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モーリス・ロリナ「糸遊の唄」

ひらひらと舞う可愛い毛 聖母マリアの糸遊よ おまえの住みかは澄んだ空 おまえの行く手は広い道 果物畑に舞い降りろ 川面や土手を飛んでゆけ ひらひらと舞う可愛い毛 聖母マリアの糸遊よ 小さい山羊や羊飼い まっすぐ立ったポプラの樹 古いお城に古い宿 おまえが飛べばみな笑顔 ひらひらと舞う可愛い毛 . . . 本文を読む
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ワイルド「スフィンクス」

                  友誼と欽仰と以てマルセル・シュオブにささぐ わが室の小ぐらい隅に、沈黙の世にも美しいスフィンクス、わが空想の想(カンガ)へるよりも長い間、移りゆく幽暗のなかで儂(ワシ)を見詰めた。 犯しがたく不動にして、スフィンクスは立上らない、動かない、銀いろの月光も彼女(カレ)にとつては何んでもない、また眩暉(メクル)めく日光とても何んでもない。 灰白(ハイジロ)は . . . 本文を読む
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イレル=エルランジェ「曼華鏡の旅」第三章

第三章 われわれの血管のなかを白血球や赤血球が循環しているのとまったく同じように、大都会の動脈はひっきりなしに、──おそらくは非常に神秘的な目的、この地上的な面では明かされないような神秘的な目的のために──、その「白血球」と「赤血球」とを運びつづける。すなわち ひしめきあう 通行人 貪欲で、倫理的で、体液過剰の──気のふれた、ふわふわした、ふっと消える──同じような顔をしていながらおのおの個性 . . . 本文を読む
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イレル=エルランジェ「曼華鏡の旅」第二章

第二章 ジョエル・ジョーズが 伯爵夫人ヴェラに 宛てた手紙 19**年5月11日、土曜、朝 ヴェラ、ヴェラ! お返事をください! どうか見捨てないでください! たった一言。しるしのひとつでも。数秒のお時間を……お願いいたします……貴女はすばらしく秀でた、気高いお方だ。そのすぐれた技芸ひとつとってみても、貴女は凡俗のはるかに及ばぬ高みにおいでです。見かけに惑わされるとはなんという愚の骨 . . . 本文を読む
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イレル=エルランジェ「曼華鏡の旅」第一章

第一章 19**年5月8日付の朝刊各紙は、ゴチック体の大見出しのもとに、下記の記事をこぞって転載した。 ぺてん師か狂人か? 「科学の夕べ」における 大珍件 発明家ジョエル・ジョーズの 失踪 ── 昨夜、百万長者の舞踏家、高名かつ美貌の世俗芸術家としてヨーロッパはもとより南北アメリカにまで絶大なる人気を誇る伯爵夫人ヴェラは、モンテーニュ街の壮麗な邸宅で、とある会合を開いたが、その魅力あふ . . . 本文を読む
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イレル=エルランジェ「曼華鏡の旅」──扉のページ

L.B. の 偉大なる 精神に 謹んで これらのページを捧げる。 I.H.-E. 扉のページ このページへ著者はいつの日にか 自分の意図 と 後日付加されるはずの 挿絵 との上に投影したいと思う これは小説ではなく 性格の研究などではさらさらなく ただわれわれはいくつかの「しるし」を把捉し定着させようと熱心に試みたにすぎない。 登場人物は、 (紹介しておく必要があろう) ジョエル・ジョ . . . 本文を読む
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マルセル・シュオッブ「悪鬼に憑かれた女」

 木立の合間にいくつもテーブルが据えられていて、刺繍をあしらったテーブルクロスの上に枯葉がはらはらと舞い落ちていた。そのうちの何枚かは細長いコップに注がれたシャンペン酒に浮かんでいた。蝋燭がただ一本だけ点されていて、その周囲に虫の羽音がきこえた。招待された客たちはめいめい離れた場所に陣取っていた。彼らの話し声がときたまこの木立の茂みにまできこえてくる。おれは奇妙な女に夢見心地にさせられたあげく、 . . . 本文を読む
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ワレリアン・ボロヴズィック「悪魔の解剖学」

ゴムと、焼いた肉との匂いがオラフの嗅覚を刺激する。彼の鼻は黄ばんだ、染みだらけの分厚い封筒のざらざらした面に触れ、鼻の穴は匂いを吸いこんで大きくふくらむ。 この郵便配達夫は町の子供たちに「ねずみのしっぽ」と渾名されている男で、それというのも彼は白樺の樹皮でこしらえたタバコ入れをもっていて、その蓋を持ち上げる細い皮ひもがねずみのしっぽに似ているからだが、とまれこの男は、司祭さんに宛てられた手紙を手 . . . 本文を読む
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ステファヌ・マラルメ「悪魔に憑かれた黒ん坊の女が……」

悪魔に憑かれた黒ん坊の女が 哀しい女の子を味見しようとしている 少女の穴のあいた着物の下には罪ぶかい、新奇な果実がある 食いしん坊の女は狡猾な仕事の準備をする。 腹の上に嬉しそうにふたつの乳房を並べ 手も届かぬほど足を高くあげて、 靴をぶつけて異様な音をたて また快楽には不慣れな舌を出す。 羚羊のようにおびえ、ふるえている裸体に向かって 女は背中を下にして狂った象のように寝転がり じっと待ちな . . . 本文を読む
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アンリ・バタイユ「青い鳥よ、晴天の色よ……」

青い鳥よ、晴天の色よ、 僕がわかるかい? しるしを見せておくれ、── 夜は僕たちに泣きじゃくるような様子をさせる そして月はおまえを白鳥のようにまっしろにする…… 青い鳥よ、晴天の色よ、 言ってくれ、おまえはあの召使の女を知っているか、 ぐらぐらする古い矢倉の 窓やよろい戸を 毎朝のように開けていたあの女を?…… そこには柳の木があって、おまえは毎年巣をつくっていた…… 青い鳥よ、晴天の色よ。 . . . 本文を読む
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