仙台POSSE(NPO法人POSSE仙台支部)活動報告

仙台POSSEは、労働相談・生活相談をお受けしています。ボランティアも募集中です。お気軽にお問い合わせください。

仮設住宅での孤独死~社会福祉のあり方~

2012-03-16 18:25:00 | 記事
東日本大震災:73歳男性、郡山の仮設住宅で孤独死 セールス回避、安否確認策見送り 自治会再検討へ /福島

 郡山市の仮設住宅で1月、富岡町から避難していた1人暮らしの男性(73)が孤独死しているのが見つかった。自治会は独居高齢者の安否確認のため、毎日軒先に旗を掲げてもらう見守り策を検討したが、お年寄りを狙う訪問販売や悪質商法もあり、「高齢者の所在を知らせるのは防犯上、好ましくない」として導入を見送っていた。命を守りつつ、消費者被害をどう防ぐか。関係者は頭を悩ませている。【三上剛輝】
 富岡町などによると、1月20日に家族から「連絡が取れない」と仮設住宅の連絡所に電話があり、翌日、町職員らが部屋に入ると、浴槽で冷たくなっていた。男性は過去に心臓のバイパス手術を受けており、心筋梗塞(こうそく)だったという。
 この仮設住宅では昨年11月、冬場に孤独死が増える恐れがあるとして、安否確認策を検討した。参考にしたのは大玉村の仮設住宅で自治会長の蒲田光利さん(56)が昨年9月に始めた取り組みだ。独居高齢者に旗を渡し、毎朝玄関に掲げ、夕方に取り込んでもらう。成果も出ており、夕方を過ぎても旗を取り込んでいないことに気付いた住民が、室内で男性(70)が倒れているのを発見、救急搬送して大事に至らなかったこともあった。
 だが、約900人が暮らす郡山市の仮設住宅では、1日にセールスマンだけでも5、6人が訪ねてくることなどから、「旗を掲げることで盗難や振り込め詐欺の標的になりかねない」などと反対の声が強く、導入が見送られた。
 今回の件を踏まえ、自治会長の渡辺喜助さん(77)は「防犯面で警察と協力を強めながら、旗の設置を再検討したい」と話している。


毎日新聞 2012年2月28日(http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20120228k0000e040224000c.html


 「仮設住宅での孤独死」と言われると“仮設”と“孤独死”が密接な関係を持っているように感じられ、仮設に入ったから孤独死が増えた、と考えている方もいらっしゃると思います。しかし、そうではありません。孤独死というのは、震災以前から日本各地で頻繁に起こっており、日本が抱える社会福祉上の大きな課題なのです。今月に入ってから、東京都の立川市では、2件の事例が報告されています。孤独死は仮設の中だけに留まる問題ではないのです。
 ここで、よく出てくる議論が「地域のつながり」というものですが、この議論は少々、近視眼的であると私は思います。人と人のつながりはとても重要です。人の輪の中に入り、コミュニケーションをとることが重要な意味を持つ場合も多々あります。しかし、それでは解決しない、どうにもならない状況もあるのです。こうした問題に向き合わない限り、同じ轍を踏み続けるでしょう。そうならないためには、現行の介護保険や医療保険制度のあり方を問うような視点が必要だと、私は考えます。
 日本が1人1人の生活の再建を目指した、本当の意味の復興を目指すとき、「孤独死」を別な角度から捉え、社会福祉のあり方を検討しなおすことは避けて通れません。

****************************
仙台POSSEでは、この度の東日本大震災における被災者支援・復興支援ボランティアを募集しています。ボランティアに参加したいという方は、下記までお問い合わせください。

NPO法人POSSE仙台支部
所在地:宮城県仙台市青葉区一番町4-1-3 仙台市市民活動サポートセンター気付
TEL:022-266-7630
Email:sendai@npoposse.jp
HP:http://www.npoposse.jp/
BLOG:http://blog.goo.ne.jp/sendai-posse
****************************


最新の画像もっと見る

コメントを投稿