紫苑の部屋      

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錦秋演舞場祭ー中村勘三郎奮闘

2007-10-26 15:32:25 | 観劇
演題のとおり、勘三郎大奮闘の舞台でした。
昼の歌舞伎、
丸本の俊寛、
黙阿弥の連獅子、
世話物の文七元結、
まったく違った三つの顔を演じる勘三郎、
ジュニアたちの活躍も見逃せません。
七之助の獅子の美しく凛々しいこと、ってありません。

吉右衛門の俊寛は、
誇り高い僧正の名残りをとどめて立派な面構えでした。
勘三郎の俊寛は、
騒動に巻き込まれてしまった哀れな僧正、なんですね。
見る影もなく弱々しくなってしまった、
  3人しかいない鬼界が島、
という。島民たちは、都人には人とは見なしていなかった。
でも、島民の千鳥と少将成経の仲を知り
  語るのも恋なら聞くのも恋、
となれ初めを聞きたがり、だれよりもよろこぶ。
そして、愛妻を失った自分の代わりに生き抜いてほしいと、千鳥を諭します。
千鳥はもうひとりの主人公ですね。
極限にあっても人としての誇りを失わない、
人間俊寛が滲む勘三郎はいい!
七之助の千鳥もよかったですよ。

親子三人の連獅子は、グレードアップしました。
中村屋の十八番になりました。

円朝原典の世話物が演舞場でも観れましたね。
山田洋次の手になると、江戸の寅さんね。
寅さんの観客がよーく筋道わかるように、
話を紡いであります。
手代の文七に50両がどういうお金か語るところ、
もともとあったかしら?
文七が元結の新しい考案をする、というのもあったかなー?
寅さん的歌舞伎もいいわねー。

 2007/10/23 新橋演舞場


  


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