月ヶ瀬・毛原・下笠間経由で室生深野へ。実質前編②

2024-06-27 00:12:52 | 花や風景など
月ヶ瀬橋を後に、名張川沿いに南下
目指すは山添村毛原。
月ヶ瀬からの道中はこんな感じで…
 再掲

行く前に「山添村観光情報/毛原廃寺跡」を調べてみました。
名張川から分かれた「笠間川」このが流れる山の中のこの谷あいに・・・
≪奈良時代平城京の大寺院と同じくらいの
大規模な七堂伽藍が建立されていたことを示す金堂跡、南門跡などの礎石が当時のまま残っています。
付近から出土した軒丸瓦、軒平瓦はいずれも奈良時代後期のもので、
廃寺跡より下流にある岩屋瓦窯跡で焼かれたことが発掘調査で判明しています。>と。
そして「国指定史跡」でもあるのです、ちょっと気になる場所ではありませんか。
室生深野の棚田を見に行くためにあえて今回このルートを選んだのはやはり好奇心だろうか。
ほぼ迷うことなく毛原地区に着いたものの、
その途中にある廃寺跡への道はなかなかの狭小道で、
まぁ慣れぬ間は軽自動車がいいか、少し広い所に止めて歩くか、二択です。

しかし、訪れてみて普通に民家が立つここにさり気なく、
こんなに大きな礎石がぼんぼんとそのまま残ってる??
   
そのことにびっくりです。

近辺を辿れば「山辺の御井(ミイ)」があります。
民家の敷地内かもしれません…
 

確か、大きな説明版があるはずと思いつつ探していたら
  
「毛原廃寺跡」はしっかりありました。
詳しい情報はこちら「史跡毛原廃寺跡PDF」で。

「金堂跡」か
 

「西方建物跡礎石」
  
文献によると
≪毛原廃寺には、現在も南門・中門・金堂の礎石が残されている。
当時の都からも東へ遠く離れた山中に存在するにも関わらず、
現地に残されている礎石は平城京内の著名な大寺院と同レベルの
加工技術が用いられていること、大寺院と同規模の建物が存在することなどから、
大正15 年に国指定史跡となっている>そうです。

この礎石跡の横は、スクールバスや行政バスなど交通の要所。

近くには「構造改善センター」、地区の集会所風の建物、
そしてその横には「長久寺」の石仏めぐりマップ。
  

改善センター玄関に飾られていた絵画を撮らせていただき、
よく似た毛原地区の風景を撮ってみた、まさに「大和高原」の中って感じですね。
 

では、先を進むことにしますが、ずっと笠間川に沿います。
標識を見るとすでに山添村を越え、ここは宇陀市?
  
宇陀市 永仁阿弥陀摩崖仏」(下笠間/鎌倉時代)です。
巨石に立派な摩崖仏が線刻されています。
久々に大っきな仏様を拝ませていただきました。
   


この先どんどん進むと「室生深野」のあの勧請縄に出ます。
 

そして、深野の棚田風景へやっとつながったわけでございます。

未体験ゾーンの道中記でしたが、どこへ行くにも峠を越え厳しい山道の往復かと思うと、
なぜここにこんな立派な伽藍を持つ大寺院があったのか、と不思議でなりません。
立派な官道があったわけでもなさそうだし、
それでも「都には必要な場所」だったということでしょうか?
東大寺の杣支配所だったかもしれぬと解説にはありましたが、
ともかくミステリアスゾーンの旅は終わります。

ではまた

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2 コメント

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これほどの大寺院が (dawn)
2024-06-27 17:00:31
近くにあったとは驚きです。

唐招提寺金堂に類似の形態で、時期的にも奈良時代中期・後期と近接しているようですから、苦難の末に来日した鑑真に随行の技師により建立されたのではと想像しています。

このあたりのエリアは名張から直線距離では近いものの、死角になっていて、どのルートで行けばよいかわかりづらいですが、kuro&hanaさんのレポートを頼りに、訪れてみたいと思います。
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なぜか (kuro&hana)
2024-06-28 00:16:55
今回のコースと2月に行ったコースが繋がったという、不思議なご縁を感じた室生への旅でした。
月ヶ瀬への寄り道がなければもう少し短い時間で行けますし、山道が嫌いでなければ渓谷美も愛でつつのおススメコースです。
伊賀にはない独特の雰囲気を感じたものの、よくよく考えれば山に育つ「木」がご縁の「杣つながり」なのかなぁと思いました。
それらを運ぶにはやはり谷筋から流れる「川」の存在も大きかったのかと、勝手に想像してみたり…
いろんなことに思いを馳せながら、緑の濃さを実感してきました。

dawnさま、コメントありがとうございます。
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