仙台POSSE(NPO法人POSSE仙台支部)活動報告

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塩竈市における不適切な生活保護行政に対し運用改善の申入書を提出しました。

2014-05-14 19:53:03 | 活動報告(その他)

 

 

513日(火)、私たち仙台POSSEは県内の生活困窮者支援に取り組む4団体(宮城県生活と健康を守る会連合会、東北生活保護利用支援ネットワーク、宮城県民主医療機関連合会、ライフワークサポート響)と共同で、塩竈市における不適切な生活保護行政の是正を求める運用改善の申入書を市に提出し、宮城県に対して市への是正指導を求める要望書を提出しました。また、同日この問題を宮城県庁の県政記者クラブにて報告しました。

 

県への要請では、宮城県社会福祉課の担当職員から「塩竈市はこれまでも指導する回数が他の自治体より多い。今回のご指摘を着眼点としてもって監査に入ろうと思います」という旨の回答を得ることができました。現在は、塩竈市からの回答を待っている状況です。

 

 記者会見で報告された塩竈市の不適切な事例から2つだけ引用しご紹介したいと思います。

 

塩竈市では、重度の障害があり24時間の介助が必要な子供のいる世帯に対し、そのような子供を預ける施設が地域にないにもかかわらず施設に預けるよう強要し就労を求めたり、母が精神疾患を抱えながら乳幼児の面倒を見ている母子世帯に対し、元夫に子供を引き渡して就労することを求めるなど、受給者の事情を無視した就労指導が行われていました。

また、住宅扶助に関して、生活保護法では、世帯員が26人の場合には基準額の1.3倍の住宅扶助を支給できるとされているにもかかわらず、塩釜市では世帯員が2人以上の世帯からの申請にも1.3倍の処理をしないという一律の対応をしていました。塩竈市は東日本大震災の影響で家賃が高騰しており、基準額以下の住宅がほとんどみつからない状態であることも全く考慮されていません。住宅扶助に関して世帯人数に応じた処理を行わない塩竈市の対応は、全国的に見ても非常に特異なケースと言えます。

記者会見では、過去にも支援団体が問題点を指摘したり、宮城県からの指導などがあっても塩竈市はなかなか非を認めようとしないということが指摘されました。

ここで挙げた二つの事例は、私たち5団体が把握している事例の中のごく一部に過ぎません。他の不適切な事例に関してはまた後日ブログ記事でご紹介いたします。

 

塩竈市における生活保護運用は、受給世帯の生活や健康を破壊し、生活保護に滞留せざるを得ない状況を作り出します。また生活を破壊したうえで生活保護から「離脱」させ、さらなる生活困窮を生み出してしまう可能性も高く、本当に意味での自立を妨げていると言えます。この論点に関しても後日のブログ記事でより詳しく触れる予定です。

 

今後は今回記者会見を行った5団体で共同し、申入書の内容や塩竈市における数々の不適切な生活保護運用の実態、そしてその問題点などを明かにし、引き続き是正を求めていく予定です。塩釜市の運用を変えていくには、多くの方の抗議の声が必要です。今後も本ブログなどで事例を紹介し、進捗状況を報告してまいりますので、よろしくお願いいたします。

 

 以下にこの件に関して報道された新聞記事を引用します。

 

・毎日新聞(宮城版)23面 20140514

■塩釜市に5団体 生活保護運用の改善を申入れ

塩釜市の生活保護運用に問題があるとして、生活困窮者を支援する「県生活と健康を守る会連合会」「東北生活保護利用支援ネットワーク」など県内5団体は13日、市に根本的な改善を申入れ、県に市に対する指導を要請した。

申入書では、個別の事例を挙げて対応の問題点を指摘した。母子世帯の母親に、重度の障害がある児童を施設に預けて働くよう求めたり、乳児を別れた元夫に預けるよう指導するなど「受給者のおかれた事情を無視した就労指導をした」と批判。2人以上の世帯の住宅扶助について、制度的に増額が認められ、仙台市など全国のほとんどの自治体が1人世帯の1.3倍以上に設定しているのに対し、塩釜市は同額の月35000円しか支給していないと指摘した。

5団体に寄せられた相談で、他自治体が認めているのに塩釜市では認められない事例が目立ったため、連名で申し入れたという。615日までに改善策を回答するよう求めている。同日記者会見した同ネットワークの太田伸二弁護士は「塩釜市では悪質なケースが多く、対応に心がない」と話した。これに対し郷古正夫・同市社会福祉事務所長は「生活保護法と関連通知に基づき対応していると認識している」とコメントした。

 

・朝日新聞(宮城版)25面 20140514

■生活保護「運用改善を」

塩釜市の生活保護の運用に問題があるとして、「宮城県生活と健康を守る会連合会」など5団体が13日、市に改善を要望した。

5団体によると、母子家庭の母親に、離婚した夫に子を引き渡して働くように求めるといった不合理な就労指導や、書類で扶養能力がないと判明している親族を訪問して扶養を求める、といった過度な調査や要請がみられるという。他の自治体は認めている、世帯の人数に応じた住宅扶助の上乗せも認めていないという。


 

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