むかしむかーしのアマチュアミュージシャンは、みーんな、4トラックのマルチトラックレコーダーを使ってレコーディングをしていた。むかしむかーしの話だけどね。
4トラックとはなんぞや?
カセットテープを使う。プロはオープンリールを使うが、アマチュアはカセットテープを使う。
カセットテープにはA面とB面がある。それぞれがステレオだから、合わせると2×2で4になる。
4トラックのマルチトラックレコーダーとは、カセットテープのA面とB面をいっぺんに一方向に動かす。・・・まぁ、わかりにくいやね。
とにかく、4個の音を別々に録音出来る機械。それが4トラックのマルチレコーダー。
逆に言うと、4個の音しか録れない。
ドラムとベースとギターとボーカル。これで4個。はい、おしまい。これで4トラック。
8トラックとは8個の音。16トラックは16個の音。24トラックは・・・。
アマチュアは4個の音しか録れない。昔はね。
だがしかし、アマチュアといえども、4個では足りない。ギターは一本じゃ足りないし、アコギとエレキを入れたいし、ギターソロだって入れたいし、コーラスだって二本くらい入れたいし・・・なのである。
音楽とは、そうやって出来ていくのである。普通は。
4個じゃ足りない。ではどうするか?
こうする。
まず、ドラムとベースとバッキングのギターを録音する。3トラック消費。つまり3個消費。残り1個しかない。さてどうする?
こうする。
残り1個に録音済みのドラムとベースとバッキングのギターをまとめてしまうのである。3個が1個になったから、あら不思議、残り3個になるのである。次に、バッキングのアコギを録音して1個消費。キーボードを入れて1個消費。再び残り1個。
さきほどの要領で、消費した二個を1個にまとめる。再び残り2個になる。
コーラスを入れて、コーラスの合間にギターソロを入れて1個消費。最後の1個にボーカルを入れて完成。
わかるかな?4個が7個になったんだよ。たとえば、最初に合わせた3個と次に合わせた2個をまとめれば、5個が1個になるわけだから・・・とやっていけば、無限になったりもするのだよ。
だがしかし、カセットテープは伸びるのである。カセットテープが伸びると音がグニョングニョンになってしまうのである。重ねすぎるとグニョングニョンな音源になってしまい、もうそれは、むしろ、作品とは呼べない。
そして、さらに、まとめてまとめてと言ったが、まとめる時に決めたそれぞれの楽器の音量のバランスは、二度と変えられない。つまり、ドラムとベースとギターを入れたトラックの音量、ドラムの音量だけを大きくしたくても、ドラムを大きくするとベースもギターも一緒に大きくなるという面白い事態になるのである。
無理だよ、そんなの。グニョングニョン、バランス滅茶滅茶音源作成機。それが4トラックのマルチトラックレコーダーなのである。
だがしかし、むかしむかーしは、みーんな、そうやって音楽を作っていたんだよ。そう、血と汗と涙の結晶。それが4トラックのマルチトラックレコーダー音源。
話は今に戻って。
先日、昔の音源を探して扉がぶっ壊れたラジカセで再生したという話を書いた。
その音源は、みーんな、4トラックのマルチトラックレコーダーで作成した音源なのである。
相当笑える。笑えるが、同時に、泣ける。すごく泣ける。
あの頃の自分がいたから、今の自分がいると、強く思えたりして、また笑える。
40万円する8トラックのカセットテープのマルチトラックレコーダーを僕が買うのは、ずっと後のことである。
16トラックのデジタルのマルチトラックレコーダーがたった30万円で買えるようになるのは、さらに後のことである。
そして、今は無限トラックのパソコンソフトでレコーディングをしている。ドラムだけで16トラックを消費したりしている。ギターを8本重ねたり、コーラスだけで8トラック使ったり・・・。
今は今、昔は昔。
そして、僕が探して見つけて聴いた音源は、昨日の話の続き・・・ロンドン宛に書いた手紙に同封したカセットテープに録音した、その曲だったのである。
「Dear somebody」というアルバムに収録された「ロンドンの友へ」。
つづく。
8/26(土) 下北沢lown
「月に向かって吠えるライオン」
sing from trash box jam)
open 18:00 start 19:00
ticket 2500yen plus drink
4トラックとはなんぞや?
カセットテープを使う。プロはオープンリールを使うが、アマチュアはカセットテープを使う。
カセットテープにはA面とB面がある。それぞれがステレオだから、合わせると2×2で4になる。
4トラックのマルチトラックレコーダーとは、カセットテープのA面とB面をいっぺんに一方向に動かす。・・・まぁ、わかりにくいやね。
とにかく、4個の音を別々に録音出来る機械。それが4トラックのマルチレコーダー。
逆に言うと、4個の音しか録れない。
ドラムとベースとギターとボーカル。これで4個。はい、おしまい。これで4トラック。
8トラックとは8個の音。16トラックは16個の音。24トラックは・・・。
アマチュアは4個の音しか録れない。昔はね。
だがしかし、アマチュアといえども、4個では足りない。ギターは一本じゃ足りないし、アコギとエレキを入れたいし、ギターソロだって入れたいし、コーラスだって二本くらい入れたいし・・・なのである。
音楽とは、そうやって出来ていくのである。普通は。
4個じゃ足りない。ではどうするか?
こうする。
まず、ドラムとベースとバッキングのギターを録音する。3トラック消費。つまり3個消費。残り1個しかない。さてどうする?
こうする。
残り1個に録音済みのドラムとベースとバッキングのギターをまとめてしまうのである。3個が1個になったから、あら不思議、残り3個になるのである。次に、バッキングのアコギを録音して1個消費。キーボードを入れて1個消費。再び残り1個。
さきほどの要領で、消費した二個を1個にまとめる。再び残り2個になる。
コーラスを入れて、コーラスの合間にギターソロを入れて1個消費。最後の1個にボーカルを入れて完成。
わかるかな?4個が7個になったんだよ。たとえば、最初に合わせた3個と次に合わせた2個をまとめれば、5個が1個になるわけだから・・・とやっていけば、無限になったりもするのだよ。
だがしかし、カセットテープは伸びるのである。カセットテープが伸びると音がグニョングニョンになってしまうのである。重ねすぎるとグニョングニョンな音源になってしまい、もうそれは、むしろ、作品とは呼べない。
そして、さらに、まとめてまとめてと言ったが、まとめる時に決めたそれぞれの楽器の音量のバランスは、二度と変えられない。つまり、ドラムとベースとギターを入れたトラックの音量、ドラムの音量だけを大きくしたくても、ドラムを大きくするとベースもギターも一緒に大きくなるという面白い事態になるのである。
無理だよ、そんなの。グニョングニョン、バランス滅茶滅茶音源作成機。それが4トラックのマルチトラックレコーダーなのである。
だがしかし、むかしむかーしは、みーんな、そうやって音楽を作っていたんだよ。そう、血と汗と涙の結晶。それが4トラックのマルチトラックレコーダー音源。
話は今に戻って。
先日、昔の音源を探して扉がぶっ壊れたラジカセで再生したという話を書いた。
その音源は、みーんな、4トラックのマルチトラックレコーダーで作成した音源なのである。
相当笑える。笑えるが、同時に、泣ける。すごく泣ける。
あの頃の自分がいたから、今の自分がいると、強く思えたりして、また笑える。
40万円する8トラックのカセットテープのマルチトラックレコーダーを僕が買うのは、ずっと後のことである。
16トラックのデジタルのマルチトラックレコーダーがたった30万円で買えるようになるのは、さらに後のことである。
そして、今は無限トラックのパソコンソフトでレコーディングをしている。ドラムだけで16トラックを消費したりしている。ギターを8本重ねたり、コーラスだけで8トラック使ったり・・・。
今は今、昔は昔。
そして、僕が探して見つけて聴いた音源は、昨日の話の続き・・・ロンドン宛に書いた手紙に同封したカセットテープに録音した、その曲だったのである。
「Dear somebody」というアルバムに収録された「ロンドンの友へ」。
つづく。
8/26(土) 下北沢lown
「月に向かって吠えるライオン」
sing from trash box jam)
open 18:00 start 19:00
ticket 2500yen plus drink