カメラを片手に

今年も第75回正倉院展へ行こう!

今朝は22.7℃迄下がり、朝の内晴れていたが10時過ぎから曇りはじめ、その頃
に最高気温28.5℃とり、午前11時前には激しい雷雨が襲い、降ったり止んだり
を繰り返し午後4時過ぎには止んだ。総雨量は40㎜を越え、涼しい。
      10時半、27.7℃、74%

NHKラジオ深夜便・今日の誕生日の花はタデ科の「ソバ・蕎麦」の一年草
中国雲南省原産で、縄文後期には伝来し、荒れ地でも80日ほどで栽培できる
ことから5世紀から救荒食物として栽培されてい る。
 高さは60cm前後で、茎は中空の円柱形で直立して分枝して、少し紅色を帯び
、葉は心臓形で先は尖り、托葉は短く膜質の鞘状になる。
茎の先端に総状花序を出し、6mmほどの花を多数つける。花の色は白、淡紅、
赤、茎の色は緑、淡紅、濃紅で、鶏糞肥料のような臭いを放つ。
果実の果皮色は黒、茶褐色、銀色である。
花言葉は可憐で清楚な花姿から 「あなたを救う」
      

先日の奈良学セミナーは「今年も正倉院展へ行こう!
講師は奈良国立博物館・学芸部長「吉澤 悟」さん
      

第75回正倉院展」は10月28日(土)~11月13日(月)17日間会期中は無休
今年は1時間早く始まり、8:00~18:00(金土日祝は20:00)大人2000円だが、
夕方のレイト券は500円引き。
  *開催初日と最終日13日(月曜日)が意外にも空いているとの情報
事前予約制で、日時指定券を購入(ローソン以外にネットでも可となる)
最大の入場者は27万人だったが、今年は約半分に抑えているそうです。

正倉院宝物について
  北倉 聖武天皇の遺愛品
  中倉 東大寺の宝物(献物品など)、武器、武具、文具類、古文書
  南倉 東大寺の宝物(法会用具など)

地上2.7mの高床式・校倉造り

正倉院宝物の成立
 1.聖武天皇の遺愛品の献納
  ・天平15年(743)      毘盧遮那仏造立の詔
  ・天平勝宝4年(752)4月9日  大仏開眼会
  ・天平勝宝8年(756)5月2日  聖武天皇崩御
            6月21日  遺愛品を大仏に献納
    『国家珍宝帳』『種々薬帳』・・・1.2回目の献納品目録
国家珍宝帳、願文

最後は

 2.皇室や貴族による様々な献納
   大仏開眼会の際に献納されたもの
    刀子、帯、偑飾品、数珠、ガラス器、銀器、犀角坏、瑠璃坏など

 3.東大寺の什物
  ・南倉の大仏開眼会の関連品、仏具類、楽器類、伎楽装束
  ・中倉の写経所文書や献物箱、献物凢

正倉院御物の特徴
 ①宝物の点数が多く、種類・内容が多岐にわたる
 ②人々の生活に関わる品が豊富である
 ③保存状態の良く、土中品にない価値がある 
 ④工芸品の素材が豊富であり、工芸技法も多岐にわたる
 ⑤国際性が豊かである
 ⑥玄宗皇帝、聖武天皇、東大寺という8世紀東アジアの最高峰の関連品。

75回正倉院展の概要
 各蔵の出陳件数:北倉9件、中倉24件、南倉23件、聖語蔵3件・・計59件

  *聖語蔵とは、東大寺塔頭「尊勝院」の経蔵が、収納の経巻とともに皇室
   に献納されたもので,隋経や唐経および奈良・平安・鎌倉の古写経その他
   を含む約5000巻の経巻、正倉院の東宝庫に納められている。  

北倉『九条刺納樹皮色袈裟』刺し子縫いの袈裟・・・ 聖武天皇遺愛の袈裟。
不定型な平絹を刺し縫した特殊な製法で、同時にこれを包む布も展示され、
当時の物差し(象牙製)は、唐尺で29.7㎝とお聞きした


文様の色合いから樹皮色と称される。
      

国家珍宝帳の冒頭に👇記載される。
      

北倉『犀角杯・さいかくのつき』サイの角のさかづき、 蓮弁形の杯。
光を当てるとオレンジ色に。平安時代に持ち出され、売られたが元に戻る
角の内部を刳り抜いて作られ、茶褐色に白い斑が混じる色調から、インド
イッカクサイの角を用いていると推定されている。

  
 犀角は工芸品の材料として多く用いられるが、種々薬帳にも見えるように
 薬物としても珍重され、解熱・解毒の効能をもつ。熱で伸びる
      

北倉『鳥草夾纈屏風・とりくさきょうけちのびょうぶ』板じめ染めの屏風
国家珍宝帳記載品で夾み染めで草花・オナガドリ・蝶を表した屏風の画面。
六曲屏風が10畳献納され、10扇分伝来する。
        3扉        4扉
      

南倉『楓蘇芳染螺鈿槽琵琶・かえですおうぞめらでんのそうのびわ』
 異国的要素 
  ・四弦琵琶の起源はペルシャ
  ・中国・隋唐時代に盛んに用いられた
  ・唐風の号かな装飾と画風がみられる
 日本的要素 
  ・本体は楓(かえで)を用い、蘇芳(すおう・染料)で染め紫檀風に仕上げた
  ・螺鈿にヤコウガイ(南洋の貝)だけでなく、アワビも使用される
  ・捍撥(かんばち)の絵に国産の鉛(純度が低い)が使用される

長梨形の胴と曲がった頚を持つ四絃の琵琶。螺鈿や玳瑁を用いて飾り、捍撥
〈かんばち〉には白象に乗って楽器を奏でる人物を描いた革を貼る。
正倉院宝物の螺鈿で、唯一アワビ貝が用いられ、日本製の可能性が高い。
 
      

美しく装飾された琵琶で、「東大寺」との刻銘がある。 
       

南倉『唐古楽 安君子半臂 あんくんしのはんぴ』袖の短い舞台衣装
 唐古楽の安君子に用いられた袷仕立ての袖の短い胴着。
 表裂は緑地葡萄唐草文様の錦で、裏裂には赤絁を用いる。
 下部に襴(らん)と呼ばれる襞のある裾飾りが付く。
      
葡萄にツタ模様が・・・
      

中倉『布作面』布製の仮面
 あご部分に裂けめがあり、横笛を差し込んで吹く
      

中倉『雑色瑠璃』色ガラスの飾り玉、トンボ玉とも呼ばれ仏像を飾る瑠璃玉
ネックレスは古墳時代のみで、奈良時代は色ガラス玉を飾る
熱いうちにねじれを入れている

      
南倉『平螺鈿背円鏡・へいらでんはいのえんきょう』螺鈿飾りの鏡
 背面を螺鈿(貝殻片で文様を表す装飾技法)で華やかに飾った大型の銅鏡。
 正倉院には螺鈿飾りの鏡が北倉・南倉合わせて9面伝わるが、本鏡はその中
 でも大型で、デザイン性も高い優品。
 唐(中国)製と推定され、各地の珍しい材を用い、高度な技術を尽くして仕
 上げられた、歴史上最高峰の鏡の一つ。
      

 ヤコウガイと琥珀(こはく)で花心や花弁、葉の中心には赤い琥珀を嵌め、
 文様の間地は黒い樹脂様の物質に水色や白色、緑色のトルコ石の細片を散り
 ばめるなど、大変豪華なつくりである。
      

中倉『碧地金銀絵箱・へきじきんぎんえのはこ』
 床脚を付け、箱内に内張を付した箱。
 外面は明るい碧色(青色)の地に金泥と銀泥で花枝をくわえた鳥や蝶を描き  
 蘇芳色(暗い紫色)の縁に金色の小花文をあしらう。
 内張には花や鳥を織り表した錦を用い、仏への献物を納める
       

南倉『刻彫梧桐金銀絵花形合子・こくちょうごとうきんぎんえのはながたごうす
花形のふたで、長花形にかたどった脚付き容器。多分薬入れと思われる
蓋は半肉彫りで宝相華をあらわし、金銀泥で花弁などの細部を描く。
底裏には中央に「戒壇」の墨書がある。脚は後世の新補で元に少し残る。
      

南倉『紫檀小架・したんのしょうか』台付きの架け具、先生は掛軸など巻物状
 のものを架けた可能性が高いと。 
 横長六角形で床脚の付いた基台の上に紫檀製の鳥居形を立て、鳥居形の柱の
 前後に上下各一対の象牙製の鉤形突起を取り付ける。
 基台はカキ材製で天板上面の中央部分にシタンの板を貼り、周囲に金箔を押
 した上に薄い玳瑁を貼り重ねる。
 基台の側面は象牙の界線で十の区画に分け、各区画内には紺・紅で染め分け
 て四弁花文を表した象牙の板を置き、周囲を木画で囲むなど、高級材を贅沢
 に用いた逸品である 
      

中倉『正倉院古文書正集 第七巻』良弁や道鏡にまつわる自筆文書
      良弁
 
      道鏡(今様に書く)

中倉『青斑石鼈合子・せいはんせきのべつごうす』スッポン形のふたもの
 鼈(べつ・スッポン)の形をした合子。
 蛇紋岩製で鼈の形を彫り出して蓋として、腹の部分に八稜形の皿が収まる
 鼈の両眼は深紅色の琥珀をはめ込んでいる。
 突き出た口先や爪の長い四肢、柔らかみのある甲羅の表現は写実的で、
 動物彫刻としても優れている。 
      

 甲羅には、北斗七星を反転した形が金と銀で描かれ、鼈のような亀類や北斗
 七星は古来より神聖視されることから、仙薬を入れる容器だったとする説も


南倉『赤地鴛鴦唐草文錦大幡脚端飾・
    あかじおしどりからくさもんにしきのだいばん』幡の下端につけた飾り
 天平勝宝9歳(757)、前年に崩御した聖武天皇の一周忌斎会が営まれた。
 本作はこの儀式に用いられた灌頂幡という旗から下がる幡脚の下端につけ
 られていた飾りである。
 この灌頂幡は復元すると全長約15メートルという長大なもので、本品は
 幡脚の端につけられた飾りだが、実に大きい。
 この赤地の錦では蓮華唐草に乗る一対のオシドリが華麗に表されている。
 

南倉『紅赤布』上総国の調布(正倉院HPで検索するも写真が見つからない)
  書置きで、一周忌の法要で大仏殿の上敷きと・・・

中倉『漆六角厨子基趾椊・うるしろっかくのずしのきしほぞ』
 奈良時代に製作された厨子の部材が伝わったもの
 平面が長六角形で、屋根が付いた形の厨子を構成していた       

その他にもいろいろあり、是非訪れてください。
奈良国立博物館も含め、博物館は国からの交付金が削減されており、一番
苦しいと言われるのは奈良博、仏像修理だけでは生き残れません。
自ら運用費や修理費など調達しなければならず、一番の稼ぎ頭の展覧会に
頼る部分が大です。

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