牧場の日記~競走馬生産者の日々~

競走馬の生産牧場の現状と考察

オッパイにクスリが出る?

2019年03月18日 | 牧場の生活
おとつい、出産した馬がお腹が痛くなったので獣医さんに診てもらった。
特に重篤なものではなさそうなので、痛み止めを打って様子を見る事にした。

10分もしたら効いてきますよ、との言葉通り直ぐに痛みが治まった。

痛み止めの効果なのか、ぼーっと突っ立っている。

お母さんがお腹が痛くてずっと寝ていたのでその間オッパイが飲めなかった子馬が、
いまだ!とばかりにオッパイに飛びついた。

ゴクゴクとたくさん飲んで飲み終わると、お母さんと同じようにぼーっと突っ立っている。

まるで、オッパイに痛み止めが出てきて子馬にも効いているかのようだ。

そんなことあるんでしょうか?

異常産

2019年03月09日 | 馬のお産

馬医者修行日記というブログをよく読ませていただいています。

そのブログに興味深い記事が載っていた。

正常でないお産についての過程をつづっているのだが、先生方の苦労がよくわかる。

苦労というのは当たっていないのかもしれないが。

うちでも何度か異常産に出くわした。

お産が始まって破水したのにいっこうに陣痛が起こってこない。

親馬は座ったり立ったり、姿勢は変えるのだがいきみが来ない。

そのうちあきらめてしまったかのように座り込んで休んでしまう。

近所の方がその日はたまたま社長が種付けでいなかったので手伝いに来てくれていて、

その人が、こういう奴は仔馬の足を引っ張ってやって刺激をしたほうがいい、と、ぐいぐいとひっぱった。

するとちょっといきみがくるけど、やっぱりそれ以上はもういきまない。

二人がかりでぐいぐいと刺激するように引っ張っていたら、しばらくしてつるっと子馬がでてしまった。

子宮口はもう完全に開いていたのだろう。

一時間くらいかかったが、子馬も母馬も無事だった。

ほかの異常産は、疝痛みたいな痛がり方から始まって、おかしいなと思って獣医さんを呼んで診てもらうと、破水してますね、とのこと。

このブログで書いたおととしの子宮破裂の件で割愛するが、結果として微弱陣痛で始まり、途中で子宮破裂が起こってしまった。

 

「母子の絆を尊重した分娩管理」とネットで検索するとノーザンファームの津田朋紀先生が細かく分娩について書いてくれている記事が見られます。

 

正常産をよく知り、異常産を知り、処置するとき、しなくていいときを見極めなくてはならない。

何が異常で何が今起こっていて、これが正常なのか、異常なのか判断しなければならない。

しかも、様子を見ている余裕がない。これがお産。

異常産はいろんなケースがあるので、症例を教えていただけることは大変重要なことだ。

本当に馬医者修行日記には感謝してもしきれない。

ありがとうございます。