「POTUS」は保護した。
「バンテージ・ポイント」公式
◆監督:ピート・トラヴィス ◆出演:デニス・クエイド、マシュー・フォックス、ウィリアム・ハート、フォレスト・ウィティカー、シガニー・ウィーヴァー 他【2008年日本公開】
《あらすじ》シークレットサービスのトーマス・バーンズ(デニス・クエイド)は、その日同僚のケント(マシュー・フォックス)とともに、スペインのサラマンカで開催されるテロ撲滅のための首相会談に出席するアシュトン米大統領(ウィリアム・ハート)の警護に当たっていた。そんな中、大観衆を前にスピーチ中の大統領が突然、何者かに狙撃された。パニックに陥る現場で、狙撃の瞬間を目撃したのは8人。だが、彼らの語るストーリーは食い違う。大統領暗殺事件の陰に隠された真実とは…? 黒澤明の『羅生門』の手法を取り入れて、目撃者8人の異なる視点から大統領暗殺の15分を描き出すタイムリミット・サスペンス。(cinmacafe.net)
日本人ですがクロサワの『羅生門』は見てません。
と、映画情報や批評を見るまで『羅生門』の手法を取り入れた…というのは知らなかったわけですが出典など知らなくても面白いもんは面白いんですな。
はい。
非常に面白かったです。
気になってたのに結局劇場で見ずじまいだったアタシは負け組だ!
と思うくらい面白かったです。これ大画面で見たかったなぁ。
もともと私は「ひとつの出来事(事件)を別の視点から見たスピンオフ」というのが大好物。
それをひとつの映画の中にそれも8視点もの角度から繰り返し繰り返し描く。
ところで、上記に引用した「あらすじ」は少々誤解を招く表現がある。
>狙撃の瞬間を目撃したのは8人。だが、彼らの語るストーリーは食い違う。
>大統領暗殺事件の陰に隠された真実とは…?
見る前の私もそう勘違いしていたのだが、これでは
「目撃者の誰かが(あるいはそれぞれが)どこかで嘘をついている。又は錯誤がある。真実はどこにあるのか?」
それを探るサスペンスなのかと思わされる。
そうではない。
真実はひとつだし、誰かが偽証したわけでもない。
ただ、「それぞれの視点」から同じものを見ていただけ。
構造は単純で、ミステリーのように犯人探しをするのがメインというわけではない。
ただただそれぞれの視点から見た事実だけを積み重ねて事件の核心へと入っていく。
この見せ方が見事なのだ。
繰り返される、サマランカの広場12:00。
大統領銃撃という「事件」が同じ時間に巻き戻されて別の視点から描き直されること8回。
それぞれの視点は核心に踏み込もうとした途端別の視点に移り、再び12:00からやり直し。
焦らして焦らした挙句、そのフラストレーションを一気に噴出すように畳み掛ける後半の展開。
90分の短い映画だがその間目を離すことが出来なかった。
以下ちょっとだけネタバレしとく。
主人公は大統領のSP、バーンズ。
半年前大統領を庇って重傷を負った彼は現場復帰できるまでに回復したが撃たれた恐怖心は消えていない。そのせいか、本来彼が備えている筈の不審者に対する勘に自信が持てずにいる。
そんな彼が非常時に身を置いて走っている間に本来の優秀なSPの姿を取り戻していく。
ってーかこの大統領SP無敵すぎるだろう(爆)!!
無敵といえばビデオを回していた観光客・ハワード。
ただの中年のおっさんの癖に、全力で犯人を追いかけるSPの後を追跡したり車道に飛び出して車に轢かれそうな女の子を救出したり、あんた何者だよ(爆)。
テロリスト集団の作戦の緻密さもさることながらそのハイテク犯行が可能ならものすごいことが出来てしまうんじゃないかと空恐ろしいのだけど(笑)
重要メンバーじゃないと思われる仲間はさっさと殺してしまったりと目的を達成するためには非情に徹している彼ら。その彼らが車の前に飛び出した少女の姿を見て思わずハンドルを切って横転してしまう。
決してテロリストを肯定するわけではないが、相手も感情の無い非情な怪物ではなく、どんなに計算高くても一瞬の判断では人の命を優先させてしまう、そんな「人間」なのだということをそのひとつの場面だけで表現してしまっているのも上手いな。
そうそう、大統領も不死すぎ(大笑)。
結論、個々のアメリカ人登場人物は無敵すぎだが大統領の警護自体は穴だらけすぎ。テロ集団に裏かかれすぎ(笑)。あれじゃ大統領命と替え玉がいくつあっても足りません。
「バンテージ・ポイント」公式
◆監督:ピート・トラヴィス ◆出演:デニス・クエイド、マシュー・フォックス、ウィリアム・ハート、フォレスト・ウィティカー、シガニー・ウィーヴァー 他【2008年日本公開】
《あらすじ》シークレットサービスのトーマス・バーンズ(デニス・クエイド)は、その日同僚のケント(マシュー・フォックス)とともに、スペインのサラマンカで開催されるテロ撲滅のための首相会談に出席するアシュトン米大統領(ウィリアム・ハート)の警護に当たっていた。そんな中、大観衆を前にスピーチ中の大統領が突然、何者かに狙撃された。パニックに陥る現場で、狙撃の瞬間を目撃したのは8人。だが、彼らの語るストーリーは食い違う。大統領暗殺事件の陰に隠された真実とは…? 黒澤明の『羅生門』の手法を取り入れて、目撃者8人の異なる視点から大統領暗殺の15分を描き出すタイムリミット・サスペンス。(cinmacafe.net)
日本人ですがクロサワの『羅生門』は見てません。
と、映画情報や批評を見るまで『羅生門』の手法を取り入れた…というのは知らなかったわけですが出典など知らなくても面白いもんは面白いんですな。
はい。
非常に面白かったです。
気になってたのに結局劇場で見ずじまいだったアタシは負け組だ!
と思うくらい面白かったです。これ大画面で見たかったなぁ。
もともと私は「ひとつの出来事(事件)を別の視点から見たスピンオフ」というのが大好物。
それをひとつの映画の中にそれも8視点もの角度から繰り返し繰り返し描く。
ところで、上記に引用した「あらすじ」は少々誤解を招く表現がある。
>狙撃の瞬間を目撃したのは8人。だが、彼らの語るストーリーは食い違う。
>大統領暗殺事件の陰に隠された真実とは…?
見る前の私もそう勘違いしていたのだが、これでは
「目撃者の誰かが(あるいはそれぞれが)どこかで嘘をついている。又は錯誤がある。真実はどこにあるのか?」
それを探るサスペンスなのかと思わされる。
そうではない。
真実はひとつだし、誰かが偽証したわけでもない。
ただ、「それぞれの視点」から同じものを見ていただけ。
構造は単純で、ミステリーのように犯人探しをするのがメインというわけではない。
ただただそれぞれの視点から見た事実だけを積み重ねて事件の核心へと入っていく。
この見せ方が見事なのだ。
繰り返される、サマランカの広場12:00。
大統領銃撃という「事件」が同じ時間に巻き戻されて別の視点から描き直されること8回。
それぞれの視点は核心に踏み込もうとした途端別の視点に移り、再び12:00からやり直し。
焦らして焦らした挙句、そのフラストレーションを一気に噴出すように畳み掛ける後半の展開。
90分の短い映画だがその間目を離すことが出来なかった。
以下ちょっとだけネタバレしとく。
主人公は大統領のSP、バーンズ。
半年前大統領を庇って重傷を負った彼は現場復帰できるまでに回復したが撃たれた恐怖心は消えていない。そのせいか、本来彼が備えている筈の不審者に対する勘に自信が持てずにいる。
そんな彼が非常時に身を置いて走っている間に本来の優秀なSPの姿を取り戻していく。
ってーかこの大統領SP無敵すぎるだろう(爆)!!
無敵といえばビデオを回していた観光客・ハワード。
ただの中年のおっさんの癖に、全力で犯人を追いかけるSPの後を追跡したり車道に飛び出して車に轢かれそうな女の子を救出したり、あんた何者だよ(爆)。
テロリスト集団の作戦の緻密さもさることながらそのハイテク犯行が可能ならものすごいことが出来てしまうんじゃないかと空恐ろしいのだけど(笑)
重要メンバーじゃないと思われる仲間はさっさと殺してしまったりと目的を達成するためには非情に徹している彼ら。その彼らが車の前に飛び出した少女の姿を見て思わずハンドルを切って横転してしまう。
決してテロリストを肯定するわけではないが、相手も感情の無い非情な怪物ではなく、どんなに計算高くても一瞬の判断では人の命を優先させてしまう、そんな「人間」なのだということをそのひとつの場面だけで表現してしまっているのも上手いな。
そうそう、大統領も不死すぎ(大笑)。
結論、個々のアメリカ人登場人物は無敵すぎだが大統領の警護自体は穴だらけすぎ。テロ集団に裏かかれすぎ(笑)。あれじゃ大統領命と替え玉がいくつあっても足りません。
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