仙台POSSE(NPO法人POSSE仙台支部)活動報告

仙台POSSEは、労働相談・生活相談をお受けしています。ボランティアも募集中です。お気軽にお問い合わせください。

NPO法人POSSE・就労支援事業部は、他機関との連携体制の構築に力を入れています。

2012-10-13 10:23:51 | 活動報告(就労支援)
 NPO法人POSSE・就労支援事業部は、他機関との連携体制の構築に力を入れています。就労支援では、現在56件の支援を行っている内、就職決定者が10名に到達しました。支援開始4ヶ月で10名に達したことはスタッフとしてもとても嬉しい思いです。

 その一方で、なかなか就職の目途が立たない方も多くいらっしゃいます。そのような方々は、多様な課題(ニーズ)を抱えており、一つの就労支援機関がその全員を抱え込んで、解決することは非常に難しいことです。
 そこで、現在利用されている方々の就労のための課題(ニーズ)を洗い出して、そのニーズにうまく対応できる支援メニュー(社会資源)を持っている団体と連携して、支援することにしました。

 たとえば、コミュニケーションを非常に不得手とする方に対しては、障害の有無に関わらず、宮城障害者職業センターと連携した支援を行っています。この機関は就職活動や就職後に必要なコミュニケーションの練習に関して、深い知見と充実した支援メニューを持っています。また、この機関に在籍するジョブコーチ(職場適応援助者)が、利用者(労働者)の職場適応のために、会社と利用者の双方をサポートします。そのため、利用者の課題を会社の側もしっかりと把握した上で、採用と採用後の指揮命令が可能になり、利用者の職場適応が可能になります。

 他にも、学校や職場で人間関係に苦労されてきた若い方で、仲間の支えが必要になっている方の支援については、せんだい若者サポートステーションとの連携を図っています。この機関では、「サロン」「お仕事サロン」といった支援メニューを利用して、これまでに苦労を重ねてきた若者同士で話して、仲間を作る場を設けています。支え合える同年代の仲間を作ることは、就職活動をする上で、技術的にも、精神的にも大きな力になるはずです。

 このように、利用者それぞれのニーズを把握した上で、そのニーズを満たす支援メニューが他の機関にある場合、その機関と連携して支援することが必要になってきます。

 私たちがこの「つなぎ」で気をつけていることは、障害者だから障害者の就労支援機関、母子家庭だから母子家庭の就労支援機関に任せるといったことを行わないことです。既存の福祉のカテゴリーに捉われないこと、利用者を他機関に丸投げしないことが重要だと考えています。それぞれの利用者のニーズを満たせる支援メニューを持っている(それは必ずしも有形のものでなくてよいが。)機関と連携して一緒に支援していくことが求められているのです。

 今後もPOSSEは、他の支援機関との連携を深めて、いっそう充実した支援ができるよう、尽力していきます。



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仙台POSSEでは、この度の東日本大震災における被災者支援・復興支援ボランティアを募集しています。ボランティアに参加したいという方は、下記までお問い合わせください。

NPO法人POSSE仙台支部
法人代表:今野晴貴
所在地:宮城県仙台市青葉区本町1-14-20 キクタビル6階
TEL:022-266-7630
Email:sendai@npoposse.jp
HP:http://www.npoposse.jp/
BLOG:http://blog.goo.ne.jp/sendai-posse
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【就労支援】ジョブクラブを開催しました!

2012-10-11 10:20:21 | 活動報告(就労支援)


仙台POSSEでは被災者就労支援事業の一環として、常見陽平さんを講師にお招きして「ジョブクラブ」を開催しています。今回は、三度目の開催となりました。ジョブクラブとは、参加者全員で求人を探すことで、スタッフや他の参加者からアドバイスをもらい、いつもとは違った角度から就職活動を行う取り組みです。スタッフと一緒に求人票を探すことで、給与や雇用形態、働き方といった求人票の見方を、楽しみながら学びます。

参加者の一人は、「ジョブクラブに参加していても、最初は自分にあった求人を選べなかった。参加して意見を聞いているうちに、少しずつ求人票の見方が少しずつわかってきて選べるようになってきた」と言います。

就職活動を誰にも頼らず一人で行うことはとても負担が大きく、また、自分が正しい選択ができているかどうか、客観的に判断することも難しくしてしまいます。ジョブクラブのような場で、互いに意見を出し合いながら就職活動を行うことで、自分の選択が正しいのかどうか客観的に判断することを可能にし、活動自体にも前向きになれるのだと思います。参加者のなかには、ジョブクラブに参加することが「楽しみ」だと言う方もいらっしゃいます。

ジョブクラブを含め、今後も被災された方々の就職活動を支えるような取り組みを行なっていきたいと思います。

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仙台POSSEでは、この度の東日本大震災における被災者支援・復興支援ボランティアを募集しています。ボランティアに参加したいという方は、下記までお問い合わせください。

NPO法人POSSE仙台支部
法人代表:今野晴貴
所在地:宮城県仙台市青葉区本町1-14-20 キクタビル6階
TEL:022-266-7630
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仙台POSSE・就労支援事業からの報告

2012-09-17 12:44:08 | 活動報告(就労支援)
NPO法人POSSE仙台支部は2012年4月より、仙台市と協同して被災求職者の就労支援事業を始めており、現在約100人から支援の申し込みを受けています。いわゆる就職支援だけでなく、本人の状況に応じて生活相談も併せて行なっています。

●就労「意欲」ではなく就労阻害要因
当法人の就労支援の特徴は、就労を阻害している原因を徹底的に分析して、その原因を取り除くという手法を採っていることです。就労支援の現場では、就労できない理由を本人の「意欲」の問題に還元してしまうことが非常に多いですが、私たちの支援では「意欲」の欠如の背景にある問題を探りだして、それを克服するように努めています。
たとえば一見すると、就労の「意欲」が欠けているように見えても、よくよく話を聞いてみると学校や前職でいじめがあったために、人間関係に苦手意識を持ってしまっていて、就職に対して構えてしまっているという方もいます。就労「意欲」が無いと片付けてしまうことは簡単ですが、支援者としては就労を阻害している原因である過去の人間関係の失敗という問題に向き合うことが重要になります。その方はいま、同世代で同じような課題を抱えている方とのピアサポートの場で人間関係を構築する練習をして、人間関係に自信を持てるようになることを目指しています。

●雇用のミスマッチ?
現在、宮城県仙台市の有効求人倍率(常用フルタイム)は、約0.90倍です。この数字は決して高いものではないですが、被災前に比べて大幅に上回ってもいます。次に職種ごとの求人倍率を見ていきましょう。専門技術職は求人が多いですが、技能を持つ人材の供給が追いついていないことがわかります。運輸(大型ドライバー)・介護職についても人材の供給が不足しています。
一方、事務職のように具体的な資格・技能が問われにくい職種に求職者が殺到していることがわかります。このように、職種選択を通じた「ミスマッチ」という現象は、求職者側の技能形成の不足が大きな原因となっています。「ミスマッチ」を解消するためには、求職者の「意欲」に働きかけるのではなく、求職者の「技能」を形成することが必要であることがわかると思います。



●連携する就労支援
以上のような認識から、個々の課題を見つけ出して克服する支援、技能を形成する支援に力点を置いています。このような支援のためには豊富な支援メニューが必要となることから、他の就労支援機関との連携をしています。各就労支援機関が持っている職業訓練や講習会といった支援メニューを適切に利用できるよう、コーディネートをしていきます。一つの機関で抱え込むのではなく、他機関との連携を通じた開かれた支援を行なうことで多くの支援メニューの活用が可能になり、広範なニーズへの対応ができるようになります。

●支援メニューの拡充を図る
連携を積極的に行なうことで、地域の就労支援機関が対処できていないニーズが明確になるというメリットもあります。うまく対応できていないニーズとしては、中高年男性層の社会参加のニーズ、高度な職業訓練のニーズといったものが挙げられます。
前者のニーズについてはこれから当法人で中高年男性が参加できる「サロン」作りに取り組むことで充足していきます。また、後者のニーズについては、被災者支援の一環して技能形成プログラムを拡充するよう、県・国に求めていく活動をしていきます。
私たちは、地域の対応できていないニーズを探りだしてそれを充足する支援メニューを作ること、もしくは作るよう働きかけることで、地域の就労支援に貢献していきます。

●POSSEの被災者就労支援が目指すもの
被災者就労支援の目標は、被災地・仙台で行政や他の就労支援機関との連携を通じた就労支援のモデルを作ることにあります。いわゆる縦割りの就労支援ではなく、各機関が連携して、利用者のニーズに対応する支援メニューを提供する、それでもニーズを充足できない場合は、支援メニューを新たに作っていくことで対応するといった地域支援体制を構築していきます。


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法人代表:今野晴貴
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