korou's Column

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松浦亜弥 カヴァー曲③「あなたに逢いたくて」

2020-04-23 | 松浦亜弥

「あなたに逢いたくて〜Missing You〜」(以下「あなたに逢いたくて」と表記)は

松田聖子の38枚目のシングルとして

1996年4月22日に発売されました。

夏目雅子の画像が印象的だったCanonプリンターのCMで

この曲がバックに流れ

そうした宣伝も効いたのか

彼女のシングルでは初のミリオンセラーとなり

8年ぶりのオリコン1位も獲得しました。

この曲の大ヒットで

単なる80年代アイドルの域を超えたスーパーアイドルとして

比較を許さない存在となったと言えます。

 

松田聖子 - あなたに逢いたくて ~Missing You~ (1996) 

 

松田聖子の歌唱の特徴として

とにかく声の圧が強い、ちょっと聴いただけで彼女の声だと分かる

ということが言えると思います。

一度この声質でもってオリジナル曲を脳裏に刷り込んでしまうと

(そして多くの曲が大ヒットの部類なので「刷り込み」は必至!)

他の歌手のカヴァーを聴いたときに

まずその声質に違和感を感じてしまう

ということになりがちです。

 

歌唱力に問題のないとされる松浦亜弥のカヴァーでさえ

「赤いスイートピー」の場合は

違和感が最後までつきまとい

聴いた後にも

別にこの曲のカヴァーはしなくても良かったのでは

という思いになります(あくまでも私見ですが)。

 

そう思っていたので

実のところ、亜弥さんのカヴァー曲歌唱のなかでも

松田聖子の曲については

今までしっかりと聴くことはありませんでした。

そう思っていたのですが・・・

 

今回「あなたに逢いたくて」のカヴァーを聴いて

その考えを改めるに至りました。

改めるに至った理由は

前々回の記事で書いた「ノド声」と「腹筋声」の考察が

この曲の歌唱の場合、ぴったりときたからでした。

 

2009年7月25日の昼に横浜で開催されたマニアックライブ2で

この曲を歌った亜弥さんの歌唱は素晴らしいです。

どう素晴らしいかは後述するとして

まずはファンであれば何度も観たであろう

この動画を引用しておきます。

 

松浦亜弥「あなたに逢いたくて~Missing You~」(20090725) 

 

すでにyoutubeで210万回も再生されている分を引用しましたが

他にも全く同じ歌唱で70万回、18万回再生されている動画があり

さらに同じ「あなたに逢いたくて」で

稲垣潤一とのデュエット(これは稲垣さんのアルバム企画としてリリースされました)

の動画がそれぞれ

73万回、48万回、34万回(以上すべて2020.4.23確認)再生されているので

全部足すと450万回以上の再生回数になります。

これは亜弥さんのカヴァー動画では断トツ1位の再生回数であり

松浦亜弥本人の全動画でも第4位という人気ぶりです。

世代を超えて知名度の高い曲を

今でもそこそこの知名度を誇る実力派アイドルが歌うと

順調にいけばこうなるという典型のようです。

 

では、どこが素晴らしいのか。

以下独断と偏見、いや偏見はなるべくないようにして

でも独断で話を進めますが

まず聴き始めはあまり印象はよろしくありません(あくまでも独断、私見ですが)。

もちろん悪くはないのですが

やはり聖子ちゃんの歌は止めといたほうが・・・という感想になります(だから今まで

あまり聴いてこなかった・・・後悔!!)

しかし、懸命に歌う姿勢に、ついつい聴き続けてしまうということになり

途中からはその歌唱にくぎ付けということになります(あくまでも独断、私見ですが)。

 

何が違ってきたのだろうか。

途中から惹き込まれてしまったのは何故?

最後のほうなど、声に圧も出てきた感じで

違和感などみじんもない、

ああ、これは声が体の奥深くから出てきて

ノドだけの声ではなくなったからではないのか、と思いました。

ノドだけの声のほうが軽やかで聴き易く

(ただし、その前提として声質の透明感と確実な音程が必要!)

表現も幅広くできるのですが

そのままでは曲の後半で息切れ気味になり

声そのものも苦しげに聴こえなくもないということになりがちですが

その点、腹筋を使った(いわゆる)正しい発声だと

最後まで息切れ感など出ず、歌い切った感が強く出るわけです。

さらに、透明な声質であったとしても、声の圧、声の力感も出てきます。

その分、声質そのものが安定し過ぎて、

細かいニュアンスを出すことは難しくなるようですが

亜弥さんは

この「あなたに逢いたくて」の歌唱で

そのへんを自由自在にこなしているように思います。

最初は、ノドを自由自在に操りながら優しい声質で歌いかけ

途中から、声質に力感が出るよう体の奥底から歌い上げ

そして、最後の最後でまた優しい声質で閉じる、という風に。

松田聖子独特の質感に松浦亜弥独自の質感をプラスした

オリジナルを超えたカヴァーになっていると思います

(もちろん、聖子ちゃんの声質が好きな人には

 オリジナルが一番ということになりますが・・・)

 

Cメロが終わった後の

菊池さんのギターソロが繊細で

それも最高ですね。

力感を増した亜弥ちゃんの歌唱の直後だけに

対照の妙が出ています。

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4 コメント

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本家よりも本家 (あやマルm(_ _)m)
2020-04-24 03:17:27
ありがとうございます。
松田聖子さんの方は大昔に聞きましたが、ここ数年聞いていなかったので改めて聞いてみると新鮮というかちょっと記憶のイメージと違ってました。意外にあっさりしている感じで、松浦亜弥さんのような多彩なニュアンスはあまり感じないです。

ついでに色々聴き漁り、田中 れいな さんまで聞いてしまいました。

稲垣潤一さんとのデュエットもいいですね。歌唱だけでなくアウェイにも関わらずステージをパーッと明るくして、かといって出すぎず、稲垣さんの歌唱を立てて、ほんとうにいい仕事するな~と。

ちなみに昨晩橘慶太氏がインスタライブをやったようで、その中のトークで「(亜弥さんは)これだけ言えるのは僕より確実に歌が上手いです、バケモンです」と言ってたそうです。

ステージでも結婚指輪を外さなくなり、インスタとはいえ亜弥さんのことを堂々と話すようになり、着々と復帰のお膳立てをしているようにも見えますね。

返信する
Re:本家よりも本家 (korou)
2020-04-24 20:18:13
>あやマルさん

いつも亜弥さんの、というか・・・
慶太サンの最新情報をありがとうございます。
なかなかそこまでチェックしていないもので
参考になります。

稲垣サンとのデュエットは
幸運にもBSでの再放送で録画できたので
たまに再生して楽しんでいます。
とはいえ、今までは
最初のほうの会話のやりとりばかり見ていたので
今回久々に聴きました。
”あやや(©稲垣サン)”よく声が出てましたね。
youtubeのコメント欄も初めてじっくり見ましたが
なかなか好評ですね。
まあ、亜弥ちゃんの動画は
どれも高評価なんで不思議はないんですが。
返信する
決定的な映像 (孫右衛門)
2020-04-25 13:45:23
大変ご無沙汰しております。

この映像と前の記事で紹介された同じアップ主さんによる部屋とYシャツと私に出会ったことが、私にとって決定的なものであり、松浦亜弥さんの曲を聴きこむきっかけになったものでした。
これらを改めて紹介いただき感謝します。

当初はUPされて間もないころだったらしく、確か数万くらいだったと思いますが、今や200万回以上にもなり、関連映像を含めると削除もされず多くの視聴回数を重ねているのはとても貴重なことと思っています。

本格的に活動を再開する可能性はきわめて低いだろうと今のところ個人的には感じていますが、これらの映像群が大切に守られ聞き継がれて、また新たなファンすら獲得しているのですから、その事実は本人にも知ってもらいたいものと思っています。

ここしばらくコメントはしておりませんでしたが拝見しにお邪魔はしていますので、今後も粘り強く発信をお願いいたします。

私も少し記事を書いていましたが、不注意でのPC破損によりログインできない状態に陥ってしまいました。他の記事も含め、このまま塩漬けになってしまうかもしません・・。
返信する
Re:決定的な映像 (korou)
2020-04-26 10:32:05
>孫右衛門さん

こちらこそご無沙汰しておりました。
コメントを下さり、ありがとうございます。

PCの破損ですか・・・そうなると
急にログインできなくなることはありそうですね。
私も似たような体験があります。

ディスコグラフィー編に続くカヴァー編ですが
本来続けて書く予定でした。
それが、とんでもないサイトを発見したせいで
予定変更して延び延びになっていたものを
今頃になって書き進めています。
よろしければ、以後もご笑覧ください。
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