認知症とハーモニカ

息子の受験でゴタゴタしていた2月下旬
姉が留守番を兼ねて父母の様子を見に一週間ほど来てくれた

父母との生活がマンネリ化して新たな発見が下手になってる私と違い
姉は、楽しく親と時間を過ごしてくれた

いつもそこらに置いてあったハーモニカを見つけて
父に吹いてもらったら、昔同様に、自然と口が曲を奏でて
上手に吹けたと家族みんなで聴き入った

デイサービスのお迎えの方に、ハーモニカを吹いてることを
話していたら、ぜひ施設で吹いてくださいということになり
ハーモニカ持参でデイサービスに行き
多くの方に喜んで聴いてもらったらしい

一回きりと思っていたのに、空き時間に吹いてほしいとのことで
毎回ハーモニカを持参してデイサービスに行くことになっている

ハーモニカを昔とあまり変わらず吹けること
それを聴いてくれる人が大勢いること
そして聴いてくれた人たちが拍手をし喜んでくれていること
どれもこれも父が自己肯定できる出来事で
認知症だけど、ハーモニカを吹いていることは覚えている

何でもいい
その人が自分の存在価値を感じられる出来事が
その人らしさを蘇らせるきっかけになるのだと
強く思った出来事だった

父は家で時折、思い出したようにハーモニカを吹くようになった