華道家 余田紫甫(志穂) 

いけばな嵯峨御流・華道家 余田紫甫の海辺の街での楽しいくらしと花を愛する日々

11月 専修会 景色いけ 森林の景

2016年11月21日 | Flower



当流には日本の多様な自然の景色をいけばなで表現する 景色いけ 七景 があります。
それらは山から海まで流れ出る生命の源である水の変化、水辺の景色を活け表します。

深山の景
森林の景
野辺の景
池水の景
沼沢の景
河川の景
海浜の景

今回はその一つの森林の景を学びました。
水源から流れ出た清流が合流して山湖に生まれ変わります。
森林の景色が水面に反転する美しさを幻想的に見せ、山湖の静寂を表現します。

伊吹 杉 (杉は直(すぐなる)き、まっすぐな木 の語源があります)
躑躅(つつじ)
小菊(白)
梅の古木



湖畔の立ち枯れた林が倒木となり苔むします景色を梅の古木で表します。
倒木に種が落ち、また新たな生命が生まれる土壌となります。古木の周りには杉の新芽を用いそれを表現します。
躑躅などの低木で景色に変化をつける場合も後方に下の方の葉が大きく古い枝を用い遠景を表現し、
水盤の前方には枝先の新芽を使い近景を美しく変化をつけます。
この様に“景色いけ”には自然の営みを観察、理解し、細かなところまで再現して活ける楽しみがあります。



参考花 景色活け想い花 瓶花枇杷 りんりん 葉蘭