ほっとする お茶の惑星

皆様ようこそ  ほっとなお茶

童謡の風景

2007-05-23 | 中日新聞より
ひらいた  ひらいた            合田 道人(作家、歌手)

♪ ⒈ ひらいた ひらいた     ⒉ つぼんだ つぼんだ
    なんの花がひらいた       なんの花がつぼんだ
    蓮華の花がひらいた       蓮華の花がつぼんだ
    ひらいたと思ったら       つぼんだと思ったら
    いつのまにか つぼんだ     いつのまにか ひらいた

切り絵 村上 保

わらべ歌には、庶民が、口に出した言えない心の叫びや願いが、子供の口を通して流布したとされるものが多い。この歌は、庶民の貧しさ、苦しみから抜け出したい、救われたいという願いが込められている。つまり「レンゲの花」が開くことを夢みているのだ。
レンゲは泥の水の中からでもまっすぐ水面に葉を大きく広げる。
仏教ではその姿から俗世の欲にまみれず清く生きる象徴としてとらえられ、釈迦がレンゲの上で瞑想する画は、極楽浄土の象徴とされる。
「われらの苦しみをお助けください・・・・」という願い、だが花は開いてすぐつぼむ。
しかし、現実を見据えしっかりと生きてゆけば、花は必ずまた開く。
ここには人生をあきらめることなく、夢を持ち、悲しみを乗り越えよう・・・と言う大切な訓え(おしえ)がちりばめられていた。
それは、今の時代にとても必要な歌ではないかと思う。
                                   中日新聞より