「あ、兄さま… えとオレ…」
その気まずさを更に笑顔で誤魔化しだしたきり、しばらく動けなくなってしまった。
見つめ合ったまま。 廊下は沈黙と、不思議な時間が流れる…。
「あの…さ、兄さま、ちょっと部屋にお邪魔していい?」
モクバがそう切り出すと、瀬人は驚いたような反応をした。
瀬人のその反応こそがモクバには予想外では . . . 本文を読む
★★★
今夜はネット環境には一切接しないように、と言い添えられたため、
モクバはSNSにもゲームにも動画にも、あらゆる端末にも触れられず、悶々とした時間を過ごした。
ソファに寝転がってしばらくは漫画雑誌などを読んでいたが、それも徐々に飽きてくる。
しかしどうにも目が冴えて、深夜を過ぎても一向に眠くなる気配がない。
「一体何が起こってるんだろ . . . 本文を読む
モクバが現場に乗り込んだ時、瀬人はひざまずき、その男の股間に顔を埋めていた。
スーツは肩からずり落ちシャツの全面ははだけ、スラックスは下着と一緒に膝下まで下ろされている。
ほとんど裸の身体に犬用の首輪を嵌めており、長い鎖は身体のラインに沿って垂れて、つやつや光っていた。
その鎖に瞬間緊張が走ると、ジャララッと音を立てて、跳ねた。
驚いた表情で辺りを見回した瀬 . . . 本文を読む
「瀬人、ただいま」
「ああ義父さん、戻ってたんですね」
バスローブ姿でシャワー室から出てきた瀬人に、スーツ姿で帰宅したばかりの剛三郎が声をかけた。
一見して受ける印象とは全くの逆で、その日大きな「業績」を上げたのは、瀬人のほうだった。
おかげで夜も遅いというのに、瀬人は上機嫌の様子だ。
「もう義父さんも話は聞いていますよね?
A国側からの要請という形で、国内に新しい学術 . . . 本文を読む
深く暗い地獄のような森を抜け、ようやくベッドに戻ったはずだった。
血にまみれた己が両手を見た時、オレはまだ悪夢の中にいるのだと思った。
実際、意識はまだ半分眠りの淵を彷徨っている。
相変わらずリアルな夢だ。
肌にじっとりと張り付くパジャマの感触。
蒸れた熱気には様々な体液のニオイが入り混じり…、
必死に呼吸するオレの鼻腔を、瞬間、濃い血の「味」が一気に突き . . . 本文を読む
もうすぐ瀬人誕ですねー★
最近はめっきり駄文に割く時間もないんですが(所詮駄文よ)、このところしがちな妄想を、少々…^^
初めはふわっと雰囲気BLにするつもりだったのだが、案の定別物に。
モクバ視点による、隠れ磯海への覗きの話です!!※簡潔 …いや実際そうだから困るw
めっちゃ愛はあるんだけど、ストーカー的なモクバになってるんでご注意ください。
なにげにエロ . . . 本文を読む
簡単お手軽オカズクッキングのはずだったんですけど、やけに捗った結果揚げ物ばっかのオードブルみたいになった妄想 ですw …逆にこうなると箸がつけられんのよねw
磯野×女社長。 まーこういうのは見え過ぎているグレイモヤなんで、
★★全速回避推奨です★★
~うちの女社長セトカ:人類最終兵器~
女体化とはいうものの一応別人設 . . . 本文を読む
その気もないのに男、それも世界で一番嫌いなヤツとキスするなんて、罰ゲーム以外の何物でもない。
実際確かに、それは「罰ゲーム」から始まった。
テレビゲームで負けた側が、勝った側の言う事を何でも聞くという、子供がよくやるようなしょうもない遊びだった。
はずなんだけど──…。
■
初めてオレと海馬が、2人きりで会った . . . 本文を読む
義理とはいえ、父の葬儀を終えたばかりの少年の顔は、やけに晴々としていた。
◆
数ある国内製造業のうちの1社に過ぎなかったKCを、たった一代で世界規模にまで押し上げた、やり手のワンマン社長。
時に度がすぎるほど「剛健」だった海馬剛三郎が、突然呆気なくこの世を去ったというニュースは、市場の混乱とともに全世界に瞬く間に広がった。
社としての公式の発表では、不慮の事 . . . 本文を読む
オレは絶句した。
人類はずっと戦争を繰り返しており、子供たちがその犠牲になっているという事実は、報道で知ってはいたが…。オレには、その先の想像力が足りなかった。
オレと同じ長さの一日や一年…10年を、彼はずっとこうして生きてきたのだ。
オレはずっと、オレがオレ自身の力だけで大人社会と果敢に闘っていると、思っていた。けれど──。
「…… . . . 本文を読む