『 うさぎの言霊 』 Rabbit's Kotodama 

宇宙の謎、神と悪魔と人とは?

《 第三章 》 〈 第二話 〉 富士の攻防

2019年02月04日 21時39分27秒 | 小説

 



  ここでようやく 「神の光輪」 が熟成されつつあります。

その光輪には、大黒天様と四大天使、そして世界各国から選ばれし、
精鋭の聖者7名が入ることを許されました。

 彼等は富士山の中腹に円陣の結界を作りました。

  そこに突如として現れた
  火之夜芸速男神 が、
  邪神に操られた多国籍軍と相対したのですが ・・・ 

 おもちゃの兵隊さんの攻撃が実在の神に通じる筈がございません!
 行き詰まった彼等の運命や如何に・・・


それはともかく、
スピリチュアル とか アセンション という ワード を、
ネット上で目にすることが多いと思います。

 それらの情報の99%は著しく信憑性に掛けるものであります。

特に、アセンション に関しては、人間の都合のいい解釈をしたり、
誤解した情報を乗せたブログが多数存在します。

 当然、イルミナティーによる命令で動いている
 ブロガーも多数いるでしょう。

アセンション は、天上界の神により厳しく設定されております。
その条件が明確に示されていますので、
以下の記事で御確認ください。

  そして生温い情報には惑わされないでください。


 K さん からの情報を一部抜粋して掲載致します。

このことは、現時点 (西暦2010年3月) から遡って、
5万2784年前 に、全宇宙合意のもとで決められた、
今回の、天の川銀河系星雲・太陽系アセンション計画であり、
全宇宙における一大イベント、一大フェスティヴァルです。

 5万2784年前の約束事というお話は、
 一部では、すでに、情報が出されています。

つまり、今現在、地球上で暮らしている方は、
宇宙のほうで、

“ いまから、おおよそ5万2000年後に、地球という星で、
 全宇宙を巻き込むアセンションの大祭典がありますから、
       参加者を大募集します! ” 



   という、大々的な宣伝を聴いて、全宇宙から、
    集まってきた方々であるというお話です。

      《 アセンションの3ヶ条 》

1、心と魂の浄化が、100%中81%まで到達している。
2、DNA12条が完全解除している。
3、光のネットワークに繋がり、地球意識に到達している。


       以上、抜粋終わり ・・・


 私は、この募集に応募して地球に転生し、
 現在に至っていると確信しています。

ただ、幾度とない転生でだいぶレベル低下してしまいました ・・・
早くシリウスに帰りたい? 
いや、目指すはアセンションでありますねぇ ・・・

上記にありますように大変条件は厳しいものがあります。


 何れにしても、どう解釈するかはあなたの自由です。

 全ては自己責任で、
 自分の道は自分で歩くしかないのですから ・・・

  どうか、最善の道を歩まれますように祈っております。


   《 キャラクター&キャスト 》
             
「 創造主の末娘 」 スミレ / 石原 さと〇

  現在、修行の為、地球に分身を送り込んでいる。
  それは父親である主神の勧めからなのであります。

  彼女の霊力は、上位の大神を遥かに凌ぐ脅威的なもので、
  邪神や悪魔など、ウインク一つで消滅 させることができます。
  ただし、通常は手出し無用の制限が主神より与えられています。

    彼女の主神としての年齢は3000億歳! 

  現在、自分の創造している宇宙を美しく磨くことが日課なのです。

   ところで彼女は、どこにお住まいなのでしょう? 
   全く、宇宙は謎だらけであります。


天神六代  国 万 造 主 大神 ( 大黒天 ) 西田  敏〇  
     
火之夜芸速男神(ひのやぎはやおのかみ) 藤〇  弘、 


 ( 邪神軍団 )

総 帥 サタン (ルシフェル/クラウド) アントニオ・バンデラ〇

司令長官 アンドラスタ / ジョージ・クルー〇―
 将 軍 グリオス   / アンソニー・ホプキン〇
 将 軍 オルゴラン  / トミー・リー・ジョーン〇
 将 軍 バクスト   / ウイル・スミ〇
 将 軍 ドルン    / ウェズリー・スナイプ〇
 将 軍 シアニード  / アンジョリーナ・ジョリ〇
 将 軍 フレッタ   / アン・ハサウ〇イ

多国籍軍指揮官 :マグダネル将軍 / クリストファー・〇ー


           ( 推奨BGM ) 

       アントニン・ドヴォルザーク作曲

 交響曲第九番 ホ短調 作品九十五 『 新世界より 』 第三楽章 
       カラヤン&ベルリン・フィル

https://www.youtube.com/watch?time_continue=144&v=-pLIBWyFBIg



 
 ( 執筆当時の作者時間 ) 二〇〇九年九月三日(木) 午前一時



         只今、午前五時五十五分。

        まだ辺りは真っ暗であります。


 故に、駿河湾に停泊する船舶のライトは無数の星のように見えます。

     当然、漁船や貨物船のライトではありません。

 叡智晶に映し出されたのは大型の船舶、自衛隊のイージス艦や護衛艦、
  多国籍軍の航空母艦や潜水艦までオンパレード状態であります。

空には哨戒機やアメリカ軍のF14~F22 を始めとした各国の戦闘機、
       それに戦闘ヘリが展開しています。

         アメリカ、ロシアからは、
     何と核を搭載した爆撃機が発進した模様です。


 富士山周辺には、
自衛隊の戦車隊を中心とした戦闘車両が要所要所に展開しています。

悪魔共はアメリカで世界の陸・空の軍隊を使い戦争ごっこを楽しみ、
日本では玉砕覚悟の戦争を始めるようです。

 ただ、七体の邪龍の姿はアメリカにあります。

  何処って? 山に腰掛けたり、寝そべったりと機体に因って違います。

       何しろ、デカイですから・・・

  悪魔共はホワイトハウスで、飲んだくれながら中継に見入っています。
  ここが作戦司令部なのでしょう、いい気なものです。

生き残った首脳達とその家族、そして堕ちぶれたセレブ連中は、
成す術が無く生きる屍のようになっています。

何しろ、良からぬ企みを思い付いただけで殺されるのですから・・・

    巨大モニターには戦況の映像が流れています。
     各部隊からの報告も逐一されています。

    うっ、何やらクラウドがニヤニヤ笑っている。


「 よし、目標を捕捉したようだ。 フフ、奴等に目に物見せてくれる。」


    彼は据え置きのマイクに向かい命令を下した。


  (( 我はクラウド。富士山周辺に展開する全軍に告ぐ!

  捕捉した標的に対し、通常兵器に因る地上、海上、上空から、
         あらゆる攻撃を命じる。

    準備が出来次第、直ちに攻撃を開始せよ。
     邪神の反撃には決して怯んではならん!

   指揮官のマグダネル将軍よ、全権を君に委ねる。
    任せたぞ、必ず敵を殲滅するのだ! 以上。 )) 無駄な事だ。


いやっほ~~う、花火だぜェ!
 富士山に花火とは、風流でありんすゥ・・・」

「 おい、バクスト気持ち悪いぜ。
 それじゃあ、内のペンチ少佐じゃねえか。

 それより、俺様の頭を砲弾にしたら奴等に唾引っ掛けてやるぜ。
 乱れ撃ちだ。ガッハッハァ。」

「 そりゃあいいぜ、ドルンのおっさん。
 でも、今のまんまじゃ唾出ないだろ。

 早くあんたの部下の、何て言ったか・・・?

 そうそうドクター・ヘルメットとかいう科学者に
 改造してもらわなきゃな。

 それで毒入りの唾を仕込むんだよ。
 そしたら奴等も地獄行きだぁ、ギャハハハ。」


   バクストは汚い唾を飛ばしながら捲くし立てた。
   仲間には馬鹿受けである。

   こんな奴等から踊らされている人間の軍隊は憐れである。
   それにしても意味の無い攻撃なのだが、
   何か他に企みはないのだろうか?


《 そりゃ有るだろう。
 ただ、奴等は姑息な手段しかもう手は無い。
 故に、この攻撃は何か他の作戦への布石であろう。》 チューウ。

「 他の作戦への布石で御座いますか ・・・?」

   三十郎様の仰せの通り、まだ邪龍を温存した状態だ。
   これからの攻撃は単なる撹乱戦法ということか?

  ああっ! と、突如として上空に炎の龍神が御出現されております。

  体長は、およそ 30 m 位に見えます。

                         
《 大黒天様、火之夜芸速男神、ここに参上仕(つかまつ)りました。
 こざかしい虫共は、私めにお任せ下さりませぇ。》

《 うむ、大儀である。
 奴等には正神軍の偉大さを嫌と言う程見せ付けてやるが良い。

 その模様は、光の帯を通して世界の各光玉に映像を配信するよう、
 わしから司令部に要請してある。
 だから、存分に働くが良い。》

《 これはこれは豪儀な事で御座いますなあ。
 有り難き幸せに存じまする。
 であれば遠慮無く派手に参りましょう。
 それでは、暫しお騒がせ致しまする。》


    これは、どういうことだろう?

   光の帯を通して映像を配信する?

   光の帯とは、神の光輪に直結している光線のことだが、
   そこからの配信先は ・・・

   最終的に聖域の一人一人になります。

  つまりその個人の魂 ・ 脳裏にこの場の様子が
  映し出されるということか?

 こりゃあ豪儀ってことですねェ、凄い。
 さぞかし世界の光玉全体の志気は上がることでしょう。

ただ、豪儀と仰せの火の神様は楽しそうな筈も無く、
我が子に手を掛けるような深い悲しみが伝わって来ます。

ですが裁く側の辛さは、まだまだ私が実感するまでには至りません。
全ての過去世までの所業をお知りになった上での裁きであります。

 断腸の想いが涙の火の粉となり、頭上から降り注いでおります。

 円陣内の大黒天様はじめ天使の皆様、そして聖者達は、
  その悲しき波動を感じ取り、共に涙しておられます。

  それにしても、その神々の大愛を知る事なく攻撃を仕掛ける等、
 いくら知らずとは言え親不孝この上ないものであります。

 人間の兵士達は、大きな疑問はあっても命令には逆らえません。


         今頃、世界の光玉内の人々は、
    戦慄の炎の龍神が脳裏に映り、血が沸騰しているに違いない。

     火之夜芸様は龍神の形態から次第に人型に変身され、
  身長千メートルはあろうかという炎の巨人の姿になられました。

    真下にいる我等からは巨大な火柱としか認識出来ません。

  それ故我等は、かなり引いた視点からの映像を叡智晶で見ております。

   


    炎の巨人は富士の山頂を跨ぎ、両腕を高々と挙げられました。

      すると、その頭上 「 神の光輪 」 から炎が降り注ぎ、
     ゆっくり棒状に変化しながら両手に握り締められました。

    次の瞬間、火之夜芸様の全身から黄金の神気が放出されると、
       棒状だった炎が明確な槍状に変化致しました。

          これは何と美しい武具なのだろう ・・・




      火の神の剛槍 ・・・ あの槍は見覚えがあります。

     何せ、私の目の前に突きつけられた十二神将がお持ちの
         炎 剛 槍 と似ているのですから ・・・

      勿論、比較にならない程大さは違いますが ・・・
      その長さは背丈より遥かに在りそうですから、
        二千メーター前後と思われます。

      もう一つの違いは、槍の身(穂とも言う) が
        両端に付いていることであります。


《 ほう、既に目にしていたか。

 あれは炎輪槍と言ってな、両端の炎を纏った身から、
 意力に因って超高温の棒状の身が放出される。

  その身の長さは、零から槍丈の凡そ数倍まで調節が可能じゃ。  
  また、意力を変化させ爆炎弾を放つ事も可能なのじゃ。

 その炎の温度は数万度になる。
 振り回せば炎の輪になる事から、
 炎輪槍(えんりんそう)という名が付いたのじゃ。》


「 どうりで熱い訳で御座いますが、我等はともかく、
 円陣内の聖者はきつくないのでしょうか?
 当然、心配など無用なのでしょうが。」


《 勿論じゃ。
 あの円陣は、見えない光の障壁が球形に張り巡らされておる。
 その為、あらゆる物理的攻撃及び熱も遮断することが可能じゃ。
 まあ、円陣内の肉身を持つ人魂に気を使ってのことじゃ。》


   驚愕の神槍を右脇に挟んで構えられた神様は、
   邪神軍の出方を見ておられます。

  炎の巨人を目の当たりにした玩具の兵隊はパニック状態になり、
  慌てて集中砲火を浴びせてきました。

 しかし炎の巨人は光の円陣に降り掛かる
 火の粉を槍の身で軽く捌いておられます。

片腕で槍先を少々動かされているだけなのに、
砲弾もミサイルも虚しく火花を散らすだけです。

 今の所は警護のみのお役目の様です。
 その為反撃は一切なく、
 まるで子供の火遊びを窘めているようにしか見えません。

  邪神軍の攻撃は、凡そ三十分程続いたでしょうか ・・・

  艦砲射撃にミサイル攻撃、戦車に因る砲撃等など、
  陸・海・空、あらゆる場所からの攻撃が加えられました。

 この一切の攻撃が通用しない戦況に業を煮やし、
 多国籍軍指揮官マグダネル将軍は、
 クラウドに作戦の見直しを提案したようですが、
 全弾打ち尽くせとの命令が下りました。

  ああっ、火之夜芸様のお体から一瞬強烈な光が放たれると、
  その周辺3キロに展開していた戦闘ヘリや戦闘機が撃墜され、
  戦車は爆発炎上しました。

     これは炎の衝撃波のように感じられます!


      《 フフフフ、サタンよ、良~く聞け。

       お前の幼稚な策など全てお見通しだ。
       このような茶番など無意味である。

  降伏する気が無いのであれば邪龍を出して決着を着けるのみ ・・・

 だが臆病で腰抜けのお前には、そんな勇気など有る筈が無かったな。
        これは失礼な物言いだった。

       許せよ腰抜けぇ! ははははは ・・・

では、無駄弾を撃たせるのも悪い故、もう終わらせよう。三十秒でな。》


      うわあ、恐ろしい挑発で御座います。
   さぞかしホワイトハウスの悪魔共は怒り心頭でしょう。


《 では、見てみようかな。奴等は三匹の邪龍に搭乗しておるわ。
 次の幼稚な作戦の為じゃろう。》  ホント、ヨウチュ。

    ああ、仰せの通りです。
   ただアメリカから動く気配は感じられません。

  勿論それぞれの将軍は歯軋りをして悔しがっています。
  何故三匹だけなのかはともかく ・・・

  当のサタンはホワイトハウスにて、
   怒髪天を突く怒りを押し殺しているようです。
    その冷たく燃える眼光が不気味な波動を放っています。


    そうこうしている内、辺りの気温が上昇してきました。

 火之夜芸速男神様の神気が膨れ上がり、
両手に持ち替えられた炎輪槍の両端が真っ赤に燃え滾っています。

そして目の前、槍中央にある紫の枠内中心の
赤い球体に意力を集中しておられます。

その神気の波動が増幅され両端の身に伝わり、
その身の内部中央にある黄金の球体から、
 閃光が放たれると同時に
  超高温からなる陽炎を纏った白い身が放出されていきます。

     その瞬間、周辺の温度が急激に上昇してきました。


    雪化粧をした美しい富士の山頂は、今や岩肌が剥き出しになり、
           真っ白な水蒸気が絶え間なく
        炎の巨人を擦り抜けて上昇してゆきます。

           闇の中に浮かび上がる赤富士は、
       あたかも噴火したかの如くの様相を呈しています。

           これは、とても信じ難い光景です。

            その上空には神の光輪が、
       世界中から集束された光の帯に支えられています。


  しかし、この聖域でもっとも醜い行為を行う人間の、
 何と愚かであることか ・・・

そこに気付いた多国籍軍の軍人達は、
戦慄の炎神の動向を見守るのみでありました。

そして駿河湾の水面が炎で揺らめく幻想的光景に、
皆心を奪われているのです。

  多国籍軍指揮官のマグダネル将軍は、
  イージス艦の操舵室から羨望の眼差しを霊峰富士に向けたまま ・・・

    まるで遺言のように呟きました。


    「 ・・・ もう思い残すことは何もない。

   皆、この偉大なる炎の神に直々の裁きを受けられるのだ。 
      軍人の死として、これ以上は望めまい。

        おおお、何と言う美しさだ。

   あの神の光輪と闘神の炎の輝きは ・・・ 美の極致だ! 」 


        観念した多国籍軍を他所に、
     火之夜芸様の闘気と怒りが頂点に達しました。


《 愚かな邪霊と、それに同調せし人間共ぉ!
   怒りの炎を浴び、激痛の中で永遠に懺悔するがいい!

       ぬおおおおああああ ・・・・・ 


    憤怒の巨神は富士上空で仁王立ちになり、
  全長七キロはあろうかと思われる炎輪槍を、時に角度を変え、
 時に体制を変えながら頭上で回転させておられます。

次第に加速し、高速で回転するその様は、
真下からでは光の傘にしか見えません。

ただ、その光の傘の縁からは強力な衝撃波が発生し、
 富士周辺の樹海や街を削り取り、炎の海にしています。

  その凄まじい破壊力は形容し難いものがあります。

    衝撃波による爪痕は、
     富士の火口を中心として渦状に広がっていきます。

     その鋭い爪が海に達した時には、
     数百メートルの水柱が上がりました。

    当然、海上の軍艦などは一瞬で粉微塵に砕け散ったのです。


《 あれは 烈 風 炎(れっぷうえん) と言う。 

  あの傘下に入りし物は全て灰となり、
  人間であれば即、地獄の業火に堕ちることになる。

  今回に限っては、明日の午前七時まで執行猶予が与えられる。

  しかし、あのような武具は、わしにはとても扱えん。
  水の神だからな。》

    アタクシモ。

   三十郎様がおっしゃる通り、
   この周辺の気温は肉身を持つ人間が耐えられる
   限界を超えています。

    何しろ、岩まで溶けているのですから ・・・


        焦土と化した富士山周辺。

     その範囲は、凡そ二十キロ圏に及びました。

       当然、生存者はいない模様です。

    地上の部隊は爆発炎上し、海上の艦隊は撃沈され、
      上空の戦闘機も全て撃墜されました。


唯一命拾いしたのは、
駿河湾から数十キロほど離れた海中で様子を見ていた
数隻の潜水艦だけです。

 こいつらはサタンの特命を受けた
 核ミサイル搭載の潜水艦なのです。 馬鹿め!

  辺りから聞こえて来るのは、炎上する木々や建物が焼ける音と、
  焼死した兵士達の悲鳴の合唱のみです。

      皆、不平不満で神を呪っています。

        実に虚しい事であります。


  予告された三十秒など掛かってはいないでしょう。

火之夜芸速男神様の両手の炎輪槍は、超高温の身は収納され、
また右脇に構えておられます。

 その胸の内は、悲しみと憤りが支配しておられるようです。
  炎の神様は、大黒天様の正面に移動し、姿勢を低くされました。


《 大黒天様、頭上での戦闘、御無礼を致しました。
 私は引き続きこの場にて守護をさせて頂きます。》

《 うむ、見事な戦い振りであった。

 御蔭で富士周辺のハラヒキヨメが済み、実に清らかな霊界になった。
 心から礼を申すぞ。

 もう直、光輪は熟成される。

 汝には明日の午前零時まで、この場の守護を任せよう。
 宜しく頼むぞ。》

《 はは、光栄至極に存じまする。》


  因みに、各国の「神の光玉」では、
 聖者達や火之夜芸速男神様への喝采はいいが、
邪神に与して亡くなった者への罵声や罵倒は
控えるよう同志達に厳しく指導されています。

これは当然の措置であります。

そう、我等人類は敗者を蔑むという、
醜い感情を改めなければならないのですから ・・・

それに、手放しで喜ぶことでもありません。

  あ、大黒天様がお顔を顰められました ・・・ 一体何でしょう?


《 むぅ ・・ 奴等め、始めおったか。
 全くこざかしいことを ・・・

 良いか皆の者、邪神軍は日本の各光玉と、この場に核を放った。
 だが心配無用じゃ。

 この円陣の天壁に、叡智晶と言う物で映像を映し出す故、
  神の御業を篤と見るがいい。》

  「「「 ははあ!!! 」」」


    聖者達は半信半疑だが信じる他無い。
    彼等はまだ己の立場を実感してはいない。

   全ての神から示されることを、
   必死で理解しようという想いで一杯なのだ。

  当然、若い拳三、マーフィーは、
  核ミサイルが日本中で爆発するかもしれない時に、
  まるで意に介さない大黒天様の仰せは理解出来る筈も無かった。


《 ところで、おぬしはどう見る?》

「 は? はい ・・・ 既に発射されたということは、
 そこまで神様は問題にせず、
 爆発はさせないか、仮に爆発しても
 光玉の障壁がバリヤーにでもなって、
 内部には影響が無いという事でしょうか?・・

 それと敢えて爆発させ、人間と邪神のあらゆる攻撃など、
 神には通じないということを、見せ付けるおつもりか?

 それに加えて、正神軍に着いた人々に自信と誇りを持たせる為か?

 え~まとまりませんが、それらの何れかで御座いましょうか?」


《 まあ、いい線をついておるぞ。
 ただな・・・実はわしにも、この先どうなるかは分からん。

 これを見よ・・・核ミサイルは、この聖域を入れて十一箇所に、
 それぞれ十基は向かっておる。》 

   ド、ドウナルノカナ?

    叡智晶では、爆撃機からと潜水艦から発射された核ミサイルが、
    あ~もう頭上に迫っています。


「 ぜ、全部で百十個の核とは ・・・
 何にしても大丈夫なのでしょうが、怖いですね。」

《 おいおい、怖がってどうする。
 それに、この件については、ある神様に一任されていてな。

 どのように対処なされるかは、誰にも一切知らされておらんのじゃ。
 きっと、とてつもない演出がおありなのは間違いないがな・・・》

        ウフフ、楽しみですわ。


     う、うわっ、来た~~! め、目ェ瞑らなきゃ?・・・

      それじゃ解説出来ませんね。
       やっぱり開けとこ。

        ああああ、ピカピカって光ったーー ・・・

        次々とぉ、ひか ・・? 
        光ったままの状態で ・・・

        富士山を中心とした周りに、
       十個の核の太陽が閃光を放っています。

      というより、そのまま動きません。

    他の光玉も同様の現象が起きています。
   当然、爆風も衝撃波も伝わって来ません。

  ま、眩しいですが・・・

  もしかして、あの人工太陽は、
  有害な放射線などが見えない障壁で覆われているのかもしれない。


《 む、司令部から分析結果が届いたぞ・・・

 これは、見事に全ての有害な放射線を遮断しておるわ。
 完璧に神気で封じ込んでしまうとは、とてつもない御力じゃ。》

「 そのような御力とは、
 ど、どなたの神様でいらっしゃいますか?
 ・・・まさか、私が存じ上げる神様でしょうか?」

《 し、知らん。口止めされておるでな。直に分かるであろう。》


     あ、やはり ・・・ ということは、
     三人の神様の何れか?でしょう。

      ただ、余りに凄い事です。

    百十個の核爆発を、同時に全て封じ込め制御するなど、
    どうなっているのでしょう?

  う ん? ・・・日本全国の核の太陽が、
  この富士目掛けて移動して来ます。

あ、この真上のやつも上昇して中央に集まり、巨大な塊になりました。
その位置は、神の光輪より更に上にあります。

そこに、東西から集結して来た人工太陽が、まるで引き寄せられるように、
次第に融合し全て一つになっちゃいました。

     エヘーー ・・・あああ、大きいです。

       ど、どうなるんでしょう?

  するとその強烈な光は徐々に弱くなり、直に光は失われ、
      その代わり漆黒の空間が現れました。

   あ、あれってまさか、ぶ、ブラックホール じゃあ?


《 じゃ、じゃろうな。》 ジャローナぁ。


   ぶっぶらぶらブラ、ブラックホール と言えば、
   そう言えば私のお腹にもぉ~。

   あああ、ぱっ、パニくってもしょうがない ・・・

  しかし、ブラックホールって光を吸収したり、放出したり、実に不思議だ。
 きっと宇宙を制御する為には、必要不可欠なものに違いない。

そ、それを神様が使われているのだ。 あ~ロマンと夢だ。
全くもって興味は尽きません! おもしろ過ぎますね~!

あれ、あの黒い塊が縮んでいきます。

だんだん・・・無くなりそうだ。
で、無くなったと思ったら閃光が走って・・・

 な、な、あれは黄金の龍の首に繋がった二つの胴体を持つで、
  伝説の龍がぁ ・・・
   あ、ちゃんと尻尾まで付いている。

     本体までは御遠慮なされたのだ ・・・
      懸命な御措置で御座います。


《 あのねェ、あなた少し黙っておいでなさい。
 いい所なんだから、それ以上申すと、
 そのポケットから鮫を出すわよ。よくて・・・》


    わあ直接、私に言霊が響いて来ました。ヒエェ~~ ・・・


「 ははは、はい、申し訳ございませんでした。
 仰せの通り黙りますので、そればかりは御勘弁願います。」


   エッ、コココ怖いですわ~! さささ サメ いやーっ!

      ああ、何か御言葉を賜れるようです。

        皆様、心してお聞き下さい。


  《 世界の神の光玉に参集せし神の子人よ、大儀でありますね。

 わたくしはこの宇宙全次元を支配せし主神の娘、スミレと申します。

   この場には修行の為に参っておりますが、皆も見ての通り、
  核などわたくしにとっては取るに足らない兵器でしかありません。

       神の偉大さを思い知ったのであれば、
     神を恐れ畏み、お詫びと感謝報恩を徹底して
        行うのは神の子の責務です。

        後一日あらゆる邪念を捨てて、
    主神との間を釣り合わせる術を血と肉にするのです。

         しかと申し渡しました。

     期待しておりますよ。 ほほほほ、では失礼。》


     ああ、何と大愛なる御神勅なのでしょう。
          惚れ惚れ致しました。

    スミレ様の龍体は上空高く昇り、見えなくなりました。


 
 「「「 おおおおおおおおおおお~~~~~~っ!!! 」」」



世界の光玉の皆様からは、割れんばかりの大歓声が響いています。

喝采に継ぐ喝采、泣き叫ぶ声による讃辞は、もう聞き取る事が出来ません。
皆、神に仕える喜びを全身で感じています。

 スミレ様の御声は、各光玉の守護神の魂から聖者の魂を通すことで、
 強い神気の波動が緩和されるのでありますが、
 今の聖域の人でさえ相当苦しかったようです。

これは、我々人間が余りにも魂に曇りを積んだ為に、
神様が大変御苦労なされる結果になったのでありますから、お詫びなのです。

  彼等が直接受けられるのは、脳裏に映った映像のみです。
  これも特別の措置があればこそです。




 いや~~~、さすがはスミレ様、
 問答無用の宇宙外的超常能力というか形容し難い御力であります。

それはともかく、最近は特別寒くないですね~~。
東北やそれ以北は別でしょうが ・・・

私は暑いより寒い方が好きです。

 そして、冬の星座達が夜空を飾り、
 震えながら双眼鏡で観察するのが楽しみなのです。

故郷のシリウスや、オリオン、
プレアデス星団 (スバル) などなど ・・・

地獄の惑星である木星も一段と輝いています。

寒いので5分は持ちませんが ・・・

 そんなこんなで木星と火星の画像を ・・・




 火星よりは増しと言われる木星での転生 ・・・
 いわゆる地獄の星です。

  木星表面には居住不可能ですが、
  地殻天体である木星内部には空洞があり、
  そこには居住可能なのです。

  それは宇宙の恒星を含めた全惑星においても同じことです。

   そこで知的な猿人として永遠に転生を繰り返すのです。

       嫌ですね。そんな生活って ・・・

      地獄の火星では、更に野蛮な首狩り族、
     戦好きな部族がうようよしているのでしょう!

    地球での生活にウンザリされた方のほとんどは、
    火星か木星の転生をお楽しみください。

    火星と木星は、宇宙連合という組織が、
    各惑星に1万人体制で、交代しながら管理されています。

   木星への転生は数年前から受け入れています。
   既に10億人を超えたとのことです。

  火星は随分前から、地球との行き来があり、
  現在の地球人のほとんどは火星からの転生者だそうです。


「カバラの真義」 M ・ドーリル著 / にも記されております。

地獄の星からの転生者が多いのですから、
必然的に社会が地獄化してしまいますよね!

 その割合が格段に多いのは、中国と韓国なのでしょう ・・・

日本人は? 相当危険な堕落度合いでございます。
その自覚がない人が多過ぎて、愕然とします。

神様、申し訳ございません。 あ~~あ!

 しっかし、以前より火星移住計画があるのは知っておりますが、
 進んで地獄の星に移住してどうしようというのか?

 はてさて疑問としか言いようがありません。


それで次回、第三話 ( 策 略 ) のお話に移ります。

 満を持して、悪魔の邪龍が出撃するのですが ・・・
 舞台は、東京湾の海上となります。

さて、どんなおぞましい化物が登場するのか、乞う御期待!

因みに、化物の飼い主は、あの機械悪魔の、ドルン将軍 であります。
当然、邪龍もマシンと生物の融合体なのですが、
悪趣味そのものですよ~~!

 イラストもありますよ~~!

そんなこんなで、ドルン将軍の邪龍に似た生物の画像をどうぞ ・・・
 



 ワニガメちゃんです。
  凄いド迫力でしょう!

   ドルン将軍の好きな動物であります。

     とにかく、でかくて強い!
      素早さは無視であります。

       当然、大艦巨砲主義です!

        ガメラのモデルになったのは有名ですが ・・・

         私はガメラっぽくはしませんよ!
          プライドがありますので ・・・

           ただ、そんなに捻ったデザインでもありません。



《 第三章 》 〈 第一話 〉 希望と絶望

2019年02月04日 17時29分16秒 | 小説



  《 キャラクター&キャスト 》

天神六代  国 万 造 主 大神 ( 大黒天 )  西田  敏〇 
  大黒天が国万造主大神 と同一とするのは私の推測でしかありません。
               
天神七代 天御光太陽貴王日大光日大神 
    ( 天照日 アマテルヒ 大神 )  中村  雅〇 

  東京 「神の光玉」 の守護神。
  こちらの神様は太陽信仰の象徴と思われます。
         

(四大天使)

 大天使長 ミカエル  / トム・クル―〇
  大天使 ガブリエル / キアヌ・リー〇ス
  大天使 ウリエル  / レオナルド・ディカプリ〇
  大天使 ラファエル / ナタリ―・ポートマ〇

(神の光輪の聖者)

日  本    「土門 拳三」 ( 二十五才 ) 
           妻夫木 〇
アメリカ    「マーフィー・ラッセル」 ( 二十五才 )
           ヘイデン・クリステンセ〇
フランス    「カーリー・アモリーノ」 ( 四十三才 )
          ソフィー・マルソ〇 
ロシア     「ミリアム・コルシェフ」 ( 五十一才 )
           モニカ・ベルッ〇
エチオピア   「アジス・ビキア」 ( 四十七才 )
           デンゼル・ワシント〇
ブラジル    「クリスティアーノ・エデュー」 ( 三十八才) 
           ユアン・マクレ〇―
サウジアラビア 「ムハンマド・ハルドゥーン」 ( 五十八才 ) 
           トム・ハンク〇

( 邪神軍団 )

総 帥 サタン (ルシフェル/クラウド) アントニオ・バンデラ〇

司令長官 アンドラスタ / ジョージ・クルー〇―
 将 軍 グリオス   / アンソニー・ホプキン〇
 将 軍 オルゴラン  / トミー・リー・ジョーン〇
 将 軍 バクスト   / ウイル・スミ〇
 将 軍 ドルン    / ウェズリー・スナイプ〇
 将 軍 シアニード  / アンジョリーナ・ジョリ〇
 将 軍 フレッタ   / アン・ハサウ〇イ


アメリカ大統領 「 スタンリー・ミニットマン 」 モーガン ・フリーマ〇
日本首相  「 阿部一郎 」 笑福亭 鶴〇

土門 剣三郎 (五十三才) 渡〇  謙
   ミツエ (五十才)  松坂 慶〇
   拳 三 (二十五才) 妻夫木 〇
   かすみ (二十一才) 成瀬 璃〇

マーフィー・ラッセル(二十五才) ヘイデン・クリステ〇セン
エミリー・マーティン(十九才)  ベッ〇―
ミランダ・マーティン(十三才)  アヤカ・ウィルソ〇

( 豆芝 ) 犬四郎 / 加藤 清〇郎

 今回のお話の中では、
 空恐ろしい描写の部分がございますので、
 お気をつけてお読みください。


         ( 推奨BGM ) 

       グスタフ ・ マーラー作曲 
   交響曲 第5番 嬰ハ短調 第4楽章 アダージェット

     ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
     ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 

     


 


      二〇 X X 年 十二 月 二十 日 (土)

        日本時間 午前十一時十五分
        カウントダウン 43:45



   我等は邪神との対談後、ベニ様と別れ、東京に戻りました。


  お馴染み駒沢公園。「神の光玉」内、「祈りの聖域」 の一つです。
  とうとう 「神裁きの三日間 」 二日目 に突入致しました。


夜が明けても薄暗いのですが、聖域の皆さんの気力は何とか保たれ、
その目には希望の光が輝いています。

とは言え ・・・その魂の入れ物、肉体は悲鳴を上げ力尽きる者多数。
病弱な者、ひ弱な者が先に肉体を抜けて、己の遺体の隣で祈っています。

 昨晩から救いの死を受けた者は、この聖域だけで28名になります。

当然、正座を出来る者もいなくなり、止むを得ずあぐらをかく者、
その体力すらない者は横になっています。

 ですが、彼等は強靭な精神力で祈りの波動を聖者黒須に送っています。
 ただ残念な事に、まだ 「神の光輪」 は熟成されていない事は、
 叡智晶を見て確認しております。

とは言え、あなたも気になるであろう十和田湖の聖者木戸や、
その補佐役の方々、そして土門一家にマーフィーにマーティン姉妹も、
何とか気力を保っています。

    ただ、残念な事が御座います。

  それは不平不満が募り、魂の曇りが一定線を下回った為、
  流星火矢を受けざるを得なかった方がおられたことです。

  裁きの死を受けた者の数、一日経過した現在、
  この聖域では十六人。

    日本全体では、725人。
    全世界では、112,116人。

 裁きの天使は、皆、血の涙を流しておられるのです。

 神の子を裁かねばならない極限の悲しみと憤り、虚しさを、
 あなたも拝察して下さい。

  以前、マリア像やキリスト像が血の涙を流し、
  奇跡と報道され話題になったことが御座いました。

  奇跡は奇跡でしょうが、何の為の涙なのか? 

   偶像崇拝、人物信仰を認めない教えを破り、
   イエスが主と崇めた創造主を祀らず、
   己の姿を祈りの対象にされた嘆きと悲しみから、
   その偶像の目より血の涙を流した。

     それが真相だと私は思います。

    他の聖雄聖者も同じ心境なのです。

     皆、天界で嘆いておられます。

つまり光の道が見えずに迷える子羊、或いは自暴自棄になった
人類の堕落に歯止めを掛ける教えだったのですが、

 キリスト教も仏教も、新興宗教も分裂しては教えを曲げ、
 権力闘争と強引な勧誘に明け暮れ、教えはどこへやら ・・・

  お気を付けください。
  誤った道に人を導くと、その責任を取らねばなりません。

   その証拠として地獄界には、
   政財界に加え宗教団体の教祖や住職という
   聖職者がウヨウヨいるそうです。

  言わば金と権力の亡者共であります。
  今では、おそらく宇宙刑務所に収監されているでしょう ・・・

  その中心者の責任極めて重しと言わざるを得ません。
  それ故、責任逃れは一層曇りを積む事になります。

 呆れた宗教団体の代表、創〇学会と統〇教会は、
 天上界より悪魔指定されているそうです。

  単なる信者の処分がどうなるかは知れませんが ・・・

   あ~~、某団体信者の皆様は、
   自己責任で今後の身の振り方を熟慮して頂きたい!



    さて、重要なお知らせが御座います。
    二日目に入り、新たな封印が解かれたのです。

   それは相手の思念、考えが読めてしまう。
   言い換えれば心の垣根が取り払われる、ということです。

  魂の光と、悪想念からの濁微粒子が見える力に加え、
  思念波 ・ テレパシーという力が、肉体を持ちながら与えられた。

 という事は、幽界での修行と何等変わりない事になります。

創造主、主神様は、神の子人に対し、
何としても己が単なる肉の塊ではなく、
尊い神の子の魂が宿っているという自覚をさせたい。

 その一心である事が伺えます。

その主神の御期待に必死でお応えしようと、各国の光玉の皆様は、
心の中の邪まな部分を捨てる努力をしています。

祈りをより純粋なものにする為には、他人の心が読めるのは好都合で、
祈りの内容の足りない、捉え違いの部分を修正し合って精進しています。

 こうして一人一人の感性や信仰心が高まるに連れ、
 心と魂が浄化され意識レベルが向上していくのです。

  これで、純粋に美しく磨かれた祈りの波動、
  光の帯はより強く 「神の光輪」 に送られるようになりました。

    その光輪は、この聖域からでも視認出来ます。

    富士上空三千メートルに集束された光は、
    相当大きく美しく輝いてはいますが、
    三十郎様に因れば、まだまだ足りないとのことです。



ところで、あの お馬鹿な悪魔共に乗せられ、
各国の軍隊は実弾使用に因る戦争ゲームをしておりましたが、

 結局、東軍 が勝利を収めました。

負けた西軍の大将ドルンの首は、
現在クラウド主催ホワイトハウスの晩餐会に於いて、
テーブルのお皿の上に乗せられ酒の肴になっています。

 その状態でも、マシンボイスで悪態を吐いたり、
 バッドジョークを言ったりするので悪魔共には大うけです。

 しかも、お皿にはクルクル回転する仕掛けが ・・・ 馬鹿だ。

  人間を使い、アメリカ全土を巻き込んでの戦争ゲーム。
  正義や愛国心等とは無縁の殺し合いをさせられた兵士達は、
  どんなにか無念なことでしょう。

    勝っても負けてもです。

  何故なら敗者となった西軍の兵士を、
  東軍の兵士が様々な処刑道具で殺さなければならなかったからです。

    勿論、逆らう奴は殺されるのです。

  その模様は、ホワイトハウスの巨大スクリーンに、
  現在生中継で放映されています。

悪魔達は大きな縦長のテーブルに、
それぞれの部下や人間の娼婦、
有名モデル、女優やイケメン俳優達をはべらせ御満悦です。

  当然クラウドは一番奥の上座に座っています。

その両脇には幾つかの円卓が並べられ、
各国首脳が家族と共に座らされています。

  ただ、当然東海岸、西海岸共に火の海である事は
  言うまでもありません。

アメリカのミニットマン大統領始め、各国の首脳達そして、
その家族の顔から生気は奪われ、何も口を通らないようです。

処刑シーンを見せられているから当然ですが、
それ以前にこの戦争ゲームは彼等には
秘密裏に行われたものだったのです。

  その間、彼等が何をしていたかと言えば、
  天空浮船に乗せられクラウド、アンドラスタの案内の元、
  優雅に家族と共に宇宙旅行をしていたのです。



  主に太陽系内の各惑星を巡る旅を満喫していた首脳達が、
  知る筈はないのであります。

有頂天の宇宙から、奈落のどん底を見させる ・・・
これが悪魔の常套手段なのです。

  その戦争ゲームの編集ビデオや処刑生中継を見ながら、
  大爆笑をする正神の化身という人間達が、
  人知を超えた詐欺師集団であることは、
  鈍い首脳達にも認識出来たようです。

そして、取り返しの付かない選択ミスを犯したということも ・・・


  その後、ミニットマン大統領が復讐の為、

  (( 核を以って邪龍だけでも粉砕出来ないものか? )) 

と考えが及んだ時、
ミニットマンの憑依霊がその事をクラウドに告げ口をしました。

 直ぐに大統領は悪魔の料理人に厨房に連行され、
 凡そ30分で料理されました。

 止めようとした家族は拘束され、
 厨房で料理の見学を強制させられました。

    ただ泣き叫ぶ声が響くばかりです。

  小さなアメリカの国旗を頭に刺された彼の首は、
  哀れな事にドルンの皿の隣に乗せられ、笑いものになったのです。

  そして、モモ肉とムネ肉はステーキとして皆に振舞われました。

    全くもって残酷で下劣極まりない行為です。

 肉体から離脱した故アメリカ大統領の幽体は、
 全身の激痛に悶えている。

但し、肉体を切り刻まれても、
霊・幽体はバラバラにはなりません。

痛みや傷だけはあるのです。

  そのバラバラにされた肉体の持ち主、故大統領の魂は、
  手下の邪霊にクラウドの目の前で正座をさせられました。


        クラウドは右手の指で、
     目の前に垂れた長い前髪を上げ整えると、
      尋常ならざる眼光で睨み付けました。


     「 馬鹿な事は私に直訴するんだ!

       この 悪魔王サタン にな 。

     苦痛と死は我と共に在り ・・・ フフフ ・・・

  しかし、お前等は何度見ても間抜けた面だな。
 鏡を見て、そうは思わんかね、はははは。

 まあ、そう硬くならずに最期の晩餐を楽しめ。
  食べて彼の供養をするんだ  ・・・ 

    でないと浮かばれないだろう 、クククク ・・・」


      と、冷たく首脳達に言い放った。
      声は笑っても表情に笑みは無い。

       他の悪魔共も嘲笑っている。


  二十人の首脳達とその家族、
  並びに浮かれた有名人の精神と心臓は臨界点を超え、
  その場で失禁失神した。
  発狂した者五人。

    ショック死した者一人。無理からぬ事だ。

   それを見た悪魔共と、
   首脳その他の人間に憑依している霊達は大笑いをした。


一人死にやがったぜ! はっはは!! 誰も許可してねえのによう。
 サタン様に申請書を出して、決裁が降りてから殺されろってんだ。
 楽しみが減るだろが。 けっ、全くだらしねえぜ。」


    新しい黒人の肉体を得たバクストが喚き散らした。

   亡くなったのは日本の現首相、阿部一郎その人であります。
   彼の幽体はミニットマンの隣に正座させられました。

    二人で泣き叫ぶ姿は余りに痛々しく、
    お気の毒としか言いようが御座いません。


    「 おい、狂った馬鹿共は静かにさせろ!
     漏らした奴にはオムツを履かせてやれ。

        全く躾がなっていない。

   お前等の国の教育は、親は何を教えたんだ。全く・・・」


        サタンが命令すると、
 直ぐに控えていた部下が発狂した五人を抑えて射殺した。

 失禁した者は女性も含め、裸にされオムツだけ履かされた。


      もはや、されるがままである。


 この首脳達と著名人、その他の人達は、
 今までどのような信仰をされて来たのか?

人間主体の御都合主義、神利用、神雇い信心、神盗人、御利益信仰。
教えの出来る部分だけ、楽な部分だけ行じる、つまみ食い信仰。

  これらの信仰の仕方は、神様は一番お嫌いなのです。

 ただ、邪神様には気に入られます。
 だからこそ晩餐会に同席を許された。

 憧れますか? こんな最期を ・・・

  皆、神理の道に背を向け、堕ちた人間の頂点に立とうとした。
  それが誤りだったのです。

  もう、つまらない醜いプライド、夢や信念など捨てましょう。

テレビには、見栄はったりで自分を飾りたて、
醜い心を隠す著名人が多々おりますが、
直ぐ化けの皮が剥がされているではありませんか。
人にも見え見えです。

  彼等を悪い見本と捉え、真似しないことです。

 我等は常に守護霊・憑依霊に秘めた邪念は筒抜け・・・
 その模様は、自分のアカシックレコードと
 地球のアカシックレコードに随時記録されているのです。

肉体を失った時に生前の所業を正確に見せられるのは、
アカシックレコードがあればこそなのです。

 その際、功績の映像を多く見たいとは思いませんか?
 見せ掛けではない、神が認める功績として ・・・

  その意識を持つ者は、随分少ないように見受けられますね!
  ただ、現実を受け止めざるを得ないでしょう!

    あなたが選んだ道なのですから ・・・

     


       ( 推奨BGM ) 

      モーリス・ラベル作曲
  


    





        日本時間、午後十時。

       駒沢公園 「祈りの聖域」 。


   ここで、ちょっとした異変が御座いました。

  土門家の長女、かすみの体調が優れないのであります。

勿論、開戦前から剣三郎の手足となり、
率先して活躍してきた彼女でありますから、
無理からぬことで御座います。

 ただ、この場合疲労などでは無く、
 どうも持病なのか心臓の具合が悪いようなのです。

  先程から、顔は青褪め胸を押さえていますが、
  周りの人達に気付かれないようにしています。

その想念思念では、ありがたい、辛くない、と思うよう心掛けています。
また、今は夜なので誰にもその顔色から異変は気付かれてはいません。

 彼女の奉仕は、
 剣三郎の指示を周りの約百名の人達に正確に伝えることにあります。

彼女以外にも、同じ役目の者が多数おります。
基本的には、常に立ちっぱなしで周りの様子を伺っています。
どうにも疲れたら座ったりしているようです。

 そして、何か不都合があれば自分の判断で対処したり、
 身近な人と相談したりして乗り越えています。

  大概は皆協力し合ってが前提であります。

 体が元気な者は、辛くて横になった人のマッサージをしたり、
 親を亡くしてしまった幼児の面倒をみたり、
 一人何役もこなしています。

もう、四十時間以上この場に居る人が殆どですから、
身近な人に対する親近感は強くなり、世界人類皆兄弟、
神の子人である実感も相当強くなって来ています。

 この時点では、誰も不平不満を訴える者は居なくなりました。

 それは二日目に入り、他人の思いが読めるようになり、
 卑しい心を持っていることが馬鹿馬鹿しくなったからです。

  皆、常に美しい心でいようと努力しています。
  その為、言葉使いも自然に丁寧で綺麗になってきています。

 その努力が、直ぐ祈りの光に現れ実感できるので、
 楽しくてしょうがないのです。

それと合わせて、その光が世界中から
富士山上空に集束され繋がっているのですから、
その一体感、充実感は半端なものではないのです。

又、その神の光輪の変化は、
東京から直接見えることも団結心の向上の一端を担っています。

 それは、とても喜ばしい事であります。
 既に肉体を失い、幽霊になった幾多の人達も、
 晴れ晴れとした表情で祈っています。

   むっ? 妙な事に ・・・ 信じられない物が見えます。

      い、犬っ?


 犬は居る筈がありません。
 しかも実体肉体では無く、幽体のみです・・・

東京の皇居を中心とした30キロ圏では、
神の光玉に入るに相応しくない人間と動物の肉体と魂は、
強制排除されると同時に、悪魔共の邪龍に取り込まれてしまっています。

 あの犬、豆芝、まさか犬四郎?

  遠目ではありますが、恐らく犬四郎です。
   死んでしまったのか?
    邪龍に取り込まれなかったのは良かったが ・・・

       ・・・  謎だ。

《 わしはその訳を知っておる。今は黙って見ておれば良い。》 チュウ。

  「 はは、仰せのままに致します。」 

    彼は、かすみの所へ向かっている。
    尻尾を振りながら、嬉しそうに ・・・

  『 わんわん。』

「 ・・・・・??? えっ、何 ・・・? 犬四郎?
 どうして、あなた幽霊なの? あたし変だわね。
 他の霊なんて見えないのに・・・?」

    かすみは目を擦り、もう一度良く見た。

「 ・・・ どう見ても犬四郎だわね。
 妙ね、どうなってるのかな?」

『 ぼく、死んだんだよ。』  

「 えっ、しゃ、しゃべったぁーー!」 

   ああ、かすみが気絶しそうだ。

『 ねえねえ、かすみさん、しっかりして・・・
 ぼくは神様から最期のチャンスをいただいたんだよ。』

   犬四郎が、思念をかすみに送っている。

『 これは夢じゃない。今は何でも有りだわ。
 気を確かに持たなきゃ。』

   そうそう、その通り。流石に頼もしい大和撫子だ。

「 あの、かすみさん大丈夫?
 さっきから独り言いったりして・・・?」

   隣の女性が心配している。こりゃうっかりだ。

   ただ、思念が読めると言っても集中しないと読めないのです。
   当然、その能力は人によります。

「 あ、大丈夫です。
 ちょっと飼い犬のこと思い出しちゃったので・・・はは。」

『 そうだ、他の人には見えてないんだ。
 思念の声も聞こえていないみたい。分かったわ。
 私がんばるから、訳を話してくれる。』

『 はい・・・あ、あの、
 さっきミカエル様の使いの妖精が来て、
 ぼくの体を取り上げるけど、
 かすみさんを助けて神様のお役に立てば、
 さばきの死は与えずに救おうっておっしゃったの。

 ぼくは今まですごく悪いことばかりして来たので、
 何度もじごくに行って、
 それからこの世に来て犬の姿になったんだって・・・
 がんばれば、それも許して人に戻してくれるって・・

 それに死ぬ時もぜんぜんいたくなかったんだよ。
 ぼくとってもうれしかった。
 だから、だから、かすみさん、
 ぼく、がんばる・・・ううう・・』

《 犬四郎には特命がある。
 その為、「神の光玉」 内に留まることが許されたのだ。》

「 そうでございましたか。
 なんという神の大愛なる御心なんでしょう。」

    素敵ですわねぇ、 チュウチュウ!

『 まあ、何てことなの ・・・
 犬四郎、けん・・うう、ああっ・・・』

    かすみは、抱きしめられない犬四郎の体を腕で覆って、
    犬四郎と共に泣いた。

  周りの人が、その悲しみの波動を感じたのであろう。
  黙って、かすみの腕や肩に愛を込めて、触れて慰めている。

  一頻り泣いた後、かすみは漠然とした疑問を犬四郎にぶつけた。

『 ねえ、犬四郎。どうして私を助けなきゃいけないの。
 妖精は他に何かおっしゃっていなかったのかしら。』

『 ・・・・・かすみさん、かくせないから言うけど、
 ここでは周りの人が心配するから、
 ちょっとだけ、ここの外へ出てもいいかな?』

『 そうなの、分かったわ。』

  彼女は剣三郎に訳を話し、
  周りの人には急用で競技場の外に行くことを告げた。

 剣三郎は聖者黒須より、
 ある程度の事情は聞かされていたようだ。

かすみは競技場の外に出ると、
犬四郎から、かすみと共に行動する訳を聞かされた。

 彼女は激しく同様した。

だが、彼女は強い意志を持ち、
今まで困難な局面を皆と共に協力し合い、
乗り越えて来た自負がある。

 故に、直ぐに覚悟は決まった。

  ただ ・・・ ただ涙が溢れた。
   犬四郎も共に泣いた。

    直、二人は場内に戻りました ・・・

      訳はまだ、お話し出来ません。

       御了承下さい。


     


        (推奨BGM) 

 ルートヴィッヒ ・ ヴァン ・ ベートーヴェン 作曲

    ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58 
    ツィマーマン& バーンスタイン&ウィーンフィル   
    


    


        


     現在、二十一日に入り、午前五時を迎えました。


 「神の光輪」 の光は、
 富士山火口の直径位の大きさになってきているように見えます。

  世界中の同志からの祈りが、無数の愛の波動が一点に集まり、
   主神様が永きに亘り切望された「間釣り合わせ」の理想が、
     今、現実に成りつつあります。


「 三十郎様、如何で御座いましょう。
 神の光輪の熟成の具合が気になるのですが?」

《 まあ、そう慌てるでない。もう直じゃ。
 後、一、二時間程で熟成されるじゃろう。》

   チュッ、フフ。

「 そ、それは楽しみで御座いますね。」

《 その前にな、準備することがある。直にその現象は現れる。
 これは光輪を完成させる為には、
 必要不可欠な事柄じゃから良く見ていなさい。》

「 はは、畏まりました。」


   現在気になるのは、かすみの容態です。

  心臓の具合は更に悪化し、
  もう与えられたみ役を果たす事が出来ないばかりか、
  横になって一人の女性から世話をしてもらっています。

  犬四郎も側に付きっ切りです。

    そして、例の小さな妖精の姿も見えます。
    妖精は小さなタクトを振っています。

  そのタクトが振られる度に、
  七色の粒子がかすみに降り掛かっています。

    その妖精の悲しげな表情 ・・・

  彼女とは、神議り場となった大霊宮で会ったかもしれない。
  そう思ったら、こちらを向いて心なしか微笑んだように見える。

    やはりそうなのか ・・・

 そうとは知らない拳三・マーフィーが心配して、
 たまに見に来ていますが、
 剣三郎から止められています。

何故なら、人類が皆兄弟同志同胞という観点から言えば、
特定の人ばかりひいきにするのは、神の意に反するからです。

二人は特に人の上に立ち、
導いていかなければならない使命を帯びています。

故に、剣三郎は厳しく説いているのですが、
中々当人達は全て納得いかないようです。

 剣三郎の真意はと言うと、当然気にはしています。

 ですが、この聖域を二日以上統括している彼にとっては、
 人類全体が家族という想いは人一倍強くなっているのです。

 故に、かすみと言えど、その中の一人ということであります。

  既に彼は、多くの家族を失っています。
  今でも数人の人が、息も絶え絶えの状態であります。

  剣三郎は、かすみに加え、それらの人の曇りをお詫びしています。

   妻のミツエも、かすみの命に執着は無いようです。
   良くここまで、神の子の本質に目覚めたものです。


聖者黒須には随時各聖域の補佐役から、
危篤な者、亡くなった者の人数報告がされています。

正神軍司令部 (大霊宮) には、
様々な人数報告が世界中から集まってきます。

各国各地の状況は一時間ごとにであります。
その他必要な報告は随時であります。

 また司令部からは、光の帯が弱い国に対して、
 その国の分を補うよう世界の拠点に指導されています。


  ところで、疑問に思われたかもしれませんので申し上げます。

 叡智晶という万能なものを神々はお使いであります。
 故に、世界どころか宇宙やその他の次元、
 許される範囲まで検索閲覧可能なのです。

そういった物が有りながら、
何故司令部に分かり切った報告が必要かと言えば、
勿論修行の為です。

神を想い、恋慕い、祈り行じる。

この親子なら当たり前の感覚が暫くの間途絶えていた。
神と神の子人の絆を深める絶好の機会が、今なのであります。

この貴重な機会を活かして、魂に永遠に刻み込む。
それが神々の意図するところです。

 甘やかして何でも親が世話を焼いたら、
 子供は立派に成長しません。

  それと同じことであります。

ただ、拳三、マーフィーは若いだけに持ち場を離れ、
かすみの様子を見にいっています。

この時の剣三郎の補佐役達は、
既に強い思念波を使えるようになっておりましたので、
何かあればトランシーバー無しで交信が可能でありました。

 故に彼等の行動は、直ぐに剣三郎の知る事となります。

若い二人は、己の未熟さを反省しておりますが、
かすみへの特別な想いが変ることはありませんでした。

 二人の想いは、今後の神が望まれる文明を、
 かすみや他の家族と共に築かせて頂きたいというものです。
 あくまで全員で、が望みなのです。

  故に、かすみには生きていてもらわなければならないのです。

   ここで、聖者黒須から通信が来たようです。


『 土門さん、重要なお知らせが御座います。心してお聞き下さい。』

『 はい、何なりとおっしゃって下さい。』

『 もう直ぐ、神の光輪は熟成されます。
 それに伴い、その光輪内に入る聖者が必要になります。
 その者は世界中から七名選抜されます。

 光栄なことに、この聖域から二名選ばれました。

 その二名は、あなたの御子息の拳三さん、
 そしてマーフィー・ラッセルさんであります。

 彼等はまだ未熟ではありますが、
 そこは承知の上のことであります。
 その未熟な部分を一日で埋める為の鍛えなのです。

 彼等は今後の次期文明を担う大きな力であると、
 期待されてのことです。
 もう直、二人の額と右掌には赤い十字の痣が現れます。

 そして恐れ多くもミカエル様直々にお迎え下さるのです。
 さあ、誇りを持って二人にお伝え下さい。』

『 何と、そのような大役を頂けるとは私、感無量で御座います。
  急いで伝えます。ありがとうございました。』


   剣三郎の全身全霊には、神の無限の愛が注ぎ込まれ、
   そして、その愛の光は止めどなく溢れ放出されてゆく ・・・

   剣三郎は直ぐ二人を呼び、ほとばしる神の愛を伝えた。

     次の瞬間、二人の額と右掌に激痛が走った。
     赤き十字の痣 が二人の額と右掌に刻まれたのだ。


         衝 撃 に次 ぐ 衝 撃!


    彼等は、まだこの大役に戸惑いを感じていた。

      あれ程望んだ聖者補佐役ではあるが、
 あの「神の光輪」に入る等、彼等の器の範疇(はんちゅう)を超えていた。

  翻弄(ほんろう)される彼等だが、問答無用なのは良く理解している。

  かすみへの想いが後を引くが、今は考えないことにした。



     


          ( 推奨BGM ) 

     ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル 作曲 
     『 メサイア 』 ハレルヤ ・ コーラス     
 


     


   


      「 あああ ~~~、 天使様だあ ~!」


      ああ、場内では驚嘆の声が上がっている。

  上空から、天使の御姿でミカエル様が御出現なされたのです。

   眩い後光を背に纏い、純白の翼を広げながら舞い降りる
 大天使長ミカエル様の荘厳なる御姿に、群衆は声を失っています。

  やがて、ミカエル様は聖域上空十メートル程で止まりました。


      《 我は大天使長ミカエルなり。

   汝等の愛の祈りは、我等神々に心地良く沁みて来た ・・・

         見事な祈りである。

     心から礼を申しあげる。 ありがとう ・・・

 さて、人類の祈りの結晶 「神の光輪」 は熟成されつつある。

その光輪には、神の子人から選抜された七名だけ入る事を許される。
     その者は、この聖域から二名選ばれた。 
                                 
  土門拳三にマーフィー・ラッセル、その場に跪くのだ。》


     拳三にマーフィー、
     そして、立っていた補佐役達は慌てて全員跪いた。


《 土門拳三、マーフィー・ラッセル両名に対し、聖者の称号を与え、
 我と共に神の光輪に入る事を許す。拒否権は無い。両名共良いな!》


     「「 はは、畏まりました!! 」」


 《 うむ、光輪内では世界中からの祈りの波動を受け取り、
  更にその祈りを増幅させて、
 主神様がおられる最高次元、最奥に送り届けねばならない。

 良いか、今より我と共に富士山麓の待機場所に赴き、
  他の聖者達と合流する。

    その前に、この聖域の皆様に勇姿を見せよ!


     そうおっしゃると、
    二人の体は 五メートル程上に舞い上がり止った。


    《 聖域の者達よ。彼等の顔と名を覚えるのだ。

   二人はまだ若いが故に、聖者としては荒削りな所が多い。
  なればこそ、残された時間内で徹底的に鍛える。

 この鍛えを乗り越えられるか否かは、
 当人達の努力と汝等の祈り次第である。

  だが、失敗は許されない。一瞬の隙も見せてはならない。
  その事を胆に銘ぜよ!

   拳三にマーフィー、まずはスメラミコト、
    次に聖者黒須に目通りさせる故、参るぞ! 》


        「「 ははぁ!! 」」


     ミカエル様は二人を引き連れ、
    皇居内宮中三殿におられる天皇、皇后両陛下と、
   その上空3000m、光の十字架となった
   聖者黒須に目通りさせてから、
    富士山麓に降り立たれました。

     ただ、拳三・マーフィーの顔色は優れない。

   あまりの緊張感とミカエル様の強烈な神気に、
   辛うじて正気を保っているという感じだ。

 彼等は必死で、
 これからの重大なる使命を頭に無理やり叩き込んでいます。

我等も一緒に付いて参りましたが、此処は富士の何合目でしょうか?

南側に面した緩やかな斜面に、
ミカエル様と拳三、マーフィーがおります。

直に、三大天使が他の聖者を連れて参りました。
揃ったところで、ある神様をお迎えするようです。

 すると、上空から眩い光を放ちながら、
 大黒天様が御降臨なされました。

あれ、正神軍司令部での甲冑は御召しではありません。

大黒天様は今まで、正神軍司令部を指揮しておられましたが、
今は他の大神様が指揮しておられるのでしょう。

 四大天使の皆様は、大黒天様の両脇に並ばれました。

  次に聖者から一人づつ挨拶を兼ねて自己紹介をしました。
  

  そして、大黒天様から御言葉を賜るようで御座います。


《 皆の者、大儀である。我は大黒天である。

 汝等人類を代表しての聖者のみ役は、とてつもない重責である。

 故に、しっかり役目を果たせば、
 それぞれ四大天使の弟子となる事を許そうではないか。

 それは地球内部世界アガルタで、
 彼等直々に修行の手解きを受けるということじゃ、
 ふふふ、楽しみであろう。》


   七人の聖者達は、
   大黒天様の強烈な神気と言霊は相当苦しいようです。

   ただ、その喜びようは、
   この場で大はしゃぎしたい衝動を理性で押さえながらも、
   皆、口々に御礼を申し上げました。


《 ところで、拳三にマーフィーよ。

汝等はまだ若いが故の未熟さに加え、
心配事を抱えておる。まずは、その執着心を捨てよ。

 人間の血の繋がり以前に、神の血の繋がりが優先されるのじゃ。

でなければ、人類皆家族など夢のまた夢。
そうであろう我が子等よ。

 とは言え急には出来ぬが世の常じゃ。

ただ、残りの時間内に掴め。要らぬ執着心を捨てねば掴めぬぞ。
他の者も胆に命ぜよ! しかと申し渡したぞ!!》

  「「「 ははぁ!!! 」」」


    大黒天様はうなずきながら ニコッ、と微笑まれ、
    ミカエル様に何かの合図をなされました。


《 さっそくだが、我等がこの場にいることは
 邪神軍に既に察知されている。 

奴等は自衛隊や多国籍軍を使って攻撃を仕掛てくる。

神の光輪が熟成され、
我等がそれぞれの配置に付けば邪魔は出来なくなる。

 故に、我等を直接叩く機会は今しか無いと言う訳だ。
 まあ、何も心配には及ばぬ故、私の言う通りにするのだ。》


  そうおっしゃると、大黒天様を中心として、
  その周りに聖者達を放射状に海側を向いて座らせました。

  天使の四人は同じく海側を向き、東西南北の位置に座られました。

    この陣形で邪神軍を迎え撃つようです。




さて、いよいよ 「神の光輪」 が熟成されるようです。
その光の輪に入る聖者は、なんと拳三とマーフィー。

 次の第二話の舞台は、富士山周辺です。

そこで繰り広げられる、凄まじい霊力を持つ炎の正神と、
愚かな人間の最強軍団との対決をお見逃しなく!


  では、富士の画像をどうぞ ・・・
       


その富士神界は消滅しております。

富士の守護神の役目は今、
木花咲耶姫様から、菊理媛様へと交代されています。

 地球のアセンション計画は大詰めを迎え、
 噴火の大浄化現象は準備万端なのです。

  皆様、大いなる覚悟をもって、
  心と魂の浄化の行にお励みください。


次回は、火の神の筆頭といえる、 
火之夜芸速男神(ひのやぎはやおのかみ)の御登場となります。
またの名を、火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)と申されます。

そして、榛名神社の主祭神の一人、火産霊神(ほむすびのかみ)です。
別名の多い神様なのです。
                    
主祭神、もう一人は奥様である、
植山毘売神(はにやまひめのかみ)「土の神」であります。

お二人共、シリウス神人であります。

 参照は、こちらをどうぞ ・・・ 

開運の神社・パワースポット
http://jin-power.com/modules/todoufuken/index.php?content_id=61

本日、その榛名神社に参拝させて頂きました。
( 2019年2月4日 )

晴れ渡る空から太陽の光が燦々と降り注ぎ、
天の恵が霊・心・体共に染み渡りました。

 それに加えての神社境内の神気は、
 冷気による浄化が加わり、尚一層澄み渡っていました。

榛名神社は榛名山の中腹にあります。

その為、平地よりは3度~5度ほど気温が低いので、
参拝の際には、服装に気をつけてください。

みすずの滝は上から下まで凍結していますよ。

ただ、ここ数日、気温が高いこともあり、
氷の量は例年と比べ、随分少ないですね。

 おみくじは、41番、大吉。

菊理媛様の働きが表された数霊の曼荼羅は、
主に、3方陣、9方陣、81方陣がございます。

81方陣は、別名「 弥勒(ミロク)方陣 」とも言います。



「数霊に秘められた宇宙の叡智」
深田剛史&はせくらみゆき 著 / 徳間書店

  67ページから抜粋

これは9X9マスの中に、1から81までがある法則にのっとり埋まっています。

その法則とは、3方陣の配列が元になっていて、縦・横・斜めのどの列も、
その和が「369」になり、別名ミロク方陣とも言います。

弥勒菩薩の “ ミロク ” ですね。

やがて訪れるであろう “ ミロクの世 ” を繙(ひもと)くのに、
大変重要な働きをする方陣です。

また、9X9の中に「真」「道」「摂」といったものが、
秘められているので「九九の理」、つまり「菊理媛(ククリヒメ)」のお働きが、
表された曼荼羅でもあるわけです。

抜粋終わり


その81方陣では、真中心に「41」の数があります。
この「41」は、最大の数霊力を持つということです。

今年は私にとって去年よりいい年になりそうです。


 下のイラストは、お待ちかねの 「神の光輪」 です。

久しぶりにインクスケープで作成致しましたが、
素人の為、時間が掛かり過ぎです。

しかもこのクオリティー。
いまいちですねェ。



全世界から愛の祈りの光線が「神の光輪」に集束しています。
その「神の光輪」は、凸レンズのような形態をしています。

 イメージとしては、太陽の曼荼羅です。
 如何でしょうか?

大黒天様、天使、聖者の入る場所は、黒い円の中になります。
何故なら、太陽の黒点を現しているからです。

 図らずも黒点に大黒天様が入るということになりました。
 これも神のお導きでしょう。

下記の動画を参照してください。
https://www.youtube.com/watch?v=2HoTK_Gqi2Q

 ただし、何度も申し上げますが、
 全ての惑星、太陽のような恒星ですら、
 内部は空洞になっております。