Shpfiveのgooブログ

主にネットでの過去投稿をまとめたものです

国際法上は「併合」と「割譲」は別のものである その3 引用した質問が知恵袋運営により削除されたことについて

2018-10-16 20:40:38 | 政治・社会問題
こちらの続きを書こうとしていたんですが、引用した知恵袋での質問

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10197278770

が知恵袋運営に削除されたため、残念ながら続きの書きようがなくなってしまいました。

こちらの質問ではベストアンサーに客観的に見るなら優れた回答が選ばれていただけに、毎度のこととながら、デマや誹謗中傷を楽しむ悪質投稿者によるトンデモ質問、回答を野放しにしておきながら、有意義な投稿を恣意的な基準で削除する知恵袋運営の「おかしさ」について呆れずにはいられません。

なお個人的にはそこで選ばれたベストアンサーについても意見を述べたい部分があったのですが、魚拓などによるバックアップをとっておかなかったので、それもできなくなりました。

Yahoo!知恵袋の運営にとっては、デマや誹謗中傷などの悪質投稿は削除の対象にはならないが、(不明な理由により)運営にとって気に入らない投稿は、例えそれが有意義なものであったとしてもドシドシ削除するということなのでしょう。

投稿を削除するのも知恵袋運営の気分次第

内容なんか関係なし


そんな危ないサイトでQ&Aを楽しむことなど、やはり私にはできそうもありませんね(笑)。

それはともかく、本題である「国際法にかかわる議論で「併合」という言葉を安易に使うべきではない」についてコメントを少しだけ付け加えておきましょう。

例えば「台湾併合」といったとき、そこに尖閣諸島は含まれるのでしょうか?

国際法には領域権原という考え方があり、これは国家による領域の支配を正当化する法的根拠のことであるということ

一般的には先占、割譲、併合、征服、添付、時効が、それぞれ別の権原として存在していること


については、既にふれました。

こちらでxなる悪質投稿者がわめいていたように

シンプルに

「清国は台湾を日本に割譲して、日本は台湾を併合した」

じゃね。

つまり、清国からみると「割譲」で日本からみると「併合」だよね。


だから「併合」だよね。


というなら、尖閣諸島も結果として見れば日清戦争における我が国の勝利により領有が既成事実となった側面は否定できないところです。

勿論、尖閣諸島は我が国が「先占」を行ったことが領域権原となっているということは、私自身も承知していることですけど

清国から見ればどうであれ、結果として日清戦争により

「先占」であると称して、日本は尖閣諸島を「併合」した

「清国は台湾を日本に割譲して、日本は台湾を併合した」

のであるなら

日清戦争により「併合」した領土である以上

カイロ宣言に基づき、両方とも「中国に返せ」!

と言われかねません。

言うまでもなく中国は国際法における領域権原において「併合」と

「割譲」や「先占」が別のものであることは承知しており、かつ

日本側の「先占」という主張は認めない立場にたっています。

中華人民共和国側の主張
http://www.diaoyudao.org.cn/jp/index.htm


日本人が釣魚島をいわゆる「発見」する以前に、中国は釣魚島及びその付属島嶼に対してすでに数百年にわたって管轄を実施してきた。日本が1895年に、甲午戦争を利用し、釣魚島を秘密裏に自国の版図に「編入」し、いわゆる「先占」原則によって釣魚島を「無主地」として主権を主張した。日本のこのような行為は国際法の領土取得の関連規則に著しく背いており、中国の領土を占拠した不法行為であり、国際法上の効力を有さない。

http://j.people.com.cn/94474/7956560.html


日本のいわゆる「先占」が実際には窃取であることは、日本側の政府文書が証左となる。1885年から数年間、日本の沖縄県令は釣魚島を秘密裏に「実地調査」した後、島に「国標」を建立するかどうかについて政府に繰り返し上書で指示を仰いでいる。当時日本政府は釣魚島が中国に属することを内心よく分かっていたため、侵奪・占拠の考えは抱きつつも、軽はずみな行動には敢えて出なかった。特に清政府が総理海軍海軍事務衙門を設置し、台湾省を設置し、海防を大幅に強化した後は、日本政府は一層及び腰になり、沖縄県に繰り返し命令を出して「現在は国標を建立しないよう」念を押した。甲午戦争(日清戦争)末期になり、新政府の敗色が決定的になったのを見て、「昔とは形勢が変わった」と判断し、「先占」を口実に釣魚島を不法侵奪・占拠したのである。こうした火事場泥棒が実際には窃取であることは間違いない。

 「先占」の実施には主権の宣言が必要だ。だが日本側は盗人の後ろめたさで、遅々としてこれをせず、さらには釣魚島を沖縄県の「管轄」下に置く閣議決定も秘密にした。これはその前に日本側が「大東島」を占取した後に政府通知で主権を宣言したやり方とは大きく異なる。日本側が釣魚島の窃取を隠蔽しようとしたことが難なく見てとれる。だが隠そうとすればするほど馬脚を現わすだけだ。

 実際、日本は釣魚島の占拠を国内でも長期間「秘密」状態にしてきた。1939年日本地理学会の刊行した『大日本府県別地図並地名大鑑』は沖縄の一部大小島嶼、地方、小都市、大通りおよびその名称を全て記載しているが、釣魚島はなく、日本人の言う「尖閣諸島」もない。

 日本による釣魚島窃取は国際正義が許さない!第二次世界大戦中、連合国は日本の侵略の罪を清算した。1943年のカイロ宣言は、台湾を含め日本が中国から窃取した領土は中国に返還すべきと明確に指摘している。釣魚島は日本が中国から窃取した領土であり、台湾の付属島嶼として、中国に返還されるべきだ。1945年のポツダム宣言はさらに進んで「カイロ宣言ノ条項ハ履行セラルベク、又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国竝ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ」と定めている。「日本降伏書」はポツダム宣言の受け入れを明記している。国際法上、釣魚島は第二次大戦終結後、すでに中国の版図に戻っているのだ。


→中国のこのような主張に対して、xなる悪質投稿者のように

「併合」

1 いくつかのものを合わせて一つにすること。また、合わさって一つになること。合併。統合。「大手のメーカーが中小の会社を併合する」

2 国際法上、ある国が他の国の領土の全部または一部を合意によって自国のものとすること。


などという主張をするのであれば

なら尖閣諸島も日本が「併合」したんだろ?

と中国側に言われるのかオチでしょうね。

いや、尖閣諸島の領域権原の根拠はあくまでも「先占」だ!

こう主張したいのであれば、最低でも国際法上の用語として「併合」と「割譲」の使い分けくらいはキチンと身に付けてほしいものです。

無用有害な勘違いにつながるため、曖昧な言葉には注意が必要です。


国際法上は「併合」と「割譲」は別のものである その2 国際法にかかわる議論で「併合」という言葉を安易に使うべきではない

2018-10-12 21:38:15 | 政治・社会問題
こちらでも述べた通り、国際法上は「割譲」と「併合」は別の権原であり、ゆえに「台湾併合」という呼び方は「おかしい」と私自身は思っています。

とは言え、例えば普仏戦争後のフランクフルト講和条約によるフランスのドイツへのアルザス=ロレーヌ割譲を「併合」と呼ぶなど、国際法上は「割譲」と見るべきものを「併合」と意訳する例も多く見かけられるのは確かです。

であるなら「台湾併合」と呼ぶのも、あながちおかしくはないのではないか?

そうした疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。

さて、Yahoo!知恵袋でこのような「回答」を見かけました。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10197278770


みなさ~ん、「国語の時間」で~す。

「割譲」と「併合」の意味について調べようね。

デジタル大辞泉の解説より


「割譲」

所有物の一部をさいて他にゆずること。特に一国が領土の一部を他国にゆずり渡すこと。

「併合」

1 いくつかのものを合わせて一つにすること。また、合わさって一つになること。合併。統合。「大手のメーカーが中小の会社を併合する」

2 国際法上、ある国が他の国の領土の全部または一部を合意によって自国のものとすること。

なんか、グダグタと小難しい「滑稽」のことを書いているけどね。

シンプルに

「清国は台湾を日本に割譲して、日本は台湾を併合した」

じゃね。

つまり、清国からみると「割譲」で日本からみると「併合」だよね。


だから「併合」だよね。




>そうすると必然的に併合は全部、という事になります。

あれあれ辞書で調べなきゃ

「他の国の領土の全部または一部を」って書いているぞ。


それから、中学生英語の現在完了形の基本文法も知らないのに


またまた見栄を張って「英語」を使っちゃってさあ、みっともなくて笑えるぞ。


>1910年の「韓国併合ニ関スル条約」を大日本帝国と大韓帝国が結んだ
>ゆえに決定されたんです。
>ところが日本と台湾の間には法令が下された経緯が存在しません。

法令?

「下関条約」って言ったよね、日本語が読めないのかな?


それとも「条約」と「法令」の区別もつかないのかな?



>中学、高校で学習することですからね。
>それほど難しいことでもないですし。


というか「基本」だよね、義務教育で習うことだもんね。


>まぁ、世の中には健常者なのに算数の九九掛け算もできない人も
>いますからね。
>下関条約を知らない人がいても、べつに驚きはしませんよ(苦笑)

まぁ、世の中には健常者なのに読み書きもまともにできない人がいますからね

「割譲」と「併合」、「法令」と「条約」の違いがわからない人がいても

べつに驚きはしませんよ(笑)


きわめて個人的にいうと、このような人としてのモラルを疑うレベルの「デマや誹謗中傷を楽しむ悪質投稿者」が、他の投稿者の方々に罵詈雑言を浴びせるのを野放しにするYahoo!知恵袋の運営は「おかしい」と思っています。
(当該案件の質問者さんもそのように判断したようですが)

とりあえず、この「回答」について感じたこと。

まず、「割譲」であれば「元の持ち主」に返還することが政治力学上あり得ます。

我が国が日清戦争の勝利によって清国から「割譲」された台湾は、事実として清国の「継承国」である中華民国に、我が国からあらためて譲り渡されました。

「カイロ宣言」に基づいてです。

https://ja.m.wikisource.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%AD%E5%AE%A3%E8%A8%80

右同盟國ノ目的ハ日本國ヨリ千九百十四年ノ第一次世界戰爭ノ開始以後ニ於テ日本國ガ奪取シ又ハ占領シタル太平洋ニ於ケル一切ノ島嶼ヲ剥奪スルコト竝ニ滿洲、臺灣及澎湖島ノ如キ日本國ガ清國人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民國ニ返還スルコトニ在リ


また、先に挙げた「フランスのドイツへのアルザス=ロレーヌ割譲」についても、その後、ドイツ帝国の第一次世界大戦の敗戦後、ヴェルサイユ条約により

普仏戦争によってドイツに編入された措置は不当であり、休戦条約締結の日をもって、フランスに復帰する

事が定められています。

ところが「併合」の場合、後述するような例外を除いて、通常は「元の持ち主」は消滅しています。

大日本帝国に「併合」された朝鮮半島の場合でいうと、元の持ち主である李王家に返還されることはなく、「新独立国」である大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国が新たな所有者となり、我が国は現時点では、そのうちの一方である大韓民国とのみ国交を持っています。

大韓民国は、李朝による大韓帝国の「継承国」ではなく、あくまでも「新独立国」なんです。

第二次世界大戦後に独立を果たした国家の多くも「新独立国」であり、他国に「併合」される以前に、その領土に存在した旧国家との法的連続性は、ほとんどの場合持っていませんし、国際社会から、その「継承国」としての扱いを受けているケースも、ほとんどの場合ありません。

ただ、例えばエチオピアは第二次エチオピア戦争により、1936年にイタリア王国に「併合」されました。

この時、イタリアは併合したエチオピアを「植民地」としてとらえ、既に自国の植民地だったエリトリア、ソマリランドを合わせた東アフリカ帝国(イタリア領東アフリカ)の樹立と、その皇帝にイタリア国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世の就任を宣言しています。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E3%82%A8%E3%83%81%E3%82%AA%E3%83%94%E3%82%A2%E6%88%A6%E4%BA%89


「併合」することと、その領土が「植民地」なのかどうかというのは別の話であることがこの事からもわかります。

が、この時エチオピア皇帝だったエチオピア皇帝ハイレ・セラシエ1世は頑として退位を拒否し、イギリスでエチオピア亡命政府を樹立して帝位の継続を主張しました。

そして第二次世界大戦とともにエチオピアを占領していたイタリア軍とイギリス軍は東アフリカ戦線で戦い、勝利したイギリス軍と共にハイレ・セラシエ1世は1941年にアディスアベバに凱旋し、イギリス軍による一定期間の軍政を経た後、再びエチオピアは独立を回復し、その翌年である1942年にはイタリアを含む枢軸国に対し宣戦布告を行い、連合国として第二次世界大戦に参戦までしています。

イタリア領東アフリカを占領し、そこで軍政を行ったイギリスですが、エチオピア皇帝の権利を認め、エチオピアは「独立を回復」したわけです。

勿論、後にイタリアもこれを承認することとなりました。

イタリアによる「エチオピア併合」は1935年10月の国際連盟理事会により「イタリアによる侵略行為」とみなされ、制裁を準備する採択も可決され、同年10月11日にイタリアの撤退がなければ国際連盟規約第16条に基づく制裁を発動することが51カ国の投票で決定されており、国際社会は「イタリアによるエチオピア併合」は不当であると見なしていたからです。

国際法における併合とはどのようなものかを思い出してみましょう。

「併合」は、条約により国家領域の全部を他国に移動させることであるが、国家による強制による場合は権原として認められない。


イタリアによる「エチオピア併合」は「強制によるものとして権原としては認められなかった」わけです。

逆にイタリア王国は自国の植民地だったエリトリアを、再独立を果たしたエチオピア帝国に「割譲」するという結果となりましたが

これはエチオピアによるエリトリア併合とは言えないでしょう。

エチオピアが主体的にエリトリアを占領し、その上で「併合」したわけではありませんし。

あくまでもイタリア領東アフリカを軍事的に占領したのはイギリスです。

が、だとしても

イタリアが一時的であれ、エチオピアを(それが不当なものだとしても)「併合」したのは確かであり、その後のイタリアの対応次第ではそれが「既成事実」となることもあり得ました。

国際法上は「併合」と「割譲」は別のものである

2018-10-09 20:29:36 | 近現代史関連
なんで、こんなわかりきったことを今さらと思う向きがあるかもしれませんけど、そこはご容赦ください。

例によってYahoo!知恵袋なるところで、こんなおかしな主張を見かけましたので(笑)。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14196950659


xxx********氏、2018/10/622:39:33返信分より

>台湾併合 それ?いつの事なの? ほんとにあったの?

はいはい、世の中にはネットという便利なものがあって

「台湾 日本 併合」で検索したら、すぐにわかることだぞう(笑)

ネットという便利なものがあるのに「猫に小判」だね。

ちょっと調べて回答したほうがいいんじゃない。

> 毎度WIKIからの知識で書き込んでいるのに。
>今回はWIKIも見なかったんだね。そんなんじゃダメだよ。
>手を抜きすぎ。元々が無知なんだから、気をつけようね。

自分のこといっているの?

ちょっとは調べてコメントを書こうねえ。

もともとが無知なんだから、気をつけようね

といっても無駄か(笑)

気をつけるような頭があるなら

redくんみたいに逃げるだろうからね。

身の程の知らないバカですな(笑)



そもそも、この人物の「南京事件」についての本回答と、これ以降の返信も含めて、他の投稿者に対するデマや誹謗中傷などに満ちており、これはYahoo!知恵袋オフィシャルブログにあるところの「禁止事項」に当たるはずです。

https://blogs.yahoo.co.jp/yjchiebukuro_staff/MYBLOG/yblog.html?m=lc&p=2

>弊社では、「知恵が役立ち、共有できる」場をお客様へ提供し、より安心・安全にサービスをご利用いただくため、不快な投稿への対応を強化いたします。
Yahoo!知恵袋で質問や回答を行う際には「利用のルール」をご確認いただき、ルールを守ったうえで投稿を行うようにお願いします。

■禁止事項について

・誹謗(ひぼう)中傷など他人を攻撃したり、傷つける内容の投稿は行わないでください。
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・わいせつ、不愉快だと感じる可能性のある内容や画像、URLの投稿は行わないでください。
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・個人を特定できる情報やプライバシーを侵害するような投稿は行わないでください。

※上記は禁止事項の一部です。必ず「利用のルール」をご確認ください。


お客様から「使ってよかった。また利用しよう」と思っていただけるサービスとなりますよう、
不快な投稿や悪意のある行為、不正利用には、24時間365日体制で厳しく対処してまいります。


→が、私自身はYahoo!知恵袋の「特定投稿者に対するデマや誹謗中傷などを野放しにしておきながら、意味不明な基準で問題があると思われないような投稿を削除する」姿勢を見て、どうやら、このオフィシャルブログに書いてあることは一種のブラックユーモアであると理解するようになりましたけど(笑)

それはともかく、国際法を学んだ方なら誰でも知っていることとして、国際法には領域権原という考え方があります。

これは国家による領域の支配を正当化する法的根拠のことですが、一般的には先占、割譲、併合、征服、添付、時効などが知られています。

例えば、一番手近ににあった森川俊孝、佐藤文夫両氏の共著による『新国際法講義』(北樹出版)のP79を開いてみても

国家の領域権原とは、国家が特定の地域に領域主権を確立するための根拠となる事実のことであり、
①先占・②割譲・③併合・④征服・⑤添付・⑥時効が挙げられる


(中略)

「割譲」は国家間の合意により領土の一部を他国に移転することであり、有償・無償・交換の3種類がある。「併合」は、条約により国家領域の全部を他国に移動させることであるが、国家による強制による場合は権原として認められない。


とあり、明確に割譲と併合は別のものとして記されています。

後述しますが、台湾はあくまでも下関条約により清国から、その領土の一部を我が国に「割譲」されたものであり、清国政府の同意は得ていますが、台湾住民の同意は得ていません。

ネット上ですぐ見られるものとしては、このようなものがありました。

事例で学ぶ国際法(島田征夫編著、敬文堂)より引用
http://www.geocities.jp/uso888/kokusai.html


[国家領域]
国家領域は、主権国家が領域主権に基づく管理や支配ができる地理的範囲をいい、基本的には陸地領土とその上空であり、海洋に面していれば領海とその上空をも含む三次元的区域である。陸地領土は、自然に形成された領土からなり、人工島はこれに含まれない。陸地領土にある水の部分、たとえば河川、湖沼、運河などは内水とされ、領海は、海洋の一部分で、陸地領土に接した一定幅の帯状の水域をいう。
人類が活動できる地球上のあらゆる地域や空間は、国際法上、国家領域と国際公域とに分けられる。国家領域は、いずれかの主権国家に帰属している区域であり、隣国との境界は国際条約で、領海の幅は国際海洋法条約でそれぞれ決められている。領空の高さの範囲については明確ではない。主権国家の範囲を決定しているのは国際法であり、人や物が国境を越えることによって、国際法上の問題となるのである。


(中略)
3. 領域取得権原と日本の領土問題
[合意による領域移転]
国は、自国領域の基本となる陸地領土を他国に移転することができ、陸地領土の移転にともなって、領海と領空も移転する。国がある区域に対して領有権を主張できる国際法上の根拠を領有権原という。これには、国家間の合意に基づく領域権原と、国の一方的な行為に基づく領域権原とがある。割譲と併合は前者の例であり、先占、添付、時効、征服は後者の例である。
割譲は、通常、割譲条約を締結して領土の一部を移転するもので、これには平時割譲と戦時割譲がある。平時割譲は、平和的な交渉の結果、相互に一定の領土を交換する形態と、相応の対価を支払って売買する形態がある。日露間の千島樺太交換条約(1875年)は前者の例であり、アメリカによるルイジアナ購入(1803年)やアラスカ購入(1867年)は後者の例である。戦時割譲は、講和条約中に規定される場合が多い。日本が日清 戦争の講和条約である下関条約(1895年)で台湾を、日露戦争の講和条約であるポーツマス条約(1905年)で南樺太をそれぞれ戦時割譲している。 併合は、平和的に締結した併合条約に基づいて、国の領域全体を他方の締約国に移転する権原である。領域全部を移転された国は、併合とともに消滅する。朝鮮は、併合条約(1910年)の結果、日本に併合された。


ここでも台湾は「割譲」、朝鮮半島は「併合」と、明確に区別されていることがわかります。


さて、下関条約の直後から、台湾住民はこれに異議を唱え、明確な抗日運動をはじめます。
http://ktymtskz.my.coocan.jp/meiji/kiyasu.htm


 条約締結より二日も経てようやく清廷より台湾割譲に関する最初の通達が唐総督のもとにもたらされ、一般住民にも告示された。
 そこには台湾紳民を慰撫する言葉は一言もなく、遂に
 「割譲に際し、極力領土授受委員の保護に当り、人民を諭し、切に事端を生ずることなきよう」
との一文があった。
 これは台湾紳民の感情を逆なでするものであった。
 戦えと言うどころか、台湾接収に来た彼らの敵を保護し、事を構えるなかれと言うのである。
 しかも「大陸に渡ることも自由」との一文もあった。
 つまり、台湾を捨て、大陸に来ることを希望するならどうぞいらっしゃいというのである。
 台湾人にとって台湾は故郷であり、大陸に縁者を持たない大多数の住民にとってここを離れることは忍び難いことである。
 台湾紳民は、このような白々しさの標う清廷の通達に対し、強い憤りを感ぜざるを得なかった。
 この日、唐総督が離合するのではないかとの危惧を抱いた台北の士紳たちは、台湾全島の士紳たちに電文を発し、彼をこの地に留めることを呼びかけた。


台湾住民による「抗日運動」それ自体にも言いたいことはありますが、ここでは省略します。

重要なことは

清国政府により

「割譲に際し、極力領土授受委員の保護に当り、人民を諭し、切に事端を生ずることなきよう」
との一文


が台湾住民(の、少なくとも代表に当たる人々)に対して明示されていること

その後、唐景崧を総統とする「台湾民主国」が確かに独立宣言をし、日本軍と戦いましたが、この「台湾民主国」を国家承認した他国は一つもなかったこと

です。

だから、百歩譲って「日本が台湾民主国を併合した」という論法をたてるとしても

それを承認した他国がなく、逆に当事者である清国政府を含む当時の国際社会が「清国政府による日本への台湾割譲」を承認していますので、やはり、これを国際法上「台湾併合」とするのは無理です。

確かに通俗的な用法としての「台湾(併合)」という用語がネットに限らず、(厳密な用語使用をしていない)一部書籍でも見られますが

国際法上は、あくまでも台湾は下関条約における合意により

清国政府より日本国へ「割譲」されたものです。

参考までに下関条約の該当文も引用しておきましょう。
https://ja.m.wikisource.org/wiki/%E4%B8%8B%E9%96%A2%E6%9D%A1%E7%B4%84


第二條

淸國ハ左記ノ土地ノ主權竝ニ該地方ニ在ル城壘兵器製造所及官有物ヲ永遠日本國ニ割與ス

一 左ノ經界内ニ在ル奉天省南部ノ地

鴨緑江口ヨリ該江ヲ溯リ安平河口ニ至リ該河口ヨリ鳳凰城海城營口ニ亘リ遼河口ニ至ル折線以南ノ地併セテ前記ノ各城市ヲ包含ス而シテ遼河ヲ以テ界トスル處ハ該河ノ中央ヲ以テ經界トスルコトト知ルヘシ

遼東灣東岸及黄海北岸ニ在テ奉天省ニ屬スル諸島嶼

二 臺灣全島及其ノ附屬諸島嶼

三 澎湖列島即英國「グリーンウィチ」東經百十九度乃至百二十度及北緯二十三度乃至二十四度ノ間ニ在ル諸島嶼


せっかくなので「韓國倂合ニ關スル條約」の該当文も引用しておきます。

https://ja.m.wikisource.org/wiki/%E9%9F%93%E5%9C%8B%E5%80%82%E5%90%88%E3%83%8B%E9%97%9C%E3%82%B9%E3%83%AB%E6%A2%9D%E7%B4%84

第一條

韓國皇帝陛下ハ韓國全部ニ關スル一切ノ統治權ヲ完全且永久ニ日本國皇帝陛下ニ讓與ス

第二條

日本國皇帝陛下ハ前條ニ揭ケタル讓與ヲ受諾シ且全然韓國ヲ日本帝國ニ倂合スルコトヲ承諾ス


→本来は、わざわざ言うまでもないことですけど

条約正文にそれぞれ割與(割譲)、併合と明記されていることは指摘しておきます。


追記

なお「併合」についてですが、通常は条約により国家領域の全部を他国に移動させることであるとされているものの、イレギュラーなケースとして国家領域の一部地域を他国へ移動させることを呼ぶ場合もないわけではありません。

近年ではロシアによるウクライナ領土だったクリミアの併合という事例がありました。

もっとも、当事国であるウクライナの同意によらない「クリミア併合」については国際法上でも議論が存在しますけど。

日本国家(日本国政府)のバランスシートは赤字である

2018-10-08 22:22:14 | 政治・社会問題
こちらの質問について、もう一つコメントしておこうと思います。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10196445345#


jes********氏(2018/9/2114:00:38の回答)

この件に付いて
先生の主張は三橋氏の主張と同じですよ。



「少なくとも氏は「バランスシート」の範囲を超えてまで、そんなことができるとは言っていないはずです。」



バランスシートとは何ぞや?
張り付けた画像の事でしょ?

このバランスシートは政府と民間企業個人の貸借が
どんぶり勘定になっていて
例えば JES家の家計が多赤字で・・・
SK氏の家計は大黒字・・・
しかし二つ合わせるとバランスシート上 貸借が合い
健全と言う事も起こりますが・・ソレなんかおかしいでしょう?

国と民間資産をバランスシートで表し 健全だと主張するなら
積み上がった1000兆円の国債を担保するモノが
国民の家計の持つ資産1400兆円であると証明しなくてはならない


下の表を見て 1000兆の国債は
家計の持つ1400兆で安全だと思うのは良いが
家計が時間を掛けて国庫に吸収され
国債に充てられる証明が必要です。

その証明が紛れもない《増税》なんです。


以前 先生に1000兆の国債が投資家や海外から危険視されるなら
消費税を増税方向に持って行き
家計の持つ資産の2/3は高齢者ですから
相続税を上げると解決すると話した事があります。

個人でも企業でも同じですが
有利子負債は資産があれば売却して整理しますよね。
それと同じ事じゃないですかね。


まず呆れるのが、この人物は

この件に付いて
先生の主張は三橋氏の主張と同じですよ。


と断言する一方で

(2018/9/2117:44:45返信分より)

忘れてた

Q.三橋の主張は1と2、どちらなのでしょうか?

氏の書籍は読んだことが無いですが
ネットで見かけるのは1なんでしょう


→と一方的に決めつけています。

私自身はいくつもの点から三橋貴明氏の主張は到底支持することは出来ないと思ってはいますし、理由も説明できますが

この人物が三橋貴明氏の主張について読んだこともなく、単なる情緒的なイメージだけで内容を決めつけているのが、それこそ手に取るようにわかりますね。

言うまでもなく三橋貴明氏はこちらにもある通り

無論、政府が無制限におカネを発行できる
という話ではありません。

当然ながら、モノやサービスの供給能力が
需要を下回ると、インフレ率が上昇していきます。

政府が国債発行や通貨発行でおカネを創出し、
支出(消費+投資)を拡大することは可能ですが、
最終的にはインフレ率がボトルネックとなります。

「政府がおカネを発行できるということは、
日本は無税国家になれるのか?」

などと、頭の悪い問いを頻繁に受けるわけですが、
インフレ率を無視するならば、日本は確かに無税国家になれます。

とはいえ、国内の供給能力を無視し、
日本政府が際限なく国債や通貨を発行し、
支出を拡大した場合、確実に
「総需要>供給能力」の状況が訪れます。

すなわち、インフレギャップです。

インフレギャップが拡大すると、
政府は支出を拡大することが不可能になります
(まともな政府ならば)。

すなわち、国債や通貨の発行に
制限がかからざるを得ないのです。


→と述べており

(主張1)
日本政府は通貨発行権があるのだから、打ち出の小槌のように無尽蔵に紙幣を生み出せる、つまり借金は返さなくてもいいといっているのですから、こんなけっこうなことはありません。


このような主張はしていませんので(笑)。

そして、私の知る限り三橋貴明氏は消費税制度にインボイスを導入しろなどという主張もしていません。

が、まあ、それはいいでしょう。

今回はこの悪質投稿者が


はい、バランスシートなんです。

先生はあっちで「私は三橋氏のいうバランスシート論など主張したことは過去一度もない、あるというならソースを明示せよ!」なんて
書いていますがそんな事じゃなく

先生は『三橋氏は少なくとも氏は「バランスシート」の範囲を超えてまで、そんなことができるとは言っていないはずです。』とご自身の見解を記述しています。

私は「バランスシートの範囲」ってなんじゃ?と思った訳でして
BSて対照表ですから範囲は無いですよね?
借入が増えると現預金が増えて貸借が合います。
それだけのこと

先生は昨年からあちこちの消費税増税反対派などの
書籍・ネット記事などからコピペ引用を繰り返すだけで
内容を理解されていないのだと想像しますね。


などというくだらない「揚げ足とり」をしているので、それについて指摘をしておこうと思います。

まず、我が国においてかつては「国の貸借対照表」は作成されていませんでした。

が、欧米先進国でバランスシートが作成されるようになるにつれ、それに影響を受け、我が国の財務省でも2000年10月から一般会計と特別会計を対象とした「国の貸借対照表」を作成するようになり、それを元に2003年度決算分から国全体のフローとストックの情報を開示する「国の財務書類」を定期的に作成するようになりました。

が、それと別に内閣府では不定期に「経済財政白書」の中で「政府のバランスシート」を公開していますが、これは財務省のものとは「対象とする範囲が異なっています」

具体的にいうと内閣府の発表する「政府のバランスシート」は、すべての地方公共団体などのデータも含まれているのに対して

財務省の発表するものには独立行政法人、社会保障(共済、健保、地方政府)、地方政府一般会計、独立行政法人と地方の公的企業が含まれていません。

あくまでも参考です。
https://ameblo.jp/study-houkoku/entry-12350717388.html


「日本国家のバランスシート」なるものも「範囲の取り方」により差が生じることはお分かりいただけるでしょうか?

なおバランスシートのポイントは「資産」と「負債」の比較だと思いますが、民間企業の場合とは異なり、政府資産の「評価」は、その非金融資産に道路や河川など簡単に評価できないものが多く含まれているため、政府資産そのものの「評価」にも難しい部分はあるようには感じますが、基本的には財務省のもの、内閣府によるもの、いずれをとるにしても

一般政府全体としては大幅な赤字であると見て間違いないように思います。

閑話休題

さて、「日本国家のバランスシート」なるものについて、当の三橋氏はこのように説明しています。

https://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20100816/215789/?ST=smart


少なくとも資本主義国においては「国=政府」ではない。すなわち「政府の借金=国の借金」ではないのである。

これが三橋氏の主張の重要なポイントであると見て間違いないでしょう。

その上で「国」の経済主体として「政府」「金融機関」「非金融法人企業」「家計」「NPO(民間非営利団体)」の5つを挙げ、その前提を元に

財務省のものとも、内閣府のものとも異なる氏独自のバランスシートを作成し、それを前提にして論を主張しているわけです。

で、氏は自身の定義による「日本国家のバランスシート」論を前提にした上で

財務省などが「国の借金!」と大騒ぎを繰り広げているのは、バランスシートの貸方(右側)の最上部に計上されている「政府の負債 1001兆8000億円」のことである。確かに巨額ではあるが、政府以外の経済主体を見てみると、金融機関は2744兆円、非金融法人企業(以下、一般企業)は1184兆円もの負債を抱えている。財務省やマスコミは、これらの「借金」についても「破綻だ! 破綻だ!」と大騒ぎしないのだろうか。

と主張しているのであって

(主張1)
日本政府は通貨発行権があるのだから、打ち出の小槌のように無尽蔵に紙幣を生み出せる、つまり借金は返さなくてもいいといっているのですから、こんなけっこうなことはありません。


などという主張はしていません。

三橋貴明氏が自らの主張する「日本国家のバランスシート」なるものの前提を無視して、打ち出の小槌のように無尽蔵に紙幣を生み出せるを主張することはあり得ない。

これを私は

少なくとも氏は(三橋氏いうところの)「バランスシート」(論)の範囲を超えてまで、そんなことができるとは言っていないはずです」と表現しただけの話です。

いかがでしょうか?

消費税率50%という想定は、別に暴論というわけではない

2018-10-05 21:07:28 | 政治・社会問題
そういえば、このようなことを言っている人がいるのを思い出しました
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10196143150

jes********氏の回答より

例えば 今回消費税50%にしてみろなんて暴論を吐く
国が消費税を上げたいのは
国債の担保は政府の徴税能力ですから
消費税を上げる事で国債の暴落が防げる訳で
これは経済政策としてはマイナスですが
アクセルもブレーキも必要だと言うこと


いや、別に消費税50%という想定は暴論でもなんでもなく、それなりの人が試算した数字なんですけど

というお話。

2013年12月2日にキヤノングローバル戦略研究所により「Abenomics and Sustainability of the Public Debt」(アベノミクスと公的債務の持続性)という政策コンファレンスが開催されています。
https://www.nippon.com/ja/in-depth/a03002/


この中で述べられた、アトランタ連邦準備銀行シニアエコノミストのリチャード・アントン・ブラウン氏の語る予想は以下の通りです。

ブラウン氏は有名なマクロ経済学者。以前は東京大学教授だったこともあり、日本経済について研究も多い。彼は南カリフォルニア大学のダグラス・ジョインズ教授と共同で、日本の人口動態、経済成長、社会保障制度と財政問題の関係がどうなっていくのかをコンピューターシミュレーションで予想する研究を行ってきた。
まず彼らが2011年に行った研究発表を紹介する。日本の人口推計であるが、ブラウン氏らは国立社会保障・人口問題研究所の推計を延長した。彼らの推計では、(合計特殊)出生率が1.3程度と低迷する場合、日本の人口は現在の1億3000万人弱から、最終的に約4000万人に落ち込む。出生率が今すぐ2.0程度に回復しても、最終的な人口は8000万人になる。
生産性の成長率(技術進歩率)は過去100年間の平均でみると、先進国では労働者1人当たり年率2%である。これは技術進歩の基本的な性質を表しているので、容易に変えられない。経済成長率は生産性の成長率と人口増加率の和で近似できるので、これから人口減少が続く日本では、アベノミクスが大きな成果を上げたとしても、2%の経済成長を維持するのが精いっぱいであろう。
こうした基礎的条件のもとで日本の財政を最終的に安定させるには、消費税率を何%にしなければならないのだろうか?
ブラウン氏たちの答えは33%、しかも恒久増税である。(これは3年前の計算結果であることに注意。最も新しい計算結果は後述する。)

今の政治の現状からすると、目まいがするような数字である。シミュレーションでは、出生率が回復せず、生産性の成長率は1人当たり2%、インフレ率は1%が続くとし、社会保障制度は現状のまま何も改革が行われないと仮定した。財政再建のターゲットは、2100年までに国債などの公的債務の対GDP(国内総生産)比率を60%に戻して安定させることとした。
ちなみに、出生率がいますぐ2.0になったとしても、必要な消費税率は28.5%と算出された。財政再建に限れば、出生率の回復もそれほど助けにはならないのだ。また、3年前のこのシミュレーションで、ブラウン氏らは「生産性の成長率が2%でインフレ率が2%」という設定のケースも計算している。これはつまり、アベノミクスの成長戦略が大成功したケースでの日本経済の将来の姿である。その想定でも、公的債務を安定させるためには消費税率を25.5%まで引き上げなければならないことが分かった。

(中略)

以上は、3年前の計算結果である。この3年間、日本の財政は悪化の一途をたどっており、将来へのツケは指数関数的に増えている。
昨年12月の会議にはブラウン氏とイムロホログル教授が参加し、最新の計算結果を披露した。ブラウン氏は、消費税の増税だけで財政再建する場合、消費税率を徐々に高めて2070年頃には53%にする必要がある(その後、22世紀前半に徐々に減税し、消費税率を最終的に40%にする必要がある)と試算した。イムロホログル教授も、2019年から2087年まで約60%の税率にし、その後47%に安定化させることが必要であるとした。


個人的見解でいうなら、この数字はあくまでも消費税増税のみで「財政再建」(その定義についての議論には、今はふれませんが)を行うという仮定のもとでの数字であり、現実的に可能な数字だとは思いませんけど

悪質投稿者さんたちが言うような「消費税増税による財政再建」などということを真面目に考えるのであるなら、やはり数字的にはそこまで行き着くのが妥当なようにも思えます。

そして、消費税50%という政策を実現するくらいなら

日本の場合、日本銀行が国債を無制限に買い入れれば、国債の償還は必ず実行できる。しかし、その場合にはマネーが市場にあふれてインフレが制御できなくなる。つまり日本では「財政破綻=高インフレ」である。霞が関の官僚たちは、おそらく次のように考えている。「高率のインフレによって政府の債務負担を事実上棒引きしてしまう方がずっと楽。面倒な増税や歳出削減策を国民に説明し、それを国会で通すために苦労しなくて済む」。


方が現実的だと、私も思います。

おや?

ここでの三橋貴明氏の主張とも微妙に似ていますね。
http://megu777.blogspot.com/2011/11/blog-post.html?m=1


(冒頭)三橋貴明

「インフレになれば金融資産は目減りしていく」
「所得(フロー)が増えないと困るが財産がインフレで目減りしても人間は暴動を起こさない」
「(先の戦争で)国債の価値がゼロになって(預金等が吹っ飛んでも)高齢者は怒らなかった。しかし、日本国民はインフレでお金を稼いでいったので全体としてハッピーだった。そっちの方向を目指すべきだ」


もっとも三橋氏の場合、確かに「インフレを起こせ」とは言っていますが、それによる「財政破綻」は起こらないという見解のはずですけど、それはともかく

ハッキリ言いましょう。

現状のまま、消費税の増税により「財政再建」をはかるなどというのは、現実的な話ではないんです。

だからIMFも2020年以降の我が国はゼロ成長になると予測しています。

本気で我が国の財政問題を解決したいのであるというなら

現状のまま消費税を増税するという以外に

税制そのものの見直しをはじめ、考えるべきことは沢山あるはずです。