「WINDの午後日記」

無事に筋腫の手術も終わりました。これからの「人生の午後」をのんびりつづります。

子宮摘出から1年5カ月

2015-03-13 13:52:19 | 子宮筋腫
さて、

いまさらですが、
子宮筋腫のため、子宮摘出手術をしたのが、おととしの10月。

それから、1年5カ月ほど経ちました。
ちょうど術後1年のときは、ブログをお休みしていましたので
切りが悪いですが、一応、様子を書いておきます。

術後の経過は、自分でも驚くほどよく、順調に回復しました。
今は、傷が時々痒くなります。が、それだけです。

完全に傷が消えたわけではなく、うっすら赤く残っていますが、
大した問題ではありません。

手術前にあったいろいろな症状、
腹痛、腰痛、胃や腸が圧迫される感じ、トイレが近いこと、
ひどい時は、すわっているだけで苦しかった…

そんなことは見事に解決しました。
そういう意味では、手術をどうするか悩んでいるときよりも、
今の方がはるかに体は楽になりました。

じゃ、今元気いっぱいなのかと問われると、実はそれなりに
不眠とか、疲れやすさとか、不安定さとかいった不調はあるんですが、
これは年相応なのでしょうね。原因はよくわかりませんが
多分更年期障害でしょうかね。

卵巣は残しているので問題ないというのが一般的な見解ですが、
海外の調査で、子宮摘出して1年くらいでそのあたりの血流が減るため
卵巣も働きを低下させる。20%ほどの人がこれに該当する。
という記事をどなたかのブログで読みました。詳細はうろ覚えですが。

まあ、ある意味あたりまえですけどもね。
子宮がないのに、卵巣だけが一生懸命働けっていうのも、無理そうな気はします。
(一応、先生に質問したら、
そんなことはないといわれましたことを付け加えておきます)

しかし卵巣の気持ち(?)になってみれば、「あ、子宮がない」って気付いたら、
もうあまり頑張る必要ないですものね。

医学的に、いくらそんなことはないといわれていも
それでも都市伝説的に、やっぱり子宮をとると、卵巣の働きは低下するとの意見を目にすると
こちらはそれを完全に否定するほどの根拠も持ち合わせていませんので、
後で後悔するのではないかという不安な気持ちで判断ができずにいました。

それに今後どんな医学的な発見があるかわからないのだから、
できれば子宮は残しておきたかったけど…

結果よければすべてよしです。

(これから手術を受ける方に、誤解を与えるといけないので、しつこく書きますと
子宮摘出により卵巣の働きが弱まるというのは、医学的にはないことです。。
質問した全員の先生からそんなことはないといわれました。
あくまでもそういう気分です。
子宮を摘出して血流が減ると卵巣の働きがよわまる、って言われると、確かにあるかもねぇ、という程度のことです)、

そんなわけで、今のところ、
ホルモン量を特に調べてないので、更年期状態なのかどうか判然としません。

体調不良の原因は、
手術2ヶ月後に闘病中の父がなくなり、その後母が家を引き払って、うちの近所に引っ越してくるまでの間
自分なりに頑張って親を支えたつもりでしたが…
たまにしか来ない親戚にあれこれとだめだしされたり指図されたりしたもんで
かなりげんなりしてしまい…(笑)
これが最大の原因かもしれません。

まあ、それも大体片が付き、自分の(怒りの!)感情さえコントロールできれば、
これからは今よりももっと健康でに前向きに暮らせそうな予感がしています。


腹腔鏡手術を希望しても、何件もの病院でことごとく断られた記憶がよみがえってきます。
筋腫が18センチと大きくなっていたせいもありますが
たしかに、高度な技術が必要なのですよね。
ある先生が「腹腔鏡手術はリスクがあるので、特に子宮摘出程度では医療訴訟を警戒してやりたがらない病院が多い」と教えてくださいましたが、
でもそれを自信をもって、確かな技術でやってくださった四谷のあの病院には、
いまさらながら改めて感謝の気持ちがわいてきます。

最近の腹腔鏡手術の死亡事故のニュースをみるにつけ
本当に簡単なことではないんだなぁと思います。


父の介護があるから回復に長い時間はかけられない
だからどうしても腹腔鏡手術にしたかった。
そのおかげで、すぐに回復し、
父が亡くなる前にも何度も会えましたし、
車いすも押せましたし、
お葬式ももちろん出られて、父の遺品の三脚を担いでの撮影係もしましたし。

子宮を摘出してよかったのかどうかは、結局わかりません。
取らなかったらどうだったのかなんていうのは、仮定の話になるので。
今後のこともまだわかりませんし。
でも、少なくても今は、心配するほどのことは何もありません。

これはある種の成功体験なのかもしれないと思います。
不慣れながら自分で交渉して希望する形の手術にたどりついたという意味で。
(そういうことがとても苦手な性格だったのです)

そんな事を思いました。

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手術のことを母に伝えると

2013-10-06 16:39:11 | 子宮筋腫
母は現在、実家での要介護5の父の介護をしていて、
家をあけることが一切出来ず、
加えて、私にまつわるたいていのことは「あんたは大げさ大げさ」ですませるので、
話すのがどうも面倒で、
今回の入院・手術のことは事後報告にしようと思っていたのですが

手術後は、当面は私が父の介護に顔をだせなくなることもあり、
あらかじめ言っておいたほうが向こうも予定が立てやすくてよいかと思い、
さらっと報告しました。

極力、大したことなさそうにさりげなく言ったつもりでしたが
母は「南方に行って死んだ兵隊さんに比べたら、そんなのはなんでもない、大げさ大げさ」という反応でした。
まあ、予想通りの反応ですが(笑)

母は、物心ついたころに終戦だったので、
なにかにつけて、こうやって困難に立ち向かうというのが当時からの習慣になっているらしいのでした。

子供の頃は、なにかにつけていちいち兵隊さんを引き合いに出されるのは、なんとなく腑に落ちないものがありましたが…。

まあ確かに、兵隊さんの苦痛にくらべればなんでもないことです。はい。

今回の病院はいろいろと整っていて、特に付き添いも必要なく、
だれもこなくても全然問題はないので、むしろ気楽なのですが
今度は逆に、義母(ダンナの母)が今回の手術のことをとても気にかけてくれて、北海道からわざわざ手術日に来てくれるという話になっています。

まあ、観光もかねてだと思いますが。

今日は、義母からのお守りも届きました。お守りにはレース編みのカバーがついていて、「夜なべして編みました」とのこと。のけぞってしまいました。
義母自身は、40代で子宮全摘していて、
そのときの手術前の不安な気持ちを思い出すと、どうしても手術の当日そばにいてあげたいから、と言ってくださり、恐縮しつつも、ありがたくお受けすることにしました。

母の「大げさ大げさ」攻撃のあとで、むしろそれを当たり前だと思っていたので、
こんなに他人に気にかけてもらっているという事実に、正直びっくりしました。
ありがたいことです。本当に。

次の火曜日には、麻酔の説明と、家族への説明(術中に緊急事態が起きたときの判断をするため)があります。
これはダンナがいってくれます。
だんだんと現実的になってきました。

手術まであと18日です。

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子宮全摘出について思うことあれこれ。

2013-09-29 12:10:05 | 子宮筋腫
手術後に、本当にこれでよかったんだろうかと思ったりすることもあるかと思い、
忘れないように今感じていることを書き留めておきます。

他の方々の発言や判断にあれこれ言いたいといような気持ちではまったくなく、
自分が思い返すためのメモなのです。
もし配慮の足りない表現でご不快に思われる方がいらしたら、本当に申し訳ありません。



---------------

今回、子宮全摘をすることにしていますが
そこにくるまでは、結構長い道のりでした。


私の場合、子宮摘出によって女性性を失うというような喪失感はあまりなく、
というのは、もともと女性性があんまりないというか、全然重視してないタイプで……

オシャレしたり服や化粧品を買うよりは、カメラや欲しいソフトを買うほうがエキサイトする、という性格です。
そんなわけで、女性性の喪失はあまり考えてないんですが
ただ取らなくてもよい子宮を、決定的な理由もなしに摘出してしまうということは、
人として何かアンナチュラルなような、そんな気がしていました。

小学校一年のとき、手術で盲腸を切りましたが、
無駄と思われていた盲腸も、最近は免疫にかかわるから切らないケースも多い、という話をきいたりすると、
同じようなことが子宮に関して起きないとどうして保証できるのか、と思ったりもするのです。

そしてもしかしたら、今後「子宮には今まで知られてなかったこんな働きが!」というような「人体の不思議」的大発見があったとき、「だってもうとっっちゃったよ。とりかえしつかないじゃない」となるかもしれない、
その恐ろしい不可逆性がイヤだというか、
そのときに、摘出しなければ良かった、とすさまじく後悔するような心理状態になりたくないな、というか、そんな感じです。
摘出したことによる実害がいやだというよりも、自分の判断を恐ろしく後悔する状況になるのがいやだというか。

ですから。しっかり言語化された理由がほしかったわけです。
MRI画像をみれば、筋腫が相当に大きいので、
なんとなく子宮ごととらなければダメそうな感じは感覚的にはわかりますが
自分にとっては、この「言語化された」ということが大事で、

コレコレな理由で私は子宮をとりました。医者の説明をきちんと聞いて自分でそう判断しました。

というのがしっかりあれば、
今後、もし医学が進歩して、実は子宮は摘出しないほうがよかったということが知られる事態になっても、
自分で自分を納得させられるのではないかと思うのです。

だけど、今までの病院では、
「全摘出したら、今後癌検診しなくていいから楽ですよ~」(←それだけの理由で臓器を摘出するのはしっくりこない)
「子どもを生まない人にとっては単なる無駄な臓器です」(←今後「単なる無駄」ではないとわかったらどうするの?)
「子宮をとっても、100%問題はありません」(←本当に100%?)

大体こんな説明でした。積極的な理由ではないのですよね。
医学的ですらないような感じです。

「全摘出すれば、筋腫再発の可能性がない」というのはひとつの大事な要素ですが、
私の場合、年齢的に、いまからそれほど大きな筋腫が再発で出来るとは思えないので、
それも決定的な理由にはなりえません。

ともかく、このような説明では、万が一手術して何年もたってから、子宮を取らないほうが良かったという状況に直面した場合でもまったく自分を納得させれらる見込みがなかったのです。

その場合、どうしてあのとき、もっときちんと主張しなかったんだろう、と
絶対自虐的な気持ちになるし、それこそが問題というような気がしていたのです。

「自分は医者に最後まで食い下がることができなかった、その能力がなかった」
「不満はあったけどなんとなく雰囲気にながされてしまった、自分の意思が弱かった」
「無意識に聞き分けのよい患者でいようとして、本質を見失っていた」
「自分は、自己主張すべきときにきちんとできない臆病な人間だった」
「そんな自分が情けない」などなど、
実害よりも、自分を責める気持ちになることの弊害の方が大きいとすら思いました。


そんなわけで、どの病院でも、その部分をかなりしつこく話をしました。
が、どこでもこれといった返事はありませんでしたし、
むしろ、先生にうるさがられたり、不機嫌になられたり、
上記の通り一遍の返事を繰り返して、子宮全摘しかありえません、というところばかりでした。

お忙しいお医者さんとして、また病院の方針として、
全摘の基準があり、それに従うのが当然で、この対応が常識的なのはよく分かります。
それは納得しているのですが、

自分としても自分を守らねばなりません。
術後におそってくる(かもしれない)後悔の嵐から。(たとえそれがほんのわずかの可能性だとしても)
もしそれでうつ状態になったら、その死亡率だって無視はできないのですから。
「自己評価の著しい低下」というのはうつ状態の症状としても認められるものだそうですから、
どうしてきちんと主張できなかったんだろうと、繰り返し激しく後悔して自分を責めた場合
それが、うつの引きがねにならないとはいえませんから。


そんなわけだったんですが、

しばらく前に、ちょっとした変化がありました。


きっかけは人間の話じゃなくて、ウサギの話です。

友人が、家族のようにかわいがっているウサギの避妊手術(子宮摘出手術)を最近しました。
出産を考えないウサギの場合、(賛否両論はあるみたいですが)
子宮をとったほうが、健康に生きられるということでした。

その人は、決して人間の都合を押し付けるタイプの人ではなく、
いつもウサギの立場で考えているような人です
その人が自分のウサギに、子宮摘出手術を選択した。

なんだかそれって、妙に、あ、摘出してもよいんだな。という気持ちになりました。
その人が話してくれたのは、
ウサギにとってのナチュラルは、自分の命を削っても子孫を残すということ。
だからどんどん子どもを産み、そして、自然界では寿命短く、長く生きれば子宮の病気になることも多いと。
この子には、そうした生き方とは違う生き方をしてほしい。
長く元気でいてほしい。だから子宮を取ることにしたのですよと。

生き物としてのナチュラルは自分の命をけずって子孫をのこすことだとするならば、
そういう意味のナチュラルからは既に自分ははずれているんだと実感しました。

40代で、子どもいなくて、自分のしたいことしているんだから、そしてまだまだ生きるつもりなんだから、
原始時代からの人類の長い歴史から見たら、全然ナチュラルじゃないですね。

だから、いまさら、たかが子宮のことで、アンナチュラルだの何だの心配しなくても、
すでに充分アンナチュラルな生をいきているんだなぁ、自分はと。

だから積極的に子宮を全摘出をするのもありなんだな、と。
変に納得しました。ありがとう、ウサギのMちゃん、勇気をもらったよ。


そんなこんなで少し納得したところで、先日書いたように今回手術を決めた病院の診察があったのです。
この病院では、子宮を残す場合は保険外診療になり、手術費が高額になります。
一生懸命交渉したからとか、医者にしつこくくいさがったとか、そんなことには関係なく、
その線引きははっきりしています。
それは、判断材料として、自分としてはわかりやすいです。

そして、子宮を全摘することが100%問題がないわけではなく、
子どものいない人、特に不妊治療などをしてきた人には、
精神的に喪失感がひどくなり、それにより、不調になるケースは実際あるとのことも話してくださり。

でも、お話して、この先生と病院を信頼する気持ちが出てくると、
仮に何かあっても、そのあと頑張ればなんとか超えていけるんじゃないかと思えてきました。
心理的にはいろいろあるとしても、
少なくても医学的には問題がないとこの先生が言うのなら、自分はそれを信じてみよう、という気持ちになりました。

ようやくこんな心境です。

実は、3年前、最初に筋腫が発覚したときにも、まっさきに一度この病院に予約だけ入れたことがありました。
そのときは、別の病院で「手術はせずに、ウチで経過観察をしていきましょう」といわれたので
すぐにキャンセルしたんですが

もし、3年前だったら、せっかくのこの病院でも、自分は納得して手術を受けることはできなかったように思います。
3年間いろいろとさまよい、いろんな先生とお話し、自分の希望する方向を少しずつかため、
その状態であらためて受診して、だからこそ自分の希望もしっかり言語化して先生に伝えることができ、
それに対して先生も、選択肢を示してくださったわけで。

こちらの希望になるべく沿ってくださる、という方針のこの病院の場合、
逆に言うと、方針をおまかせ、ということはありえず、
どうしたういかをこちらが(迷いはしても)明確に持って、言語化する必要があるように思いました。
3年前に自分はそうではなかったと思います。

そういう状態までなんとかこられたのは、今までお話させていただいた先生方全員のおかげですね。
少しずつ鍛えられていったというか。
そういう意味では、すべての病院、すべての先生方に感謝しなくてはならないです。
(ときどき、つい非難めいた口調で書いてしまうのですが、決してそんなことはなく、
病院の方針がいろいろあるというだけのことなのです…)

なので、その病院の方針と自分があっているかどうかが
結局のところ重要なのだなぁと思うのです。

もう本当に、たかが筋腫でここまで大げさで申し訳ない、と我ながら思ったり、
でもやっぱり自分にとってはオオゴトだよなぁ、ちゃんと言うこと言わねばだよね、と思い返したり。

そういう気持ちで日々ゆれますが。
まずは体力つけて、無駄に反省しないで、前向きに行こうと思います。

他人にとって、それがたいしたことじゃないとか、大げさとかどうか、というのは関係なく、
自分の人生において、どうなのか、どうしたいのか、ということに尽きるかな。
ここで、たくさん書かせていただいているおかげで、
その分実生活では、あまり人には言わずに済ませようと思います。
確かに、もっと大変な問題を抱えている人はたくさんいて、
本当に「たかが筋腫」という気持ちもわかるんで。

そんな感じで頑張って行こうとおもいます。
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急展開。ひと月後に手術 決定。

2013-09-24 11:04:27 | 子宮筋腫
もう、展開早くて自分でびっくりです。

ちょうどひと月後に、四谷の病院で手術決定です!

順を追って記録メモ書きますと、



昨日は休日だったのですが
四谷の病院で手術日の相談のための診察があり。

私としては、腹腔鏡補助下手術ができると前回いわれましたが、まだ半信半疑で。
というのは、昔の手術跡がかなり大きいので、それを見て無理だといわれる可能性もあり、
仮にOKでも、手術の日程は、ホルモン療法をする場合や、混雑している場合などのいろいろな条件で
最低でも半年ほど先にになるのでは?とおもったり。

そんな感じで、でかけていきました。

この日の先生は腹腔鏡の手術で有名な実績のある先生でしたので、
きっとお忙しいんだろうと思い、万が一にも遅れてはイカンと、やたら早く予約の一時間ほど前に病院に到着して、
あがりやすいので、お聞きしたいことなどをぶつぶつと口の中で唱えて待合室でシュミレーションしていたのですが

病室にはいったら、先生が
「今日は、早くから来ていただいたのに、お待たせしまって、ほんとごめんなさい」と
手を合わせて頭をさげられたので、もうびっくりしてのけぞりそうになってしまいました。

だって、待ったのは単に自分のテンションが上がりすぎて、万全の状態で先生とお話できればとおもい勝手にきてしまっただけなのに。
別に診察時間が当初の予定から大幅におくれたわけでは全然ないのですよ。

それに、早めに受付にきたこんな迷惑な患者がいるってことが、ちゃんと先生につたわっているって、
この病院の受付システムって、ある意味ナゾです!

他の病院では、
「そっちが患者なんだから、待つのが当たり前でしょ」という雰囲気で、予約しても二時間くらい待たされるのがむしろ普通になっていんたので、
早くにおしかけてしまった迷惑患者に、こんなあたたかく声をかけていただくだけで、もう、すでに、涙目になっていました。

先生は、とても丁寧に今の状況を説明してくださいました。
「かなり大きくなっていますね」と。
むしろ後ろの方に膨らんでいる感じであること、腹部を押さえて、この固く触れる感じが全部筋腫ですと説明くださったり。

手術以外の、UAEやFUSのお話もあり、「これらの治療は確かに有効だけど、サイズに限度があり、ここまで大きくなると難しいです。
なので治療としては手術しかないでしょう」とのこと。

順●堂の場合は、(いちいち比較して順●堂さん、ごめんなさい。決して悪い病院じゃないのですが)
腹腔鏡外来の先生は、あれこれ質問したら
「僕は腹腔鏡の以外のことには一切答えません」とぴしゃりといわれてしまい、
「開腹については別途腫瘍科できいてください」とのことでした。
恐ろしくてとてもFUSだのUAEだのマイクロ波だのことを質問できる雰囲気ではありませんでした……


むしろそれが普通なのかとおもっていましたが、

いや、そうではなかった。というかそうではない病院もあったのだということに素直に驚いてしまいました。



手術の方法について先生は
「普通の病院だったら、99%開腹で、子宮全摘しかないっていわれますが、
その場合、15センチくらい縦にきります。
ウチでは、筋腫を取り出すために横に七センチくらい切りますが、
腹腔鏡補助下手術でやれます。ウチではそれをやるだけの技術はあります」

先生のこの言葉の、力強さ、ありがたさっていったら、もう……。



そして、先生はこう続けられました。

「ここで大事なのが。子宮の取り扱いです。
普通、この年齢だったら、まず全摘出しかないといわれるでしょう。
でも、ウチではそうはきめつけませんから。
子宮は子どもを生むための臓器ですけど、
それだけではなく、女性として残したいという気持ちはあって当然なのです。
だからそういう希望があれば、なるべくそれに沿うようにします。
どうしますか?

これしかないという風にしないで、選択肢を出すというのも医療のうちだと思っています」といわれました。

前回の診療から三週間ほどの間、考えに考え、
金額的なこともふまえ(子宮を残す場合、この病院では保険外になるため130万円かかるのです)
子宮全摘出に傾いている旨をつたえ、子宮を取って弊害はないのかと、
もういままでいろんな病院で何度してきたかわからない質問をすると、

「そうですね。子宮摘出しても医学的には、何も問題ありません。
よく、更年期が早くきたとか、ホルモンバランスが崩れたという体験談もありますが、それは子宮ととってもとらなくても影響はないんです。
問題になるのは、むしろ精神的な理由です。
喪失感が大きいと、それが理由で術後に具合の悪くなる患者さんは確かにいて、実際そういう患者さんもみてきました。

子どもがいない方、特に長いこと不妊治療をしてきた方は特に、子宮を失うことの喪失感が大きく、
そのことが強く影響するんですね。
だけど逆に、いままで生理がとてもいやだったという人は、なくなってせいせいした、といって逆に元気になる方もいます」

なるほど、なるほど。
子宮ごととっても問題ない。
それでも、確かに不調になるひとはいる。
それに目を背けて絶対大丈夫というよりも、こういわれたほうが、はるかに子宮摘出してもよいかという勇気が湧いてきます。
だって、全摘出することを心理的にうまく肯定的に受け入れさえすれば、なんとか乗り切れそうなわけだから。

他の病院では、子宮をとっても、まったく100%問題がない、と断言されるだけだったのですが、
断言されると、逆に疑いが湧いてくるものです。
「この商品に投資すれば絶対もうかります」というのがたいてい詐欺であるのと同様に。

リスクを説明されたほうが、人はかえって安心するのではないかと思います。

あとは自分の心のコントロールの問題だな。


こうして、ようやく意を決して
「それでは、全摘でお願いします」と先生にお伝えし、
先生は、それをPCに入力しました。

いよいよ子宮がなくなるんだなぁという感慨が一瞬よりぎましたが、
でもむしろ高揚感の方が強かったです。


そして、手術の前にホルモン療法については、
「僕は、ホルモン療法なしで手術しようとおもいます」とのこと
ちょっと驚いて、だってこんなに大きいのに大丈夫なのですかと、思わず(よく考えたら)失礼な質問すると

「普通は筋腫が大きいと、その後ろが見えないので嫌がるのですが、
今回は、下を七センチ切りますよね。
見えなければ、そこから手を入れて触って確認すればよいのです。
ここまで筋腫が大きくなっていると、苦しい思いをしてホルモン療法をしても、どこまで小さくなるかわかりません。
苦しいことは一つでも減らしましょう」とのこと。

そして、「その技術はあります」と先生は再びおっしゃいました。

(うひゃーー)※心の叫びです。もう、ありがたくて、心強くて、心の中はこんな感じでした。

ホルモン療法をやらないこともあり、日程も先延ばしにする必要はなくなりました。
11月でも可能ですよとのこと。

ただ、私の方で11月末に動かせない仕事があるので、一瞬悩んでいたら、
「よし。じゃ、思い切って、ここに突っ込みましょう」と、
先生は、もう文字でほぼ一杯になっっている手術スケジュール帳の、10月後半の日にちを指しました!
ひと月後です!


え、そんなに早くしていただけるのですか!?と驚くと

「はい、今日は朝早くからきていただいて、やる気を見せていただいたから、
患者さんにやる気をみせてもらったら、こちらもそれに応えないと」と。

うわー!!やたら早く来てほんとにすみません!!
そして、本当にありがとうございます。


こうして、そのまま手術前の検査にはいりました。
血圧、尿検査、肺活量、心電図、レントゲンなどなど。
手際よく検査をしていただき、

その検査結果を先生はご覧になり、
「ヘモグロビン値、いいですね。このくらいあると安心です。手術も問題なく出来ます」とのこと。

子どもの頃の手術跡も見ていただきましたが。
問題ないとのこと。
少し内部で癒着しているので、それも手術のときに一緒にはがしてしまいましょう、とのことでした。
この手術跡、七歳のときのものですが、見るからに癒着していて、そこの部分おなかがへこんでいるのです。
自分は見慣れましたが、みにくい傷跡であることには変わりありません。
これもついでに改善していただけるわけなんですね。

最後に先生は、
「あとは、体力温存して、無理なダイエットなんかしないで、風邪ひかないように注意してください。手術日が近づくとだれでも必ず不安になってきます。それは当たり前のことなんで、全部解消しましょう。次回のご家族への説明の日に、なんでも聞いてください。
さ、ここまでくるとむしろ勇気がわいてきたでしょう。」

はい。本当に!!
そんな感じです。


今のところ、すべての対応に、感謝の気持ちになります。
先生はもちろん、看護師さんも、検査の技師さんも、病院内の雰囲気も、居心地も。

でもたとえば、友人でも恋人でも、最初にわーっと盛り上がって何でも素敵で理想的!!と思いすぎると
あとで逆にうまくいかなくなったりするってことよくありますよね。(私だけ?)
そうならないように、冷静に、ちょっとクールダウンして
よくない部分だってきっとあるかもしれない。
むしろそれが普通だよね。

くらいの気持ちでいたいとおもいます。
じゃないと、もう、ありがたすぎて両手を合わせて拝んでしまいそうな気持ちですもの。

冷静に冷静に、と自分にいいきかせています。

今回、料金が高い病院を選ばせてもらったので、家族の手前、退院後はその分仕事頑張らねば、と思いますが、
ま、それはまた退院後に考えればよい話です。

先生がおっしゃるように、体力温存して、きちんと体調管理してよく食べて、
風邪などひかないようにして、子宮をとることを肯定的に受け入れ、
疑問点があれば次の診察のときにきちんとぶつけて、
そうして元気に当日を迎えたいと思います。

入院までに、年末の大掃除なみに家をきれいにして、手術前の仕事もきちんとして、いまさらおそいけど、体力もつけたいし。
頑張ります!


順●堂へは、
八月の初めに腹腔鏡では無理といわれたその場で、腫瘍科に予約を入れていただいていたのですが、
それは今朝キャンセルの電話しました。
「どちらにしても手術は数ヶ月先だし、すぐに手術日程がきまるわけじゃないですよ」とあらかじめ言われていたし。
3年間お世話になりました。

今回もまた、やたらと長い駄文を
読んでくださって、ありがとうございます。

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またまた状況かわって、腹腔鏡手術も可能な病院あり。

2013-09-16 19:10:42 | 子宮筋腫

前回 9月2日のできごとをかきましたが
さらにその後状況がかわり、こちらも忘れないように記録しておきます。

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順●堂の高齢者医療センターにいったあと
その二日後に行った四谷にある(腹腔鏡手術を数多くこなしている)有名な病院
のことも記録しておきます。

八月の初めに電話して、その時点で一番早く入れられる日というのが
この日(9月4日)の診察でした。

もう気持ち的には、腹腔鏡全然無理だというのは納得してたのですが、
せっかく入った予約なのでキャンセルするのもなんか勿体なく(貧乏性)
お話しだけでも聞ければと思ってMRIを持参して、うかがったのですが。

結論を言うと、
「うちでは腹腔鏡できます」とのこと。

「え??」また別の意味でのけぞりました。
なぜ他の病院ではことごとくダメなのに、
ここでは可能なのか、その辺の理由は素人にはよくわかりません。
単に病院の基準ということなのではないかと思いますが。

但し、切除した筋腫を短時間で取り出すため、横切開を七センチ位する必要がある。
正確には、腹腔鏡補助下手術になるとのこと。
出産経験がある場合は下から出せるが、私は無理なので。


判断迷うところではあります。
結局七センチ切るなら、開腹手術でも回復に要する時間に大差ないかもしれません。

ただ帰宅してからみると、四谷の病院のHPでは
腹腔鏡(補助)下子宮筋腫核出術について という説明があり、
「補助下ではその内1ヶ所が3~5センチになる」という例で開腹との
比較がしてあります。
私の場合は、多分筋腫が大きいせいで、これが七センチくらいになるようですが、
それでも、掲載されている表を見る限り、開腹よりは回復がはやいようではあります。

そして、費用は、部屋代が一泊3万円と高いので、
子宮全摘出で5~60万
 (全摘出は保険診療になるので最終的には30万円程度??)
核摘出は保険外になるので、130万円かかる。
夜間診療がないため退院後にトラブルがないよう、入院は他より長めになり、
全摘出で五泊六日、核摘出で七泊八日くらい。

費用のことを冷静に考えると、仮に全摘出でも無駄な出費のようにも思います。

ますます、悩みが深くなりました。
そこまでして腹腔鏡にこだわるべきか?
最近、腹腔鏡のデメリットなどもで学習したところだったし。

それはともかく、

先生は、キリッとした年配の女性。
感じはとてもよかったです。
子宮は残したいですか、と最初にきかれました。
他の病院では、最初から全摘出しかありえず、
「筋腫のみ摘出できますか」と聞くと、不機嫌になったり、
「何でいらない臓器のこしたいの?」とばかにするような言い方する医者ばかりだった。

他の病院では子宮全摘出しかありえないといわれている話をすると、
「もちろん、筋腫再発の可能性はあるし、子宮体癌の可能性もあるが、
ウチでは患者さんがこうしたいという希望に対して、なるべく沿うようにしています」

何だか言葉がしみて泣きそうになった。

いままでの、あってもなくてもおんなじだから全摘出します、というのより、
残したいならそれも可能、ただ70万円余計にかかります。どちらにしますか
という方が、全摘出を選んだ場合にも、こういう理由で自分の意思で積極的に全摘出を選んだという気になり、
のちのち後悔しないとおもう。

そして、この日は子宮体癌の検査もしました。
今まで他の病院では、体癌になると大変ですよ。だから子宮取ったほうが安心ですよ。と
まるで、「なまはげがくるぞ」みたいな脅かし材料として語られていた「体癌」が
ここでは、まず検査して、その結果が具体的な対応の検討に生かされる感じです。
体癌があるかどうかで、手術の方法がかわるので。
結果はその後郵送されてきて、問題ありませんでした。


手術をするとして、
日程は、日程管理をしている先生に、23日に相談して決まります。
この先生が一手に日程管理しているので、他の人にはわからないんです、とのこと。
たぶん11月以降ならなんとかなります、とのこと。ただ、手術前に
ホルモン療法で筋腫を小さくするかどうかは、23日に先生が判断、それによっても手術日は変わるとのこと。

日程の説明も、わかりやすかった。
順●堂では、手術の日程なんか僕わからないよ、執刀する先生の都合次第だから直接きいて、といわれました。


この病院が費用が高いのに、人気が高い理由がわかりました。
今の時点で、判断はつきません。
そこまでの費用をかける価値があるかは、わかりません。

次の通院予定は、
四谷   23日
順●堂本院  27日 
 
そこで手術日の相談をします。
順●堂は、「その日にすぐ日程がきまるかはわかんないですよ」といわれましたが。

(双方の病院に、それぞれ別の病院にこういう相談をしていますということは伝えてあります)

四谷は確かに高い。私は、一枚五万円程度のデザインをチマチマしている身なので、
払えないわけではないけれども、自分の労働時間とその間の苦労を思いうかべると、
この手術にそれだけのお金をかける価値があるのかう~んと悩んでしまいます。

でも、子宮を取るという、ある意味人生の後半にむけた再スタートに
これからの人生に喝を入れるくらいの意気込みで臨むのなら、
断然四谷の方に気持ちが惹かれるのです。
これはもう、ある種の通過儀礼?みたいな位置づけかもです。

その方が何かその後の人生を頑張れそうな気がする。
頑張れれば、その分積極的に仕事にチャレンジしたりもできるんじゃないだろうか。
結果的に自分が成長するんじゃないだろうか。

などと夢想的におもったり。

さて困った。
「前回のホルモン療法もあり」、の話から
またまた選択肢が増え、自分の判断力を試されているような今日この頃です。

ともかく来週の前半には大体の方針がきまる予定。
このところ腹部圧迫感が日増しにつよまっているので、早くなんとかして、
気持ちもあらたに、一歩を踏み出したいところです。



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