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スケートの上手いチビがいる

昨日「アイクリの会員継続を悩む」などと言っていたら夕方犬の散歩の直前に
「高橋大輔 アイスダンスに転向」の驚きのニュースが飛び込んできました。

犬を待たせてとにかくスケオタ仲間に急いでメール!
と思ったら、考えることは同じでいろんな人からメールがガンガン届きました。

タイトルに挙げた「スケートの上手いチビがいる」
この言葉に反応してくれる人、少しはいると思います。
大ちゃんガラスのハート時代、ここぞという時にチキンだったとか、「そんなバナナ・・・・」という試合結果だとかの頃、どれだけこの言葉が支えになったことでしょう。
大昔の海外遠征で海外の某アイスダンス選手が言ってくれた言葉です。

私はフィギュアスケートは4カテゴリ、いや、シンクロもあるから5つでしょうか、全部好きです。
地方のブロック大会へ行くとシングルの参加選手の多さに対してペアやアイスダンスの参加者のあまりの少なさにめまいがします。日本の競技環境(通年使用できる、一般利用者がいない、カップル競技者が一緒に滑走できる十分な広さ、などの絶対数の不足)、アイスダンスやペアの知名度、また日本の文化背景(男女が密接して踊ることにまだ少なからず抵抗がある)を憂い、切ない溜息をつくんですが、、、
えんえんと続く(ほんとに、ジュニア・シニア合わせるとえんえん、という言葉しか出てこない)シングルのSPを観ているうちに(ここでかなりの足切りがあるので、フリーに行けない選手を思うと観ているこちらもマラソンレース並みですがSPは全部観ないとならない)、、、睡魔と戦うこともしばしばの、大勢のシングル選手の中に、、、
キャーこの子、ペアにちょうだい!だとか、スケートがめっちゃうまい子とか、踊りだけは異様に凄い子とか、いるんですよ。

本気で「この子はペアに行ったら、とかダンスに行ったらちゃうんちゃう?」、って思う選手を観戦していて、でもジャンプが凄く飛べてしまうと「あー、こりゃー、本人はともかく周りは絶対に離さんわー」って、カップル競技ファンとしては忸怩たる思いというか、羨望のまなざしで眺めて終わる感じでした。あれだけ人材の宝庫なのに!!!!!

いろいろな選手を観てきましたが、実際にペアやダンスに行った子もいれば、シングルで大成して選手権クラスで国際的に大活躍した子もいます。中には「これだけ背が伸びちゃうと、日本ではパートナー探しが大変だったかもしれないね(涙))」という絶対ペアに行って欲しい!と思った選手も。今時の日本の子はしゅっと背が高いからさー。

今回の大ちゃんのアイスダンス転向、もちろんこれは高橋大輔ファンとしても、アイスダンスファンとしても、とても喜ばしいことだと思います。
年齢や体力についての不安や身長面、リフトはどうなのか?などの不安は勿論あるし、「大ちゃんのジャンプが見られなくなるなんて悲しい」というファン仲間の声も十分理解できます。

でも。これだけの実績や知名度があり、そして人気の高い彼がアイスダンスに転向することで、少しでもアイスダンスに興味を持つ人が出てきてくれればいいなと思います。
初めからカップル競技に魅せられてこのカテゴリに進む子も中にはいるでしょう。
でも大半の子はまずシングルからスタートし、どこかでカテゴリを選択するので、その選択肢に幼いころから「ダンスっていいな」(ペアも。。。)というのが、少しは増えてくれることを祈ります。
もちろん、年齢の高い人がアイスダンスに挑戦する・転向することの励みにもなってほしい。

これまでもシングルでシニアの選手権クラスまで行ってから、カップル競技に転向して結果を残してきた選手は大勢いますが、ほとんどが「あと何年続けられるか、あと4年か8年か(五輪のサイクル)」、ここが決断ぎりぎり、みたいな感じです。ここまで年齢が上がってから、しかもシングル選手としてのあれだけの実績を上げ、さらに一度引退してからのダンス転向は非常に珍しいケースです。というか私は初めて聞きました。ペアならともかく、ダンスはスケート靴から違いますしね。

だからこそ、心から応援したいです。また、村元哉中選手も、せっかくダンスに転向したけれどここでキャリアを終わらせてしまうのはあんまりだ、これからじゃないの!と思っていたのでとても嬉しい。

こと、滑ることに関しては全く不安はないし、ダンスする、踊るということは期待しかない。今から何を見せてくれるのか、楽しみしかないです。
あとはアイスダンスとしてのスケーティングレベル向上・組んで踊る・滑る・怪我・体力についての不安。怪我や事故は一人で滑っていることの単純に2倍ではなく、4倍にも5倍にも上ります。
ペアもリフトが大変だけれど、腕をまっすぐ伸ばして支えることが多いペアに対して、非常に不自然な位置で女性を支えるダンスリフトも逆に大変。(くっそー、これなら、私が一番好きだったころのルールのダンスリフト時代に転向してほしかったぜ、、、って、そのころは大ちゃんはスケートやってたかどうかもわからん!)
でもね。
まあ哉中ちゃんは今時の子らしく、ワタシらが子供の頃と違って女子の平均身長も伸びているから、簡単に比較はできませんけども。
私はバレエ界で、日本人で決して身体的資質・スタイルがずば抜けているとは言い難い男性ダンサーが、海外へ渡ってプリンシパルを経て、今では著名な芸術監督になっている例を少なくとも二人は知っています。ソリストになった人も大勢います。彼らははっきり言って、トゥで立ったら彼らより背が高い、そして日本のきゃしゃな子と違って骨格からして「グーで殴られただけで負けるだろ」みたいな女子をしっかりリフトしていましたよ。そのキャリアの大半を。
運動量で言ったら、5分近く全力疾走以上の体力を使い、遠心力のかかった状況でぶんぶんリフト(しかも変な位置で女子を支えている)するアイスダンスとバレエは単純に比較できませんが、決して無謀なことではないと思いますね。

スケートの上手いチビがいる。
そう言ったかつてのアイスダンサーも、それを聞いて嬉しそうに語っていたあの方も、そしてその言葉を励みに大ちゃんガラスのチキンハート時代を見守ってきた私たちも、今幸せをかみしめているんじゃないでしょうか。遠い世界のどこかで。天国で。

ちょっと夢が叶ったかな。
大ちゃんのジャンプも好きなのですが、あの滑りそのものとダンスを、えんえん観ていたい、、、「ジャンプ、いらんわなー」って、正直そう思ったあの日の夢が。大ちゃんのコンパルソリーを観てみたいと思ったあの夢が。。。


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