へーちょうなんだ。

ときどき書きます。
4コマ漫画「こねことへんないきもの」略して「こねへん」れんさいちゅう。

アフリカのこどもたちについて。

2012-06-01 14:08:52 | にっき
アフリカでは4秒に一人、こどもが貧困のために死んでいるのだという広告を見た。
一見、このキャッチコピーはアフリカの深刻な貧困をうまく表現しているように思える。
4秒に一人。いち、にい、さん、しい、一人。いち、にい、さん、しい、一人。なるほど確かにすごい頻度だ。
だけど、と思う。

この4秒に一人という表現は、なんとも無味乾燥ではないか。
アフリカで実際に4秒に一人、きっかり砂時計の砂が落ちるみたいにこどもたちが死んで行ってるわけではなかろう。
統計から割り算するとそうなる、というだけのことだ。
一万人死ねば統計だ、と言い放った権力者を思い出さないでもない。

4秒数える間に死んでいくはずのこどもたち一人一人の顔を思い浮かべて見る。しかしうまくはいかない。
僕にはアフリカに関する知識なんてほとんどないし、4秒というのは人一人の人生を想像するにはいかにも短すぎる。

4秒に一人、なんていうレトリックは実際に死んでいっているこどもたちの人生をただ数字の上だけの存在にしてしまう、なんてことも考えないでもない。
4秒のうちに死んでしまう子供達にもそれぞれの顔があり時間があり感情があり人生があるはすだ、と思ってもそれでも、僕はやはり「4秒に一人」死んでいく子供達の顔を思い浮かべることはできないわけで、そんな僕にとって「4秒に一人」という統計的レトリックは直感的で便利で、「日本では一年に3万人が自殺しています」とか「人身事故のため電車遅れています」とか「100万人が生活保護を受けています」とかそういうより身近な統計的レトリックにもやはり麻痺してしまっていて。
「世界はなにも見ずにすますには狭すぎて、すべてを見るには広すぎる」なんてアフォリズムを思い浮かべたりもする。

この記事を書くのに30分かかった。アフリカでは450人の子供が死んだのだろう。
少し感傷的になってしまった。