岩上智一郎の作品部屋(小説・絵・漫画・料理等)

著書:新宿クレッシェンド
とりあえず過去執筆した作品、未完成も含めてここへ残しておく

1 打突

2019年07月17日 18時58分00秒 | 打突


打突




2007/2/7

 格闘技、プロレスに関する自分の思いを自己満足でひたすら書きました

 そしたら800枚を超える作品になってしまい、当時はクレッシェンド第三弾として書いていたので、へんてこりんな感じになりましたw

 なので、クレッシェンドに関わる部分を除き、777枚と縁起のいい枚数にしましたが、ミステリーでもないのに、「このミステリーがすごい大賞」に応募し、見事落選した訳ですw

 男からは何故か評価の高い作品ではあります




2006/05/19 22:43:23
 二冊の本を完成させ、次は自分が一番書きたかったものをやりたいと思った。自分の為の小説。
 何て言われてもいい。簡単に言うと、これは俺のマスターベーション小説だからだ。
 約三ヶ月かかって、「打突」は、完成した。打突とは俺の現役時代に、編み出した究極の打撃技の名前だった。右の親指をとことん苛め、鍛える事で打突は完成した。その頃の思いを小説にぶちまけた。原稿用紙861枚の長編になっていた。
 一番、初めに読んでくれたのが、整体の先生だった。
「何て言ったらいいんですかね…。いつも岩上さんが話している事を書いているだけなのに、読んでいく内に、ボディーブローのように何かこう…。うまく言えないけど、私はクレッシェンドより、でっぱりより、この打突が一番いいです。これは男だけにしたほうが、いいですよ。読ませるの…。」

 

 

 

【打突 本編】


 強いという事はどのような事なのだろうか…。俺はひたすら考える。
 生まれてから十八年間今まで喧嘩で一度も負けた事はなかった。喧嘩の最中、左手で人を殴った事すらなかった。
 不良と呼ばれるグループに属するのも嫌いで、ボンタンなどの人に対して威圧感を与えるような服装も好まなかった。
 遅刻は鬼のようにしたが、真面目に学校に行き、真面目に生活しながら自分を貫き通した。
 それが他の連中には気に入らなかったのか、校舎の裏側によく呼び出しを受けた。大人数で威圧され、時には暴力も振るわれたが絶対に屈しなかった。もちろん、殴られたまま、黙っているほどお人好しではない。理不尽な暴力を使う連中には俺の右拳を喰らわせてやった。通常で一発、ちょっと根性のある奴でも、二発目のパンチを喰らわせると、相手はすぐにのびてしまった。
 理屈抜きに、自分の右拳で殴るというだけのシンプルな行為。俺の前に対峙した相手は、その衝撃に堪えられなかったらしい…。
 自分らしくありたいだけの話だが、気づくと学校内で最強と言われるようになっていた。くだらない…。そんな狭い世界での最強論など、俺にとって無意味なものに過ぎなかった。
 高校生活を振り返ると、いいようのない虚無感を感じる。
 暴力に屈しなかった学生生活。そのぐらいの時代に喧嘩が強いと同級生連中は嫌って程、俺の周りに群がってくる。帰りの電車を待っている時、俺の後ろに、四十人ほどの行列がゾロゾロと出来ていたぐらいだ。群れるのが非常に嫌いなので、その光景を見る度に嫌悪感を覚える。
 高校に入学してすぐに、隣のクラスの奴らが俺の悪口を言っていると言う話を聞いた。俺の髪型が変だの、態度が生意気だの影で言っているらしかったので、隣のクラスへ行き、前から座る座席順通りに、五人ずつ呼び出して質問した。
「おまえらに聞きたい事がある。変な噂、聞いてんだ。おまえらの中で、何か俺に言いたい事ある奴いるのか?」
 ほとんどの奴が知りません、言ってませんの繰り返しだった。中には、反対に突っかかってくる奴もいたので、見せしめ代わりに右拳をお見舞いした。
 そこのクラスの女の子は、恐怖を感じた表情で俺を見ていた。しかし、中には軽蔑の眼差しで見ていた子もいた。
 悪口を言っているかどうかを確認するだけで、暴力的にクラスの男、全員を呼び出した。その事が自分にとって、マイナスになる事なのだと、冷たい眼差しを向けられて、初めて思った。でも、やってしまった勢いで、自分を止める事は出来なかった。
 高校二年になって清掃の時間中、他のクラスの奴に喧嘩を売られた。
 担任の先生にはいつも俺をかばってくれ、世話になったという思いが強かったので、俺は清掃だけは真面目にやっていた。自転車置き場付近の掃除をしている時に、そいつは近付いてきた。
「おまえ、気に喰わないんだよ。」
「はっ?」
「おまえ、気に喰わないんだよ。」
 いきなり同じ台詞を繰り返し、そいつは完全に喧嘩を売ってきている状況だった。相手の顔がどんどん俺の顔に近付いてきて、すごい形相で睨みつけてくる。
 俺からは何も仕掛けない。でも、絡んでくるなら話は別だ。そいつの理不尽な行動が許せなくなる。
 左手で相手の首根っこを捕まえて右手をつかむと、そのまま反動を利用し自転車置き場に止めてある自転車の群れに向かって、力一杯投げつける。
 プロレスでいうハンマースルーという名の、単純に相手をロープに振るという行為だ。それをロープではなく、自転車置き場に向かってだと、凄まじい威力になる。
 予想通り、すごい音をしながら、そいつは自転車の群れに突っ込んだ。頭から血を流し、バラバラに倒れた自転車をベッド代わりに横たわっている。完全にグロッキー状態だった。俺は当然職員室に連れて行かれ、先生に説教を受ける。停学かなと思った。
 投げやりな気持ちの中、担任の先生は、必死に他の先生方に謝っていた。頭を一生懸命、俺の為に下げている。
 そいつを傷つけたという事には何も反省しない。いくら言われても無理な事だ。そんな俺の為に、必死に謝ってくれている担任の先生。その姿を見ていられなかった。自分のした事に対し、罪の意識を感じた。
 俺は仕方なく、職員室で頭を下げた。この担任の先生には、一生、頭が上がらないな…。

 高校三年生の頃、学校帰りに他校の連中に絡まれた事がある。俺はその時、仲の良かった同級生、石井と二人でいた。絡んできた相手は八人もいる。
 友達の石井は、喧嘩をするというタイプではなかった。他校の連中は、あっという間に、石井を人質にした。
「た、助けて…、か、神威…。」
「おいおい、お友達、震えてんぞ。カムイ君よー。」
 石井が目に涙を溜めながら、必死に助けてと懇願する。俺は、何も出来なくなってしまった。
 他校の連中に無抵抗のまま、殴られ蹴られ、最後に唾まで吐きかけられた。悔しかったが、石井にまで手を出さなかったので、その場は怒りを抑えた。
 もし、この件が俺の負けだというなら、一度だけ負けたといえよう。
 この事は、他校の連中にもすぐ広まった。噂は、大袈裟に拡大する。
 何も出来ずに俺は負けた。必死に土下座しながら謝り、許しを得ようとした。いつの間にか、そんな風になっていた。
 その噂を聞いた俺は、当然、怒り狂った。
 その連中を学校の帰り道に待ち伏せして、何日も待ち続けた。八人の内、一人でも見つけると、徹底的にぶちのめした。
 最後のリーダー格の奴は、空手をやっていたらしく、俺の右拳を当てるのに苦労した。何度も窮地に立たされた。俺は殴られながら、相手の首根っこに左手を回し、首を固定して、身動きをとれなくする。その状態で右拳を叩きこんだ。
 武道をかじっている奴の強さは侮れない。この喧嘩で学んだ事だった。本当に強かった。苦戦したが、なんとか勝てた。この頃から、俺の強さの源となる右拳に、誇りを持つようになった。
 こんな毎日を送っていた為、当たり前だが、彼女は出来なかった。学校でも女の子には怖がられている。隣のクラスの仲のいい奴から、こんな事を言われた。
「おい、神威。おまえ、うちのクラスの女に、何て呼ばれてるか、知ってるか?」
「いや、何か文句を言ってるのか?」
「あだ名だよ、あだ名…。」
「そんなの分かる訳ねーじゃん。」
「怪獣だよ。」
「か、怪獣?」
 表情には出さないようにしたが、かなりショックを受けた。周りの連中が俺の事を勝手にイメージしているのは、何となく分かる。それに対し、いい意味でイメージを崩さないようにしていた時期であった。意識的に女の前で格好つけいてたつもりが、反対に怖がらせていたようだ。
「うちのクラスの女、神威の事、おっかながってるぜ。」
「別に、どんな言われ方したって構わないさ、そんな事…。」
「まぁ、女に神威の良さは、理解されづらいだろうけどな。本当は優しい奴なのに…。」
「ありがとよ。まー、何、言われても、俺は変わりゃーしないけどね。」
 友達の手前つっぱってみたが、隣のクラスには高校の三年間で、ずっと密かに想っていた子がいた。
 卒業する時、恥ずかしい気持ちを出さないように思い切って告白した。当たり前だが、当然のようにフラれた。喧嘩で殴られる時以上に痛く、辛かった。家へ帰ってから布団に突っ伏して、思い切り泣いた。思えば孤独な学生生活だった。

 社会人になり、二年間ほどサラリーマン生活を送る。
 そこで感じたものは、喧嘩が強いという事など、何の役にも立ちはしないという現実だった。気に喰わないからといって相手を殴っても、何の解決にはならない。
 今までの喧嘩は何だったのだろう。右拳を見つめる。俺の右拳は、空手家のまっ平らな拳とは違って、ボコボコというかゴツゴツしていた。散々人間を右拳だけで殴って、腫れ上がり、時には小指を骨折したりしても放っておいたので、歪な形をしていた。真っ直ぐに手を開いても、綺麗な形にならないほどの不気味な右手だった。
 それでも俺はこの右拳を誇りに思っている。強さだけが俺の支えだった。でも、仕事においては、何の役にも立たないジレンマに、とても苦しみ日々悩んだ。
 社会人になって数ヶ月経ち、いつものように仕事を終えて帰る。
 会社の帰り道、家の近くのコンビニに寄った時、非常にタイプの女がバイトしていた。俗に言う一目惚れをしてしまったのを自覚する。
 それからは、絶対にそこのコンビニへ、帰り道、絶対に寄るようになってしまった。その子はバイトだったので、毎日通っても、会える日は週に三回ほどだった。
 ある日、コンビニに寄ると、近所に住んでいる幼馴染が働いていた。本当に偶然だった。俺に気付くと、幼馴染の斉藤清美は笑顔で近寄ってくる。
「久しぶりー。高校出て、働いているの?その格好って事は、仕事帰り?」
 清美は、俺のスーツ姿を楽しそうに眺めている。
「ああ、久しぶりだな。俺もとうとうサラリーマンになって、働くようになっちまったよ。清美は、ここでバイトしてんのか?」
「うん、私はまだ専門だから、ちょっと小遣い稼ぎにね。」
 専門学校とバイトの両立。俺は一つの事で、手一杯になってしまう。器用にこなす清美が、少し羨ましかった。
「大変だなあ、でも偉いな。ところで、何時まで働くの?」
「私は九時まで…。もう、今日はそろそろ終わりだね。」
 時計を見ると、九時五分前だった。こいつにあの子の事、協力してもらおうか…。喧嘩なら自信があったが、女の前で、俺はてんでだらしない…。
「清美さー、バイト終わったらさ…。ちょっと時間作れるか?」
「え、別にいいけど…。」
「じゃー、終るまで、店の外で待ってるよ。」
 外に出ると二月なので、まだまだ肌寒い。煙草に火を点けて、時間をつぶす。あの子がいるかと思い、全く意味のない買い物をしたコンビニの袋を邪魔に感じる。
 四本目の煙草に火を点けた時に、コンビニから清美が出てきた。
「お待たせー、寒かったでしょ?」
 口から白い煙を出しながら、清美は笑っている。
「俺が勝手に言っただけなんだから気にするな。」
「でも、急にどうしたの?いきなり時間作れるかなんて…。」
 そう言いながら、顔を赤らめる清美。
「い、いや…、あのさー…。」
「何、どうしたの…。」
 まずい…、清美が変に勘違いしている。こいつの表情を見て感じた。まるで俺が、清美にこれから告白するとでも、思っているような…。
 いや、そんな事より、あの子の事を言わないと駄目だ。俺の心臓はドキドキと、大きな音をたてていた。
「あ、あのさー、清美。おまえが、働いているコンビニあるじゃん…。」
「うん、それがどうかしたの?」
 こいつに、絶対、協力してもらわないといけない。ここは恥ずかしいけど、ハッキリ言うんだ。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥と、言うではないか…。
「か、髪のさー…。長いロングヘアーの…。きっ…、綺麗な子が、あそこで働いてるの、知ってるか…?」
 清美は、肩透かしを喰らったような表情を一瞬したが、すぐにいつもの顔に戻る。
「あー、ひょっとしてー…。さおりの事でしょー?」
 意地悪そうに微笑む清美。
「し、知らないよ…、名前なんか…。」
「さおりに決まってんじゃん。あの子だけだもん。色々お客さんに誘い受けてるの。私と同じ専門学校で仲いいんだよ。」
 まさか、清美と知り合いだったとは…。神様に、感謝したい気持ちでいっぱいになる。
「何、ボーっとしてんのよ。あー、龍ちゃん。ひょっとしてさー、さおりの事を気に入っちゃったんでしょー。」
 ズバリ言われて、頭が真っ白になる。多分、今、鏡を見たら、顔がトマトのように真っ赤になっているだろう。ここまで言ったら、清美に腹を割って、正直に話し、すがるしかない…。
「ああ…、その通りだ…。清美…、俺に協力してくれるか?」
「もちろん。龍ちゃん頑張りなよ。私、応援しちゃうよ。今度、告白する時間、作ってあげるからさー。龍ちゃんって、いつも喧嘩ばかりしてて、横に女連れてんの、見た事ないもんねー。うまくいくといいね。」
「あ、ああ…。」
「明日は、私とさおり同時でバイトに入るからさー。九時ぐらいに、ここにおいでよ。」
「えっ…、あ、明日?」
 心臓が、破裂しそうな感じだ。凄まじい勢いで、鼓動を鳴らしている。
「こういうのはね、早い方がいいに決まってんでしょ。一週間後とかいって、もし、さおりが誰かに口説かれて、付き合っちゃったらどうするの?」
「…と、いう事は、今、彼女はフリーなのか?」
「当たり前じゃない。そうじゃなきゃ、こんな事しないわよ。」
「それもそうだな…。」
「じゃー、また明日ね。私、これから帰って、やんなきゃいけない事あるからさ。」
「分かったよ。あ、清美…。」
「何、どうしたの?」
「ありがとな…。」
「ば、馬鹿ねー…。明日さおりをちゃんとモノにしてから言いなさいよ。じゃあ、また明日ね。」
 清美は道の角を曲がり、俺の視界から消えていく。あいつには感謝の気持ちでいっぱいだった。

 翌日、会社に行っても、仕事に全然身が入らないでいた。天井を見ながら上の空。
 その時、怒鳴り声が聞こえた。上司の吉田が、俺を睨んでいる。手招きをして、こっちへ来いと、無言でアピールしていた。
「はい、何ですか?」
「おまえさー、やる気あんの?学生気分が、抜けてねえんじゃねーか?」
「すいません…。」
 吉田は生理的にムカつく顔をしていた。まだ二十代半ばなのに、醜く突き出した下っ腹。牛乳瓶の底のようなメガネ。喋る時によく唾を飛ばす。たまにその汚い唾が、顔にかかる事もある。俺は吉田の全てが生理的に嫌いだった。
「謝ればいいってもんじゃないんだよ。謝れば…。」
 ムカつく台詞を二度も繰り返し使うんじゃねえ…、仕事じゃなければ、ぶん殴ってやりたい。
 でも、今日は清美がさおりを紹介してくれる素晴らしい日なのだ。
 そう思うと、俺の目の前で怒鳴り散らす吉田が、そんな気にならなくなってくる。人間て不思議だ。
 吉田から開放されても、時間はたいして経っていない。こんなに時が経つのって遅いのか。仕事後の一大イベントを考えると、気持ちはどんどん高鳴っていく。
 さおりの事を想像する。あのエキゾチックな瞳。ちゃんと見られるだろうか。心臓が、ドキドキ高鳴り、胸が妙に苦しい。
 サイはもう投げてしまった…。これからあのコンビニに向かう事を考えると、楽しい反面、時を戻したくもなってくる。早まった事をしてしまったのではないだろうか。
 仕事を終え、駅に着いて、緊張しながら一歩一歩道を進む。進むごとに、足は重くなっていく。進めば進むほど、どんどんコンビニに近付いていく。
 お門違いの話だが、駅から近い位置に建っている我が家を恨んでしまう。何故、もっと遠くに建ててくれなかったんだ。
 コンビニの見える位置までくると、電信柱の影からそっと覗く。まだ清美たちは、外にいない。
 意味もなく、近くの道を行ったり来たり繰り返した。毎日通っているコンビニの前を今日だけは、なかなか通れない。
 肝心な時に俺は情けない奴だった。道路にしゃがみ込み、頭をかきむしった。今日は、このまま家に帰ろうか。そんな気持ちが強くなってくる。
 時計を見ると、九時十分になっていた。慌てて、電信柱越しに覗き込む。コンビニの前で女の人影が二人立っていた。俺は顔を引っ込めた。
 心臓はバクバクと激しく音を鳴らしていた。あそこにさおりが、俺を待っている。言いようのない緊張が、俺を包む。落ち着け…、落ち着くんだ。俺は、とりあえず煙草に火を点けた。
「おーい、龍ちゃーん…」
 清美の声が聞こえる。何故、見つかったのだろう。恐る恐る、電子柱から顔を出す。清美とさおりは、こっちを見ていた。遠くから俺を見て、手を振っている。
 煙草だ。この煙で、俺は見つかったのだ。吸いかけの煙草を投げ捨てる。
 軽く深呼吸をした。落ち着け。ここにいると、変な奴にしか見られない。
 俺は清美たちのほうへ、歩き出した。足取りが非常に重い。三十キロの重りを両足首に繋げられているみたいだった。
 それでも徐々に近づくと、清美の顔が見えてくる。その後ろに、控えめに姿勢正しく立っている女がいた。
 間違いない。俺が一目惚れしてしまったさおりだ…。妖精が、彼女の周りをヒラヒラと飛び回っているような幻想的な美しさを持った女。俺の足首についた重りはどんどん重くなり、とうとう百キロくらいの重さに変わる。小刻みに足が震えだす。俺は完全に、緊張していた。
「何、してんのよ。なかなか来ないから、さおりに龍ちゃんの事、話してたんだよ。まあ、いいわ。私はお邪魔虫みたいだから、少しの間、消えてるね。二人でごゆっくり。」
 清美は意地悪そうに笑って、その場から消えていく。おい、フォローはしてくれないのかよ。心の中で叫んだ。
さおりと二人きりになると、圧迫した空気がこの場を覆いつくす。何て話せばいいんだ。俺はさおりを見る。彼女は、照れ臭そうな表情で近付いて来た。
「清美ちゃんからちょっとだけだけど、話を聞いたの。龍一君って、言うんでしょ?」
「……。」
 目の前にいるさおりは、本当に美しかった。聞いた事はないが、きっと天使の声って、こんな声だと思った。魅惑的な瞳。真っ赤な形のいい唇。筋の通った鼻。目と眉毛の開く広さは、抜群にいい。さおりは、完璧なパーツを持ち、しかもそれらが、完全に整って表情を形成していた。パーフェクトというのは、彼女の為にある言葉なのかもしれない。
そんな彼女が、俺に対して真正面に対峙している。しかも、興味津々といった感じの眼差しを向けていた。
まるで夢の中にいるみたいだった。いや、違う…。これは現実なのだ。
落ち着くんだ。当初の目的を考えろ。頭の中で、必死に整理する。
果たして俺は、こんな子に告白を出来るのだろうか。それ以前に、どう話していいのかすら分からない。
「龍一君って、喧嘩強いんでしょ?清美ちゃんからさっきね、ちょっと聞いたんだ。」
「……。」
 野蛮人に見られているのかもしれない…。そう思うと、何も答えられないでいた。
「ん、どうしたの?隆一君って、清美ちゃんと幼稚園からの幼馴染なんでしょ?」
「う…あ…、う…。」
 何か喋ろうとしても、言葉になっていない。俺は一体、何語を話してんだ。自分で聞いていても薄気味悪く感じる。さおりは何かを話しかけているが、よく聞こえないでいた。
さおりの表情が険しくなっていく。このままでは非常にまずい。分かっていながら、何も話せなかった。俺はこんなに情けない奴だったのか。
「ねぇ、龍一君は、私に何か伝えたい事があって、今、ここにいるんでしょ?何故、何も話してくれないの?」
「え…、いや…。あのー…。」
 さおりの顔は、あきらかに呆れ返った表情になっていく。エキゾチックな瞳は、軽蔑の眼差しに切り替わっていった。好きな子が目の前にいる。でも、俺は何も出来ずに、モジモジしているだけの最低野郎だった。
「ごめんなさい…。私、もう帰るね。」
「あ……。」
 さおりは早足に、俺の視界から消えていった。少しして清美が、さおりを連れ、近づいてきた。
「龍ちゃん、何やってんの?」
「……。」
 清美の顔は怒っていた。当たり前だ。俺から頼んでおいて、このザマ…。
「清美、龍一君って、何も話してくれない…。」
 心に刺さった言葉だった。当たり前の事を言われただけだが、それだけ俺が駄目っぷりを見せてしまったのだ。清美にさえ、何も言えない俺。二人とも黙って、俺の前から去っていった。
惨めだった。すべて自分の不甲斐なさが、原因なのだ。今の俺は、二人の後ろ姿を黙って見守るだけしか出来ない。
しばらく、このコンビニには恥ずかしくて来られない。いや、この道自体、通れなくなってしまった。
自分への悔しさ、情けなさ。男相手なら、あれだけ強気にいけるのに…。
電柱に右拳を叩き付ける。すごい激痛が伝わってくるが、それでちょっとだけ救われた感じがした。右の拳を見つめる。拳のところどころから、血が滲んできた。

血の滲む拳を見つめながら家に向かう。悲壮感漂うが、右手の痛みだけが、現実へ引き戻してくれる。
早く部屋に帰って休みたかった。大きな絶望が俺を覆っていた。やがて自分の家が見えてくると、少しだけ癒される気がする。
家の目の前の駐車場を通ると、家の壁で、立ちションをしているガキがいた。さおりに去られたショックで、フラフラだった俺。しかし、その行為を見て、鬱積した怒りが全身にみなぎってきた。
「おいっ、どこでションベンしてんだ、クソガキが…。」
「あっ?」
 そのガキはション便をしたまま、首だけひねり、生意気そうな面で睨んでくる。
「小僧が…。」
一気に怒りが爆発して、背中に蹴りをぶち込む。クソガキは不意に蹴られ、壁へ正面からぶつかる。
クソガキは、立ちションをした状態のままだったので、手に小便らしき液体が、ビチョビチョについていた。
「ふざけやがって。コンチキショーッ!」
 人の家に小便をしている自分が、悪いくせに逆切れをしている。小便が手に付いた状態の拳で殴りかかってきた。絶対にこんな拳だけは、死んでも当たりたくない。ある意味、最悪の攻撃だ。
ガキのパンチが大振りなので楽にかわす。かわしたはずのパンチだが、第二弾攻撃の脅威の液体が、水しぶきとなって数滴ほど、俺の頬に跳ねた…。
気付けばガキの髪の毛をつかんで、駐車場にある緑色の金網の鉄柵に顔面を叩きつけた。頬に数滴とはいえ、小便をつけられ、完全にヤケになっていた。ガキの顔面を押しつけた状態で、大根おろしをするような感じで、金網に擦りつける。顔面を押さえて道路にのたうち回るガキの顔面を容赦なく蹴飛ばす。もちろん加減はしたが、完全にのびていた。
さすがに家の前でダウンされても具合が悪いので、担いで近くのゴミ捨て場に投げ捨てる。ダッシュで家に帰り、風呂場で顔を…、特に頬を丹念に洗う。ゴシゴシと強く擦り過ぎて赤くなった。でも、皮が多少擦り切れるまで洗った。出来れば、頬を皮膚移植したい気持ちでいっぱいだった。

 ある休みの日、まだ高校生の弟が、一本のビデオを俺に持ってきた。
「兄貴、これ見てみ。すげーぜ。」
 興奮した状態で、弟は俺に話し掛けてくる。何かのエロビデオだろうか…。
「早くデッキに入れてよ。早く、早く…。」
 あまりにも急かすので、俺は弟の言う通りビデオをデッキに入れ、再生ボタンを押す。
「赤ーコーナー…。ヘラクレスー…、大地ー。続きましてー、峰ー…、信長―。」
 弟の持ってきたビデオは、プロレスだった。
ヘラクレス大地…。俺と同世代以上の年齢なら、誰でも知っているぐらい有名なプロレスラーだった。
実況席にはチョモランマ大場が座って解説している。世界の大巨人として有名なチョモランマ大場が社長の大和プロレス。
ヘラクレス大地はそこの偉大なるチャンピオンで、その強さは世間を一世風靡したほどの人だ。対戦相手のタッグチームと、ヘラクレス大地のパートナーは、自分が全然知らないレスラーだった。
普通に知っているヘラクレス大地のタッグチームを必然的に応援してしまう。いつの間にか、弟も部屋に入ってきて、俺の横でテレビを見ていた。
「おまえはもう見たんだろ?」
「ほらほら、兄貴。試合始まるぜ。」
 鍛えあげられた肉体と肉体の激しいぶつかり合い。プロレスを見るのは久しぶりだった。確か小学生の頃以来じゃなかったっけ…。
体格で勝るヘラクレス大地が相手を吹っ飛ばす。俺なんかが、こんな事をやられたら、一発で壊れるな。そう感じるほど、強烈なタックルだった。
「この試合、ヘラクレス大地のほうの勝ちだろう?」
「いちいち聞かないで…。ほら、テレビ、テレビ。」
 対戦相手の緑色のタイツをはいたレスラーが、エルボーで反撃をしだす。テレビ画面で見ていても、その衝撃が伝わってくるような、今までに見た事のないすごいエルボーだった。ヘラクレス大地の顔がすごいブレ方をする。人間を叩いて、こんな音がするんだと、素直に感心した。
俺も自分の右拳で繰り出すパンチには、かなり自信を持っていた。でも、見ているだけで、レベルが歴然と違うのが分かる。
「これが今、メキメキ力をつけてきている伊達のエルボーだ。すげーだろ?」
 俺は返事も返さずに画面を魅入っていた。横で弟が横で何か話しているが、全く耳に届かない。ひと言で説明すると、もの凄い試合だった。不思議と画面から目を離せない…。
「三十分経過ー…。三十分経過ー。」
 ガンガン殴りあい、技と技の応酬で、会場は沸きに沸いている。テレビ画面を通じて、観客の熱気が、こっちにまで伝わってくるような気がした。
こんなに三十分もやり合って、何故、動けるのだろう。素直に感動を覚える。
初めて見た伊達というレスラーが、エルボーでバタバタと相手をなぎ倒す。最初はヘラクレス大地を応援していたはずなのに、気付けば、伊達を格好いいと思っていた。
俺は心の中で伊達を応援していた。ヘラクレス大地が、エルボーを喰らいながらも意地で倒れずに踏み堪え、エグイ角度のバックドロップで、真っ逆さまに伊達の脳天をマットに突き刺す。男の意地を感じる。やられても引けないという意地を…。
伊達が、両手で頭を抱えながらもがいているところを逃さず、ヘラクレス大地は、強引にフォールに行く。レフリーが素っ飛んで来る。
「ワンーッ…、ツーッ…。」
 あの角度じゃ、さすがに伊達も終わりだろう…。ピクリとも動く様子がない。
「スゥ……」
 スリーカウントが入る間際だった。渾身の力で伊達がフォールを返す。かろうじて片側の肩を上げてフォールを免れたと言った感じだ。
画面の中にいる観客の歓声が、絶叫に切り替わる。物凄いテンションだ。俺も生で観戦していたら、きっと大声を張り上げていただろう。そのぐらいすごい場面だった。
伊達のパートナーがリングインしてヘラクレス大地に向かうが、峰に阻止され、パートナー同士、リング外にもつれ落ちる。
フラフラになりながら立ち上がる絶体絶命の伊達。ヘラクレス大地がすごいスピードで、向かって行き、その巨体が宙に浮かび上がる。右膝が突き出して…。
必殺技ジャンピングニーパットだ。何人のレスラーをこの膝で沈めてきただろう…。これを喰らったレスラーは、まるで車と衝突したかのように、吹っ飛ばされる。あれだけ鍛えられた人間が、あんな吹っ飛び方をするのを自分の目で見ていて、信じられないようだった。
フラフラの伊達に、脅威の膝が迫る。俺だけじゃなく、中の観客もみんなそう感じているだろう。脅威の右膝が、伊達に突き刺さる。
何とも表現しにくい激突音のあと、二人のレスラーはダブルノックダウンした。
ヘラクレス大地の方は、その場に崩れ落ちたという表現がピッタリのダウンだった。逆に、伊達はすごい吹っ飛び方をした。
会場は割れんばかりの声が鳴り響く。俺は激突の瞬間、この目でハッキリと見た。伊達が、ジャンピングニーパットを喰らいながらも、エルボーを的確に、ヘラクレス大地の顔面に叩き込んだのを…。
ピクリともしない両者。いや…、伊達が、何とか動こうと、凄まじい形相でマットを這っていた。じわりじわり近づく伊達。ヘラクレス大地の体にやっとの思いで、覆い被さりフォールに行く。
レフリーのカウントと共に、場内の観客も一緒になってカウントを数えていた。
「ワンッ…、ツーッ……、スリー。」
 何事にも代えられない素晴らしい感動が、そこにはあった。会場内の観客は全員総立ちで拍手喝采だ。
俺も一本のビデオの中に録画された、たった一試合を見ただけで、全身を電気が走り、腕を捲くると鳥肌がたっていた事にビックリする。弟はどうだと言わんばかりに、勝ち誇った表情で俺を見ていた。何故か、全身が熱かった…。
翌日、興奮が醒めない状態で会社に行ったが、誰もプロレスの話題に関心を持ってくれた人はいなかった。
何かを見せられて、あれだけ熱くなったのはいつ以来であろう。この感動を誰かに伝えたかった。しかし、誰も興味を持ってくれなかった。自分の中の感動を伝えたいのに、それが全く伝わらないもどかしさ…。あれだけすごい試合をしているのにも係わらず、世間は、プロレスと俺に対して冷たかった…。

 夜遅く、会社の先輩である松木と、得意先へ行った帰り道の事だった。
俺が運転しながら、環七を走っていると、集会の帰りなのか、族車のバイクが二台、車の前をチンタラ走っていた。松木も仕事疲れからか、イライラしながら、俺に話し掛けてくる。
「おい、前の二台邪魔だから、クラクション鳴らせよ。」
 松木に言われるまま、車のクラクションを鳴らす。しかし、前を走っている族は無視しているのか、道を全然空けようともしないで、ノロノロ運転で嫌がらせをしていた。
松木の表情が険しくなり、俺にもっと鳴らせと怒鳴りだす。言われるまま、俺は族がどくまでクラクションを数回鳴らした。
信号が赤になると族は、道の真ん中に止めてバイクを降り、俺の車の窓をガンガン叩いて、こっちに何か喚いている。ヘルメットをかぶっているので、表情は見えなかった。
「どうします、松木さん?」
 俺が松木の方を振り返る。もう松木はドアを開けて、外に飛び出すところだった。全く血の気の多い先輩だ…。俺は車の中で静観する事にした。
状況を見ると族二人組の内、一人はヘルメットを被っている。松木は、二人を相手に、怒鳴って粋がっている。
先手を打つ松木。相手のヘルメットに向かって殴りかかる。馬鹿だなと感じた。
案の定、拳を押さえて、その場にうずくまる松木。族の二人は、うずくまる松木に殴る蹴ると好き放題だった。
さすがに見ていられないので、車から降りる。ヘルメットを被った方が、俺の胸倉をつかんできた。
「テメーよー。舐めんのか?あんっ?」
「離せ…。」
「舐めてんのかって、言ってんだよ。」
 左手で相手の頭を抱え、腹に右膝を突き刺す。
一瞬、相手は跳ね上がり、すぐに大人しくなる。あのヘラクレス大地がやったなら、こいつはもっと跳ね上がるんだろう…。
追い討ちで、屈み込んでいる族の背中に肘を落とす。相手はそのまま道路にうつ伏せのまま倒れ、ピクピクと体を痙攣していた。あの試合で勝った伊達のエルボーなら、こんな威力じゃ済まないだろう…。
俺は、容赦なく族の頭を踏みつける。多少力が入ったが、ヘルメットを被っているので問題ないだろう。
「こんな弱いのに、絡んでくんじゃねーよ。」
 見せしめのように、何度か踏みつけると、松木を殴っていた族が、俺の方にすっ飛んできた。
俺は、身構えて相手を睨みつける。しかし、様子を見ていると、相手の様子が何やらおかしい。
「すいませんでしたー。勘弁して下さい。」
 何とも情けない族だった。いや、族の格好をした連中だけなのかもしれない。
「謝るぐらいなら、ハナッから喧嘩、売ってんじゃねーよ。」
 片割れの族は何度も謝っていた。まあ、こいつにしてみれば、ヘルメット男は友人だ。謝ってでも、守ろうとする行為は尊い。
うずくまる松木を抱き起こし、車に戻る事にした。松木の拳は割れて、血だらけになっている。
「大丈夫ですか、松木さん?」
「ああ…、おまえって、喧嘩強かったんだな…。」
「何、言ってんですか。たまたま、運が良かっただけですよ。」
「ふざけんな。あんな動き、場数こなしてないと、出来る訳ねーだろ。」
「俺だって、怖かったですって…。松木さんが、いきなりやり始めちゃうから、どうしようかって、ずっと考えてたんですよ。とりあえず、お疲れでしょう。会社に早く戻りましょうよ。」
「そうだな…。」
 会社に着くまで俺たちは無言だった。
帰り道に車を運転しながら、俺の頭の中は、この間、見たプロレスの事で、いっぱいだった。
ヘラクレス大地の一発の技の破壊力と凄味…。
伊達の鈍器で叩きつけるようなエルボー…。
そして見る者をあれだけ吸い寄せる熱気…。すべてが最高だった…。

気が付けば会社に到着していた。
夜遅かったが、会社には、まだ三人ほど残業で社員が残っていた。
俺たちをというより、血だらけの松木を見てビックリしている。メガネを掛けた嫌味な上司、吉田が近付いてくる。
自分より下には理不尽にえばり、上にはヘコヘコする典型的なクソ野郎。何かにつけて嫌味を言う材料を常に探し、下の連中全員に嫌われていた。
「ちょっと、ちょっとー…。何よ、その怪我は…。」
 松木が、先程の説明を身振り手振り話す。
幾分、聞いていて、自分に都合いいよう責任を置き換えてはいたが、この際、仕方のない事だった。あくまでも族に絡まれたというのを繰り返しアピールしている。
「あのねー、君たちさー、何しに会社に来てんの?会社だって無駄金をね、君たちに払ってる訳じゃないんですよ。その辺の事、ちゃんと自覚してんの?」
 吉田は人指し指で、メガネの中心を押さえながら小言を言い出す。ぶつぶつ言いながら尖らせている口は、醜い腐った魚のように見えた。
松木に向かってクドクド言いながら、視線を俺の方へ向けてくる。
目と目が合うと、吉田は、俺の足のつま先から頭に向けて、値踏みでもするかのように何度も見ていた。
こいつを見ていると、本当に吐き気を催してくる。メガネ越しに見える吉田の小さな目。黒目しかないような目玉でジーッと見てくる。レンズ越しに見る吉田の目を見ていると、まるで昆虫と、対峙しているような感覚に陥る。それほど、感情のこもっていない嫌な目つきだった。吉田の昆虫みたいな目玉が、俺の胸元辺りで止まる。
「ちょっと、ちょっとー…。君…、何よ、これは…?」
 人差し指で、俺の胸元を差してくる。見るとちょっとだけ白いワイシャツに、真っ赤な血が付いていた。さっき俺は、返り血を浴びるような攻撃を一切してなかったはずだが…。
「人が聞いてんだから、さっさと答えなさいよ。」
 俺の肩をチョコンと突き飛ばしてくる。一生懸命粋がっているが、思いっきり無理しているのが、手に取るように分かる。
この態度を上の人間に向かっても変わらずにいられたら格好いいだろうが、こいつは百八十度回転してヘコヘコする奴だ。仕事もろくにせず、上司の機嫌を伺う事だけ一流。ゴマすり技術にかけては、俺が見た中で、今まで日本一である。
松木がかろうじてフォローに入らなかったら、間違いなくこのクソ野郎をぶっとばしているところだった。必死に吉田に頭を下げる松木を見ていると、やるせない気分になる。高校時代の恩師の姿がかぶって見えた。

 

 

2 打突 - 岩上智一郎の作品部屋(小説・絵・漫画・料理等)

1打突-岩上智一郎の作品部屋(小説・絵・漫画・料理等)打突2007/2/7格闘技、プロレスに関する自分の思いを自己満足でひたすら書きましたそしたら800枚を超える作品になっ...

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