文責 前田秀一 プロフィール
アゼルバイジャンの首都バクーで開催される第43回世界遺産委員会(6月30日~7月10日)において、
いよいよ「百舌鳥・古市古墳群」の世界文化遺産登録決定が迫ってきました!
<講演の要旨>
◆朝鮮半島で弥生土器や土師器の出土が確認されており、弥生時代から古墳時代にかけ石器や土器に勝る先端素材「鉄」を求めて倭人が海を渡って交流し、特に、鉄を媒介した国際交易は金官加耶において展開されていた。
◆古墳時代の中期(百舌鳥・古市古墳時代)に至ると、高句麗の南下政策に対応して朝鮮半島南部諸地域との互恵的関係を背景として主体的に馬が導入され、速やかに日本列島内での大規模馬匹生産に踏み切った。
◆高句麗の南下に伴う朝鮮半島南部の軍事的緊張、魏晋南北朝時代の幕開けといった新たな局面を迎えた東アジア情勢に対応する中で、日本列島においても百舌鳥・古市古墳群の被葬者を中心とする勢力が台頭して来た。
◆河内平野に最大規模の古墳が築造された古墳群は直接的な調査が出来ないので情報がないが、その領域にある野中古墳からは大量の鉄製武器・農具が出土し軍事力を掌中におさめた勢力がいたことが説明される。
◆日本での陶質土器(朝鮮半島土器)の出土は少なく、陶邑の小坂遺跡や大庭寺遺跡に限定され、その界隈に渡来人が住んでいたことが分かる。
SDGs魅力情報 「堺から日本へ!世界へ!」は、こちらから