一億総諦めの日本

大学受験に向けて最大限の努力で勉学に励む同級生と
いっこでもレベル高い大学に生徒を送り込もうと躍起になる教師
いい大学に入り確実な仕事を得て高い収入をこどもに期待する親

寒さが襲ってきた冬の教室は
ますます厳しい寒々しさに襲われているらしい

「学校には高校生しかいない」と帰宅した息子18歳受験生が言う

当たり前やないか！高校やもん
と切り返そうとして彼の次の言葉を待つ

「受験しかしたことなくて大学で学んで教師になり
先生しかしたことない人の頭の中は高校生のまんま
教育とは何かとか考えることない、教育者はおらん」

それが日本の教育の仕組み、哀しいなあ情け無いなあ

息子が言うんだ
「夏休みの自由研究ってのは、身近な興味あることで
ちょっとした不思議を解決する絶好の機会だったんやな
なぜ何のための自由研究かって知らんかったから
もったいない時間を過ごしたわ」って

そうだな、自分の好きなこと興味あることに目覚める絶好の機会！
それをじっくり教えてやれていたらと悔やまれる

レゴのオモチャを使って、ひとつひとつ動かしビデオ撮影して映画を作った
自由研究を小学校高学年でしたけれど、あれは面白かった
とさ

でも、あのパーツの移動はあんたの指示で私が動かして大変やったわ
と言うと
僕は監督、アシスタントの仕事はしない だと......（ ; ; ）

「高校3年生が今の時期に方向転換することは今の日本の教育環境では難しいのかもしれん
真っ向から反対する頭脳18歳のままの先生に猛反対を受けるだろう
でも
彼らは教師以外の人生を経験したことがほぼほぼない
何よりも人の人生に責任など持たない
送り込んで卒業したらさようなら
そして
ほとんどの親は高校生である僕らより先に死ぬ
古い時代を生きてきた人たちになぜ自分の一生を決めさせるのか」
と。

ダブルチャンスはないなどと脅すな
自立できて自分で考えて選んだ道であれば
若者は本来の力を発揮できる
そう言い続ける大人の少ないことよ

学校だけでなく
日本には大人が少なくなったのかもしれない
我がごとのみ、自分で精一杯の大人が
一億総諦めで 日本をコツコツと壊している