牧場の日記~競走馬生産者の日々~

競走馬の生産牧場の現状と考察

流産の原因

2016年03月09日 | 牧場の生活

予定日から一か月半早くお産が始まり、仔馬は死んで産まれた。

この馬は予定日より2か月くらい前からおっぱいが張ってきていた。

胎盤炎かもしれないと、血液検査をするとプロゲスチンやエストロジェンの値がとても悪かった。

以後、胎盤炎の治療を始め、3種類の飲み薬をあたえた。

抗菌剤(粉一握り位)と、ホルモン剤(錠剤1粒)と、子宮を収縮させない薬(錠剤10粒)。一日2回。

2回目の血液検査ではエストロジェンの値がさらに悪くなっていた。

そして、薬を始めて10日ほどで流産してしまった。

家畜保健所に検査に出してERVではなかったことはわかったが、流産の原因は培養などの関係で10日ほどかかるとのこと。

今までの経過から、胎盤炎だろうと思っていたが、今日聞いてもらったら、胎盤炎との結論はでなかった、とのこと。

臍帯捻転の可能性が高い、とも。

臍帯捻転で血流が悪くなるとエストロジェンの値が下がるそうだ。

そして臍帯捻転は予防も治療もできないといわれた。

結果としてはどうしようもないことであったけれど、いろいろと勉強になった。

胎盤炎の診断に使う血液検査は理化学研究所へ送って検査するので血液を採ってから結果が出るのに1週間くらいかかる。

胎盤炎は血液検査とともにエコー検査で診断するのが確実だそうだ。

エコーについては軽種馬農協の獣医さんがおっしゃっていた。

また、臍帯捻転は繰り返す馬もいるらしい。

残念無念。

 


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
辛すぎます。 (尻っぱねライダー)
2016-03-12 04:11:44
仔っこが死産だったなんて、お悔やみ申し上げます。
母馬さんもお乳を飲ませてあげたかったでしょうね。
馬の世界でも、訳の解らぬ病気があるのですね。
私も子供を授かれない体、原因が全く解らないんですよ。子宮が奇形というだけで…
だから、仔っこに恵まれない母馬さんの切なさが痛いほど分かるんです。
治療法がないなんて…悔しい。
お星さまになった仔っこは、母馬さんの心の中にしか生きられないけど、母馬さんを見守っていて欲しいですね。
馬っこさん、辛い中の報告ありがとうごさいます。色々なことを教えてくださり、ありがとうございます。
50近い私、競走馬が好きでしてね。色々馬の事、日々の作業の事、聞いて欲しい事、お話しして下さい。
因みに私の好きな競走馬さんは子供の頃、TVで観たテンポイント号さんです。
返信する
Unknown (うまっこ)
2016-03-12 18:57:39
尻っぱねライダーさんのつらい思いを聞き、なんと言ったらいいか言葉がありません。
私は日々の仕事に追われて、今起きたつらい経験が薄れていくことを避けるためにブログとしてつづっています。
出来ればこの経験を無駄にせぬよう、次のときにはうまく乗り越えるヒントを見つけたいと思っています。科学は進歩するのですから。
返信する

コメントを投稿