『 うさぎの言霊 』 Rabbit's Kotodama 

宇宙の謎、神と悪魔と人とは?

《 最終章 》 〈 第九話 〉 再 会

2019年02月08日 20時55分49秒 | 小説


  駿河湾に待機していた、伝説の邪龍 「ヤマタノオロチ」 は、
 大黒天様の大愛なる慈悲により、そのおぞましい姿が美しく変化しました。

その姿は全長3,000m、美の極致とも言うべき、
白銀の羽を纏った巨大な丹頂鶴となったのです。



 全世界の神の光玉で、多くの神の子達に見守られる中、
  改魂した悪魔達は、
   神から与えられた使命を全力で遂行しようと努力しています。


    《 キャラクター&キャスト 》

「 ガチョン 」 ベニヒワのベニ様 / 谷  〇

氏 神 スプリングフィールド  ジャン ・ レ〇
湖 神 ナセル ーーーーーーー キャサリン ・ ゼータ ・ ジョーン〇
山 神 ブライトホルン ーーー ヒュー ・ ジャックマ〇
山 神 早池峰 ( はやちね )  檀 れ〇

うさぞう 信造 作者 / ナレーター : 伊藤 敦〇


「 悪魔軍団 」

邪神 アポフィス  / ブラッド・ピッ〇
 妻 イングリッド / チャーリズ・セロ〇
侍女 ルリエス   / ジェシカ・アル〇

総  帥 サタン (ルシフェル/クラウド) アントニオ・バンデラ〇
  大将 ハガード  / ブルー〇・ウィリス
  少将 フェリウス / オーランド・ブルー〇
  大佐 レイカス  / ラッセル・クロ〇

( 七大悪魔 ) 

司令長官 アンドラスタ / ジョージ・クルー〇―
将 軍 グリオス    / アンソニー・ホプキン〇
将 軍 オルゴラン   / トミー・リー・ジョーン〇
将 軍 バクスト    / ウイル・スミ〇
将 軍 ドルン     / ウェズリー・スナイプ〇
将 軍 シアニード   / アンジョリーナ・ジョリ〇
将 軍 フレッタ    / アン・ハサウ〇イ


  ブライトホルン (独: Breithorn、大きい山の意)は、
  スイスとイタリアの国境にあるペンニネアルプス山脈の山。

    標高4164m。

  マッターホルンとモンテローザのおよそ中間、
  テオドゥル峠の東のアルプス主系に位置する。

  (ウィキペディアより抜粋)
     


     早池峰 ( はやちね )

  岩手県にある標高1,917mの山。北上山地の最高峰。
  六角牛山、石上山と共に「遠野三山」と呼ばれる。
  (ウィキペディアより抜粋)




    二〇XX 年 十二月 二十二日(月)5:00

            カウントダウン 2:00




    大黒天様率いる巨大丹頂鶴は、
   日本列島を浮島にする為の刺激を海底に与えています。

  後もう一息というところでしょうか。
 その刺激に因って海底火山が目覚め、
 海面に噴煙と蒸気が上がっています。

 火之夜芸速男神様 を始めとする、菊理媛様と祓戸四神の神は、
 日本以外の大陸を沈める為の補助作業、
  そして核関連施設の封印を確実迅速に進めておられます。


    その様子を叡智晶で見守っていると、
     ベニ様 が、チュ、チチッ、と波状飛行をしながら、
      久しぶりにお出ましになりました。

      すると小さな雲が出現し、
      ベニ様は座布団代わりにその雲の上に鎮座なされ、
     ジイッ! と我等を御覧になられました。


《 うむ、励んでいるようじゃな。

  もう直、シリウス文明そして神十字文明の夜明けだ。

   その前に最期の任務を与えよう。
    邪神の元へ再び行ってもらう。

    此度は信造は控え、スプリングフィールドとナセルが対談しなさい。
   汝等は、奴とは同期だ。勿論、本来の姿に戻って宜しいぞ。

 それにもう二人の神を指し向ける。
  それで奴と積もる話をすればよい。

   主神はアポフィスとイングリッドのことが不憫でならないのじゃ。
    時間寸前までその場にいること。

   そして邪神の断罪される様を、最期まで見届けるのじゃ。
  では、奴の元へ送ろう。良いな。》


《《 はは、畏まりました! 》》

  「 ははぁ! 」




             ( BGM ) 

      フレデリック・ショパン作曲 『 ノクターン 』
        マウリツィオ ・ ポリーニ ( ピアノ )    
 






            儚げな響きが聞こえてきました。


           ここは、邪神地下宮殿の一室。


         前回より照明が落ちている。

      大型のスピーカーからは、ショパンのノクターンが ・・・

    邪神の顔色は既に無い。生気も無い。
 美しい音色が虚しく鳴り響くだけである。


  彼は一人でソファに座っている ・・・ ルリエスはいない。

   我等の姿は、視界に入っている筈なのだが ・・・?


  スプリングフィールド様のお姿は、
 人で言えば三十代の紳士である。

黒髪のオールバック。御目はブルー。

お顔の頬からお口周りのお髭が御立派であります。
服装は洒落たダークブルーのスーツ。

  長身で、全体的に落ち着き払った風格を漂わせておられます。


  ナセル様は、想像以上の美しき女神振り。

 ウェーブがかった長い黒髪が背中まで伸び、
額には宝石をあしらったティアラが輝いています。
大きな青い瞳にお口は小さめです。肌は小麦色。

細身のお体には、
胸元から足首までのタイトなロングドレスをお召しです。

 色は、ゴールドを基調とした
  ピンクとグリーンのグラディエーションが鮮やかです。 

   それで私はナセル様に抱っこされております。
   決して嫉妬は御遠慮願いますぅ。

  スプリングフィールド様は、
 両手でエクトプラズマらしきものを手の平から出されて、
その光る白いもやを巧みに操り、
四脚の椅子とガラスの丸いテーブルを造られました。

どれも美しい彫刻が施され、宮殿には相応しいものです。
その大きめのテーブルはアポフィスの前へ、
 四脚の椅子はその周りに配置されました。

   我等はアポフィスに向かって左側に座りました。

    そして私はナセル様の膝へ ・・・


  ただ、息が詰まるほどの静寂が続いています。
 透明なピアノの音色は、更に静寂さを引き出しているかのようです。

実に不思議だ ・・・

邪神は我等に視線を移しましたが、さほどの動揺は感じられません。
恐らくは断罪される恐怖で
 感覚が極端に鈍くなったのでしょう ・・・ 全く哀れです。

  すると今度はナセル様が、テーブルの上に何かをお造りです。

 なるほど、これは数種類の薔薇をガラスの花瓶に活けた物です。
 辺りには、実に華やかで芳しい香りが漂っています。

  この薔薇はイングリッシュローズに違いありません。
   八重咲きの花弁がゴージャスで、花のクイーンそのものであります。

   気付くと、アポフィスが食い入るようにその薔薇を見つめている。


【  ・ ・ ・ 美しい 。 僕の好きなものばかりだ。


《 まあ、それは良かったわ。
  わたくしはナセル。随分久しぶりですこと。》


《 わしはスプリングフィールドじゃ。邪魔しておるぞ。
  全く気の毒でならんわい。》


【  何だ君達は? ・・・ 何時の間に ・・・ 
      ふっ、見ての通り死人同然だよ。


《 まあまあ ・・・あら、お見えのようだわ。》


   ああ、そうかあの方々も同期でいらしたのだ。


《 アポフィスよ、邪魔するぞ。久しぶりだな。
  私はブライトホルンだ。》

《 私は早池峰です。憶えておいでですか?》


    二人の神様は、
  こちらの神様に笑顔で会釈され、椅子に座られました。

ブライトホルン様の出で立ちは、純白のスーツにゴールドのネクタイ。
ガッシリとした長身に映えています。

 最も印象的なのは、燃えるような神気を放つブルーの瞳であります。


  早池峰様は、絞り染めの着物姿であります。

 真珠の白を基調とし、上半身の左肩からは満開のピンクの桜が咲き乱れ、
下半身の右側には桜吹雪と風を表現した波線と共に、
一羽の鶯が舞っています。

 長く艶やかな黒髪を後頭部で束ね、その髪は腰まで伸びています。
  何とも上品で控えめ、それでいて華やかさも合わせ持っています。

   きっとこの絵柄は、シリウス文明の春を願われてのことなのでしょう。


【 ふ、同 期 の 桜 か ・・・ 】  


   早池峰様のお着物を眺め、邪神が呟いた。


《 その通りだ。桜は用意しておいた。》 パチッ!


     ブライトホルン様は左の指を鳴らされ ・・・?





   ええっ! 我等の前後に見事な桜の紅白二種類の大木が ・・・ 

  枝は頭上を覆っています。

 そしてライトアップまでも ・・・

 この位置はアポフィスを正面として左右に分かれて設置されている。

  満開となった桜が咲き誇り、皆様からは溜息がこぼれます。


《 私からはお酒を、日本の吟醸酒ですのよ。一献お味見をどうぞ。》


   早池峰様は、朱塗りの杯をアポフィスに差し出し、
    酒を静かに注がれました。

    その流れには金粉がくるくる泳いでいます。

   アポフィスは グイッ、 と一息で飲み干しました。


【 ふう~~、うまいなぁ。

   こんな地下の隠れ家で花見とは、ぐうう ・・・
    もう花とも音楽とも ・・・ 

   イ ン グ リ ッ ド とも ・・ あ あ ・・ 】


《 なあ、アポフィスよ。ルリエスを呼んではどうかな。
  わしは彼女が不憫でならんのじゃ。

  そのうちイングリッドは必ず姿を現すじゃろう。
  それまで待つことだ。

  わしらは最期までお前達を見守り、そして見送ろう。
 永遠の友としてな。》


《 そうですわよ。是非お呼び下さい。
  ささ、もう一献。皆さんもお召し上がり下さい。》


    早池峰様は人数分の杯を用意なされました。


そうか、分かった ・・・ 

 ・・・ ルリエスよ、客人が見えている。接客を頼む。


   間も無くルリエスは現れたが、
   二日前に私が訪れた時より驚くことはなかった。

   彼女は客人に深々と御辞儀をすると邪神の後ろに控えた。

  当然、ルリエスの生気は無い。

 ただ偉大な神々の波動に触れ、時折和らいだ表情を見せている。



   それから ・・・ 誰も語らない







      静けさが心に染み渡ります・・・











       語らないのに神々は語っているようだ




      そうとしか思えない ・・・



   つまりこの空間に生じる気を感じ取っているのでしょう。

 魂の全霊を以ってすれば、
 張り詰めた糸の微妙な波動から来る心情を掴めるのかもしれません。

  それに客人の神々は、
   アポフィスに対して暖かな波動を送っておられるようです。


     酌み交わす酒を味わう ・・・


    その一連の動作からは、

  瞬間瞬間の時が過ぎるのを惜しむ心情が私に伝わって参ります。



 鮮やかな色彩の流れと香り ・・・ 神々の愛と光の芸術に酔いしれる。


 友はアポフィスとルリエスに微笑み、酒を勧める。

  その酒を味わい ・・・ その時と友情を味わう。


   ここに至っては、慰めの言葉など無意味ということでしょう。


   その証拠に、この場の雰囲気が和らいできました。

  邪神の表情にも生気が見えます。


愛と光はここに満ちている ・・・ 邪神の魂にも沁みてきたようです。



      二〇XX 年 十二月 二十二日(月) 5:30

               カウントダウン 1:30







     《 アポフィスよ、少し明るい曲を掛けてはどうかな? 》


          ブライトホルン様が問い掛けます。


      【 ああ、君の好きな曲にしてくれて結構だよ。】 パチッ!



     アポフィスが指を鳴らすと、十メートルほど離れた場所に、
    レコード棚が床からせり上がってきました。

  その棚から、ブライトホルン様が一枚のレコードを選ばれました。
 ああ、レコードがジャケットを飛び出し、宙を舞っています。

 ふわりゆらり何度か回転した後、
 レコードはターンテーブルに音もなく着地と同時に針が落ちていきます。

  ブライトホルン様が ニコッ、 と微笑まれました。



             ( BGM ) 

     クロード・ドビュッシー 作曲 二つのアラベスク  
          モニク・アース ( ピアノ ) 

   
  https://www.youtube.com/watch?v=xLZJ1YFIl8A






    直に美しく優雅なピアノの旋律が響いてきました。


  それに合わせて、数匹のモンシロチョウとモンキチョウが、
 紅白の桜の巨木の周りを飛び交い始めました。


そよぐ風に舞う蝶達、そして桜の枝は優雅に踊っているようです。

目の前には、何とも言えない幻想的光景が広がっています。


  アポフィスは、その光景を遠い目で見詰めています。


  
         【 ・・・ なあブライトホルン。

         いつの事か自分でも忘れてしまったが、
         君には随分失礼な事をした記憶がある。

           詳細は憶えていないが ・・・ 

         憶えているのは怒りが抑えきれず、
         君にも大神様にも八つ当たりをして、
         天界を去ってしまったということだ。

     気付けばルシフェルとその部下達まで堕天させてしまい、
         地球上で憂さ晴らしをしていた。

        詫びる気持ちが芽生えた時もあったが、
      やはりプライドが邪魔してズルズルと今の今まで ・・・

   フッ、懐かしいなぁ、お互い競い合い、良きライバルだった。

         ただ、君の方がほんの少しだけ
      才能が上だった事が原因だったような気がする。

       済まないブライトホルンよ。許してくれ。】


         《 ははは、今更よしてくれ。

        私も詳しい原因は憶えていないのだ。
        もう昔の事だよ。だから気にするな。

   詫びるなら主神様と大神様方、そして多くの部下と神の子人にだ。》


       【 その通りだ。僕は永遠に近い期間を、
       激痛を噛み締め詫びる日々を送ることになる。

       多くの尊い神の子の魂を道連れにしてだ!

          なんと愚かで幼稚なことか!

             それに無様だ!

          神の威厳の欠片も無いとは ・・・

     そう思っても死ぬ事すら出来ないのだ。 おおお ・・・ 】


      顔を両手で覆い、
       肩を震わせ大泣きするアポフィスを見守る友人の皆様は、
        ただ気の毒でならない御様子。

         そこへ早池峰様は立ち上がり、
          そっと彼の肩に右手を乗せられました。


     《 ねえ、そろそろ彼女にお出まし願いましょう。
   私とナセルさんでお誘いしてみますから、見ていて下さいな。

         宜しいでしょう。ナセルさん。》


     《 勿論ですとも。御一緒にお迎え致しましょう。》 


      ? ん ・・・ 何だろう。 

     何処からか女性のすすり泣く声が ・・・


    
   やはり、音源はあの盆栽からだ。
   樹齢千年の真柏(しんぱく)から悲しき波動が伝わってきます。

    そこへ、早池峰様とナセル様が歩み寄ります。


   《 イングリッドさん、恥ずかしがらないで出ていらして、
       時間は余り残されていませんのよ。》


     早池峰様が呼び掛けます。 続いてナセル様も ・・・


  《 御願いです。御主人がお待ちですよ。出ていらして ・・・ 》


  おおお、真柏が淡い光を放ち、小さな龍神が出て参りました。
 その龍神は次第に光を放射しながら、人型に変化してゆきます。

光り輝く美の女神とも言うべき美しさ ・・・
皆様が溜息を漏らしておられます。

お隣の肖像画より、表情が柔らかい印象を受けます。
早池峰様とナセル様はイングリッドと抱き合い、
 涙を分ち合っています。

  イングリッドは、早池峰様から頂いた絹のハンカチで涙を拭うと、
   震える声で話し始めました。


 【 早池峰様にナセル様、そしてスプリングフィールド様、
  ブライトホルン様、ありがとうございます。

 我等のような愚か者に対して、
このような深い御愛情を賜れるとは、
何と御礼申し上げればよいものか ・・・

我等はもう二度と御会いする機会を
 与えられない身でありますのに ・・・ 】


   早池峰様が彼女を止められました。


《 ねえ、その話はよしましょう。
  それより彼と話してあげて、後悔の無いようにね。》


  アポフィスが堪らず、イングリッドに歩み寄り土下座をしました。


済まない、済まないイングリッド!! ・・・

  僕は、主神も友も失望させ、妻も裏切った。
   その罪を、深く考えようとしなかった。

   己の非を認めたくなかったからだ!

  愚かだよ。いつも逃げてばかりで、己の周りには城壁を廻らす。
 攻撃してくる奴は上から火矢で攻撃する。

 己を守る為にはそれしか方法が無かった。

  勿論、城内には君がいた。
   だが、君は自分の意志で城外に出て行った。

   僕は失望したよ!

  守る者がいなくなり、僕の生きる意味はもう何処にも無かった。

芸術に没頭しても満たされなかった。そして今日を迎えた。
遅すぎた。何もかも ・・・ だが心は決まった!

彼等の御蔭で神としての誇りを僅かだが取り戻すことが出来た。

 だから僕は心底、
  主神様にお詫びをし、謹んで断罪をお受けするよ。

   君とは ・・・ もう、お別れだね ・・・

  全ての罪を僕が被ることは出来ないだろうけど、懇願してみるよ。
 主神様に、出来得る限り部下達の罪を僕が背負うと ・・・ 】


    彼女は彼に立つよう手を取ると、こう言いました。


【 あなた、それは私も同じ気持ちです。私も同罪ですもの。

  だから、ルシフェルやその部下達の罪の軽減を、
   私も主神様に御願いしますわ!
   それが我等夫婦としてのけじめですもの。

   ただ、お別れですね。 私の愛する旦那様。 

  離れていても想いは一つですわ。

そして、主神様を初めとした神々と神の子人に与えた苦痛を、
共に分かち合いましょう。

でも怖いわ。 凄く怖い!

 こんな恐怖を大勢の魂に与えて弄んで来たのね。
  自業自得だわ!

    ああ、あなた、愛してるわ! ・・・ 】


     【 ああイングリッド、済まない!

        愛してる ・・・ 永遠に ・・ 】


      二人は抱き合って泣いた。

     竹馬の友は、涙して見守るだけですが、
    共に心の痛みを共有しておられるのです。


 【 いけない。ルリエスのこと ・・・ 

   ごめんなさいねルリエス。
   あなたには可愛そうなことをしてしまったわ。

   許してなんて言えないけど、本当にごめんなさい。

  辛かったでしょうに ・・・ 】


「 そんな、勿体無いことです。

  私はお二人にお仕い出来ることが嬉しくてなりませんでした。
  ただ、己の至らなさを悔いるばかりです。

  旦那様、奥様、
 今まで本当にありがとうございました ・・ ああっ ・・・」 


【 ルリエス。君の苦しみなど考えた事も無かった。
  済まなかったな。さあ、こちらへおいで ・・・ 】


   ルリエスは、アポフィスとイングリッドと抱き合い涙しています。 

    あれ、何だろう? 光が差して ・・・


    《 あら、これは雨 ・・・ 》


    ナセル様がお気付きですが ・・・ 霧雨だ。


   しかも淡い虹が一つ ・・・

  これは主神様の愛、天意なのでしょう。

  邪神の夫婦の決意に対する、一つの応えなのかもしれません。
  それに深い悲哀と慈愛の涙そのもの。

   きっとそうに違いない!

  その主神様の愛の波動に触れ、
 皆様は感動に打ち震えておられる御様子です。

 特に邪神夫婦とルリエスは、大粒の涙越しに食い入るように見詰め、
 主神様の大いなる天意を魂に刻んでいるようです。



     現在時刻、午前六時三十分。


    スプリングフィールド様が叡智晶を起動なされました。

  地球上に雨が降り注ぎ、
 虹が各光玉に出現している様が映し出されています。

一つ一つの光玉上空には、
雲の大きな隙間から太陽の光が差し込んでいるのです。

世界中から歓喜から来る大歓声が沸き起こっています。

 耐えに耐え忍んだ三日間の苦労が報われる時が、
  間近に迫っているのですから、その喜びは一入です。

  ただ、全てが太陽光である筈が御座いません。

  太陽が照らさない裏の半球では、
  光玉の守護神が直接の光で照らしているのだそうです。

 何とも荘厳なる光景であります。

日本列島は直、四つの海底プレートから切り離されるようです。
邪神の部下達は大黒天様からの勅命を果たせそうです。

 その様子を見た邪神が、驚きの眼で見詰めています。


【 何と、あの者達が ・・・ 邪念の無い波動を放ち、
  大神様の手足となって仕えているとは、素晴らしい。

   実に見事だ! これが奉仕というものだ!

  済まない、ルシフェルにその部下達よ。

 許してくれ ・・・ 

 私はお前達を、単なる道具としか見ていなかった。

  愚かだ! 全く愚かだ! 許してくれぇ ・・ おおお ・・・ 】


    彼は、妻とルリエスと共に泣いて詫びた。




    改魂したルシフェルが操る巨大丹頂鶴が、
   最期の真炎弾を放つ場所に出現致しました。


クルウゥ~ッククッ、キュウックルウ、
         クルッキュウ~、クウ~クルゥ ・・・


   大平洋に木霊する美しき鳴き声。

    誇らしげに幾度も ・・ 幾度も ・・・


   ただ、相当体力気力霊力を消耗しているようで、
  立っているのがやっとという感じだ。

実は現在、鶴の肉体に取り込まれた人と動物の魂の霊力だけでは足りず、
 ルシフェルや七人の部下、そして全兵士の霊力も加えられているのです。

   それほど真炎弾の多用は霊力を消耗するようです。

     ルシフェルの言霊が響いてきました。


  「 我が同志同胞達よ。皆よくやってくれた。

  我等は最期の最期にようやく神の使命を果たすことが出来たのだ!  


 これが最後の真炎弾となる。

 悔いの無いよう、主神様への愛とお詫びの念と、
 全霊力を、この地球と丑寅の金神様の魂に刻み付けよう。

  心の準備はいいかあ。では行くぞぉ!

    我等が愛を主神様にぃ、発射ああぁ~~!!


     最期のルシフェルの号令が、大海原に響き亘りました。

     そして全世界の神々と神の子が見守る中、
   遂に最期の真炎弾が大平洋に放たれました。


ヒュヒュヒュゥゥゥ~~~~、ゴオッ !!!


   轟音と共に巨大な水柱が高々と上がりました。


((( おおおおおおおおおおおお ~~~~~ !!! )))


   ドックン ・・・ ドックン ・・・ ドックン ・・・


     全世界から大歓声が響いて来ます。
      まるで地鳴りがしているようにも思えます。

     その音に混じり、地球の鼓動のような音もしています。

    これは直接魂に響いているのかもしれない。

   しかも、自分の心臓の鼓動と
  同調しているかのような感じさえ致します。

 地球という生命体が、
  新たに生まれ変わったことの表れなのでしょうか ・・・


  ただし、美しく生まれ変るということは、
  醜悪なる穢れを払拭しなければ成し得ません。

 その避けては通れない一線。

地球上に存在する、幽界の領域全てを破壊し、
地獄の業火へ投げ落とされる憐れな人間と邪神邪霊の魂。


『 主神の大経綸 』 の大節。

  地球と太陽系のアセンション計画。


     シリウス文明、神十字文明、ミロクの世の夜明けが、

         訪れようとしています。







   邪神に対する偉大な神々の愛と友情 ・・・
  御堪能頂けましたでしょうか。

 さて、小説も大詰めになります。

 邪神とその部下達の命運や如何に ・・・

  次回、『 断罪の儀 』 を、御期待ください!



( 2015年5月 当時 )

さて、私は4日5日と、一泊二日で、東京のパワースポットを巡りました。
詳細はまたの機会と致しますが、一つ印象に残ったシーンを御紹介致します。

それは、「 裏北斗七星包囲網 」の神社の一つである、
水稲荷神社を参拝した時のことです。

  以下参照 ・・・

  水稲荷神社
http://mizuinari.net/index.html





以前、北斗七星包囲網、表と裏の神社巡りをさせて頂いて以来、
二度目となりましたが、その時は境内に猫の楽園かと思われる程、
猫が拝殿前の両脇に寝そべったりじゃれあったりしていました。

 私は、今回も多くの猫に会えると期待していましたが、
 一匹も見当たらず落胆しておりました。

 その為、宇迦之御魂神 (ウカノミタマノカミ)様に、
 猫に会えるようお願いをしました。

  すると帰り際に猫の気配がありました。
  すかさず写真に収めた一枚が以下の写真です。

   招き猫です。

    挙げているのは、後足ですが ・・・




 この猫は前回でも印象に残りました。

  なんといっても、その目に強い霊気を感じるのです。

   普通の猫とはまるで違います。

    それは目が合えば分かります。
     実際合わなければ分からないでしょうが ・・・

       宇迦之御魂神様、ありがとうございました。

          皆さんも是非、御参拝を ・・・





《 最終章 》 〈 第八話 〉 主神の神儀

2019年02月08日 13時47分44秒 | 小説




「 神の光輪 」 
 霊峰富士上空3000メートルに出現した凸レンズ状の光輪のこと。
 世界中の 「神の光玉」 からの祈りの帯が集結する場所。

 守護神は 「 火之夜芸速男神 = ヒノヤギハヤオノカミ 」
 神槍 「 炎輪槍 = エンリンソウ」 を操り、
 富士周辺に展開した多国籍軍を、数十秒で全滅させた「火の神」の代表格。


「 神の光玉 」
 
 全世界の要所に出現した美しい魂しか入れない祈りの聖域。

 通常は3キロ圏内。先祖の魂が障壁となって守護する。
 その上空には、地域に縁のある強力な神が守護する。

 東京の 「 神の光玉 」 は皇居を中心とした30キロ圏。

 守護神は 「 天照主日大神 」
 天神七代の神でもある。 

 正式名称 : 天御光太陽貴王日大光日大神


「 神の光網 」 
 全世界の 「 神の光玉 」 同士を網状に繋ぐ光と祈りのネットワーク。 


 遂に始まった正邪の最終決戦!
 その決戦も三日目に突入致しました。

現在、意外にも邪神軍は全面降伏となり、
遂に 「神の光輪」 が完成致しました。

今まで、7名の聖者の内、
拳三、マーフィーはその資格を得られずにおりましたが、
厳しい神の試練を乗り越え、
ようやく 「 神の光輪 」 へ入ろうとしています。

 さて、サタンを筆頭とする邪神軍にどのような沙汰があるものか?

  感動の展開を御覧ください。


 因みに邪龍ヤマタノオロチは、
 数千億の人間と動物の肉体と魂で練り固めて構築されたものです。

邪霊力エンジンは、その人間と動物を電流で痛めつけ、
激痛と不平不満のネガティブエネルギーを更に変換増幅させ、
循環することで邪龍の巨体を駆動させるという
世にも恐ろしいものなのです。


    《 キャラクター&キャスト 》

天神六代  国 万 造 主 大神 ( 大黒天 )  西田  敏〇

氏 神  スプリングフィールド : 三十郎 / ジャン ・ レ〇
湖 神  ナセル : チカチュウ / キャサリン ・ ゼータ ・ ジョーン〇
うさぞう 信造 作者 : ナレーター / 伊藤 敦〇

土門  拳三 ーーーー 妻夫木 〇
   かすみ ーーーー 成瀬 璃〇
マーフィー・ラッセル  ヘイデン・クリステ〇セン
( 豆芝 ) 犬四郎   加藤 清〇郎  


「 悪魔軍団 」

総  帥 サタン (ルシフェル/クラウド) アントニオ・バンデラ〇
  大将 ハガード  / ブルー〇・ウィリス
  少将 フェリウス / オーランド・ブルー〇
  大佐 レイカス  / ラッセル・クロ〇

( 七大悪魔 ) 

司令長官 アンドラスタ / ジョージ・クルー〇―
 将 軍 グリオス   / アンソニー・ホプキン〇
 将 軍 オルゴラン  / トミー・リー・ジョーン〇
 将 軍 バクスト   / ウイル・スミ〇
 将 軍 ドルン    / ウェズリー・スナイプ〇
 将 軍 シアニード  / アンジョリーナ・ジョリ〇
 将 軍 フレッタ   / アン・ハサウ〇イ


       ( 推奨 BGM ) 

 ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 作曲   
 ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 「皇帝」 Op. 73

 マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)

 クラウディオ・アバド指揮

 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団  

 

 ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 「皇帝」 

     





    日本時間、午後十時五十七分

  拳三と犬四郎の姿が見えました。


彼等は富士上空、北の方角から飛んで来て
「 神の光輪 」 の手前で止まりました。

 大黒天様からは、マーフィーが到着するまで待機との御命令です。


  マーフィーは五十九分二十秒に到着。

 危ういところでした。
彼は飛ぶ訓練をほとんどしていませんでしたから当然です。

ところで、二人の体は適性な大きさになりましたが、
 形に於いても実に洗練された姿に変身しております。
 
  その二人は光輪の前で戦慄を憶えています。

 何しろ目の前の光輪は、凸レンズ型の小太陽なのですから。
二人はこの事実を知る前に、
 月の修行に向かいましたので知る筈がないのです。

  勿論、月から 「神の光輪」 を観察しておりましたが、
  厚い雲越しでの観察では、
  光輪内部の状態までは伺い知ることはできなかったのです。

 犬四郎は、かすみちゃんに呼んでもらい、我等と共におります。

勿論、炎の獅子から豆芝に戻ってです。
犬四郎はかすみに抱っこをされ大喜びです。

 我等は、富士から約三キロ離れた空中で様子をみております。

  拳三、マーフィーは光輪の下で、
    光輪中央に鎮座される大黒天様から御言葉を賜りました。


        《 拳三、マーフィー両名共、
     厳しい神鍛えを良くぞ耐え忍びこの場に戻った。

           褒めて遣わす。

  体も適性に成り、ようやくこの神の光輪に入る資格を得たのだ。

        故に、これからが本番である。
   他の者は数段神気も増し、霊的レベルも上がっておる。

       さあ、明日の七時まで後八時間じゃ。

      その前に、主神様が一度お見えになられる。
   故に午前零時まで、この光輪を神気満堂にせねばならない。

       両名共、恐れず光輪内部に入るのじゃ。

          拳三は丑寅 の黒点へ、

    マーフィーは未申 の黒点へ、さあ来るのだぁ!


          「「 ははぁ!! 」」


    拳三とマーフィーは意を決し、炎の光輪に身を委ねた。


        そこは別世界。

    天意(あい)と神気の充満界であり、
  そのエネルギーは縦横無尽に光輪内を駆け巡っていた。

 二人は、そのエネルギーの流れが己の魂と肉体を貫くのを感じていた。

二人がそれぞれの黒点内部中央に辿り着くと、
更に有り得ない戦慄を憶えた。

己の全身全霊、そして神経が露(あらわ)になり、
この 「 神の光輪 」 から、全世界の 「 神の光玉 」 に張り巡らせた
「 神の光網 」 に直結していると感じた。

  剥き出しの神経と血管が、
  脈打ちながら全世界の神の子の祈りを感じる。

 その祈りの波動は、嘆きと悲しみと深い後悔とお詫びの念、
そして主神様の天意に対する深い感謝の念、
その波動が幾重にも止めどなく己の胸と魂に響いて来る。

更に、彼らには見えているのだ。

祈りの主である同志たちの姿が ・・・
そして、その祈りの主に対して会話が出来るということを ・・・

( ありがとうございます。あなたの深い祈りは、私が確かに受け取りました。
 必ずその愛の祈りを主神様にお届け致します。)

 このように一人一人、祈りの主に感謝の想いを伝えていた。


  外部から見える映像では、深紅の龍の如きプラズマが、
  黒点の聖者目掛けて吸い込まれるように美しい放物線を描いて見える。

  我等は唖然として見守るだけである。

 ただ、光輪内の神々と聖者達は常に感動に打ち震えている。

その感動の波動が、それぞれの全身から神気の波紋の様に内部に広がり、
更に神気の密度が増しているようだ。

密度が増せば、神の光輪の火の気による光度も増すことになる。

光度が増すと共に、光輪表面の黄金のコロナが富士上空一面に広がり、
 深夜だというのに真昼の明るさ同様となってきました。

  気の毒なのは、富士山麓で待機を命ぜられた邪神軍である。

  彼等は誰一人として、
 まともに座っている者がなく、その場で悶絶している。

邪悪な魂を持つ彼等にとって、この強烈な神気が充満した領域は、
地獄の業火の中にいることと同様となります。

これは言うまでもありませんが、
皆、憑依していた肉体は脱ぎ捨て、魂のみの姿で御座います。

サタンと他の七人の悪魔も然り ・・・


ここで、各聖者達の「神の光玉」 担当地区が御座いますので、
御紹介致しましょう。


「 大黒天様 」 中心 : 忠臣 / 全世界を統括

「 ミカエル様 」 子 / 日本、中国、モンゴル、東南アジア諸国

「 土門 拳三 」 丑寅 / 朝鮮半島、オーストラリア周辺

「 カーリー・アモリーノ 」
 卯 / ヨーロッパ全域
  ( 補佐役 : ガブルエル様 )

「 アジス・ビキア 」 辰巳 / アフリカ全域

「 ムハンマド・ハルドゥーン 」 午 / 中東、インド周辺
  ( 補佐役 : ウリエル様 )

「 マーフィー・ラッセル 」
未申 / ロシア全域

「 ミリアム・コルシェフ 」
酉 / 北米全域
  ( 補佐役 : ラファエル様 )

「 クリスティアーノ・エデュー 」 戌亥 / 南米全域

   




  二〇XX年 十二月二十一日(日)午後 十一時 五十九分


     もう直ぐ主神様 御降臨の時刻です。

  膨れ上がる神気満堂の 「 神の光輪 」 が煌々と照り輝き、
まるで宇宙全域、全次元をも照らすかのような光となっております。

     さて、この後どうなるのでしょう?
    大黒天様が光輪内の皆に呼びかけます。


《 皆の者、良く聞きなさい。これより主神様に御降臨頂く。
 その為、この神の光輪の向きを水平にする。

それに我と火之夜芸殿はここまでのみ役故、次の任務に就く。
その任務とは邪神軍のお守りだ。ははは・・・

更に、菊理媛殿(ククリヒメ)
そして 祓戸四神(ハラエドヨンシン)の神々が加わり、
 共に任務を遂行することとなる。

 主神様は、これからこの光輪に 「 光の神儀(カギ) 」 を差し込まれる。

その光は、

主神様の 神剣 「 業 炎 剣(ゴウエンケン) 」 から発せられるものじゃ。

その神儀は宇宙全次元を貫く光じゃ。

つまりは 「 光の神儀 」 を軸にして、
 宇宙全次元ごと左回転でゆっくり十八回廻すのじゃ。


 ただし降臨といっても実際、
主神様は 「 最奥 」 という別次元界に居られるので、
聖者の皆は今まで通りに振舞えばよいことじゃ。

真の御降臨は明日の午前七時であるから、そのつもりでおればよい。
 後は四大天使に任せる。

 集中力を切らさぬよう最期まで精進することじゃ。

では、健闘を祈っておるぞ! 》


    「「「 ははぁ!!! 」」」



菊理媛= 古代エジプト神 セクメト =
  聖母マリア = シリウスA アルメーラの守護神
  瀬織津姫の母 = シリウスの母

  夫的存在は、天火明命(あめのほあかりのみこと)=
  天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)

祓戸四神 筆頭 = 瀬織津姫 =
  古代エジプト神 ソティス = マグダラのマリア
  シリウスB ディジターリアの守護神  

  夫的存在は、さておそらくは、
  天照皇大神 = 太陽神人 : イエス?
  じゃないかと私は思います。 断言はできませんが ・・・

  因みにシリウスは、二連星ではなく五連星です。

  ただ、現在の低レベル科学では発見されておりませんが ・・・
  

 『 祓戸四神(ハラエドヨンシン)』

  1、瀬織津姫 (せおりつひめ)
  2、速開都比売 (はやあきつひめ)
  3、気吹戸主 (いぶきどぬし)
  4、速佐須比売 (はやさすらひめ)    

  参照 ・・・ http://infinity108.com/2190/

上記の情報は、ほとんどは K さん からのものです。    




大黒天様は火之夜芸速男神様と共に、富士山麓に降りてゆかれました。
 なな、何と余りに凄過ぎて、頭の整理がつきません。

   全次元を廻すって? ・・・ 業炎剣とは?

   ・・・ 戦慄で血が凍り付きそうです。

    かすみと犬四郎は叡智晶を見ながらビックリ。
    口が開いたまま思考能力ゼロのようです。


  《 わしは聞いたことがある。

  主神様の業炎剣は剣の形は成さず、
 龍の形に左腕が変化されるのだそうだ。

その龍の色は、オリハルコンのような燃える黄金色を放つそうじゃ。

つまり光の神儀とは、
 業炎剣という龍の口から発せられる光のことである。

  それを軸に十八回七時間を掛けて宇宙全次元を左に廻すのじゃ。

  はああ、こんなことは宇宙開闢以来初めてのことじゃ。》 


   チュウウウウ。


  「 あああ、その後はどうなるので御座いますか?」


《 主神様が御降臨なされ、邪神と堕天使は裁きに掛けられ、
  手下の邪霊共々地獄の業火、或いは宇宙刑務所に収監される。

   他の者は、ほとんどが火星か木星への転生となる。
    そして晴れてシリウス文明がいよいよ始まるのじゃ。》


     あああ、神の光輪が動いていきます。

     徐々に傾き水平になってきました。     

    ただ大天使と聖者の向きは水直を保っている。
   そして、体の正面を神の光輪中心の黒点に向けています。



    二〇XX年 十二月二十二日(月) 午前零時


すると宇宙空間の遥か彼方から、一筋の光が差し込んできました。

 その光は、例えようもないほど美しいものです。

  まるでダイヤモンドダストと金粉の集合体とでも言うべき輝きを放ち、
   ゆっくり天から降りてきます。

    その光は「 神の光輪 」の中央を貫き、
     その真下にある富士の火口に降りてゆきました。

     光の神儀の直径は、約百メートルです。

    その後、 「 光の神儀 」 は一瞬で宇宙の果てまで貫いたようです。

   ここまで来ると映像を見ただけでは理解不能であります。


《 わしとて、そこまでは理解出来んな。 
  わしも神としては若造じゃからな。》

   チュウウ。   

  「 はあ ・・・ 」  あ、僕です。

  「 私も何がなんだか ・・・?」  かすみちゃんです。

  「 あのぼく、まわるのはとくいですよ。」

    で、でしょうねえ犬四郎君。
   ああ、回らなくていいんだけどぉ ・・・


クオォ~~~ン ・・・ クウオォ~~~~~ン  ・・・


  ああ、出雲大社上空3,000m、
   大霊宮、神議り場内、浮遊議長席頂点におられる、
    主神様の化身、鳳凰の鳴き声が全次元に木霊しています。

    トランペットのファンファーレにも似た、
    美しく気高く全てを包み込むような大愛なる波動が、
   神々と神の子の魂に染み渡たってゆきます。

 我等の魂は純粋で美しいほど、その愛に呼応し易いのです。
この何とも心地よい波動は、邪気が多いものほど苦しくて当然であります。

三十郎様に因れば、もう既に宇宙全次元は回転が始まっているとのことです。

 地球の地軸は今現在 「 北 極 」 が 富士山で、
  「 南 極 」 が南米の アルゼンチン沖 であります。

   ただ、回転しているといっても実感は有りません。
    この先、どうのような変化があるのでしょう?

    当然、全次元に影響する大きな変化が有って然りであります。


    一方、大黒天様と火之夜芸様はどうしておられるのか ・・・
    大黒天様は、息も絶え絶えの悪魂達を正座させました。


  《 さて、邪神軍のサタンを筆頭とする邪霊の皆に申し渡す。

 主神様は今現在、「光の神儀」を軸に全次元を回転させておられる。

        明朝七時まで十八回左に回転させ、
 全次元に火の気を巡らすことにより、あらゆる邪気を祓い清めるのだ。

     その後、午前七時には主神様が御降臨なされる。

        そして汝等を直々に裁かれるのだ。

  その後は主神様により、地球表層上の幽界の中心軸を破壊なされ、
    幽界全ての魂と汝等を「 ゲヘナの火 」の中へ落とすか、

         「 宇宙刑務所 」への収監か、
     或いは「 地獄の星 」 への転生をさせることになる。

    それまで、ただ待つのでは汝等も耐え難きことであろう。

            そこで汝等に問う。

      お詫びの証をお立てしたいか否か? 何れだ! 》


「 おおお、させて頂く事あれば、何なりとお申し付け下さりませぇ!」


 《 ほう、サタンはこう申しておるが、他の皆は相違無いかぁ!》


      「「「 相違御座いません!!! 」」」


         《 よし、ではサタンよ。

   汝等が邪念に因り産み出せし邪龍ヤマタノオロチを以って、
       我と共に聖使命を遂行してもらおう。

 本来は我等だけで執り行う手筈だったが、特別に汝等の意を汲み、
     我等の手伝いすることを許そうではないか。

    感謝することだ。それでは汝等は我と共に参れ!

        火之夜芸殿は別行動となる。》


        「 大黒天様、火之夜芸様。

    大愛なる御心、何と御礼申し上げればよいものか。
   この御恩は我等が邪神軍の全身全霊全能力を振り絞り、

       必ず報い奉(たてまつ)りまするぅ!」



  《 いい心掛けだ。では直ぐ様その思いを見せてもらおう。
   ヤマタノオロチに急ぎ戻り、瞬間移動の準備をするのじゃ。

          皆の者ゆけ~い!


        「「「 ははぁ!!! 」」」


       邪神軍は直ぐ瞬間移動で邪龍に戻りました。

     まるで水を得た魚のように ・・・

   やれば出来るものを、我と慢心が正しき道を曲げたのだ。

 邪神を曲津神 (まがつかみ)とも言いますが、
その邪神はどうしているのか?

部下にも居留守とは、何とも連れないではありませんか。

サタンを唆(そそのか)したのは、どうせ邪神アポフィスなのでしょうに、
彼は己すら見失い生きる屍であります。

 全く不甲斐ない。

  腐っても鯛のサタンと部下達は、
   最期の生き甲斐を与えられ興奮を抑え切れないようです。

    ただ、邪龍の肉塊とその持ち主達には当然、傍迷惑であります。
   それ故、不満の大合唱が地球上に響き渡って行くのです。


グオッ、ゴアッ、ゴンガンギイッ、
    ギャッ、グアッ、ギャアアアァァ~~~~~!



「 フェリウス少将、テレポートを急げ!

  いいか全兵士に告ぐ!

   己の全能力を出し切るのだ。

    もう邪神アポフィスに忠誠を誓う必要は無い!
     最期の最期まで主神様の御為に魂を燃やし続けるのだ!

       そのことを胆に銘ぜよぉ!



        「「「 ははあ!!! 」」」

 
   邪神に洗脳されていた者達は、ようやく正気を取り戻しましたが、
  残念ながら最期の御奉公になるのです。

  我等はその最期を、祈りつつ見届けるのみであります。

   大黒天様がヤマタノオロチの側で、御神勅を下されます。




    《 準備はいいようだな。

   では、汝等が成すべき使命を申し渡す。

 それはこの日本列島を浮き島にすることだ。

これから日本の海岸線沿いの要所を、
邪龍による邪魔龍幻死砲で破壊してもらう。

火之夜芸殿、そしてこれから共に任務を遂行する、
菊理媛殿と祓戸四神の神々は、
日本以外の大陸その他の島々を沈める為の役目だ。

 ただ、汝等の邪霊力エンジンは人間と動物の魂を酷使するが、
  神の御為なれば功績も積まされることになる。

   故にお詫びと感謝で励むことだ。

     まずは神津島沖に ・・・んん? 》


  オオウア~オオッオオッ、
オオアウ~オオッオウ~、ハアウア~、フウ~ウ~ ・・・



 「 ?・・・これは、通常のエンジン音ではないな。

そうか、神の大愛に感極まり、悲鳴が歌声のようになったのか ・・・
済まない、堕ちた神の子人よ。

元々は美しい魂だったものを、我等が穢して汚した為に、
 地獄の低周波数帯にまで堕としてしまった。

  レイカス大佐、電圧を下げろ。
  それでも出力が維持出来るのであれば、それで行こう。」


 「 は、了解致しました!

   ・・・ 機関室、可能な限り電圧を下げろ!
    それでも出力が維持出来るか否かを見る、な?

      こ、これはしゅ、出力が上がって ・・・

       そ、そんな馬鹿な。
       電圧が零になっただと、

     それに、あああ ・・・

   総帥、大変です!
    この邪龍形態が変化してゆきます!

       外部カメラに切り替えます。」
 

     ドーム型スクリーンに、有り得ない ・・・

    あのヤマタノオロチが、そして ・・・


シャア~~ンシャン、シャア~~ンシャン、
            シャンシャン、シャンシャン ・・・



   「 何だと? ああ ・・・ 有り得ん!

     あの美しき鈴の音霊。

     な、何と、だ、大黒天様ぁ ・・・
    何と言う慈悲深き御愛情なのだ ・・・ おおお ・・・」


 サタンはその場で立ち尽くして咽び泣いた。

七人の悪魔、側近や全兵士達も然り ・・・

大黒天様が成されていること、それは右手で 「打ち出の小槌」 を振り、
その 産土力 (うぶすなりき) を以って、
 醜悪なるヤマタノオロチの形態を変化させておられるのです。

  小槌が奏でる美しき鈴の音色。


シャア~~ンシャン、シャア~~ンシャン、
             シャンシャン、シャンシャン ・・・


    その音霊に大いなる大黒天様の愛が乗り合わせ、
   小槌が振り下ろされる度に、
    虹色の鱗粉の波紋が空中に広がってゆきます。


ハアオウ~ウ~、フウ~ウ、アウ、ハウ、
         アウ~オ、ハウ~オ、フウ~フウ~ウウ~~ ・・・


    何とも心地の良い歌声が響いて来ますが、
   悲鳴とは異質な美しい波動であります。

   「 打ち出の小槌 」 からの波動は神気が強いと思いますが、
     彼等邪霊の魂に苦痛を与えたりはしないのだろうか?


シャア~~ンシャン、シャア~~ンシャン、
             シャンシャン、シャンシャン ・・・


   それに大黒天様の言霊も、
  全身麻痺を誘発する程の霊力があると思いますが、はて?

 もしかして、この変化がもたらす意義とは?
 多分、私のウサギスーツと同じ効果を与える為なのでしょう。

  つまりは邪龍の表面を、
  神気の影響が及ぼさない光の皮膜で覆っているのではないでしょうか。

 でなければ、電流を流さずともエンジン出力が上がったりはしない筈です。
 彼等は己の意志を以って、魂の全霊力を搾り出しているのです。

  それは邪な物とは無縁な、美しき想念から発せられる尊いものです。

 神の大愛にお応えすべく、一心不乱に波調を合わせようと努力する姿 ・・・
  これが本来あるべき信仰の姿、そして神の子人の姿なのです。


シャア~~ンシャン、シャア~~ンシャン、
             シャンシャン、シャンシャン ・・・



   美しき想念であれば、
  そこから産み出される物は自然と美しい造型になります。

  それが故に、醜き 「 邪龍ヤマタノオロチ 」 から、
   美しき純白の翼を持つ 「 丹頂鶴 」 に変貌を遂げたのです。

    その大きさも洗練された証なのでしょう。
     全長三千メートルほどに収縮致しました。

     この比類無き優雅さは丹頂鶴ならではでしょう。


    

   丹頂鶴は誇らしげに巨大な翼を広げ、
  美しい鳴き声で大黒天様に御礼を申し上げているようです。

  その華麗な姿は十文字そのものであり、
   神十字文明の曙を象徴するかのようでもあります。


クルウゥ~ククッ、キュウックルウ、
         クルッキュウ~、クウ~クルゥ ・・・



   彼等は神に仕える喜びを最期に知ったのです。

  この鳴き声は後悔の念の表れなのかも知れません。
  心なしか悲しく胸に響いて来るのです。

   この鶴はカゴメの歌にも登場致します。

  さて、籠の中の鳥は?
  後ろの正面にいるのは果たして誰なのでしょう?
   鶴ではありません。

 それは「 天之御中主神 =あめのみなかぬしのかみ 」 なのです。
そして天の川銀河をサポートする役目がおありです。

カゴメの 「六芒星」 は、「シリウス」 を表しています。
 それは、シリウスを裏側から見た側面 でもあります。


 表側から見れば 「五芒星」 ということです。 ややこしいですが ・・・

天之御中主神は、「シリウス星系」 内の大御所と言うべき存在なのです。


また 「神護目」 は別名 「ダビデの星」 とも言います。  
その紋章はモーセが広めたのです。

モーセの真の足跡は、「超図解」 竹内文書/高坂和導 編著/徳間書店
 223頁よりお確かめ下さい。

  旧約聖書はモーセが書いたのではなく、
  サタンが書いた偽書であります。

  更に、サタンの正体は、二ビル星のアヌンナキ。

故に、宇宙天地創造の矛盾や、聖者達の理解し難い言動が多々出てきます。

それはサタンが神と神の子人を侮辱し惑わせる為に、
巧妙に史実を歪曲、捏造したのです。 

 人物は実在したのでしょうが ・・・

 そこが騙しのスペシャリスト、
 イルミナティーを操る親玉たる所以であります。

主神様はカゴメの歌に大いなる愛を込め、
太古の昔から歌い継がせてこられたのです。

勿論、この神十字文明の夜明けを夢見てのことです。

 今現在まで伝わったのが奇蹟でありますが・・・

「 太陽信仰の真髄はシリウスにあり 」参照


現在、その「神護目」と「神の光輪」、そして「霊峰富士」 の中心を、
主神様の「業炎剣」 の光が貫いているのです。

 実は、「 神の光輪 」 の裏側は、
  六芒星の紋様が浮かび上がっているのです。





  大黒天様は、丹頂鶴の姿を愛しげに暫し眺められ、
   こう仰せになりました。


《 我が愛する子供達よ。

  神から離れ、このような醜い魂に成り果てたとはいえ、
  我が子に変りはない。

 故に醜い姿のままで断罪されてしまうのは、余りに忍びないのだ。
せめて、せめて美しき神の末裔の誇りを魂に刻み込んでほしいのだ。

主神様の愛と、我の愛、
 親の愛というものを理解できないままではならん。

  わしは許さん! 許さんぞ!
   親不孝者めぇ ・・・ うう、おおぉ ・・・
 》


    号泣される大黒天様の大愛に
   サタンが全身を震わせながら応えます。


「 うう ・・・ だ、大黒天様ぁ、慈悲深きお心遣い、
 光栄の極みに存じまする。

  邪神軍を代表し、厚く御礼申し上げます。

  我等一同全力を以って、残された時間寸前まで、
  お詫びと感謝の証をお立て致します故、
 何卒、存分にお使い下さいませぇ 
・・・



《 そうか、よ~く分かった。

  最期に見せてくれ、我が子である証拠を、
  そして命の炎を燃やすのだ。

 悔いを残しては地獄の業火には入れまい。良いなぁ!!


     「「「 ははぁ!! 」」」


   大黒天様は、
  駿河湾上の巨大な鶴を今一度愛しげに見詰められました。

  その姿は月明かりに照らされ、美しく白銀に輝いております。


《 ・・・ サタンよ。汝はもはや悪魔王サタンではない!

   堕天使ルシフェルである!

 愛するルシフェルとその同胞達よ。我に着いて参れぇ!!!


      「「「 ははぁ!! 」」」



 ( 推奨BGM ) 

 フレデリック・ショパン作曲 『エチュード』
 十二の練習曲  作品十 第十二番 ハ短調 「 革命 」

   マウリツィオ・ポリーニ (ピアノ)

 ショパン:練習曲(エチュード *革命)op10:ポリーニ(p) -


  



     日本時間、午前零時三十三分。


   大黒天様は先に瞬間移動をなされました。


「 フェリウス少将、大黒天様のテレポート先に座標を設定。
  テレポート直後、直ちに邪魔龍?

   いや ・・・真炎弾 とでも改名しよう。

    真炎弾 発射準備だ! 分かったな!


「 は、了解! テレポート致します! 

  ・・・ 5・4・3・2・1・GO!


フオン、フオ~~ン、
   フュフュフュフュ~~~~、フイン!

  

  巨大鶴は、大黒天様がお待ちの神津島沖に到着致しました。


《 よし、手始めにこの海底に発射してもらおう。

 真炎弾とやらをな ・・・ ははは。

今から正確な座標の数値を叡智晶からの映像と合わせ司令室に送る。
これから日本列島を一周する間、約五十発の真炎弾が必要となる。

重要なのは、一体化している四つのプレートから、
日本列島の形を崩さずに浮かび上がらせることである。

微調整はわしが行うが故に、汝らはわしの言う通りにすればよい。

 残り時間は約六時間半。

  皆、意志を一つにし集中力を高めるのだ! 急ぐぞ!


「 はは、畏まりました! 」  ルシフェルは答えた。


「 よし、フェリウス少将。真炎弾発射準備!


は、真炎弾発射準備致します!

 エネルギー44%。座標に対しての発射角度、52度。
 カウントダウン開始 ・・・ 5・4・3・2・1・発射ぁ!


ヒュヒュヒュゥゥ~~~、ゴオッ!!!


   鶴の口ばしが開くと、真っ赤なエネルギー弾が発射されました。

   海面にはとてつもない高さの津波の波紋が広がっていきます。
  ですが、その巨大津波は大黒天様がすぐさま中和されました。

 エネルギー弾は数秒後海底に到達し、大爆発を起こしました。

その為、関東一円には中規模の地震が起きました。

勿論、神の光玉に影響はなく、その周辺のビルが少々崩れたに過ぎません。
地震の前に、ほとんどの都市は邪神軍に破壊されておりましたので、
特に代わり映えがないのです。 


遂に始まった日本列島浮き島計画への序曲。
そして日本以外の大陸、その他の島々は沈下させなければなりません。

何とも言えない虚しさを禁じ得ませんが、それも神の御計画です。
 人間には、神の思慮深さを推し量る想像は困難と言えます。

  「 全てを善へ導く神仕組み!」 「 全ては神試し神鍛えなり!」

    これは神理と確信致しますが、御賛同頂けますでしょうか?


 火之夜芸速男神様 は、世界の海底プレートの要所を、
あの炎輪槍を右肩に担ぎ、
まるでロケット砲を撃つような体勢で爆炎弾を放っておられます。

菊理媛様、祓戸四神 の神々と、その補佐役の神々は、
世界に点在する原発、核兵器を装備する軍事施設、
並びに核搭載の軍艦、軍用機などを光の障壁で封印し、
 地殻大変動が起こった際、
  放射性物質が大気中に飛散しないようにしておられるのです。

   邪龍によって破壊された原発を含めた核施設は、
   入念に封印する必要があるようです。

   核 とは、太古の昔から神々の戦争で使われ、
   銀河や幾多の星を破壊してきた歴史があります。

ですから核に対して、神々は特に神経質にならざるを得ないのです。

  ましてや宇宙共通惑星である地球を、
   破壊しかねない最悪の物質を放って置く訳にはいかないのです。


《 うさぞうよ、主神様が現在、
 宇宙全次元を回転しておられる理由の一つは、
 地球の地殻大変動を起こす力を引き出す為ということだ。

 それにより地球は徐々に縮小していくことになる。

  だから、日本以外の大陸を海底に沈めることが可能となるのだ。

  地球が縮小しなければ、
  現在の海水量では大陸を覆うことはできんからな。

 原発や核兵器の放射線の影響を無くすには、
何万年もの間、海底深くに沈めて浄化せねばならん。

大黒天様と他の神々の皆様の役目は、
あくまでも原発と核兵器を、
 確実に海底深くに沈める為の補助作業ということになる。

  勿論、日本の原発もその対象じゃ。

 最大の目的は、地球を含めた太陽系のアセンションにある。

それは、シリウス星系に太陽系まるごと瞬間移動させるのじゃ。

あ、奇想天外過ぎて理解できんかな? ははは!

よいか、汝等はどんな困難をも乗り越え、
 常にお詫びと感謝を忘れず邁進せねばならんぞ。よいな。》

   チュウチュウチュッ!


「「 はい、畏まりました!!」」  私とかすみは答えました。

「 は、はい、よく分かりませんけど、がんばります!」


  犬四郎君は、舌を出して尻尾を振っています。


《 あ、そうじゃ。
  そろそろおぬし達二人は東京の光玉に戻った方がいいな。

   かすみは犬四郎と一緒であれば行けるであろう。
    そして光玉の皆と共に祈るのじゃ。良いな。

     また会おうぞ。かわいい子供達よ。》


《 いい子でしたわね。 また会いましょう。
  心はいつも一つですわよ。》


「 楽しかったですよ。 二人ともがんばってね。
  またどこかで会いましょう!」


  クウン、クン ・・・   と犬四郎は鳴いています。

  三十郎様は二人の頭を撫でておられます。
  チカチュウ様と私は握手を致しました。

   短い間でしたが楽しい一時でした。


「 あ、ありがとうございました。
  お名残惜しいですが、 うう ・・・ 私達は戻ります。」

「 ありがとうございました。
  ぼくは、はやく人間になれるようにがんばります。さようなら。」


  涙の別れです。
  犬四郎は炎の獅子に変身し、かすみを乗せて飛んでいきます。

   我等は手を振りながら見送りました。






   さて、物語も佳境に入ってまいりました。

 ミロクの世、アクエリアスの時代、
 神十字文明、シリウス文明の夜明け ・・・

 ようやく神が望まれる結末になろうとしています。

  ただし実際は、それを望まぬ邪神や人間はおります。
   私には気が知れませんが ・・・

 読者の皆さんが、邪道下道の道を選ばないことを祈っております。


  冬の大三角形



 シリウスは巨大な恒星です。

  それに比べ、太陽その他の惑星は随分小さいですね。

    今日の夜は、晴れていれば夜空を観察してみては如何でしょうか?

      ただ、今日はおっそろしく寒いので重装備で ・・・