は飛ぶのは結構速いわ、だから。」


   「 分かった。じゃあ、着いて来てくれ。」


    犬四郎はまた炎の獅子に変身した。
   かすみは犬四郎に跨りマーフィーの後を追った。

 なるほど、拳三が邪気の影響を受けて
スピードの制御が効かないということは、
やはりあのシアニードの彗星が発した
蜘蛛の糸を被ったことが原因でしょうが ・・・

その糸の成分が視力に影響し、
 恐らくは距離感が掴めないのだろう。

  ということは、そんな罠を仕掛けた張本人達は、
   すっかり忘れ去り駿河湾へ ・・・

    しかし、この地球に向かう拳三の進入角度は垂直に近くて、
   余りに危険です。

  早く気付いてブレーキを掛けなければ太平洋に激突です。
  拳三は重症を負っても再生出来ますが、
   地球はそうならないでしょう。


《 よいか、拳三の目に影響している邪気の糸は、
  シアニードに因って幻覚を見せるようプログラムされている。

   拳三が今見ている地球は、
   まだ遥か彼方にあると錯覚しておるのじゃ。

  だから加速を止めないという訳だ。
 このまま進めば小笠原諸島付近に激突してしまう。

 危険過ぎるが我等は手を出せん。今は祈るしかないのじゃ。
  がんばってくれ拳三、マーフィー、かすみに犬四郎。
   試練なのじゃ。》

      チュウウウ、チュウ。


    いやあ、またまた冷や汗ものの展開になっておりますが、
    きっとあの四人ならこの窮地を乗り越えられる筈です。
    ただ、もう拳三は間近に迫って来ています。

    彼は大気圏に突入しても燃え尽きない小惑星ですから、
   その質量を保ったままで一瞬に海面から海底に激突するでしょう。

 その破壊力は、想像を絶するものと思われます。





   我等はマーフィーの後を追いました。

  マーフィー達は宇宙に飛び出し、
  拳三が到達するであろう地点から相当離れた場所におります。

  マーフィーは強い霊眼の力で拳三の位置を確認しています。
   そして会話はテレパシーを使っています。


( 拳三の軌道を変える為のエネルギーは、相当な物に違いない。

しかも地球から遠く離れた地点で変えないと、
衝突は避けられないだろう。

いいか、かすみちゃん。

 僕はここから拳三目掛けて斜めから体当たりをする。
  僕の全霊力を高めてだけど、それで足りるかは分からない。

   だから、君と犬四郎の力も必要だ。
    僕と一体となってくれるか、かすみちゃん、犬四郎!)

   ( 勿論だわ! )

    ( はい! )

    ( えへえ~、犬四郎が喋った。 はは、これは ・・・

     そうだ、テレパシーは宇宙共通語だったな、
     不思議がることじゃないか。

    じゃあ、かすみちゃんは右腕に、
   犬四郎は左腕につかまってくれるか。)


      かすみと犬四郎はマーフィーの言う通り、
     それぞれ彼の腕につかまった。


( よし、じゃあ行くけど・・・僕達は迎撃ミサイルのような物だ。
  速度が上がれば上がるほど命中の確立は格段に下がる。
   だが、何としても命中させなきゃいけない!

    いいか、拳三の魂を捕らえて放さないよう集中することと、
    主神様に祈るんだ。

    そうすれば、主神様の愛が僕達を導いて下さる筈だ。
    それに、多くの神々と光玉のみんなが祈っていてくれる ・・・

    かすみちゃん、犬四郎。 行こう 拳三の元へ!

     ( はい!)

   ( りょうかい!)





  さてさて、意外過ぎる展開ではあります。
  悪魔が改心するとは?

 実際、本当に改心し、正道に戻る悪魔は僅かにいるでしょう。
 果たして、これからどうなるものか?

そして、意志を持った超破壊彗星と化した拳三と地球の命運や如何に?
次回、急展開を見せます。

 乞う御期待!!!


ところで、サタンが自分探しに訪れたクラウド山は実在します。

 WEB ブリタニカ国際大百科事典より ・・・

アメリカ合衆国,ワイオミング州北部にある山。標高 4016m。

ロッキー山系の支脈,ビッグホーン山脈の最高峰で,大氷河がある。
西側はビッグホーン盆地,北北東に向ってグレートプレーンズが開ける。



 「 クラウド 」とは、
 私が描いたサタンの仮の姿をした人間の名前ですが、
 物語の進行上、ロッキー山脈の何処かに、
 クラウドという山があれば好都合と思い、
 世界地図を見れば、実在していました。

  偶然なのか必然なのかは不明ですが、
  ロッキー山脈もクラウド山も悪の巣窟としたのは、
  私の演出上でのことですので御了承ください。


そして今日の宇宙画像です。




《 最終章 》 〈 第五話 〉 騎士と武士( 後 編 )

2019年02月07日 08時46分39秒 | 小説




     遂に始まった正邪の最終決戦!
    その決戦も三日目に突入致しました。

  今まで月面特設リングにおいて、アンドラスタ司令長官と拳三は、
 百本の剣の死闘を繰り広げていました。

拳三と相対する中で、悪魔の騎士は神の愛に大きく心が揺さぶられ、
何と改心してしまいます。

 改心したアンドラスタは、徹底的に拳三を鍛え上げ名刀とすることで、
  神へのお詫びの証としたい思いなのです。

   そして今、百本目になろうとしていましたが、
    ここで拳三から提案がありました。

    それは、父、剣三郎直伝の 「活人剣の構え」
    なるものを披露したいというものでした。

  その構えとは如何に ・・・






月の裏側 





          ( 推奨 BGM ) 

       フレデリック・ショパン 作曲

   00:00 - Nocturne in F major, Op.15 No.1 (1967)
   03:41 - Nocturne in D-flat Major, Op. 27 No. 2 (1972)
   09:41 - Nocturne in C minor, Op. 48, No. 1 (1978)
   14:54 - Nocturne in E-Flat Major, Op. 55 No. 2 (1965)   

       マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)

https://www.youtube.com/watch?v=q6vq5YarPe8&index=18&list=RDAYCaAU5N0Sg     


 


( うむ。ところで、もう一本で百本目になる。
  これで最期にしよう。随分時間も経過してきた。

   僕はもう充分 君と剣で語り合ったと思うが、君はどうかな?)


( はい、私も先生の御指導を十二分に魂に刻み込みました。
  ただ、一つお見せしたいものが御座います。

   これは、技ではありません。

   我が父、剣三郎が編み出した
  「 活 人 剣(かつじんけん)の構え 」 と呼んでいるものです。

  これは戦国時代、上泉信綱 が提唱した 「 活人剣 」 に父が傾倒し、
 「 戦わずして相手から戦意を奪う 」
 極意として辿り着いた構えであります。

  どうか、御覧頂きたいのですが、如何で御座いましょう。)


( いいだろう。
 まあ、その 「活人剣の構え」 から君の父の想いを感じ取り、
 この胸に刻み付けよう。さあ、見せてくれ給え。)


    そう言いながらも、理解出来ない顔だ。


( あ、有り難き幸せに存知ます。

 では参りますが、私は先生を倒す気は御座いません。
 ただ、先生は普通に構えて頂ければ結構です。)


    拳三はうれしそうな顔から、直ぐに穏やかな顔になった。


( それは構わんが、わざわざ言う事か?)


  彼は言われた通り通常の構えで相対した。

   拳三が、ニ コ ッ、 と笑った。

    ただ静かだ ・・・
    殺気は無い ・・・   なんで???
    気合も無い ・・・

   拳三は右手を、えっ? 妙だ ・・・
  刀の刃先を上にしてゆっくり抜いた。

アンドラスタも驚いている。

それで、抜いた刀の柄を左手で軽く添え、そのまま中段に構えた。

 つまり上向きの刃先を相手は見下ろす訳です。
 見るだけなら怖いですが、峰打ちの構えでしょうか?

  あ、まだあるようです。

 次に、その刀を持った腕を前方に軽く伸ばし、
切っ先をアンドラスタのへその辺りに向け、
そのまま腰を落としつつ、
 右足を後方に大股で一歩ほど伸ばしました。

  体重は、ほとんど左足に掛かっていますが ・・・

   へっ? 何のポーズ??

  あまりに奇妙な前傾姿勢の構えです。

これでは、如何なる攻撃を仕掛けることも不可能です。
しかも刃っ先の向きは上下逆。

  あなた、どう思います?

  漫画 「 るろうに剣心 」 の逆刃刀とは訳が違います。

    この構え、やってみて下さい。

  腕を伸ばしていると攻撃の動作に移る時、
  腕を引いて力を溜めてからでないと、
  突くなり斬るなりが出来ません。

そりゃ勿論、腕を引いてから攻撃すればいいのですが、
その僅かな時間に、相手の攻撃は当たってしまいます。

 ましてやフェンシングの剣士が相手なのですから ・・・

つまり、この構えは攻撃を放棄しているとしか思えません。
致命傷を与える等とても?

 あ、いや、拳三君は相手を倒す気はないと言っていました。

すると、相手に刃先を見せ付け怯ませておいて、
隙を見て腕か足にちょっと突きを放つ。でしょうか?

 それで、

「 今日はこの辺で勘弁しておこう。もちっと腕を磨かねばならんぞ。」

 とか言って、めでたしめでたし ・・・ という結末?

  実に平和的解決法であります。
  しかし、真の目的は何でしょう?

    ただアンドラスタは、
    この構えの意味を掴もうとしていますが怪訝な表情は変らない。


( いや、確かに攻撃はしづらい。
 ただ、僕が攻撃を仕掛ければ君の腕は落ちるぞ。)


( はい、おっしゃる通りです。
  先生が相手の場合には通用しません。

   ですが、レベルを グッ、と落とせば話は別です。

   失礼ですが、
  人間並みのスピードで攻撃を仕掛けて頂けますでしょうか。)


( それは構わんがねえ ・・・?) 私も ・・・? です。


  彼の言う通り、アンドラスタは攻撃に転じる為、
  一瞬右腕を上げた。

 その刹那、拳三の刀の切っ先が、
その右腕に向かって少々間合いを詰めた。

するとアンドラスタは攻撃を止めた。
出端を挫かれたからだ。

 そのまま少しでも前に体重移動していれば、
  彼の腕は拳三の上向きの刃先に触れて傷を付けられてしまう。

    拳三が ニヤッ、と笑った。


( おいおい、これでは人間の一流剣士でも、そう攻撃は出来んぞ。

  では左右に回り込もうとしたら、
   君は左足を軸に回転して対応するのだろう。どうかな?)


( 仰せの通りで御座います。

  私は単に相手の腕、
   又は踏み込んで来る足の動きに刃先を合わせるのみで、
    こちらから仕掛ける事はしません。

    それに、間合いに入られ危ないと思ったら、
    剣を引きつつ後方に下がります。

  それだと、
 相手の剣に私の小手や腕を狙われても容易にかわせます。)


    拳三は実際に動いて示した。


( 理屈は分かった。
  防御面に特化した構えということになるが、
   あ~~相手を倒す気が無いとか始めに言って、

    「 戦わずして相手から戦意を奪う 」 構えか?

   自分も戦意無し、
  相手からも戦意を奪い、戦う意味無し ・・・ 何だと?

 では実力が上の相手等に対抗する為の構えということか?
  それに 「 無益な殺生すべからず 」 かな? 

   それじゃあ、まるで坊主ではないか?
    はっ、坊主武士だ! 君の父は正気かね?) あ~なるほど。


( は、はい、そういった意味も含まれます。

    父曰く、

 「 命のやり取りなどつまらない。 
  勝敗を気にするより仲良く剣技を磨こう。」


              だそうで御座います。) 


      こりゃいい!!!


( 何だと? それが現代武士の心得か?

  つまらんつまらんというよりはっ、
   おかしくて、ははは、はぁ~はっはっは ・・・
    おい ・・・ わ、笑わせるなよ。)


    彼は腹を抱えている。


( 先生。正直私も以前は理解出来ませんでしたが、
  今やっと理解出来ました。) 何だ?


( 今頃かね。親不孝者だな、全く ・・・ 
  お、御蔭で プッ、力が入らんぞ。)


( せ、先生。)  ニコニコ 楽しそうだ。

( ん? ぷ っく く、何だ。)  苦しそうだ。

( 先生は完全に戦意喪失なされました。
  こ、これって一本取った事になりませんでしょうか? 
   ぷぷっ ・・・ )  戯けだ。


な、何だとお~~!!
  ん~それはある意味一本取られた感はあるが ・・・

  もしや、この僕から剣聖の称号が欲しいのか?
 全く現代武士はなっとらんなぁ。

  分かった、しょうがない。
  約束だから剣聖の称号を授けよう。

 ただし君の父、剣三郎にだ。当然だろう。

  悔しかったら、父上君に認められるまで精進することだな。)


    父は偉大なり!


ええ~~ッ、それはないですよ! 
  そこを何とかならないでしょうか?)


( ならんなぁ。騎士に二言は無い!

  それにタイムリミットだ。
   総帥がお呼びなのだよ。もう行かねばならない。

    楽しい一時だったよ拳三。

   最期に君を弟子と認めよう。
  君には僕の全ての奥儀を見せたといっても過言ではないからね。)


( あ、ありがとうございます。 師匠ぉ、うう ・・・ )


( 泣くな。 我々には、まだ別の戦いが待っている。

  僕は総帥と共に、地球で最期の戦いに挑まねばならない。
  相手は正神軍。つまり君も含まれるのだ。

  ただし、君が自力で地球に戻れたらの話だ。

 それに君の体の大きさは、まだ適性ではないだろう。
これからは一人。
だが、寂しさなど今の君なら微塵も無い筈。

良いか、光の粒子の左回転を意識し中心を貫くのだ。
さすれば一瞬で地球だが、甘くは無いぞ。
 まずは飛ぶスピードを上げることだ。

  大黒天様は時間に厳しいお方だから遅刻などしたら、
   メンバーから外されかねないだろう。)


( 師匠、お約束致します。
 必ず時間内に地球の神の光輪へ戻り、邪神軍を向かえ打ちます。

 ただ、師匠は邪神軍を抜けては頂けないのでしょうか?)


おい、戯言を言うな! 

  いいかぁ、僕が生きる目的は既に切り替わっている。
  この瞬間に於いて、主神の為に成すべき事。

 それは、堕天した天使の無様に断罪される姿を、
  神の子人の魂に刻み付ける事だ。

  邪道魔道に堕ちた者の末路、
 それがどんなに醜く愚かなものかをなぁ!

 その神の演出は、
  世にも恐ろしい姿でこの物質界に顕現されるであろう。
  この僕でも血が凍る程の恐怖を感じる。

 だが、もう逃げられない。
  僕は魂で全てを受け止め永遠に懺悔するのみ!

 君もその姿を見届けるのだ。 急げよ、拳三!! )


    そう言うと、
    アンドラスタの姿は名残惜しそうに静かに消えて行った。


 ( 師匠ぉ~、ありがとうございました。 
   時間内に必ず地球へ帰還します ・・・

   え、あれっ、お、おあっ ・・・ 

  じゅ、重力が戻った。軽いなぁ。それと誰もいない ・・・ 
 何時の間に消えたんだろう。 一人かぁ ・・・ )


   そうなんです。
   アンドラスタが去る前に、三機の邪龍は地球に戻ったのです。

   それで、電磁シールドも悪魔の蜘蛛の巣も、
   地球へ転送されたようです。


       一人残った拳三 ・・・

    月から地球までの距離、344,400キロメートル。

 光 = 電磁波 ( 秒速30万キロ ) のスピードで換算すれば、
一秒余りで到着ですが ・・・

 瞬間移動の技は容易に身に付かないようです。



            ( 推奨 BGM ) 

       ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 作曲
    ピアノソナタ 14番 嬰ハ短調  作品27ー2 「月光」 

         マウリツィオ・ポリーニ( ピアノ ) 
 
 
https://www.youtube.com/watch?time_continue=3&v=oj75TeQmSHA


 



    光 ・・・ この全宇宙全次元は神の光と愛の充満界。


     故に物質界も然り。


  つまり瞬間移動、テレポートとは、
 己の全身全霊が光その物だと認識出来た時に、
初めて可能になる技ではないだろうか?

その他の霊力にしても、
根幹にその自覚が無いと発揮出来にくいと思います。

全てが光。一点も光の一粒子。
全次元はその光の充満界。

 故に汚れた醜く重い魂、汚れた心と体のままでは、
  神の子の力、霊力が復活しないのであります。

   更に人の体は、
   本人の意識無くして太陽やその他の光が当たっているから、  
  その反射に因り、他人から自分の体が認識されるのです。

 そこには色霊のみ働きがあるのです。

加えて、自らの魂を光らせ真の光の放射体となる。
これが最も人を光らせ、
 他人にも神にも讃えられる要素になるのです。 

  月やその他の星にしても、
  太陽(恒星)の光を浴びないと地球からは見えません。
 それと同じことです。

加えて己の体、
特に顔や背中という部分は鏡を使わないと見られません。
とは言え、反射した姿ですので逆向きです。

 きっと神様は、「人の本体は違う次元に有るのだ。」 と、
  おっしゃりたいのではないでしょうか?

  そう考えると面白いでしょう。

 人の魂も体内も、自分では見る事は出来ません。
自分の心でさえ良く分かっていない者多しで御座います。

逆に他人の方が良く理解している場合があります。

 したがって人というものは、
  利他の為、神の為に存在している証拠とも言えるものであります。
   是非、意識されて下さい。

  更に、魂が強く光らないと、
 神様から救いの手を差し伸べられることはありません。
地獄の人間界は、既に真っ暗な泥沼の中にあります。

そこで魂が輝いていなければ、
 救いたいと思われた神様でも見つけることはできません。

  逆に言えば、泥沼の中にいるのに脱出しようと努力しない人間は、
  もう救わないということです。

 だからこそ、心と魂の浄化の行が最も大事な要素になるのです。

   私の座右の銘の一つは 

    「 汚れが取れずば磨けまい! 磨けずば輝けまい!」

     であります。

    それは、心と魂の浄化を意識してのことなのです。

  人の魂といえる主要な八つのチャクラは、
 頭頂部から背骨沿いに点在しています。

そのチャクラが光輝くと、光の柱、或いは 火柱 となり、
我の神性なる魂は此処にありと、神々に示すことができるのです。

 そうは思いませんか?
  私はそう思います!!!


      宇宙根源の『 生命の樹 』の謎 参照


        神を表す単位は、「 柱 」 です。

       宇宙根源の 「生命の樹」=「創造主」 
      から分けられた魂が幾多の神々でありますから、
      「柱」 と称される訳が理解出来るでしょう!

       「木」「主」と書いて、「柱」ですね。

    みなさん、心と魂の汚れを取り、磨いて光輝かせましょう!

      そして自分の中心軸を光の柱とするのです!!


    ここで、何度もお伝えしている情報を再度記載致します。


         《 アセンションの3ヶ条 》

   1、心と魂の浄化が、100%中81%まで到達している。
   2、DNA12条が完全解除している。
   3、光のネットワークに繋がり、地球意識に到達している。




さてさて、拳三君が飛ぶにしてもどれ程のスピードが出るのか?

 先程からの戦いで見る限り、
  戦闘機の機動力よりはあるように見えました。

   現在時刻、何と日本時間、午後六時を回っています。

  つまり、剣の神前試合百本に要した時間は凡そ五時間です。
 拳三は百回死んだようなものです。

そして、実際は一本どころか傷一つも付けられず、
 剣聖の称号はおあずけ ・・・

  大黒天様とのお約束の制限時間は、午前八時から午後十一時。


    残り五時間弱。


( ああ、とにかく行こう。
  瞬間移動のイメージはまだ掴めないから飛ぶしかない。

   地球は見えるんだけど、後五時間しか無いぞ。
   もう行こう ・・・ では、月の女神様、行って参ります。
   あちこち散らかして申し訳ございませんでした。

  よ~し待ってろ地球 ・・・ ? 
 ああ、あれは何だ?)


    あれって、あれは ・・・ ななな? 
    スゴスゴすご~~~!!!

                    
《 あたたたた、あのお方は 月讀命(つくよみのみこと)様
  素戔嗚尊(すさのおのみこと)様 ではないかぁ!

    あわわわ、何という神気じゃあ!!
     太陽のオーラを纏ったかの如き御姿!


      おい、うさぞう、控えよ控えよ頭が高いぞ! 》

      チュチュチュチュ ちゅうううう ~~~~~!

     「 ははは、はい~~~~っ! 」 





はっはっはっは、わしらは女神ではないぞ!
  残念じゃったな!

  わしは月の守護神、素戔嗚尊である!
 こちらは兄上の月讀命殿じゃ!》 


《 ほほほ、紹介ありがとう。
  拳三よ、なかなか見応えのある試合であったぞ。
   大義であったな。褒めて遣わすぞよ。ほほほほ。》 


( あああ、何と偉大な神様にお会いできるとは光栄至極に存じます。)  


《 まあまあ、そう畏まらんでもよいぞ。

  しかし、隕石でも落ちたかのような散らかりようじゃな。
  その衝撃は、月の内部世界まで響いておったわい。

 よくぞ悪魔共の攻撃に耐えたものだ。見事であったぞ!》 


    素戔嗚尊様が仰せです。


( はは、有り難き幸せに存じます。)


《 拳三よ、我等と同様に汝を見守っていた同志達がおりますから、
  引き合わせて差し上げましょう。

   さあ、月の住人を代表とする神々よ。
    そして宇宙連合の皆よ姿を見せなさい!》


     すすっす、すると、
    あああ、満天の星々が一斉に動き出しました!

   それらの動く星は、なんと宇宙船だったのです。
  なんという壮大な光景でしょう!

   そして輝くオーラを纏った神々が、拳三の頭上にお出ましです。


《 拳三よ、汝は一人ではありませんね!

  それに月以外の全宇宙の恒星、惑星の同志達も祈っているのです。
  そのことを決して忘れてはいけませんよ。

 では、我々が暫くこの場で見送ります。

そして、私と素戔嗚尊は地球で待っていますよ。
何しろ我等二人は、地球の守護神、「丑寅の金神」 なのですからね。

つまりは月と地球の守護を兼務しているということです。

 ただし、地球に於いては、
  国之常立神(くにのとこたちのかみ)様の補佐的役割 を仰せつかっています。
  三位一体の神が守護することで、「丑寅の金神」 と呼ばれるのです。

 もう地球の表層上は汚染と破壊が限界域まで達しています。

我等、「丑寅の金神」 は、
地球表層上全体を大浄化する苦渋の決断をしました。

その地球の大浄化を最期まで見届けるのです!

 さあ、全身全霊をもって地球の魂、
 「丑寅の金神」 を意識しながら飛ぶのです!!



《 拳三! わしも地球で待っているぞ!! 

  さあ、ゆけ~~い! 

   己の神性に自信と誇りを持って、
   燃える魂を爆発させて飛ぶのだ!! 


  それに振り向く必要はないぞ。
 何しろ時間が無いでな! はっはっは ・・・》


( ははあ、有り難きお言葉を肝に銘じ、
  全力で地球に向かいます!!)


  そう言うと、拳三は地に額づいた後、
   ゆっくり立ち上がり、飛び立ちました。

    彼の魂には燃え上がる闘志が漲っています。

     思いがけない神々と宇宙連合の皆様の激励は、
     よほど彼の魂に響いたようです。

     それからは振り向くことなく、
    厚い雲で覆われた地球を目指したのです。






ところで、残り五時間でどれ程の平均時速が必要か、計算してみて下さい。
 月から地球までの距離、344,400キロメートル。 

  簡単でしょ。

最低、平均時速、約8,000キロは出さないと余裕で到着出来ません。

 ただし、地球に到着前にすることがあります。
  それは減速です。

    ブレーキを掛けなければ地球に衝突となります ・・・

    とはいえ、
   そんな計算をするコンピュータは持ち合わせていないでしょうから、
  勘ピュータを使う他ございません。

あ~~こりゃ厄介だ!!!

 大気圏突入時の摩擦熱は、何等問題無しですから、
  後は速度を上げることと、
   もう一つ ・・・ 体の大きさを適性にする事です。

   さて、我等も後を着いていますが何でしょう、速いのか遅いのか?
  周りの景色が変らないので、実感が湧きません。

    拳三もピンときていません。


《 では、現在の速度を教えて進ぜよう。
  時速二千飛んで二十キロじゃ。
   音速の二倍すら出ていないとは話にならんわい! 》

   チュチュウ。


  その時、上から巨大な白い物体が迫って来ています ・・・ 
 邪龍じゃない何か?

いや、邪気を少し感じるが ・・・ 
ただ、あれは恐らく彗星だ。長い尾を引いている。

直径数キロはあるでしょう。
彗星は一瞬で通り過ぎました。

 拳三はそのガス状の尾を避けようとしましたが、
  避け切れませんでした。

   ガス状の塵を被ってしまったのですが、
    何か顔に纏わり付いているようです。

    粘り付く何か分かりませんが、特別支障は無いようです ・・・
   彼は、また飛び始めました。


《 いや、支障はあるぞ。これを見よ。》 チチ~


   叡智晶で先程の彗星を拡大して見ていますが ・・・


「 こ、これは何でしょう? 奇妙な形ですね。」


《 いいか、これはシアニードの邪龍が
  縮こまって彗星に化けていたのじゃ。

   あの塵の成分は恐らく蜘蛛の糸だ。
    何か仕掛けがあるに違いない。
     これは気を付けて見ておらねばならんな。》 

     チュウ~!


「 はは、気を付けます。」


   何と、ただ塵を着ける為だけにわざわざ彗星に化けるとは、
    当然この先に待ち受けるものは地獄でしょう。


《 しかしなぁ、マーフィーの様子も気になる。
  もう地球で待つことにしよう。では、ゆくぞ。》

   チチッ!

   「 ははっ!」

    《 戯け、ふざけるな!》 タワケ。

     「 いやその、偶然でして・・・」 あは~~ 




 さて、月の住人達から見送られ、
意気揚々と地球を目指して飛びった拳三ですが、
幾多の試練が待ち受けています。

 果たして、無事に地球に到達できるのでしょうか?

  皆さんも祈ってくださいね!




《 最終章 》 〈 第五話 〉 騎士と武士( 前 編 )

2019年02月06日 21時52分21秒 | 小説

 

    遂に始まった正邪の最終決戦!
   その決戦も三日目に突入致しました。

 神の光輪は熟成しましたが、その内部に入る資格を得ていない者が二人。
それは、土門拳三とマーフィー・ラッセルであります。

彼等は、人類と己の魂に染み付いた邪念を払拭し、
適正な体の大きさにならなければ、
 神の光輪に入る資格を得られないのです。

 適正な体の大きさとは、身長約五十メートル。
拳三は、現在、二百五十メートルですので、目標には程遠いものです。

二人は月で修行中でありましたが、マーフィーは改造人間?
いや、悪魔将軍 ドルン により、
地球に強制送還されてしまいました。

 現在、月面特設リングにおいて、
  超ナルシスト、アンドラスタ司令長官と拳三は対峙しています。

    死合(しあい)開始の前の二人の心情は如何に?




     《 キャラクター&キャスト 》

(神の光輪の聖者) 大黒天様の命により現在、月で修行中。
 日本代表 / 土門 拳三 ( 二十五才 ) 妻夫木 〇

 
        
           『 悪魔の貴公子 』

    司令長官 アンドラスタ / ジョージ ・ クルーニ〇
                 ( 二十代の設定です!) 

      「 アンドラスタ機 最終バージョン 」
     左の足元には? スッパイ? ツリーでゴザイマス!

     


   ここで、殺人剣ではなく、活人剣を宗とした、
  《 剣聖 : 上泉信綱 》 を御紹介致します。

 その情報はこちらから ・・・

 上泉 信綱 



  新陰流の基本である「無形の位」という代表的な構え。 


上泉信綱は、私が最も好きな剣豪です。 

前田慶次もいいですが、何かと脚色された部分が多いようですね。

上泉信綱は、戦国の世に非情無慈悲な殺人剣法より、
 慈悲の愛を持った人を活かす剣法を提唱するとは、
  きっと神から愛されたことと思います。

   勿論、神から特命を与えられ、
   その時代に転生された魂であると思うのです。

   この活人剣の極意は、
  現代に最も必要な心得であると言えるのではないでしょうか!

 群馬の前橋市上泉町の自治会館は、
私の自宅からさほど遠くはありませんので、
一度行ってみたいのですが、いつでも行ける感覚でおりまして、
 未だ叶わずであります。

   そんなこんなで、本編をお楽しみください。


ただ、こちらのお話は二分割と致します。悪しからず。


           ( 推奨BGM )

      Beethoven Piano Sonata No.23 in F minor, op,57            "Appassionata"  「 熱情 」  マウリツィオ・ポリーニ    

 





        ( やあやあ拳三君、僕はアンドラスタ。

            邪神軍の司令長官だ。

       だからといって、あまり緊張する必要は無いんだ。

          ははは、そう怖い顔をするなよ。
         何、取って喰おうなんて気は無いんだ。

        見ての通り、君と正々堂々の試合をしたくて、
          こんな月まで馳せ参じた訳だよ。

      この長官様が直々に出向く等、普通は有り得ない事だ。

         だから敬意を表す事、いいかね拳三君。) 


             ああ、そうですか。


          ( 僕は関口新心流、土門拳三。

      僕は大黒天様から与えられた修行の為に此処に居る。

           あんたとの試合は予定外だ。

          それに、おしゃべりな奴は嫌いだ。
           分かったら黙って帰ってくれ。

           それと相棒を此処に戻すんだ。
              拉致は重罪だ。) 


            いや~、いいね拳三君。


          ( なあ、分かっているだろう。
         この試合は強制だ。拒否権などは無い。

       正神も同じだろ。君も強制でここに連れて来られた。
        強大な権力を行使するのは悪魔も神も同じ事。

            その権力には逆らえない。

         ああ、分かってるよ。気が乗らない理由。
    それは僕の体が人間の魂と肉体を使っていると勘違いしているから。

            違うか?それなら心配無い。

       この体は僕と部下の霊力だけで造型したものだ。
         人間や動物の肉は一切使ってはいない。

   いいか、そんな心配は、僕の体を傷付けられるということが前提だ。

        そうだ、君はおしゃべりな奴は嫌いと言ったな。

           ならば、剣士は剣で語るのみ。

         騎士道が勝るのか、武士道が勝るのか。
             僕は手加減はしない。

           いつでも来るがいい、拳三!)


          なんか騎士道指南役のつもりか?


       ( そこまで言われたら、やるしかないな。
          あんたの言った事は信用しよう。 

          ただ、正直勝てる気はしないな。
           せめて十本中一本は取る。

      ん? ああ、悪いがちょっと待ってくれないか。) 


               え、何?


  ( おい、小用かね。そんな事は免除されているんじゃあないのか?)


              そりゃそうだ。


        ( いや、ちょっと刀の確認をしたいんだ。 
          実はまだ、この刀抜いて見てないんだ。

       何しろ今までは刀を抜こうとしても抜けなくてね。

          つまり、封印されていた訳だ。) へ?


       ( 何だと? はあ~、有りそうな事だな。 
        じゃあ抜いてみればいい。待ってやろう。)


             拳三は恐る恐る、
      左の親指で刀の鯉口 こいくち を切り (刀を抜く準備動作)、
       静かに右手で抜刀した ・・・ あらぁ ・・・


           ( ああ、抜けたぞ ・・・ 

       ただこれは 、ド、同 田 貫 (ぶ厚い戦国刀) だ。
            どうりで重い訳だ。)



             同田貫(どうたぬき) とは ・・・ 

             ウィキペディア 
         
https://ja.wikipedia.org/wiki/同田貫 

             肥後同田貫宗廣





      ( やれやれ、そりゃ大層な業物で御座いますなぁ。
       その重量級の刀で、この僕と戦うというのかね?
    
       ははは、見栄を張るからそういうことになる。
         君の望みが叶って墓穴を掘るとはな。

              愚かな話だ。

            まあ僕には関係ない。
    仮に戦国時代に僕と出くわしたとしても、君は死合を断らない。

        そうだろう勇猛なる武士の末裔よ!!



          ( ・・・ その通り。

    僕は己の愚かさと命の重みを噛み締めるまでだ。ははは ・・・ 

       もう剣で語るのみだな、司令長官殿 ぉ!



          ( 良く言った拳三。
     だが君の太刀を全てかわし千の傷を付けてやる。

    もし僕から一本でも取ったなら剣聖の称号を授けよう。

       さあ、全力で来るのだ拳三!!!


          ( おおぅ!!!)



         地獄が ・・・ 始まるようだ。



           ( 推奨BGM )

         エドヴァルド・グリーグ作曲
     ピアノ協奏曲  イ短調 作品十六 「 第三楽章 」

         カラヤン&ベルリンフィル  
       クリスティアン・ツィマ―マン (ピアノ)

https://www.youtube.com/watch?time_continue=3&v=EMN9kEOSUaU





アンドラスタは両足を揃えて腕組みをし、
拳三に対して体の右側面を向けている。

その右手の指を軽く顎に当てて、ニヤニヤ 笑っている。

  目線は正面を向いて ・・・ 何故だ?

こりゃあ手加減などしないというのは、嘘か?
それともこの体勢から瞬時に攻撃に移れる自信があるというのか?

  ・・・ あるのだろう、この様子では ・・・

奴は相手を見ることなく単に突っ立っているだけだが、
私の目から見てもまるで隙が見つからないのだ。

  しかし、こちらの青年は ・・・ 駄目だ。

フェンシングの居合いなど聞いた事はないが、
この男ならやれそうである。

 勿論この状態からである。

  とすれば、もう拳三は彼の間合いに入っているかもしれない。

  中段に構えた拳三は、間合いが未だに掴めていないのだ。
  摺り足で探るも、迷いと不安が彼を追い込んでいく ・・・


( ・・・ こんなの初めてだ。

 殺気が無いのに一分の隙も無く、
 どう打ち込んだらいいのか見当も付かないなんて ・・・

 あれっ、今何か亡霊が光っ? ・・・ う あ が っあう ぅ ・ )


           何てことだ!!

      拳三の両腕が ・・・ 刀と共に月面に音も無く落ちた。

   ただ、血は落ちていない。  

  アンドラスタは既に同じ体勢であるが、一つ違いがある。
  それは、抜いた剣を目の前に垂直に立てていることである。

    まるで何事もなかったかのように ・・・

  そして、諸刃の刃に写り込んだ己の瞳を見てから角度を変え、
  地面に膝を落とした拳三の姿を確認した。

  そこに軽くキスをしてほくそえみ御満悦な様子 ・・・ 

    やれやれだ。

  揃えた足元の先には、一つの足跡がくっきり残っている。
  拳三に向けた右足の跡が、たったの一つだけ。

    無駄が無いとはこのことだ!

  一方で拳三は、激痛を噛み締めていた。

程なく落ちた両手首と、腕の傷口が光って引き寄せ、
次第に合わさり再生されてゆく ・・・

そして痛みも無くなっていった。

  有り得ない光景に拳三は、ただただ感謝の思いで一杯だった。

    しかし、今の攻撃に因る戦慄は、
     永遠に魂に刻まれるだろうと思った。

    それに、これはまだ序の口に過ぎない事もである。


( やれやれ、今の攻撃に反応出来んとは、
  フッ、無理もないか。

   僕が強過ぎて最近誰も相手をしてくれない位だから、
   人間風情に相手が務まる筈もない。

  それから、今君が見た亡霊は
「 幻影のシルク 」 とか、「 オーロラの魔神 」
 或いは 「 光扇の剣 」 等と部下達に言わしめているものだよ。

 つまりは僕の疾風の剣が光の尾を引き、
  まるで怪しく輝くシルクやオーロラ、
   又は扇が宙を舞うかのように見えるのだそうだ。

  そのオーロラには僕の顔の残像が重なる。

 故に亡霊が光ったようにも見える ・・・

 ははは、僕の動きは芸術そのものだよ。
 光栄だろう。 

  フッ 、十本までは研修期間としよう ・・・

    そろそろ二本目を始めてもいいかな研修生君、さあ!



 剣を揺らし、ジェスチャーを交えながら短い講義を終えると、
 剣をまた鞘に納めた。

   全く、こりゃ恐れ入った!

  この異空間は、
  差し詰め 「武人の聖域」 とでも言うべきだろう。

悪魔でも最期の剣の試合に、邪気を持ち込むことはしないようだ。
単に楽しむ為か否か? 遊びと言っていたし ・・・

その真意は何れ分かるでしょう。今は見守るだけです。

  あれっ? 
  何故かアンドラスタは拳三から、かなりの距離を取った。

     凡そ身長の五倍。
     拳三も解せない顔だ。

    未だ戦慄からの震えが治まらない拳三だが、
    ゆっくり刀を拾うと立ち上がり、中段に構えた。


( 今から、僕にとっては爽快な技を見せてやろう。

  ただ、君にとっては地獄になるがな ・・・

  この技は暫く使ってはいなかったが、
  もう見せる機会が無くなる故、特別に披露して差し上げよう。

    行くぞ、我が至高の剣 「 薔薇の妖精 」。 

         はあああああ ・・・ )


   うう、彼の全身から凄まじい気が膨れ上がっている。

 彼は ニヤリ と笑い、右手の人差し指を立てると、
静かに剣を抜き、
その右腕を首に巻き付ける様な体勢を取った。

上半身は左に向き、左腕は水平後方に伸ばし、
 足は大股に開き右足の爪先は拳三へ向けている。

 ただ、腰はまだ落としてはいない。

眼光は拳三という標的を捕らえ、既に攻撃をしている。

普通は、片手に持った剣先を相手に向けるスタイルであるが、
 この場合は違う。

  右手の剣は、ほぼ背中に背負っている状態だ。

 拳三はこの時、闘神と対峙するような錯覚に陥っていた。
それに戦慄で全身が痺れ、武者震いが起きている事を恥じていた。

アンドラスタの全身は仄かに赤く発光してきている。
しかも放電のような光も見える。

 その尋常ではない形相の目が更に赤く発光した。
  すると徐々に剣先付近に赤いオーラが集束してきた。

     そして剣の師範と化した彼が、ニヤッ、 と白い歯を魅せた。



    ( 待たせた拳三。

         我が生涯最高の贈り物、受け取れえぇ、

             つえああぁぁーっ!!!



       その時、何が起こったのか? 

    一瞬、ほんの一秒足らず ・・・
   拳三の両手と腹から下は吹き飛んだ。

  拳三は成す術無く月面に上半身を落とした。

  そして激痛が記憶を飛ばしそうになるのを気合で押さえ付け、
   今の瞬間の剣技を魂に刻み込んだ。


( ああ ・・・ 有り得ない。 
 ぐっ、うぅ ・・・ 薔薇の妖精が見えた。 はは ・・・ )


   一瞬ではありましたが、
    幸い私は叡智晶という映像装置で、
     肉眼では捉え切れない部分を補う事が出来ます。

      とは言っても信じ難いもので御座います。


  では、御説明させて頂きます。

アンドラスタが気合を発した瞬間、一気に腰を落とし、
 右斜め上から振り下ろされた剣が拳三に向くと、
  慣性の勢いを殺さず、
   その位置から手首を8の字を描くように剣を回転させ、
    深紅の衝撃波を拳三に浴びせ掛けたのです。

     しかもその僅か一秒足らずの間に、
     十三回剣を回転させていました。

    その剣のしなりは、
   あたかも薔薇の花弁を描くような妖艶なオーラの軌跡となり、
  拳三に贈呈されていったのです。



       ・・・ 待つ事暫し。


      拳三の体は再生完了しましたが、
    それを見たアンドラスタは異変に気付きました。


   ( おい、妙だな。
   始めから比較すると随分体が縮小したようだ。

 僕の体が大き過ぎるではないか ・・・

 先程のドルンの陰湿なイジメを受けた後も、体は縮んでいたが、
  それに人間臭さも希薄になり、より神臭さが出てきたか ・・・

   実に神気臭いぞ!

 ははは、そうかそういうことか、大神は全てお見通し!

 『 全てを善へ導く神仕組み 』 か ・・・

  はは、何故ここまで、何故だ! ・・・

 主(ス)よ、私はあなたの下僕 でありたかった。
 常に御側でお使い頂きたかった。

   ううぅ ・・・

  ただ、私は常に一番でありたいという我(ガ)を
 押さえる事が出来ませんでした。

 それでルシフェル様と共に天界で反乱を起こし、
 ミカエルの軍団に返り討ちに合い、
  プレアデス星系から追放された直後、我等は地球に向かいました。

   そして、その不満を人間共にぶつけました。

  その人間が堕落しきれば、
 私達にまた目を向けて下さると思ってのことですが、
 そんな幼稚な行いが通用する筈はないのに、

  哀れだ、哀れだぁ ・・・

   主よ、お許し下さい! 

  お詫びの証として、この拳三を鍛え上げ名刀と致します故、
 その上でのお裁きを、どうか主よ!!

  どうかあぁ、ああ ううぅ ・・・ )







  彼は地にひれ伏し、遥か彼方の太陽を仰ぎ、咽び泣いた。
  握った拳は震えている。

   拳三も泣いていた。

     そして私も。 わしもじゃ。 チュウ~。


( ああ~ん、ああんあん、え~んえぐっ、アンドラスタ様ぁ~、
  あたくし天使だった頃のアンドラスタ様を
   思い出しちゃったぁ、ああ~~ん ・・・)


( お~い司令。 らしくねえこと言いやがって ・・・ 
  今更、お詫びってこともねえだろが ・・・

   ああ、俺様は泣いちゃいねえぜ。
    なにしろ、そんな機能は付いて無いんでな。

     総帥だって何も言わねえだろうぜ。
      あんたは奴を徹底的に痛め付けているだけだしな。
       まあ、気の済むまで遊んでやりゃあいいさ。)


( ああ、御賛同を頂き恐縮だよ。
  彼が地獄を見るのはこれからさ。はははは。) あらら ・・・


  すると、アンドラスタの口から、何か妙な白いモヤが出て?

  これがあのエクトプラズマというものだろう。
  その白く重い煙は邪龍に戻って行った。

  つまりアンドラスタの体を、拳三に合わせて縮めたということです。


( お~いどうかね。これで同じ条件だ。剣の腕以外はね。)

( ああ、気を使わせて恐縮ですよ。師匠殿。)


( おいおい師匠呼ばわりかね。
  まだ弟子とは認めていないんだがねえ ・・・

   ちょっとは僕の攻撃をかわすとか、
   剣を止めるとかが無いと認めない。

  それに、もう既に神前試合となっている。
 そういう気構えで来てもらいたいものだよ、見学者君!


( け、見学者?・・・分かりました。仰せに従います。)


( フン、素直なのはいいが、もっと神経を研ぎ澄まし、
  神気を自在に操れなければ僕の剣は捕えられない。

それに目で見るのではなく、その霊眼で相手の魂を捕えつつ、
その周辺の霊界のエネルギーを感じ取り瞬時に対応する。

 つまり一点に集中すると共に、
  その周辺も同時に集中するという訓練が必要だ。

  肉体が有ると思うから、
 相手の行動と思念想念が読めなくなるのだ。

 まずは心と肉体の垣根を取り払い、
  魂のみで僕の魂と相対するのだ!

   ははは、くどい講義はここまでだ。 さあ、来い拳三!


        ( おおぅ!! ) 


    あああ、理屈は分かった拳三ですが、
   如何せん実力に差が有り過ぎます。

 何しろ、アンドラスタは何万年か
それ以上の剣法の積み重ねがありますので、
例え拳三が超人的霊力を得ていても敵う筈が御座いません。

故に、気合だけは彼に迫るも、
 一瞬で刀を弾かれ、腕を切り刻まれ、
  はたまた足を斬られ、電磁シールドまで弾き飛ばされたりと、
    成す術がありませんでした。

    アンドラスタは、明らかに手加減している。
   彼は時間を惜しんでいたからです。

 一本でも多く拳三と立ち会い、己の剣技を魂に刻ませたいのです。
それと、重傷を負わせれば再生に時間が掛かる為です。

しかし、どれほどの奥儀の引き出しがあるのか、呆れる程です。
 彼は何十本かのうち一本は、その奥儀を披露していました。


    一つ御紹介致しましょう。

  「 龍 魔 槍 」 という技です。

    では、御覧下さい。


   アンドラスタの構え。 これまた妙だ ・・・

  もうフェンシングの構えではありません。
 何しろ剣すら抜かずに、まるで槍を持った構えをしています。

下半身は腰を落とし、仮想の槍先は拳三に向けています。
果たしてこの後、どんな攻撃を繰り出そうというのか ・・・

彼が気を込めると、
 ある筈の無い深紅の槍が鋭く発光して、その形を露にしました。

  その時、爆発する神気を纏った拳三が、
   中段から捨て身の突きを、
   アンドラスタの左肘に打ち込もうとしましたが、
   師範の槍は龍の如く、その突いて来る刀を擦り抜け、
  拳三の両腕と腹のど真ん中を吹き飛ばしました。

まるで爆発したかのように ・・・

  そして拳三の上半身は、下半身と離れました。

      全く見ちゃいられません。


  拳三が動けたのは、
 アンドラスタが攻撃を仕掛ける切っ掛けを与えたからに過ぎません。

アンドラスタの変幻自在の剣は、
最早神の領域を超えているかのようです。

彼は、いくら倒れても闘志が更に漲り増幅されていく拳三を見る度に、
 何故か顔の曇りの度合いが増していきます。


( 拳三、君を僕の部下にしたいくらいだが、
  それが叶わぬとはなぁ ・・・

   これも自業自得というものだ。
   せめて僕の生きた証を君に刻み付けたい。
  勿論、醜悪な部分は除いてのことだよ。

 かつては僕にも神の大いなる愛が満ち、
その溢れた愛を万人に与える事が嬉しくてならなかった。

ははは、それも今は記憶を辿るのも困難になる始末。
だが、君なら神の使徒として立派にみ役を遂行出来るだろう。

 問題は、これからのミロクの世となる三千年間にある。

  アガルタへアセンションを果たした者の修行の多くは、
  二ビル星のアヌンナキ対策の為のものになるのだ。

  今回の地球と太陽系のアセンション計画では、
  二ビル対策は後回しとなるが、
 ミロクの世が終了した三千年後、
本格的な戦いが始まるらしい ・・・

何しろ、二ビル星には、
 我等悪魔と方を並べる邪気を持つ者が、五万といる。

  正確には、およそ1287億人だ。 
   神々も手こずるのもうなずけるだろう。

   まあ、中には泥沼に咲く蓮の花のような、
   美しい魂を持つ者が僅かにいるがな ・・・

  いいかね、君はそれらを踏まえた修行をこれから行うのだ。

何でも、この正邪の戦いが終わった後には、
 アガルタで大天使の誰かの弟子になれるそうだな。

  それは豪気なことだが、
  君は多くの人々の指針と成らねばならない、
 無為(むい)にして化すのだ拳三!


( はい、畏まりました先生!)


( うむ。ところで、もう一本で百本目になる。
  これで最期にしよう。随分時間も経過してきた。
   僕はもう充分君と剣で語り合ったと思うが、君はどうかな?)


( はい、私も先生の御指導を十二分に魂に刻み込みました。
  ただ、一つお見せしたいものが御座います。

   これは、技ではありません。

   我が父、剣三郎が編み出した
  「 活 人 剣(かつじんけん)の構え 」 と呼んでいるものです。

  これは戦国時代、上泉信綱 が提唱した 「 活人剣 」 に父が傾倒し、
 「 戦わずして相手から戦意を奪う 」
 極意として辿り着いた構えであります。

  どうか、御覧頂きたいのですが、如何で御座いましょう。)





  さてさて、拳三がアンドラスタに見てもらいたい
 「 活人剣の構え 」 とは如何に?

 またまた、区切りたくない所でおしまいで御座います。
 悪しからずで御座います。

   次回をお楽しみに ・・・


ところで皆さん、自転車をお持ちであれば、
シャリシャリ、カラカラ、ガシャガシャ、悲鳴のような音をださないよう、
しっかりメンテナンスをしてあげてくさいね。可哀想です。

メンテナンスの仕方は、「ママチャリを掃除してみた」
その他の動画を参考にしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=r2P8KyyZ-Y8

チェーンに自転車専用オイルを塗っただけでも軽快な走りを体感できますよ。
愛情を込めたメンテナンスをすれば、長持ちするし壊れにくくなります。

機械といえど、人間の愛情がこもった物には命が吹き込まれると私は思います。

自転車や車に限らず、物は大切に扱いましょう。


 今日の宇宙画像 / アンドロメダ大銀河   
    


  神も宇宙も偉大ですよねェ ・・・

  神性を持つ人間も偉大です。
 己の神性に気付きましょう!

でなきゃ、宇宙共通惑星である地球での修行の意味ないでしょう!