『 うさぎの言霊 』 Rabbit's Kotodama 

宇宙の謎、神と悪魔と人とは?

《 最終章 》 〈 第九話 〉 再 会

2019年02月08日 20時55分49秒 | 小説


  駿河湾に待機していた、伝説の邪龍 「ヤマタノオロチ」 は、
 大黒天様の大愛なる慈悲により、そのおぞましい姿が美しく変化しました。

その姿は全長3,000m、美の極致とも言うべき、
白銀の羽を纏った巨大な丹頂鶴となったのです。



 全世界の神の光玉で、多くの神の子達に見守られる中、
  改魂した悪魔達は、
   神から与えられた使命を全力で遂行しようと努力しています。


    《 キャラクター&キャスト 》

「 ガチョン 」 ベニヒワのベニ様 / 谷  〇

氏 神 スプリングフィールド  ジャン ・ レ〇
湖 神 ナセル ーーーーーーー キャサリン ・ ゼータ ・ ジョーン〇
山 神 ブライトホルン ーーー ヒュー ・ ジャックマ〇
山 神 早池峰 ( はやちね )  檀 れ〇

うさぞう 信造 作者 / ナレーター : 伊藤 敦〇


「 悪魔軍団 」

邪神 アポフィス  / ブラッド・ピッ〇
 妻 イングリッド / チャーリズ・セロ〇
侍女 ルリエス   / ジェシカ・アル〇

総  帥 サタン (ルシフェル/クラウド) アントニオ・バンデラ〇
  大将 ハガード  / ブルー〇・ウィリス
  少将 フェリウス / オーランド・ブルー〇
  大佐 レイカス  / ラッセル・クロ〇

( 七大悪魔 ) 

司令長官 アンドラスタ / ジョージ・クルー〇―
将 軍 グリオス    / アンソニー・ホプキン〇
将 軍 オルゴラン   / トミー・リー・ジョーン〇
将 軍 バクスト    / ウイル・スミ〇
将 軍 ドルン     / ウェズリー・スナイプ〇
将 軍 シアニード   / アンジョリーナ・ジョリ〇
将 軍 フレッタ    / アン・ハサウ〇イ


  ブライトホルン (独: Breithorn、大きい山の意)は、
  スイスとイタリアの国境にあるペンニネアルプス山脈の山。

    標高4164m。

  マッターホルンとモンテローザのおよそ中間、
  テオドゥル峠の東のアルプス主系に位置する。

  (ウィキペディアより抜粋)
     


     早池峰 ( はやちね )

  岩手県にある標高1,917mの山。北上山地の最高峰。
  六角牛山、石上山と共に「遠野三山」と呼ばれる。
  (ウィキペディアより抜粋)




    二〇XX 年 十二月 二十二日(月)5:00

            カウントダウン 2:00




    大黒天様率いる巨大丹頂鶴は、
   日本列島を浮島にする為の刺激を海底に与えています。

  後もう一息というところでしょうか。
 その刺激に因って海底火山が目覚め、
 海面に噴煙と蒸気が上がっています。

 火之夜芸速男神様 を始めとする、菊理媛様と祓戸四神の神は、
 日本以外の大陸を沈める為の補助作業、
  そして核関連施設の封印を確実迅速に進めておられます。


    その様子を叡智晶で見守っていると、
     ベニ様 が、チュ、チチッ、と波状飛行をしながら、
      久しぶりにお出ましになりました。

      すると小さな雲が出現し、
      ベニ様は座布団代わりにその雲の上に鎮座なされ、
     ジイッ! と我等を御覧になられました。


《 うむ、励んでいるようじゃな。

  もう直、シリウス文明そして神十字文明の夜明けだ。

   その前に最期の任務を与えよう。
    邪神の元へ再び行ってもらう。

    此度は信造は控え、スプリングフィールドとナセルが対談しなさい。
   汝等は、奴とは同期だ。勿論、本来の姿に戻って宜しいぞ。

 それにもう二人の神を指し向ける。
  それで奴と積もる話をすればよい。

   主神はアポフィスとイングリッドのことが不憫でならないのじゃ。
    時間寸前までその場にいること。

   そして邪神の断罪される様を、最期まで見届けるのじゃ。
  では、奴の元へ送ろう。良いな。》


《《 はは、畏まりました! 》》

  「 ははぁ! 」




             ( BGM ) 

      フレデリック・ショパン作曲 『 ノクターン 』
        マウリツィオ ・ ポリーニ ( ピアノ )    
 






            儚げな響きが聞こえてきました。


           ここは、邪神地下宮殿の一室。


         前回より照明が落ちている。

      大型のスピーカーからは、ショパンのノクターンが ・・・

    邪神の顔色は既に無い。生気も無い。
 美しい音色が虚しく鳴り響くだけである。


  彼は一人でソファに座っている ・・・ ルリエスはいない。

   我等の姿は、視界に入っている筈なのだが ・・・?


  スプリングフィールド様のお姿は、
 人で言えば三十代の紳士である。

黒髪のオールバック。御目はブルー。

お顔の頬からお口周りのお髭が御立派であります。
服装は洒落たダークブルーのスーツ。

  長身で、全体的に落ち着き払った風格を漂わせておられます。


  ナセル様は、想像以上の美しき女神振り。

 ウェーブがかった長い黒髪が背中まで伸び、
額には宝石をあしらったティアラが輝いています。
大きな青い瞳にお口は小さめです。肌は小麦色。

細身のお体には、
胸元から足首までのタイトなロングドレスをお召しです。

 色は、ゴールドを基調とした
  ピンクとグリーンのグラディエーションが鮮やかです。 

   それで私はナセル様に抱っこされております。
   決して嫉妬は御遠慮願いますぅ。

  スプリングフィールド様は、
 両手でエクトプラズマらしきものを手の平から出されて、
その光る白いもやを巧みに操り、
四脚の椅子とガラスの丸いテーブルを造られました。

どれも美しい彫刻が施され、宮殿には相応しいものです。
その大きめのテーブルはアポフィスの前へ、
 四脚の椅子はその周りに配置されました。

   我等はアポフィスに向かって左側に座りました。

    そして私はナセル様の膝へ ・・・


  ただ、息が詰まるほどの静寂が続いています。
 透明なピアノの音色は、更に静寂さを引き出しているかのようです。

実に不思議だ ・・・

邪神は我等に視線を移しましたが、さほどの動揺は感じられません。
恐らくは断罪される恐怖で
 感覚が極端に鈍くなったのでしょう ・・・ 全く哀れです。

  すると今度はナセル様が、テーブルの上に何かをお造りです。

 なるほど、これは数種類の薔薇をガラスの花瓶に活けた物です。
 辺りには、実に華やかで芳しい香りが漂っています。

  この薔薇はイングリッシュローズに違いありません。
   八重咲きの花弁がゴージャスで、花のクイーンそのものであります。

   気付くと、アポフィスが食い入るようにその薔薇を見つめている。


【  ・ ・ ・ 美しい 。 僕の好きなものばかりだ。


《 まあ、それは良かったわ。
  わたくしはナセル。随分久しぶりですこと。》


《 わしはスプリングフィールドじゃ。邪魔しておるぞ。
  全く気の毒でならんわい。》


【  何だ君達は? ・・・ 何時の間に ・・・ 
      ふっ、見ての通り死人同然だよ。


《 まあまあ ・・・あら、お見えのようだわ。》


   ああ、そうかあの方々も同期でいらしたのだ。


《 アポフィスよ、邪魔するぞ。久しぶりだな。
  私はブライトホルンだ。》

《 私は早池峰です。憶えておいでですか?》


    二人の神様は、
  こちらの神様に笑顔で会釈され、椅子に座られました。

ブライトホルン様の出で立ちは、純白のスーツにゴールドのネクタイ。
ガッシリとした長身に映えています。

 最も印象的なのは、燃えるような神気を放つブルーの瞳であります。


  早池峰様は、絞り染めの着物姿であります。

 真珠の白を基調とし、上半身の左肩からは満開のピンクの桜が咲き乱れ、
下半身の右側には桜吹雪と風を表現した波線と共に、
一羽の鶯が舞っています。

 長く艶やかな黒髪を後頭部で束ね、その髪は腰まで伸びています。
  何とも上品で控えめ、それでいて華やかさも合わせ持っています。

   きっとこの絵柄は、シリウス文明の春を願われてのことなのでしょう。


【 ふ、同 期 の 桜 か ・・・ 】  


   早池峰様のお着物を眺め、邪神が呟いた。


《 その通りだ。桜は用意しておいた。》 パチッ!


     ブライトホルン様は左の指を鳴らされ ・・・?





   ええっ! 我等の前後に見事な桜の紅白二種類の大木が ・・・ 

  枝は頭上を覆っています。

 そしてライトアップまでも ・・・

 この位置はアポフィスを正面として左右に分かれて設置されている。

  満開となった桜が咲き誇り、皆様からは溜息がこぼれます。


《 私からはお酒を、日本の吟醸酒ですのよ。一献お味見をどうぞ。》


   早池峰様は、朱塗りの杯をアポフィスに差し出し、
    酒を静かに注がれました。

    その流れには金粉がくるくる泳いでいます。

   アポフィスは グイッ、 と一息で飲み干しました。


【 ふう~~、うまいなぁ。

   こんな地下の隠れ家で花見とは、ぐうう ・・・
    もう花とも音楽とも ・・・ 

   イ ン グ リ ッ ド とも ・・ あ あ ・・ 】


《 なあ、アポフィスよ。ルリエスを呼んではどうかな。
  わしは彼女が不憫でならんのじゃ。

  そのうちイングリッドは必ず姿を現すじゃろう。
  それまで待つことだ。

  わしらは最期までお前達を見守り、そして見送ろう。
 永遠の友としてな。》


《 そうですわよ。是非お呼び下さい。
  ささ、もう一献。皆さんもお召し上がり下さい。》


    早池峰様は人数分の杯を用意なされました。


そうか、分かった ・・・ 

 ・・・ ルリエスよ、客人が見えている。接客を頼む。


   間も無くルリエスは現れたが、
   二日前に私が訪れた時より驚くことはなかった。

   彼女は客人に深々と御辞儀をすると邪神の後ろに控えた。

  当然、ルリエスの生気は無い。

 ただ偉大な神々の波動に触れ、時折和らいだ表情を見せている。



   それから ・・・ 誰も語らない







      静けさが心に染み渡ります・・・











       語らないのに神々は語っているようだ




      そうとしか思えない ・・・



   つまりこの空間に生じる気を感じ取っているのでしょう。

 魂の全霊を以ってすれば、
 張り詰めた糸の微妙な波動から来る心情を掴めるのかもしれません。

  それに客人の神々は、
   アポフィスに対して暖かな波動を送っておられるようです。


     酌み交わす酒を味わう ・・・


    その一連の動作からは、

  瞬間瞬間の時が過ぎるのを惜しむ心情が私に伝わって参ります。



 鮮やかな色彩の流れと香り ・・・ 神々の愛と光の芸術に酔いしれる。


 友はアポフィスとルリエスに微笑み、酒を勧める。

  その酒を味わい ・・・ その時と友情を味わう。


   ここに至っては、慰めの言葉など無意味ということでしょう。


   その証拠に、この場の雰囲気が和らいできました。

  邪神の表情にも生気が見えます。


愛と光はここに満ちている ・・・ 邪神の魂にも沁みてきたようです。



      二〇XX 年 十二月 二十二日(月) 5:30

               カウントダウン 1:30







     《 アポフィスよ、少し明るい曲を掛けてはどうかな? 》


          ブライトホルン様が問い掛けます。


      【 ああ、君の好きな曲にしてくれて結構だよ。】 パチッ!



     アポフィスが指を鳴らすと、十メートルほど離れた場所に、
    レコード棚が床からせり上がってきました。

  その棚から、ブライトホルン様が一枚のレコードを選ばれました。
 ああ、レコードがジャケットを飛び出し、宙を舞っています。

 ふわりゆらり何度か回転した後、
 レコードはターンテーブルに音もなく着地と同時に針が落ちていきます。

  ブライトホルン様が ニコッ、 と微笑まれました。



             ( BGM ) 

     クロード・ドビュッシー 作曲 二つのアラベスク  
          モニク・アース ( ピアノ ) 

   
  https://www.youtube.com/watch?v=xLZJ1YFIl8A






    直に美しく優雅なピアノの旋律が響いてきました。


  それに合わせて、数匹のモンシロチョウとモンキチョウが、
 紅白の桜の巨木の周りを飛び交い始めました。


そよぐ風に舞う蝶達、そして桜の枝は優雅に踊っているようです。

目の前には、何とも言えない幻想的光景が広がっています。


  アポフィスは、その光景を遠い目で見詰めています。


  
         【 ・・・ なあブライトホルン。

         いつの事か自分でも忘れてしまったが、
         君には随分失礼な事をした記憶がある。

           詳細は憶えていないが ・・・ 

         憶えているのは怒りが抑えきれず、
         君にも大神様にも八つ当たりをして、
         天界を去ってしまったということだ。

     気付けばルシフェルとその部下達まで堕天させてしまい、
         地球上で憂さ晴らしをしていた。

        詫びる気持ちが芽生えた時もあったが、
      やはりプライドが邪魔してズルズルと今の今まで ・・・

   フッ、懐かしいなぁ、お互い競い合い、良きライバルだった。

         ただ、君の方がほんの少しだけ
      才能が上だった事が原因だったような気がする。

       済まないブライトホルンよ。許してくれ。】


         《 ははは、今更よしてくれ。

        私も詳しい原因は憶えていないのだ。
        もう昔の事だよ。だから気にするな。

   詫びるなら主神様と大神様方、そして多くの部下と神の子人にだ。》


       【 その通りだ。僕は永遠に近い期間を、
       激痛を噛み締め詫びる日々を送ることになる。

       多くの尊い神の子の魂を道連れにしてだ!

          なんと愚かで幼稚なことか!

             それに無様だ!

          神の威厳の欠片も無いとは ・・・

     そう思っても死ぬ事すら出来ないのだ。 おおお ・・・ 】


      顔を両手で覆い、
       肩を震わせ大泣きするアポフィスを見守る友人の皆様は、
        ただ気の毒でならない御様子。

         そこへ早池峰様は立ち上がり、
          そっと彼の肩に右手を乗せられました。


     《 ねえ、そろそろ彼女にお出まし願いましょう。
   私とナセルさんでお誘いしてみますから、見ていて下さいな。

         宜しいでしょう。ナセルさん。》


     《 勿論ですとも。御一緒にお迎え致しましょう。》 


      ? ん ・・・ 何だろう。 

     何処からか女性のすすり泣く声が ・・・


    
   やはり、音源はあの盆栽からだ。
   樹齢千年の真柏(しんぱく)から悲しき波動が伝わってきます。

    そこへ、早池峰様とナセル様が歩み寄ります。


   《 イングリッドさん、恥ずかしがらないで出ていらして、
       時間は余り残されていませんのよ。》


     早池峰様が呼び掛けます。 続いてナセル様も ・・・


  《 御願いです。御主人がお待ちですよ。出ていらして ・・・ 》


  おおお、真柏が淡い光を放ち、小さな龍神が出て参りました。
 その龍神は次第に光を放射しながら、人型に変化してゆきます。

光り輝く美の女神とも言うべき美しさ ・・・
皆様が溜息を漏らしておられます。

お隣の肖像画より、表情が柔らかい印象を受けます。
早池峰様とナセル様はイングリッドと抱き合い、
 涙を分ち合っています。

  イングリッドは、早池峰様から頂いた絹のハンカチで涙を拭うと、
   震える声で話し始めました。


 【 早池峰様にナセル様、そしてスプリングフィールド様、
  ブライトホルン様、ありがとうございます。

 我等のような愚か者に対して、
このような深い御愛情を賜れるとは、
何と御礼申し上げればよいものか ・・・

我等はもう二度と御会いする機会を
 与えられない身でありますのに ・・・ 】


   早池峰様が彼女を止められました。


《 ねえ、その話はよしましょう。
  それより彼と話してあげて、後悔の無いようにね。》


  アポフィスが堪らず、イングリッドに歩み寄り土下座をしました。


済まない、済まないイングリッド!! ・・・

  僕は、主神も友も失望させ、妻も裏切った。
   その罪を、深く考えようとしなかった。

   己の非を認めたくなかったからだ!

  愚かだよ。いつも逃げてばかりで、己の周りには城壁を廻らす。
 攻撃してくる奴は上から火矢で攻撃する。

 己を守る為にはそれしか方法が無かった。

  勿論、城内には君がいた。
   だが、君は自分の意志で城外に出て行った。

   僕は失望したよ!

  守る者がいなくなり、僕の生きる意味はもう何処にも無かった。

芸術に没頭しても満たされなかった。そして今日を迎えた。
遅すぎた。何もかも ・・・ だが心は決まった!

彼等の御蔭で神としての誇りを僅かだが取り戻すことが出来た。

 だから僕は心底、
  主神様にお詫びをし、謹んで断罪をお受けするよ。

   君とは ・・・ もう、お別れだね ・・・

  全ての罪を僕が被ることは出来ないだろうけど、懇願してみるよ。
 主神様に、出来得る限り部下達の罪を僕が背負うと ・・・ 】


    彼女は彼に立つよう手を取ると、こう言いました。


【 あなた、それは私も同じ気持ちです。私も同罪ですもの。

  だから、ルシフェルやその部下達の罪の軽減を、
   私も主神様に御願いしますわ!
   それが我等夫婦としてのけじめですもの。

   ただ、お別れですね。 私の愛する旦那様。 

  離れていても想いは一つですわ。

そして、主神様を初めとした神々と神の子人に与えた苦痛を、
共に分かち合いましょう。

でも怖いわ。 凄く怖い!

 こんな恐怖を大勢の魂に与えて弄んで来たのね。
  自業自得だわ!

    ああ、あなた、愛してるわ! ・・・ 】


     【 ああイングリッド、済まない!

        愛してる ・・・ 永遠に ・・ 】


      二人は抱き合って泣いた。

     竹馬の友は、涙して見守るだけですが、
    共に心の痛みを共有しておられるのです。


 【 いけない。ルリエスのこと ・・・ 

   ごめんなさいねルリエス。
   あなたには可愛そうなことをしてしまったわ。

   許してなんて言えないけど、本当にごめんなさい。

  辛かったでしょうに ・・・ 】


「 そんな、勿体無いことです。

  私はお二人にお仕い出来ることが嬉しくてなりませんでした。
  ただ、己の至らなさを悔いるばかりです。

  旦那様、奥様、
 今まで本当にありがとうございました ・・ ああっ ・・・」 


【 ルリエス。君の苦しみなど考えた事も無かった。
  済まなかったな。さあ、こちらへおいで ・・・ 】


   ルリエスは、アポフィスとイングリッドと抱き合い涙しています。 

    あれ、何だろう? 光が差して ・・・


    《 あら、これは雨 ・・・ 》


    ナセル様がお気付きですが ・・・ 霧雨だ。


   しかも淡い虹が一つ ・・・

  これは主神様の愛、天意なのでしょう。

  邪神の夫婦の決意に対する、一つの応えなのかもしれません。
  それに深い悲哀と慈愛の涙そのもの。

   きっとそうに違いない!

  その主神様の愛の波動に触れ、
 皆様は感動に打ち震えておられる御様子です。

 特に邪神夫婦とルリエスは、大粒の涙越しに食い入るように見詰め、
 主神様の大いなる天意を魂に刻んでいるようです。



     現在時刻、午前六時三十分。


    スプリングフィールド様が叡智晶を起動なされました。

  地球上に雨が降り注ぎ、
 虹が各光玉に出現している様が映し出されています。

一つ一つの光玉上空には、
雲の大きな隙間から太陽の光が差し込んでいるのです。

世界中から歓喜から来る大歓声が沸き起こっています。

 耐えに耐え忍んだ三日間の苦労が報われる時が、
  間近に迫っているのですから、その喜びは一入です。

  ただ、全てが太陽光である筈が御座いません。

  太陽が照らさない裏の半球では、
  光玉の守護神が直接の光で照らしているのだそうです。

 何とも荘厳なる光景であります。

日本列島は直、四つの海底プレートから切り離されるようです。
邪神の部下達は大黒天様からの勅命を果たせそうです。

 その様子を見た邪神が、驚きの眼で見詰めています。


【 何と、あの者達が ・・・ 邪念の無い波動を放ち、
  大神様の手足となって仕えているとは、素晴らしい。

   実に見事だ! これが奉仕というものだ!

  済まない、ルシフェルにその部下達よ。

 許してくれ ・・・ 

 私はお前達を、単なる道具としか見ていなかった。

  愚かだ! 全く愚かだ! 許してくれぇ ・・ おおお ・・・ 】


    彼は、妻とルリエスと共に泣いて詫びた。




    改魂したルシフェルが操る巨大丹頂鶴が、
   最期の真炎弾を放つ場所に出現致しました。


クルウゥ~ッククッ、キュウックルウ、
         クルッキュウ~、クウ~クルゥ ・・・


   大平洋に木霊する美しき鳴き声。

    誇らしげに幾度も ・・ 幾度も ・・・


   ただ、相当体力気力霊力を消耗しているようで、
  立っているのがやっとという感じだ。

実は現在、鶴の肉体に取り込まれた人と動物の魂の霊力だけでは足りず、
 ルシフェルや七人の部下、そして全兵士の霊力も加えられているのです。

   それほど真炎弾の多用は霊力を消耗するようです。

     ルシフェルの言霊が響いてきました。


  「 我が同志同胞達よ。皆よくやってくれた。

  我等は最期の最期にようやく神の使命を果たすことが出来たのだ!  


 これが最後の真炎弾となる。

 悔いの無いよう、主神様への愛とお詫びの念と、
 全霊力を、この地球と丑寅の金神様の魂に刻み付けよう。

  心の準備はいいかあ。では行くぞぉ!

    我等が愛を主神様にぃ、発射ああぁ~~!!


     最期のルシフェルの号令が、大海原に響き亘りました。

     そして全世界の神々と神の子が見守る中、
   遂に最期の真炎弾が大平洋に放たれました。


ヒュヒュヒュゥゥゥ~~~~、ゴオッ !!!


   轟音と共に巨大な水柱が高々と上がりました。


((( おおおおおおおおおおおお ~~~~~ !!! )))


   ドックン ・・・ ドックン ・・・ ドックン ・・・


     全世界から大歓声が響いて来ます。
      まるで地鳴りがしているようにも思えます。

     その音に混じり、地球の鼓動のような音もしています。

    これは直接魂に響いているのかもしれない。

   しかも、自分の心臓の鼓動と
  同調しているかのような感じさえ致します。

 地球という生命体が、
  新たに生まれ変わったことの表れなのでしょうか ・・・


  ただし、美しく生まれ変るということは、
  醜悪なる穢れを払拭しなければ成し得ません。

 その避けては通れない一線。

地球上に存在する、幽界の領域全てを破壊し、
地獄の業火へ投げ落とされる憐れな人間と邪神邪霊の魂。


『 主神の大経綸 』 の大節。

  地球と太陽系のアセンション計画。


     シリウス文明、神十字文明、ミロクの世の夜明けが、

         訪れようとしています。







   邪神に対する偉大な神々の愛と友情 ・・・
  御堪能頂けましたでしょうか。

 さて、小説も大詰めになります。

 邪神とその部下達の命運や如何に ・・・

  次回、『 断罪の儀 』 を、御期待ください!



( 2015年5月 当時 )

さて、私は4日5日と、一泊二日で、東京のパワースポットを巡りました。
詳細はまたの機会と致しますが、一つ印象に残ったシーンを御紹介致します。

それは、「 裏北斗七星包囲網 」の神社の一つである、
水稲荷神社を参拝した時のことです。

  以下参照 ・・・

  水稲荷神社
http://mizuinari.net/index.html





以前、北斗七星包囲網、表と裏の神社巡りをさせて頂いて以来、
二度目となりましたが、その時は境内に猫の楽園かと思われる程、
猫が拝殿前の両脇に寝そべったりじゃれあったりしていました。

 私は、今回も多くの猫に会えると期待していましたが、
 一匹も見当たらず落胆しておりました。

 その為、宇迦之御魂神 (ウカノミタマノカミ)様に、
 猫に会えるようお願いをしました。

  すると帰り際に猫の気配がありました。
  すかさず写真に収めた一枚が以下の写真です。

   招き猫です。

    挙げているのは、後足ですが ・・・




 この猫は前回でも印象に残りました。

  なんといっても、その目に強い霊気を感じるのです。

   普通の猫とはまるで違います。

    それは目が合えば分かります。
     実際合わなければ分からないでしょうが ・・・

       宇迦之御魂神様、ありがとうございました。

          皆さんも是非、御参拝を ・・・






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