korou's Column

2024.5.1 音楽ブログとして再スタート。

youtube動画で思うこと

2018-01-28 | ネット

気の向くままにyoutubeの動画を散策することが

ヒマな時の私の最大の娯楽といってもいいのだが

最近になって

特に歌謡曲のジャンルで

「違法行為のため削除しました」の類のケースが

急増しているように思える。

以下、特別な検索技術も持ち合わせず

業界事情にも詳しくない

単なる音楽愛好家として

愚痴を書き連ねてみる。

 

”坂本九「上を向いて歩こう」”の動画が削除。

TBSからの削除依頼らしい。

かつては、NHKのものも含め複数の動画がアップされていたが

このTBSのだけがなぜか生き残っていたのだが

それもこの1年の間に削除されてしまった。

TBSについては

CSでこの類の動画を順次公開しているので

こと日本国内に関していえば

削除依頼という権利行使について特に文句はないのだが

これだけの世界的な大ヒット曲については

また別の側面があるはずだ。

誰がすべき行為なのかは不明だが

誰かが、権利者相互の調整をした上で

公式動画を1つだけでもいいので

日本以外の外国の音楽愛好家のために公開してほしいと

思うのである。

当時のEPの音源は(単純に言えば、もはや著作権は切れているので)

公開可能だろうが(実際、公開されていて、すでに400万回近い再生回数!)

やはり歌っている九ちゃんの動画を

全世界の方々に見てほしいと思う。

彼がいかに感性豊かにこの曲を表現していたかを

実際に目で見て確かめることができたなら

この曲の素晴らしさがもっともっと伝わるだろうから。

 

ロカビリーっぽい雰囲気を持った歌手で

大成功を収めた第一号が坂本九とするならば

自作自演のシンガー・ソングライターの成功例第1号は

いわずと知れた加山雄三ということになる(演歌の林伊佐緒は特殊なので除く)。

加山雄三の1960年代の動画については

けっこうyoutubeに残存している。

そして、ほぼその全部について

映像の権利者はTBSのようだが

坂本九の動画と扱いが違うのはどういうわけか。

まあ、見られる分については文句はないのだけれど。

 

そして、その加山の創った音楽にGS風味を加えて

もっと若者らしいイメージで

ヒット曲を連発したのが荒木一郎である。

ただし最大のヒット曲「いとしのマックス」で検索しても

当時(1966年)の映像はヒットしない。

これも、この1年の間に「第三者通報」で

削除されている。

(ただし、検索語句の関係で

 その映像そのものに

 別の方法でたどり着くことは容易)

もう一つのヒット曲「今夜は踊ろう」のほうは

検索すればズバリ出てくるので

このヒット曲2曲で扱いが違うのは不思議。

そして、これらの映像は

またしてもTBSの権利物件だ。

どちらも放置されているのが

妙といえば妙だし

嬉しいといえば嬉しい。

もっとも、この両曲とも

以前youtubeから動画が削除されていて

再アップ(もしくは再々アップ?)のものが

現役ということでもあるので

今見れるURLのものも近日中に削除されるのかもしれない。

そして、ほとぼりが冷めた頃

また誰かが再々々アップして・・・・(以下略)

 

1969年の紅白歌合戦に奥村チヨが初出場を果たしたが

ヒット曲「恋の奴隷」の歌詞がNHK的にマズいので

歌詞を変更して歌うよう要請を受けたのは有名な話。

彼女はそれを拒否して

歌詞を替えて歌うくらいなら別の歌にするとして

「恋泥棒」を歌い、喝采と同時に(いわれなき)批判を浴びた。

そうした経緯に加えて

その「恋泥棒」の歌いっぷりがまた見事で

1年前まではその”歴史的”映像をyoutubeで気軽に見ることができたのだが

今は「第三者通報」で削除されている。

何たることか。

NHK的には、この経緯は「黒歴史」になるのだろうが

もう随分と時が経ったのだから

たとえば「時代背景による放送基準の変遷」というテーマで

同じく歌詞を「検閲」した青江三奈「伊勢佐木町ブルース」、

山口百恵「プレイバックPart2」、南こうせつ「神田川」などの映像とともに

そういうテーマの検証画像として公開してほしいものである。

以上の映像をyoutubeで見つけるのは容易ではない(多分ないはず)。

 

アイドルの元祖といえば南沙織。

彼女の動画は早くからチェックが入っていて

2009年頃までは

デビューから初期の頃の動画が

結構多く存在していたのに

今はほぼ皆無状態となっている。

まあ、著作権法的にも

このあたりから保護年代になってくるので

仕方ないとはいえ

1つか2つほどは残しておいてほしかったところである。

さきほど検索したら

頑張って再アップした方の動画がヒットしたが

さすがに歴史的に貴重な動画だった。

いずれ削除されるとはいえ

キャンディーズ、谷啓なども出てきて

日本歌謡史を考える上で重要な動画だと思われた。

 

同じアイドルでも

山口百恵の場合はyoutube上での動画に恵まれている。

いくつかは削除措置を受けているものの

重要な動画は残存していて

いうならば

youtube上だけで

このアイドルの魅力を十分に堪能できるのである。

(もちろん、大前提として、無条件かつ無料でその曲を堪能するだけの

 対価をすでに支払っていることが必要で、私自身は、山口百恵に関しては

 実際にアルバムを購入し、レンタルの時代になって、あらためていくつかの

 CDをチェックしている。全く対価を支払わずに、youtubeだけの音源で

 すべてを理解しようとするのは怠慢だろう。ただし、ある程度、年数を

 経てくると、山口百恵のようなビッグネームならともかく、大抵の歌手等に

 ついては音源を確保することすら不可能になってくるのも確かである。

 そうなってくると、音源をアップ可能な人が、音楽の歴史の正しい理解

 のためにあえてアップを行い、皆でその財産を共有することに必然性が

 出てくる。ただし、その動画について正当な権利を持っている人が、

 その動画を比較的アクセス容易な手段により公開し続けている場合(有料

 の場合も含む)は、そういう行為をあえて行う必然性はなく、むしろ

 著作権侵害のケースになり得る。音源確保の困難さの度合い、また、それが

 困難でない場合に必要とされる対価の程度などには、どうしても主観が

 入って基準を定めにくい。逆に、それら細かい事情を一切無視して、

 youtubeなどの動画をソフトを使ってDLすることは、どんな場合でも

 違法とする現行の著作権法こそ、さまざまな権利条項を普遍の価値として

 定めた現日本国憲法の精神に違反していると言える。海外では、そのあたりは

 割り切っていて、youtubeの動画の削除を日常的に行っているケースは

 少なくとも私はあまり聞いたことがない。日本の権利者たちは、あまりに

 ちまちまと権利を行使しすぎである。宇多田ヒカルが早くからやっているように

 公式チャンネルで動画を管理して、その上で海賊版を取り締まるのが妥当と

 思われる。ただ公式チャンネルにも欠点があって、大抵の場合コメント書き込み

 が不可なところ。コメントを見る楽しみがないのは勿体ないと思うのだが)

 

山口百恵の場合

この動画がいまだに残存しているのが嬉しい。

(この動画を見て見ぬフリをしてくれている民放関係者に感謝したい)

私は、実際にこの番組を1980年の初夏に観た。

まさかyoutubeでその感動を再現できるとは!

動画を綺麗に保存できない年代の動画なので

映像・音ともに乱れはあるものの

間違いなく彼女のベスト・パフォーマンス。

 

ロックンロールウィドウ山口百恵

 

最後に、須藤薫という歌手について。

彼女はそれほど有名でないので

おもな活躍年代が1980年代という比較的最近でありながら

なかなか音源を入手しにくい。

せめて代表曲の「フロントガラス越しに」くらいは

音源を公開してほしいのだが

検索してみると

「この動画には Sony Music Entertainment (Japan) Inc. さんの

 コンテンツが含まれているため、お住まいの地域では著作権上の問題で

 権利所有者によりブロックされています」

と出てくる。

Sonyは、早くからyoutubeへのチェックを入れていて

私も中島美嘉の動画などで

かなり徹底的にチェックしてくるところだなと思っていたので

まあ、この措置はあり得るなと思ったのだが

その一方で

削除ばかりせずに

もっと「商売」してほしいと思うのである。

「フロントガラス越しに」はなかなかの名曲なので

2018年の現在でもCMとかで使っても面白いのではないか。

で、CMでヒットさせて、皆に須藤薫という人を知ってもらい

ついでにユニットの相方である杉真理の再評価もやってほしいなと

思うのである。

残念ながら彼女は2013年に亡くなってしまったが

その代表曲を安全な場所に塩漬けにすることだけが

権利者のなすべきことだとは思えないのである。

 

(と、まあ、知識不足とか認識不足などを省みず

 好き放題書いてみました。

 アクセスの少ないブログだから可能なので

 なかなかこういうのは書き辛いものだと思います)

コメント
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