地球浪漫紀行☆世界紀行スタッフの旅のお話し

(株)世界紀行・スタッフのブログです。ブログ・タイトル『地球浪漫紀行』は弊社ダイレクトメール名です。

ハーフェズのように ~イラン・シラーズ

2008年07月15日 17時01分11秒 | イラン
5月にイランへ行ってきました。

イランには4大詩人と呼ばれる詩人たちがいます。
フェルドゥーシ、ルーミー、サァディー、ハーフェズがその4人です。
シラーズはその中でも特に偉大な二人、サァディーとハーフェズの出身地です。

サアディーは13世紀のイランを代表する詩人で、20才の時に故郷シラーズを離れ、
北アフリカ、アラビア半島からインドまで40年間にわたって旅をしました。
60才を過ぎてから、シラーズに戻り、代表的詩集『薔薇園』と『果樹園』を残しました。
彼のお墓・サァディー廟では、詩文が書かれている綺麗なブルーのタイルが
印象的ですが、イランの人にとっても、その意味を読み解くのが難解な詩だそうです。

ハーフェズは、サァディーより100年後、14世紀に活躍した詩人です。
彼の詩は、ドイツの文学者ゲーテにも影響を与えたと言われています。
「コーランの暗記者」という意味の名を持つハーフェズは、
生まれ育ったシラーズをこよなく愛し、
生涯のほとんどをこの土地で過ごしました。
恋やお酒や音楽の詩を多く残し(今のイランでは考えられませんが、
ワインを飲みながら、詩を詠んでいたそうです)、ただロマンチックな詩のように
見える中に、実は神への愛や信仰心を詠みこんでいると言われています。

イランのイスファハンやテヘランなどの大きな町の広場やバザールでは、
子供たちが白い封筒を売りにやってきます。
4000リアルで買ってみると中にはハーフェズの詩の一文が書いてあります。
そしてそれはまるで占いのように、私たちの日常の悩みになぜか当てはまるのです。
詩が書かれてから何世紀も過ぎた現在でも。遠い日本の私たちにも。不思議ですね。
イランの家庭には必ず一冊は彼の詩集があるそうで、今でも大事なことを決める前には、
ハーフェズの詩集『カザル』を開いて占う人も少なくないそうです。

現代のイスラム教では、自由な恋愛や飲酒が禁じられています。
私たちがイランを訪ねても、ハーフェズのように
お酒を飲むことができないのは残念ですが、
ハーフェズ廟に刻まれた『ガゼル』の詩の一つに触れることで
彼の生きた時代に思いを巡らせ、
今でもハーフェズの詩を大切にするイランの国にペルシャの人々の大らかさ、
誇り高きペルシャ人の歴史を感じることができるのではないでしょうか。

なによりも、まるで音楽を聴いているかのようなペルシャ語の美しい詩を、
シラーズの偉大な詩人たちの廟の前で聞いてみませんか? 
地元の人に声に出して詠んでもらうと、
彼らの感情が、みるみる高ぶっていく様子が見てとれます。
ペルシャ語がわからなくても、言葉の流れやリズムの美しさに、
なぜか私たちの気持ちも安らいでいきます。
(西川 太陽) 写真:ハーフェズ廟(シラーズ)

←よろしければ左のバナーをクリックしてください。
パソコン・携帯電話一台に付き、一日一回のクリックが1ポイントに数えられます。
古い記事も含め、どのページからでもカウントされます。
いつもご協力いただきまして、ありがとうございます。




2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (わしじゃ!)
2008-07-16 07:43:54
素晴しい!是非観てみたいものです!
返信する
観てみてください! (西川 太陽)
2008-07-28 09:41:54
イランは日本の4倍の国土です他にも見所がたくさんあります。是非一度訪れてみて下さい!
返信する

コメントを投稿