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口からホラ吹いて空を飛ぶ。

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ヘルシング ヤンキンアワーズ1月号  BLOODLINE

2007-12-07 | 平野耕太関係
老人は、少年は、執事は、一手差し間違えた。
それは例えるなら奇跡と豪運の末に極細の正解筋がある詰将棋。
暴利が過ぎる胴元に一切合財引渡し、それでもなお届かなかった「王手積み」。

   もう遅い

アーカードはもう命を蓄えてしまった。
シュレディンガーはもう行動を開始した。

   お前の人生は今台無しになった

それはまさに魔王ザミエルから猟師カスパールへの死の宣告のような。
アーカードが言う。

   アンデルセンで勝てなかったこの私を

アンデルセンとウォルターでは決定的な違いがある。
アンデルセンが死ぬ間際まで人間であったのに対し、
ウォルターは最初から「狗」だったのだ。

人間を、「自らの意思でのみ行動し、抵抗し、諦めを踏破する者」と定義するならば、アンデルセンはまぎれも無く人間である。
ならばウォルターはどうなのか。
彼はどれ程前からなのかは判らないが、ヘルシング家に仕えながらミレニアムとも通じていた。
彼は自らに有利に裏で工作し、抵抗しようともしていない。
そして、彼は最初から「諦めていた」。

あくまでも人間にこだわり続けたアーカードは、
徹頭徹尾人間であり続けたアンデルセンを宿敵と語りながらも、最も近しい存在、もしかしたら最大の理解者とすら感じていたかもしれない。

逆に最初から裏で暗躍し、お膳立てされた舞台で仕掛けてくる狗を全く認めないのも至極当然と言えるのだ。


アーカードに襟首を掴まれ、呆然とするウォルター。
だがその状況こそが少佐の待ち望んだ瞬間なのだ。
つまりは少佐にとってはウォルターもまた、負ける前提の要員だったのだ。

   勝った♪

軽薄さすら感じられる少佐の勝利宣言が響く。


以下次号。

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