オーラ

昔４年半
タンゴをやめていた時の理由を

わたしは今まで「彼女に悪いから」
という言葉で片付けてしまっていたが


その裏では


とある『オーラ』のような物を感じ始めて
タンゴが楽しくなくなってしまったという
事実がある。



タンゴを踊っていると感じるオーラには
次のような物がある


　Ａ）いっしょに気持ちよくなりましょう オーラ　
　Ｂ）わたしが気持ちよくしてあげるわ オーラ
　Ｃ）今日はそんな気分じゃありませんわ オーラ
　Ｄ）間に合ってます オーラ
　Ｅ）あなたにはもはや付いていけませんわ オーラ
　Ｆ）あなたはもっといい踊り方ができるはずよ オーラ


ミロンガでは
Ａ）やＢ）の女性を
目を皿のようにしてオーラをフィルタリングして検索する


夫婦生活がどうであるとか
最近男関係が不調なのよとか
そんな話を聞かずとも
オーラが蒼く、時には部屋全体に、
香水よりも強く巻き起こっている場合がある


また、いつもいい踊りをするからといって安心して誘っても
オーラが出ていなかったり、敢えてＣ）を出してたりすると
そのときのガッカリ度は「一曲で踊りを終えたい」程である


Ｅ）やＦ）は問題外であって

問題は
残るＤ）である



６年前
わたしが愚かにも
タンゴが楽しくなくなってしまった時のオーラは
Ｄ）だった


自分も何となく
そんなオーラを出していたかもしれない


満ち足りた何かを心に持って
ミロンガに駆けつけたは良いものの
別に特に踊りたくもなかった


ただ何となくタンゴをやりに来て
何の感情も放たずにステップを繰り返して
鼓動も乱れずに３曲を終える


そんなつまらないタンゴ・・・


を当時垣間見てしまった。



たとえ気晴らしであっても
どっぷりと入り浸りであっても


踊りたい人が踊りに来て
その人との何曲かを最高に楽しむ


言ってみれば


何か満たされていない
そういうオーラ満開の人が
タンゴには向いているのかもしれない