「開放市 市民に大受け」高崎市総合卸売市場で来場者3,000人、右肩上がりであるという記事をみた。「なるほど」と思った。
足利、桐生、館林、佐野、みどり、そして太田と6市で市場をつくろう、という話がでた。足利の吉谷市長さんから提案があって、もう何年になるかな、とにかく長い期間協議が続いている。
それぞれのまちにはそれぞれの事情がある。なかなか統一した考えにはなりきれない。それは仕方のないこと。今日、両毛市場の会議が行われるが、佐野、桐生、みどりの3市は統合話から脱退する見通しだ。そうならなければいいと思うが、確率は高い。
「なるほど」というのは、そういう機能をもった市場がいいのではないかと提案してきたからだ。市場は市場としての役割はある。生産者と消費者を結ぶ中間的な役割だ。旧来の市場の形である。
過日、認定農業者との懇談会があった。市長も出てきてくれ、というので出席したが、農業は楽な産業ではないことを印象づけられた。「品目横断なんとか」という国の政策であるが、農業所得を減らすための政策としか思えない。米の値段は下がる、麦なんか目もあてられないほどの低価格での買い上げ。悲鳴をあげていた。6月に売った麦の支払いがまだない。市になんとかしてくれ、という有様である。
「地域で生産した農産物は地域で消費するように」という意見があった。地産地消である。最も効率的な方法は「しっかりした市場をつくる」ことだという意見。
生産者にとっても規模の大きな市場ができることを望んでいる。今では東京の市場に出すことが安定的で有利だという。
消費者にとっても力のある市場になれば消費地直結の利点はある。
それだけではない。私の描く市場はギャンブル用語で「三連単」である。
一般の市場、そしてアメ横、もうひとつは食い物横丁である。しかも規模は大型ショッピングセンター並みがいいのではないか。国道50号沿線で観光バスも立ち寄れるような所。
高崎市卸売市場プラス、食い物横丁という構想だ。
市場は八百屋さんや小型スーパーの独占物ではない。もっと多角的な経営があれば、大型スーパーだって参加してくれる。にぎわいがでる。
きびしいのは足利市が提案したということ。
私が思う適地が足利の市長の思う適地と異なる。「あまり主張しても悪いかな」といつもジレンマに突き当たる。
ただ、「にぎわい」を創りださなければならない。それだけではない。財政的にもきびしい状況の中で、市からの支出はできるだけ限定的にしなければいけない。その二つの要素を満たすことが大事なことだと思っている。
まちとまちが協働して何かをやる、というのはたいへんなこと。目的はひとつであってもそこに至るまでの道程で食い違いが生じたりする。
いずれにせよ、「やろう」とするまちがもう一度仕切りなおしして「両毛市場づくり」のために知恵をしぼっていきたい。