まわる世界はボーダーレス

世界各地でのビジネス経験をベースに、グローバルな視点で世界を眺め、ビジネスからアートまで幅広い分野をカバー。

世界は最前線で働くヒーローたちへの感謝にあふれている

2020-05-02 17:13:04 | 新型コロナウィルス

世界はまだまだ新型コロナが蔓延しています。いくつかの国や地域でロックダウン解除の動きが出てきましたが、日本をはじめ、多くの国で感染は続いています。今年、私たちは、人種や、政治や、文化や、宗教や、貧富の差に関係なく、グローバルに、平等に、パンデミックという人類共通の経験をしています。世界中で、誰もが、同じ経験を共有しています。未知の感染症への恐怖、検査、治療、防疫、ソーシャル・ディスタンシング、手洗い、家にいること、など、世界中で、みんな同じことを行い、同じことを感じ、不安や悲しみ、恐怖、絶望、疎外感、孤独、倦怠感などを感じてきました。

一方で、このような状況の中にあって、医療従事者や、社会インフラを支える人々、日常生活を支える人々への感謝を表明することも、世界中で広まっています。この三月から四月の間に、世界各地で、数々のアクションが行われていました。欧米で始まった、医療従事者への感謝の拍手は、世界中に広まり、最近では日本でもあちこちで行われるようになっています。

先日、糸井重里さんが、「自粛の中でも止まれない仕事の人はいるのでその人達にいつでも感謝しようと自分に約束した」とお話しされていました。「人間は感謝と恐怖は同時には感じることは出来ない」ということで、感謝している間は、恐怖から解放されるのだそうです。不安な状況の中で、精神の健康バランスを保つためにも、感謝することは重要なのかもしれません。また、自分は、一人で勝手に生きているのではなく、実は、非常に多くの人々の助けがあって生存できているのだという謙虚な気持ちになることも大切です。パンデミックは実はそういうことも私たちに教えてくれているのだと思います。

感謝を表明するための、映像コンテンツもかなりの数が作られていて、YouTubeには夥しい数の動画がアップされています。日本では、あまり紹介される機会がないのですが、ここでいくつかご紹介しておきたいと思います。

1) グーグルの”Thank you, healthcare workers”



グーグル検索で、「医療従事者の助けになる方法」、「感染拡大のグラフを平らにする」、「病院を助ける方法」、「医療品を寄付するには」、「看護婦や医者の助けになるには」など、かつてなかったワードで検索が増えていると語り、医療従事者への感謝をアピールするとともに、家にいて感染拡大に協力することが最大の貢献であると伝えています。

2)Film Jamsの「無名のヒーローたちへのトリビュート」



Film Jamsという映像制作をメインにする組織が作ったコンテンツですが、ストレートに、「無名のヒーローたち」を表現しています。医療従事者だけでなく、実に様々な人たちが頑張っているというのがよく伝わってきます。

3)ニュージャージーの病院でのヒーロー・パレード



アメリカの各地の病院でヒーロ・パレードというのが行われていますが、こちらの動画はニュージャージーの病院でのもの。何台もの車が病院の前を通り、医療関係者に感謝のメッセージを伝えます。単純なのですが、感動してしまいますね。

4)ニューヨークのランナーズ・コミュニティー



ニューヨークのランナーたちが、医療関係者や、警察など、市民生活を守ってくれている人たちに感謝を表明しています。ランナーたちは、普段、そのような人たちに応援されているのですが、今回は逆に、彼らから最前線で戦うヒーローたちを応援しています。

5)シンガポールのローレンス・ウォン国家開発相の演説



こちらは3月25日の、シンガポールの国会での演説で、学校閉鎖など厳格な封じ込め対策を行うことを発表するのですが、最後の方で、最前線で頑張っててくれている従事者に感謝を表明する場面で、感極まって、言葉に詰まり、涙を流してしまいます。意図的な演出ではないのですが、これが感動を呼び、シンガポール人のほとんどは、政府への信頼感をさらに強めたのではないかと思います。おそらく伝説に残るワンシーンだと思います。

5)クィーンの”You Are the Champions”




最後にクィーンです。”We Are the Champions”を、途中から、”You Are the Champions”に変えて、医療従事者への感謝を伝えます。それぞれ別々の場所にいて(中央のアダム・ランバートはアメリカのロス、左右のブライアン・メイとロジャー・テイラーはイギリス)、録音はスマホで行ったというもの。通常、彼らのコンサートの最後に歌う曲ですが、”We”を”You”に変えるところが見事です。


これ以外にも、沢山映像はありますが、感謝し、また感謝を返すというのは、スポーツ大会での「エールの交換」のようで、世界の空気が浄化されていく気がします。新型コロナの薬やワクチンを求めて、世界中で対応が続いていますが、ひょっとしたら、このような「感謝の心」というのが、人類にとって一番の特効薬なのではないかとさえ思います。早くパンデミックが終息することを祈っております。
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