Shpfiveのgooブログ

主にネットでの過去投稿をまとめたものです

消費税率50%という想定は、別に暴論というわけではない

2018-10-05 21:07:28 | 政治・社会問題
そういえば、このようなことを言っている人がいるのを思い出しました
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10196143150

jes********氏の回答より

例えば 今回消費税50%にしてみろなんて暴論を吐く
国が消費税を上げたいのは
国債の担保は政府の徴税能力ですから
消費税を上げる事で国債の暴落が防げる訳で
これは経済政策としてはマイナスですが
アクセルもブレーキも必要だと言うこと


いや、別に消費税50%という想定は暴論でもなんでもなく、それなりの人が試算した数字なんですけど

というお話。

2013年12月2日にキヤノングローバル戦略研究所により「Abenomics and Sustainability of the Public Debt」(アベノミクスと公的債務の持続性)という政策コンファレンスが開催されています。
https://www.nippon.com/ja/in-depth/a03002/


この中で述べられた、アトランタ連邦準備銀行シニアエコノミストのリチャード・アントン・ブラウン氏の語る予想は以下の通りです。

ブラウン氏は有名なマクロ経済学者。以前は東京大学教授だったこともあり、日本経済について研究も多い。彼は南カリフォルニア大学のダグラス・ジョインズ教授と共同で、日本の人口動態、経済成長、社会保障制度と財政問題の関係がどうなっていくのかをコンピューターシミュレーションで予想する研究を行ってきた。
まず彼らが2011年に行った研究発表を紹介する。日本の人口推計であるが、ブラウン氏らは国立社会保障・人口問題研究所の推計を延長した。彼らの推計では、(合計特殊)出生率が1.3程度と低迷する場合、日本の人口は現在の1億3000万人弱から、最終的に約4000万人に落ち込む。出生率が今すぐ2.0程度に回復しても、最終的な人口は8000万人になる。
生産性の成長率(技術進歩率)は過去100年間の平均でみると、先進国では労働者1人当たり年率2%である。これは技術進歩の基本的な性質を表しているので、容易に変えられない。経済成長率は生産性の成長率と人口増加率の和で近似できるので、これから人口減少が続く日本では、アベノミクスが大きな成果を上げたとしても、2%の経済成長を維持するのが精いっぱいであろう。
こうした基礎的条件のもとで日本の財政を最終的に安定させるには、消費税率を何%にしなければならないのだろうか?
ブラウン氏たちの答えは33%、しかも恒久増税である。(これは3年前の計算結果であることに注意。最も新しい計算結果は後述する。)

今の政治の現状からすると、目まいがするような数字である。シミュレーションでは、出生率が回復せず、生産性の成長率は1人当たり2%、インフレ率は1%が続くとし、社会保障制度は現状のまま何も改革が行われないと仮定した。財政再建のターゲットは、2100年までに国債などの公的債務の対GDP(国内総生産)比率を60%に戻して安定させることとした。
ちなみに、出生率がいますぐ2.0になったとしても、必要な消費税率は28.5%と算出された。財政再建に限れば、出生率の回復もそれほど助けにはならないのだ。また、3年前のこのシミュレーションで、ブラウン氏らは「生産性の成長率が2%でインフレ率が2%」という設定のケースも計算している。これはつまり、アベノミクスの成長戦略が大成功したケースでの日本経済の将来の姿である。その想定でも、公的債務を安定させるためには消費税率を25.5%まで引き上げなければならないことが分かった。

(中略)

以上は、3年前の計算結果である。この3年間、日本の財政は悪化の一途をたどっており、将来へのツケは指数関数的に増えている。
昨年12月の会議にはブラウン氏とイムロホログル教授が参加し、最新の計算結果を披露した。ブラウン氏は、消費税の増税だけで財政再建する場合、消費税率を徐々に高めて2070年頃には53%にする必要がある(その後、22世紀前半に徐々に減税し、消費税率を最終的に40%にする必要がある)と試算した。イムロホログル教授も、2019年から2087年まで約60%の税率にし、その後47%に安定化させることが必要であるとした。


個人的見解でいうなら、この数字はあくまでも消費税増税のみで「財政再建」(その定義についての議論には、今はふれませんが)を行うという仮定のもとでの数字であり、現実的に可能な数字だとは思いませんけど

悪質投稿者さんたちが言うような「消費税増税による財政再建」などということを真面目に考えるのであるなら、やはり数字的にはそこまで行き着くのが妥当なようにも思えます。

そして、消費税50%という政策を実現するくらいなら

日本の場合、日本銀行が国債を無制限に買い入れれば、国債の償還は必ず実行できる。しかし、その場合にはマネーが市場にあふれてインフレが制御できなくなる。つまり日本では「財政破綻=高インフレ」である。霞が関の官僚たちは、おそらく次のように考えている。「高率のインフレによって政府の債務負担を事実上棒引きしてしまう方がずっと楽。面倒な増税や歳出削減策を国民に説明し、それを国会で通すために苦労しなくて済む」。


方が現実的だと、私も思います。

おや?

ここでの三橋貴明氏の主張とも微妙に似ていますね。
http://megu777.blogspot.com/2011/11/blog-post.html?m=1


(冒頭)三橋貴明

「インフレになれば金融資産は目減りしていく」
「所得(フロー)が増えないと困るが財産がインフレで目減りしても人間は暴動を起こさない」
「(先の戦争で)国債の価値がゼロになって(預金等が吹っ飛んでも)高齢者は怒らなかった。しかし、日本国民はインフレでお金を稼いでいったので全体としてハッピーだった。そっちの方向を目指すべきだ」


もっとも三橋氏の場合、確かに「インフレを起こせ」とは言っていますが、それによる「財政破綻」は起こらないという見解のはずですけど、それはともかく

ハッキリ言いましょう。

現状のまま、消費税の増税により「財政再建」をはかるなどというのは、現実的な話ではないんです。

だからIMFも2020年以降の我が国はゼロ成長になると予測しています。

本気で我が国の財政問題を解決したいのであるというなら

現状のまま消費税を増税するという以外に

税制そのものの見直しをはじめ、考えるべきことは沢山あるはずです。