生きてるだけでもうけもん♪Today is a Gift.

昨日は過ぎたこと、明日は未知のこと、今日はもうけもの、それらはみんな、神様の贈り物。
今日の想いを明日に繋げるために。

認知症と人権

2016年06月22日 | father
私の父は認知症だけど
ふつうに暮らしている

「ふつう」ってどういうことかと言うと
彼の個性がそのままに
いろんなことをほとんど忘れながら
「今」だけを生きている

ご飯も食べるし
排泄もする

脳梗塞後遺症があるので
それらは全て上手にはできなくて
ご飯がこぼす
排泄では衣類を汚す

でも
それは体が不自由だから仕方がないこと

それでも
何か起こると自分で何でも解決しようとする
家族に声をかけることなく
汚れたものを自分でなんとかしようとして
余計にぐちゃぐちゃになったりする

でも
ほんとうは綺麗にしたかったんだ
片付けたかったんだ
と私は知っている

だから
なかなか思うようにできなかった父に対して
辛いんだろうなあと思う

父がかなりの綺麗好きであること
整理整頓が好きなことも
思いのほか怖がりで心配性であることも
認知症になって知った

そういった性格の上に父の行動が派生していると
思うと納得がいくことが多い

ある認知症のお爺さんが毎日晩酌をしている
ある日、テーブルに晩酌の用意をして
家族が外出した

今までなら
ひとりお酒を飲んでテレビなど見ながら居間で寛いでいたが
その日は家族が帰ると庭で寝ているお爺さんを発見した

家族は慌ててお爺さんを救急病院に連れて行き
検査をしてもらった

お爺さんはどこも悪くなくて
酔っ払って庭で寝ていただけだろうと帰宅した

でも
家族は不安だった
今後こんなことがあったらお爺さんに何を聞いても
認知症で覚えていないし
外に行かないでと言っても聞いてくれないし
(仕方ないよね、忘れるから認知症だもんね)

そこで
お爺さんを施設に入居させることにした

そのお爺さんは
いつもどおり晩酌して気持ちが良くなり
大好きな庭の花を見るために庭に出て
そのうち酔いが回り、そこで寝てしまっただけなんじゃなかろうか
と私は思う

もし認知症でなければ
「お爺さん、こんなとこで寝ては風邪を引きますよ」って
家に入れて暖かくして寝かせるってことで
その日は終わりってだけじゃなかろうか

理解できないと思い込まずに
なぜ、この人がここにいるのか
どういうことをしたいと思ったのか
その人の個性を鑑みて想像すれば
一緒に暮らせるんじゃないかと
思うのは甘いんだろうか



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