
アンパンマンで引っ張るね。引っ張るよ。もう少し。
アンパンマンミュージアム。やなせさんの原画に本人の注釈を入れたモノが、ズラリと飾ってある。アンパンマンの生い立ちから、キャラクター誕生秘話などなどが、本人の言葉によって述べられている。
これ、全部読むと結構時間がかかるよ。
これを読めば、ロールパンナちゃんの秘密が、ロールパンナちゃんというキャラクターに込められたやなせたかしの想いがわかるはずだ。
うん、なるほど。なるほど。やっぱりね。そういうことだね。
「誰でも良い心と悪い心があり
二つの心は揺れ動いている
これはごく普通
ありきたりの性格」
いい者と悪者の性格をハッキリさせなければならないファンタジックな世界に、作者が織り交ぜる「現実」という「要素」が、ロールパンナちゃんだと。
でもきっと、それはこういうことでもある。
ファンタジックな世界に、唯一の「現実」として放り込まれたロールパンナちゃんの悲哀。
だって、悲しいじゃないか・・・自分だけが現実だなんて。
そして、その「現実」をやなせたかしは「孤高」として描く。これはやなせたかしの優しさなのかもしれないな。理想通りに生きられない人間という存在に対する、優しさなのかもしれない。それでも強く生きろというメッセージなのかもしれない。迷いながら、間違いながら、揺れながらも、気高く生きろというメッセージなのかもしれないな。
そんなわけで、アンパンマンをほば知らない僕が語る、アンパンマン講座は終わりだよ。
結論は、ロールパンナちゃんは裏の主役だということ。どう考えても、そうとしか思えないんだもの。やなせさんの絵画を観ているとね。
アンパンマンファンの方々から、異論反論多々あるとは思いますが、そういったものは一切受け付けませんので、ご了承ください。
最後にやなせさんの言葉を。
「作者のぼくはとても困った
ロールパンナのような
影の深いキャラクターを
なぜぼくは作ったのだろう
それはぼくにもわからない」
おわり。
