『 うさぎの言霊 』 Rabbit's Kotodama 

宇宙の謎、神と悪魔と人とは?

《 最終章 》 〈 第五話 〉 騎士と武士( 前 編 )

2019年02月06日 21時52分21秒 | 小説

 

    遂に始まった正邪の最終決戦!
   その決戦も三日目に突入致しました。

 神の光輪は熟成しましたが、その内部に入る資格を得ていない者が二人。
それは、土門拳三とマーフィー・ラッセルであります。

彼等は、人類と己の魂に染み付いた邪念を払拭し、
適正な体の大きさにならなければ、
 神の光輪に入る資格を得られないのです。

 適正な体の大きさとは、身長約五十メートル。
拳三は、現在、二百五十メートルですので、目標には程遠いものです。

二人は月で修行中でありましたが、マーフィーは改造人間?
いや、悪魔将軍 ドルン により、
地球に強制送還されてしまいました。

 現在、月面特設リングにおいて、
  超ナルシスト、アンドラスタ司令長官と拳三は対峙しています。

    死合(しあい)開始の前の二人の心情は如何に?




     《 キャラクター&キャスト 》

(神の光輪の聖者) 大黒天様の命により現在、月で修行中。
 日本代表 / 土門 拳三 ( 二十五才 ) 妻夫木 〇

 
        
           『 悪魔の貴公子 』

    司令長官 アンドラスタ / ジョージ ・ クルーニ〇
                 ( 二十代の設定です!) 

      「 アンドラスタ機 最終バージョン 」
     左の足元には? スッパイ? ツリーでゴザイマス!

     


   ここで、殺人剣ではなく、活人剣を宗とした、
  《 剣聖 : 上泉信綱 》 を御紹介致します。

 その情報はこちらから ・・・

 上泉 信綱 



  新陰流の基本である「無形の位」という代表的な構え。 


上泉信綱は、私が最も好きな剣豪です。 

前田慶次もいいですが、何かと脚色された部分が多いようですね。

上泉信綱は、戦国の世に非情無慈悲な殺人剣法より、
 慈悲の愛を持った人を活かす剣法を提唱するとは、
  きっと神から愛されたことと思います。

   勿論、神から特命を与えられ、
   その時代に転生された魂であると思うのです。

   この活人剣の極意は、
  現代に最も必要な心得であると言えるのではないでしょうか!

 群馬の前橋市上泉町の自治会館は、
私の自宅からさほど遠くはありませんので、
一度行ってみたいのですが、いつでも行ける感覚でおりまして、
 未だ叶わずであります。

   そんなこんなで、本編をお楽しみください。


ただ、こちらのお話は二分割と致します。悪しからず。


           ( 推奨BGM )

      Beethoven Piano Sonata No.23 in F minor, op,57            "Appassionata"  「 熱情 」  マウリツィオ・ポリーニ    

 





        ( やあやあ拳三君、僕はアンドラスタ。

            邪神軍の司令長官だ。

       だからといって、あまり緊張する必要は無いんだ。

          ははは、そう怖い顔をするなよ。
         何、取って喰おうなんて気は無いんだ。

        見ての通り、君と正々堂々の試合をしたくて、
          こんな月まで馳せ参じた訳だよ。

      この長官様が直々に出向く等、普通は有り得ない事だ。

         だから敬意を表す事、いいかね拳三君。) 


             ああ、そうですか。


          ( 僕は関口新心流、土門拳三。

      僕は大黒天様から与えられた修行の為に此処に居る。

           あんたとの試合は予定外だ。

          それに、おしゃべりな奴は嫌いだ。
           分かったら黙って帰ってくれ。

           それと相棒を此処に戻すんだ。
              拉致は重罪だ。) 


            いや~、いいね拳三君。


          ( なあ、分かっているだろう。
         この試合は強制だ。拒否権などは無い。

       正神も同じだろ。君も強制でここに連れて来られた。
        強大な権力を行使するのは悪魔も神も同じ事。

            その権力には逆らえない。

         ああ、分かってるよ。気が乗らない理由。
    それは僕の体が人間の魂と肉体を使っていると勘違いしているから。

            違うか?それなら心配無い。

       この体は僕と部下の霊力だけで造型したものだ。
         人間や動物の肉は一切使ってはいない。

   いいか、そんな心配は、僕の体を傷付けられるということが前提だ。

        そうだ、君はおしゃべりな奴は嫌いと言ったな。

           ならば、剣士は剣で語るのみ。

         騎士道が勝るのか、武士道が勝るのか。
             僕は手加減はしない。

           いつでも来るがいい、拳三!)


          なんか騎士道指南役のつもりか?


       ( そこまで言われたら、やるしかないな。
          あんたの言った事は信用しよう。 

          ただ、正直勝てる気はしないな。
           せめて十本中一本は取る。

      ん? ああ、悪いがちょっと待ってくれないか。) 


               え、何?


  ( おい、小用かね。そんな事は免除されているんじゃあないのか?)


              そりゃそうだ。


        ( いや、ちょっと刀の確認をしたいんだ。 
          実はまだ、この刀抜いて見てないんだ。

       何しろ今までは刀を抜こうとしても抜けなくてね。

          つまり、封印されていた訳だ。) へ?


       ( 何だと? はあ~、有りそうな事だな。 
        じゃあ抜いてみればいい。待ってやろう。)


             拳三は恐る恐る、
      左の親指で刀の鯉口 こいくち を切り (刀を抜く準備動作)、
       静かに右手で抜刀した ・・・ あらぁ ・・・


           ( ああ、抜けたぞ ・・・ 

       ただこれは 、ド、同 田 貫 (ぶ厚い戦国刀) だ。
            どうりで重い訳だ。)



             同田貫(どうたぬき) とは ・・・ 

             ウィキペディア 
         
https://ja.wikipedia.org/wiki/同田貫 

             肥後同田貫宗廣





      ( やれやれ、そりゃ大層な業物で御座いますなぁ。
       その重量級の刀で、この僕と戦うというのかね?
    
       ははは、見栄を張るからそういうことになる。
         君の望みが叶って墓穴を掘るとはな。

              愚かな話だ。

            まあ僕には関係ない。
    仮に戦国時代に僕と出くわしたとしても、君は死合を断らない。

        そうだろう勇猛なる武士の末裔よ!!



          ( ・・・ その通り。

    僕は己の愚かさと命の重みを噛み締めるまでだ。ははは ・・・ 

       もう剣で語るのみだな、司令長官殿 ぉ!



          ( 良く言った拳三。
     だが君の太刀を全てかわし千の傷を付けてやる。

    もし僕から一本でも取ったなら剣聖の称号を授けよう。

       さあ、全力で来るのだ拳三!!!


          ( おおぅ!!!)



         地獄が ・・・ 始まるようだ。



           ( 推奨BGM )

         エドヴァルド・グリーグ作曲
     ピアノ協奏曲  イ短調 作品十六 「 第三楽章 」

         カラヤン&ベルリンフィル  
       クリスティアン・ツィマ―マン (ピアノ)

https://www.youtube.com/watch?time_continue=3&v=EMN9kEOSUaU





アンドラスタは両足を揃えて腕組みをし、
拳三に対して体の右側面を向けている。

その右手の指を軽く顎に当てて、ニヤニヤ 笑っている。

  目線は正面を向いて ・・・ 何故だ?

こりゃあ手加減などしないというのは、嘘か?
それともこの体勢から瞬時に攻撃に移れる自信があるというのか?

  ・・・ あるのだろう、この様子では ・・・

奴は相手を見ることなく単に突っ立っているだけだが、
私の目から見てもまるで隙が見つからないのだ。

  しかし、こちらの青年は ・・・ 駄目だ。

フェンシングの居合いなど聞いた事はないが、
この男ならやれそうである。

 勿論この状態からである。

  とすれば、もう拳三は彼の間合いに入っているかもしれない。

  中段に構えた拳三は、間合いが未だに掴めていないのだ。
  摺り足で探るも、迷いと不安が彼を追い込んでいく ・・・


( ・・・ こんなの初めてだ。

 殺気が無いのに一分の隙も無く、
 どう打ち込んだらいいのか見当も付かないなんて ・・・

 あれっ、今何か亡霊が光っ? ・・・ う あ が っあう ぅ ・ )


           何てことだ!!

      拳三の両腕が ・・・ 刀と共に月面に音も無く落ちた。

   ただ、血は落ちていない。  

  アンドラスタは既に同じ体勢であるが、一つ違いがある。
  それは、抜いた剣を目の前に垂直に立てていることである。

    まるで何事もなかったかのように ・・・

  そして、諸刃の刃に写り込んだ己の瞳を見てから角度を変え、
  地面に膝を落とした拳三の姿を確認した。

  そこに軽くキスをしてほくそえみ御満悦な様子 ・・・ 

    やれやれだ。

  揃えた足元の先には、一つの足跡がくっきり残っている。
  拳三に向けた右足の跡が、たったの一つだけ。

    無駄が無いとはこのことだ!

  一方で拳三は、激痛を噛み締めていた。

程なく落ちた両手首と、腕の傷口が光って引き寄せ、
次第に合わさり再生されてゆく ・・・

そして痛みも無くなっていった。

  有り得ない光景に拳三は、ただただ感謝の思いで一杯だった。

    しかし、今の攻撃に因る戦慄は、
     永遠に魂に刻まれるだろうと思った。

    それに、これはまだ序の口に過ぎない事もである。


( やれやれ、今の攻撃に反応出来んとは、
  フッ、無理もないか。

   僕が強過ぎて最近誰も相手をしてくれない位だから、
   人間風情に相手が務まる筈もない。

  それから、今君が見た亡霊は
「 幻影のシルク 」 とか、「 オーロラの魔神 」
 或いは 「 光扇の剣 」 等と部下達に言わしめているものだよ。

 つまりは僕の疾風の剣が光の尾を引き、
  まるで怪しく輝くシルクやオーロラ、
   又は扇が宙を舞うかのように見えるのだそうだ。

  そのオーロラには僕の顔の残像が重なる。

 故に亡霊が光ったようにも見える ・・・

 ははは、僕の動きは芸術そのものだよ。
 光栄だろう。 

  フッ 、十本までは研修期間としよう ・・・

    そろそろ二本目を始めてもいいかな研修生君、さあ!



 剣を揺らし、ジェスチャーを交えながら短い講義を終えると、
 剣をまた鞘に納めた。

   全く、こりゃ恐れ入った!

  この異空間は、
  差し詰め 「武人の聖域」 とでも言うべきだろう。

悪魔でも最期の剣の試合に、邪気を持ち込むことはしないようだ。
単に楽しむ為か否か? 遊びと言っていたし ・・・

その真意は何れ分かるでしょう。今は見守るだけです。

  あれっ? 
  何故かアンドラスタは拳三から、かなりの距離を取った。

     凡そ身長の五倍。
     拳三も解せない顔だ。

    未だ戦慄からの震えが治まらない拳三だが、
    ゆっくり刀を拾うと立ち上がり、中段に構えた。


( 今から、僕にとっては爽快な技を見せてやろう。

  ただ、君にとっては地獄になるがな ・・・

  この技は暫く使ってはいなかったが、
  もう見せる機会が無くなる故、特別に披露して差し上げよう。

    行くぞ、我が至高の剣 「 薔薇の妖精 」。 

         はあああああ ・・・ )


   うう、彼の全身から凄まじい気が膨れ上がっている。

 彼は ニヤリ と笑い、右手の人差し指を立てると、
静かに剣を抜き、
その右腕を首に巻き付ける様な体勢を取った。

上半身は左に向き、左腕は水平後方に伸ばし、
 足は大股に開き右足の爪先は拳三へ向けている。

 ただ、腰はまだ落としてはいない。

眼光は拳三という標的を捕らえ、既に攻撃をしている。

普通は、片手に持った剣先を相手に向けるスタイルであるが、
 この場合は違う。

  右手の剣は、ほぼ背中に背負っている状態だ。

 拳三はこの時、闘神と対峙するような錯覚に陥っていた。
それに戦慄で全身が痺れ、武者震いが起きている事を恥じていた。

アンドラスタの全身は仄かに赤く発光してきている。
しかも放電のような光も見える。

 その尋常ではない形相の目が更に赤く発光した。
  すると徐々に剣先付近に赤いオーラが集束してきた。

     そして剣の師範と化した彼が、ニヤッ、 と白い歯を魅せた。



    ( 待たせた拳三。

         我が生涯最高の贈り物、受け取れえぇ、

             つえああぁぁーっ!!!



       その時、何が起こったのか? 

    一瞬、ほんの一秒足らず ・・・
   拳三の両手と腹から下は吹き飛んだ。

  拳三は成す術無く月面に上半身を落とした。

  そして激痛が記憶を飛ばしそうになるのを気合で押さえ付け、
   今の瞬間の剣技を魂に刻み込んだ。


( ああ ・・・ 有り得ない。 
 ぐっ、うぅ ・・・ 薔薇の妖精が見えた。 はは ・・・ )


   一瞬ではありましたが、
    幸い私は叡智晶という映像装置で、
     肉眼では捉え切れない部分を補う事が出来ます。

      とは言っても信じ難いもので御座います。


  では、御説明させて頂きます。

アンドラスタが気合を発した瞬間、一気に腰を落とし、
 右斜め上から振り下ろされた剣が拳三に向くと、
  慣性の勢いを殺さず、
   その位置から手首を8の字を描くように剣を回転させ、
    深紅の衝撃波を拳三に浴びせ掛けたのです。

     しかもその僅か一秒足らずの間に、
     十三回剣を回転させていました。

    その剣のしなりは、
   あたかも薔薇の花弁を描くような妖艶なオーラの軌跡となり、
  拳三に贈呈されていったのです。



       ・・・ 待つ事暫し。


      拳三の体は再生完了しましたが、
    それを見たアンドラスタは異変に気付きました。


   ( おい、妙だな。
   始めから比較すると随分体が縮小したようだ。

 僕の体が大き過ぎるではないか ・・・

 先程のドルンの陰湿なイジメを受けた後も、体は縮んでいたが、
  それに人間臭さも希薄になり、より神臭さが出てきたか ・・・

   実に神気臭いぞ!

 ははは、そうかそういうことか、大神は全てお見通し!

 『 全てを善へ導く神仕組み 』 か ・・・

  はは、何故ここまで、何故だ! ・・・

 主(ス)よ、私はあなたの下僕 でありたかった。
 常に御側でお使い頂きたかった。

   ううぅ ・・・

  ただ、私は常に一番でありたいという我(ガ)を
 押さえる事が出来ませんでした。

 それでルシフェル様と共に天界で反乱を起こし、
 ミカエルの軍団に返り討ちに合い、
  プレアデス星系から追放された直後、我等は地球に向かいました。

   そして、その不満を人間共にぶつけました。

  その人間が堕落しきれば、
 私達にまた目を向けて下さると思ってのことですが、
 そんな幼稚な行いが通用する筈はないのに、

  哀れだ、哀れだぁ ・・・

   主よ、お許し下さい! 

  お詫びの証として、この拳三を鍛え上げ名刀と致します故、
 その上でのお裁きを、どうか主よ!!

  どうかあぁ、ああ ううぅ ・・・ )







  彼は地にひれ伏し、遥か彼方の太陽を仰ぎ、咽び泣いた。
  握った拳は震えている。

   拳三も泣いていた。

     そして私も。 わしもじゃ。 チュウ~。


( ああ~ん、ああんあん、え~んえぐっ、アンドラスタ様ぁ~、
  あたくし天使だった頃のアンドラスタ様を
   思い出しちゃったぁ、ああ~~ん ・・・)


( お~い司令。 らしくねえこと言いやがって ・・・ 
  今更、お詫びってこともねえだろが ・・・

   ああ、俺様は泣いちゃいねえぜ。
    なにしろ、そんな機能は付いて無いんでな。

     総帥だって何も言わねえだろうぜ。
      あんたは奴を徹底的に痛め付けているだけだしな。
       まあ、気の済むまで遊んでやりゃあいいさ。)


( ああ、御賛同を頂き恐縮だよ。
  彼が地獄を見るのはこれからさ。はははは。) あらら ・・・


  すると、アンドラスタの口から、何か妙な白いモヤが出て?

  これがあのエクトプラズマというものだろう。
  その白く重い煙は邪龍に戻って行った。

  つまりアンドラスタの体を、拳三に合わせて縮めたということです。


( お~いどうかね。これで同じ条件だ。剣の腕以外はね。)

( ああ、気を使わせて恐縮ですよ。師匠殿。)


( おいおい師匠呼ばわりかね。
  まだ弟子とは認めていないんだがねえ ・・・

   ちょっとは僕の攻撃をかわすとか、
   剣を止めるとかが無いと認めない。

  それに、もう既に神前試合となっている。
 そういう気構えで来てもらいたいものだよ、見学者君!


( け、見学者?・・・分かりました。仰せに従います。)


( フン、素直なのはいいが、もっと神経を研ぎ澄まし、
  神気を自在に操れなければ僕の剣は捕えられない。

それに目で見るのではなく、その霊眼で相手の魂を捕えつつ、
その周辺の霊界のエネルギーを感じ取り瞬時に対応する。

 つまり一点に集中すると共に、
  その周辺も同時に集中するという訓練が必要だ。

  肉体が有ると思うから、
 相手の行動と思念想念が読めなくなるのだ。

 まずは心と肉体の垣根を取り払い、
  魂のみで僕の魂と相対するのだ!

   ははは、くどい講義はここまでだ。 さあ、来い拳三!


        ( おおぅ!! ) 


    あああ、理屈は分かった拳三ですが、
   如何せん実力に差が有り過ぎます。

 何しろ、アンドラスタは何万年か
それ以上の剣法の積み重ねがありますので、
例え拳三が超人的霊力を得ていても敵う筈が御座いません。

故に、気合だけは彼に迫るも、
 一瞬で刀を弾かれ、腕を切り刻まれ、
  はたまた足を斬られ、電磁シールドまで弾き飛ばされたりと、
    成す術がありませんでした。

    アンドラスタは、明らかに手加減している。
   彼は時間を惜しんでいたからです。

 一本でも多く拳三と立ち会い、己の剣技を魂に刻ませたいのです。
それと、重傷を負わせれば再生に時間が掛かる為です。

しかし、どれほどの奥儀の引き出しがあるのか、呆れる程です。
 彼は何十本かのうち一本は、その奥儀を披露していました。


    一つ御紹介致しましょう。

  「 龍 魔 槍 」 という技です。

    では、御覧下さい。


   アンドラスタの構え。 これまた妙だ ・・・

  もうフェンシングの構えではありません。
 何しろ剣すら抜かずに、まるで槍を持った構えをしています。

下半身は腰を落とし、仮想の槍先は拳三に向けています。
果たしてこの後、どんな攻撃を繰り出そうというのか ・・・

彼が気を込めると、
 ある筈の無い深紅の槍が鋭く発光して、その形を露にしました。

  その時、爆発する神気を纏った拳三が、
   中段から捨て身の突きを、
   アンドラスタの左肘に打ち込もうとしましたが、
   師範の槍は龍の如く、その突いて来る刀を擦り抜け、
  拳三の両腕と腹のど真ん中を吹き飛ばしました。

まるで爆発したかのように ・・・

  そして拳三の上半身は、下半身と離れました。

      全く見ちゃいられません。


  拳三が動けたのは、
 アンドラスタが攻撃を仕掛ける切っ掛けを与えたからに過ぎません。

アンドラスタの変幻自在の剣は、
最早神の領域を超えているかのようです。

彼は、いくら倒れても闘志が更に漲り増幅されていく拳三を見る度に、
 何故か顔の曇りの度合いが増していきます。


( 拳三、君を僕の部下にしたいくらいだが、
  それが叶わぬとはなぁ ・・・

   これも自業自得というものだ。
   せめて僕の生きた証を君に刻み付けたい。
  勿論、醜悪な部分は除いてのことだよ。

 かつては僕にも神の大いなる愛が満ち、
その溢れた愛を万人に与える事が嬉しくてならなかった。

ははは、それも今は記憶を辿るのも困難になる始末。
だが、君なら神の使徒として立派にみ役を遂行出来るだろう。

 問題は、これからのミロクの世となる三千年間にある。

  アガルタへアセンションを果たした者の修行の多くは、
  二ビル星のアヌンナキ対策の為のものになるのだ。

  今回の地球と太陽系のアセンション計画では、
  二ビル対策は後回しとなるが、
 ミロクの世が終了した三千年後、
本格的な戦いが始まるらしい ・・・

何しろ、二ビル星には、
 我等悪魔と方を並べる邪気を持つ者が、五万といる。

  正確には、およそ1287億人だ。 
   神々も手こずるのもうなずけるだろう。

   まあ、中には泥沼に咲く蓮の花のような、
   美しい魂を持つ者が僅かにいるがな ・・・

  いいかね、君はそれらを踏まえた修行をこれから行うのだ。

何でも、この正邪の戦いが終わった後には、
 アガルタで大天使の誰かの弟子になれるそうだな。

  それは豪気なことだが、
  君は多くの人々の指針と成らねばならない、
 無為(むい)にして化すのだ拳三!


( はい、畏まりました先生!)


( うむ。ところで、もう一本で百本目になる。
  これで最期にしよう。随分時間も経過してきた。
   僕はもう充分君と剣で語り合ったと思うが、君はどうかな?)


( はい、私も先生の御指導を十二分に魂に刻み込みました。
  ただ、一つお見せしたいものが御座います。

   これは、技ではありません。

   我が父、剣三郎が編み出した
  「 活 人 剣(かつじんけん)の構え 」 と呼んでいるものです。

  これは戦国時代、上泉信綱 が提唱した 「 活人剣 」 に父が傾倒し、
 「 戦わずして相手から戦意を奪う 」
 極意として辿り着いた構えであります。

  どうか、御覧頂きたいのですが、如何で御座いましょう。)





  さてさて、拳三がアンドラスタに見てもらいたい
 「 活人剣の構え 」 とは如何に?

 またまた、区切りたくない所でおしまいで御座います。
 悪しからずで御座います。

   次回をお楽しみに ・・・


ところで皆さん、自転車をお持ちであれば、
シャリシャリ、カラカラ、ガシャガシャ、悲鳴のような音をださないよう、
しっかりメンテナンスをしてあげてくさいね。可哀想です。

メンテナンスの仕方は、「ママチャリを掃除してみた」
その他の動画を参考にしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=r2P8KyyZ-Y8

チェーンに自転車専用オイルを塗っただけでも軽快な走りを体感できますよ。
愛情を込めたメンテナンスをすれば、長持ちするし壊れにくくなります。

機械といえど、人間の愛情がこもった物には命が吹き込まれると私は思います。

自転車や車に限らず、物は大切に扱いましょう。


 今日の宇宙画像 / アンドロメダ大銀河   
    


  神も宇宙も偉大ですよねェ ・・・

  神性を持つ人間も偉大です。
 己の神性に気付きましょう!

でなきゃ、宇宙共通惑星である地球での修行の意味ないでしょう!





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