「Systems Thinking (システム・シンキング)」という「問題を構造的に理解する」手法が面白そうだ。問題解決やシナリオ・プランニングで参考になると思う。
『A QUICK TOUR OF SYSTEMS THINKING AND ORGANIZATIONAL LEARNING』
システム・シンキングの簡単な解説がある。 LEVERAGE POINTSというフリーのメルマガあり。
『The Systems Thinker』
The Systems Thinker Newsletter(有料)のサイト。
『Shelf_10_Systems Thinking』
システム・シンキングの書籍リンク
『http://news.gilbert.org/2004WKKFReading』
システム・シンキングの書籍リンク
東洋大学 池田ゼミのラーニングラボの『参考書』
『システム思考で複雑な問題に対処する』
『HUMAN VALUE ラーニング・オーガニゼーション(学習する組織)情報:システムシンキング』
・問題解決手法の新しい波─システム思考 (システム思考の概要説明)
システム思考と分析的思考(線的思考)
分析的思考では、より精密に科学的に捉えることで物事を正しく捉えることができると考えます。一方システム思考では物事を精密に捉えるよりも、より大きな全体の一部として考え、他の部分との関連を考えていきます
分析的思考では、問題は静的で変化しないものと考えます。そのため、先に挙げたように問題を綿密に分析し、細部の複雑さを明らかにしようとします。一方システム思考は、問題を変化する動態的なものと捉え、どのように変化をするのかその変化の過程の複雑さを明らかにしていきます。
システム思考のものの捉え方
1 出来事、事実
2 パターン
3 構造
4 システム図(モデル)
5 メンタルモデル
「出来事、事実」は問題として私たちの前に現れてくる事柄と言えるものです。
パターンとは、時間的な推移に伴う出来事の変化のことです。これは、出来事や事実を点で捉えるのではなく、変化の過程と捉え、その有様をみていくものです。
ここでいう構造とは、出来事間の原因と結果の影響関係をさしています。たとえば、「供給が増えれば値段が下がる」「人は統制されるとモチベーションが下がる」というように出来事や事実同士がどういった因果関係をもっているかを示したもので、こうした因果関係を捉えるのには、解釈や経済理論、マネジメント理論、モチベーションの理論といったさまざまな理論が用いられています。つまり、同じ「事実」「出来事」「パターン」を見ていても、どういった理論でそれを捉えるかによって、見えてくる「構造」が異なってくるのです。
「出来事」及び「パターン」を「構造」によって結びつけ、さらに結びつけたもの同士を関係づけて、1つの固まり、系として表したものが「システム(図、モデル)」です。このシステムは必ずしもすべてを示しているわけではありません。しかし、ある状況、ある場面、ある観点における問題の複雑な影響関係を捉えて、出来事を生み出しているメカニズムを明らかにしてくれます。
システム思考によって描かれたシステム図(モデル)は、それを描いた人がどのような世界観や価値観、固定概念や仮説をもっているかに左右されます。組織の中で作成したのであれば、その組織の文化や価値観、規範を示していると言えます。
このように「メンタルモデル」というレンズで問題を見てみると、問題の捉え方、問題を生み出しているシステムの捉え方が絶対的ではないことがわかります。つまり、「メンタルモデル」というレンズを使うと、組織の中で異なる問題の捉え方をしている人々が存在すること、つまり、各個人や部署によって異なる問題の捉え方があることが明らかになります。そして、互いの違いを認め合った上で、問題の共有化を図ることができるのです。
拡張プロセスと平衡プロセス
拡張プロセスとは、状況や問題が加速度的に良くなったり、悪くなったりすることを言います。私たちは、企業の成長や衰退について考えるときには、無意識に拡張プロセスで捉えがちです。しかし、実際には自然界で起こる事象や人間の行動は、必ずしも拡張プロセスにはなっていないようです。一定期間、拡張プロセスが働き、成長を続けても、いつかはそれを制限するメカニズムが働きはじめたり、さもなくば破壊的状況に遭遇することになってしまうのです。
平衡プロセスとは、ある問題が良くなったり悪くなったり(値が増えたり、減ったりする)しながら波を描いていきます。
ビジネスにおいて目標を達成しようとする行動も、平衡プロセスの一例として考えることができます。目標に達成していないと、積極的に行動し目標達成に近づこうとしますが、目標を達成してしまうとその行動を控えるようになります。そうすると再び目標達成が難しくなるので、積極的に行動するようになるといった具合に活動性に波が生まれてきます。
複数のループが組み合わされると、それを人間の頭の中だけで理解することは非常に困難になるのです。こういった事態はビジネスの中でも頻繁に起きています。たとえば会議の中で、毎回出ているテーマなのにいつまでたっても進展せず解決策が出ない、問題を共有化できない、1つの意見が出ても必ず反対意見が出て結局収集がつかなくなってしまうことがあります。こうした状況が起こるのは、問題が複雑な影響関係にある場合、短絡的な状況の把握や単純な処方では誰も納得できないからです。
システム図の効用
問題はたとえ個人で理解できたとしても、それを第三者に伝えることは難しいものです。いくら言葉で説明しても理解してもらえないといった経験は誰しももっているのではないでしょうか。システム図はシンプルですが、明確なルールが定められ、問題を生み出しているメカニズムがわかりやすく示されています。そのため、システム図で描かれた問題は、第三者が見ても明らかになります。
そして、問題の「構造」を明らかにするだけではなく、問題解決に際するチームの共通言語を得ることができるようになるとともに、互いの認識の違いを明らかにしてチーム全体の学習性を高めることができるようになります。
システム原型
システム思考とラーニング・オーガニゼーション
ラーニング・オーガニゼーションでは、上が下を統制したりコントロールするのではなく、各個人が主体性と学習性を発揮して組織を動かしていきます。システム思考を活用することで、組織における各個人が当事者意識をもって問題に対して主体的に関わり、ラーニング・オーガニゼーションの構築に向けて踏み出すことができるのです。
・システム思考基本コース (学習用スライド)
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#関連エントリー
『本日買った本「システム・シンキング」』
『System Architecting』
#参考リンク
『『システム・シンキング』 - 世の中の動きを構造的に捉える視点』
『TOC思考プロセス』
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