シリウス日記2
始めよう
台風19号では大変な被害が飯山に出た。特に今まではあまり被害が出た事がない千曲川左岸の市街地がやられた。
千曲川右岸、木島側はそれまでに何度かひどい目に遭っているので、相当に防災意識が高い。しかし市役所を始めとして左岸市街地あたりはそれほどの被害に遭ってはおらず、まあいってみれば「あれだけの堤防があるのだから大丈夫だろう」と市役所も市民もそう思っていた訳だ。
そういう訳で、千曲川越水ではなかったが、皿川越水ー>皿川堤防決壊ー>皿川の水+千曲川からの逆流泥水の市街地側への流れだし、という訳で場所によっては2mに届くほどの浸水被害が出た。そうしてその為に家を取り壊した羽目に陥ったもの多数あり、また商売をあきらめた、店をたたんだものもでた。
皿川決壊でこれほどの被害が出るのだから、千曲川が決壊したらそれこそ「目も当てられない惨状となる」という事が今回、身に染みて了解されたのである。
そうして実は千曲川の流量は今回は最大、毎秒で8100トンであったが、これは長野市で堤防が決壊したためにその数値であって、堤防が決壊していなければ9000トンであった、とされている。
つまり、「上流で決壊が起こらなかったならば、下流で決壊が起こったであろう」と「十分な確信をもって」そう言えるのである。
さて、そういう訳で「毎秒9000トン」と言う数字はもはや「絵に描いた餅」ではなく「いつ再現されてもおかしくない数字である」という事を了解しなくてはならない。
そうであればこそ、今回の様に「市長の勝手な判断で避難勧告が発令されない」などという事が2度とあってはならず、安全サイドに決められた基準に水位が到達したならば「市民は逃げなければならない」のである。そうして、そうしなければ市役所の4階に陣取って、当面の安全を確保できている市長とは違って、我々市民は洪水によって命の危険にさらされる事になる、という事をよく認識しておく必要がある。
さて、今回の飯山水害、確かに上流域に降った多量の雨水と、飯山の西の山に降った雨水によって引き起こされた、という事は「第一要因としては」間違いはないことである。
だが、それに加えて多くの人為的なミスが被害を拡大させた、という事もまた確かな事なのである。もしこの人為的なミスがなければ、皿川堤防は決壊せず、越水だけですみ、そうしてまた千曲川からの逆流泥水が市街地に流れ出す、という事もなかったのである。
そうして、特に腹に据えかねる事は、その様な「人為的なミスを犯した面々が、そのミスを率直に認めて謝罪する」のではなく「事実を捻じ曲げた発表を行い、自分たちはせいいいぱいやった、ミスは特にない」と言うような態度を取り、その様に公言している事にある。
この事はまことに許しがたい事、この水害によって家を失ったり、商売をやめる事になった方々にすれば「はらわたが煮えくり返る事」である。
その様な事実についてはおいおい言及し、解明していく事がこの報告の一つの目的である。
それ以外にもこれほどの衆人監視の中で起こった水害、というのもまためずらしく、そのためにネット上には多くの情報が寄せられている。だが飯山市はまったくそれらを無視しており、自分たちに都合の良い、小さな視点でまとめた報告書を提示して「これで十分だ」としている。
さてそんなことはない、これらの貴重な情報を後日の為にまとめて整理しておくとはまことに大事な仕事であるはずだが、飯山市はそのような事を言うだけで何もしない。
まあそういう訳で「やり始めた事は最後までやるか」と言うのが、この報告のもう一つの目的となるのである。
追伸(2021/7/17):根拠のない市長の楽観的な判断がどれほどの惨劇をもたらす事になるのか、今回の伊豆山の惨劇がその事を明確に示している。: https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000221368.html : https://www.youtube.com/watch?v=PQuCTo4Fj50