牧場の日記~競走馬生産者の日々~

競走馬の生産牧場の現状と考察

新生仔馬の膀胱破裂

2017年03月08日 | 牧場の生活

昨日産まれた仔馬がおしっこをしたいそぶりをするのに全くでないので、これって膀胱破裂?と思って、うちにあるJRAさんの作った「JRA育成牧場管理指針」を読んだら、

●発生原因

膀胱破裂は娩出時に発症することが多い。これは、狭い産道の通過時における膀胱圧迫が原因である。胎児期に膀胱から胎盤へ尿を排出させる尿膜管は通常分娩後に閉鎖するが、この尿膜管が分娩前に閉鎖する場合がある。このことにより、膀胱が尿で充満され、産道の通過時に圧迫されやすい。また、牝馬に比較して牡馬に多発する。

と、かいてあった。

産まれてまた10時間しかたっていなかったが、破裂して手は一大事、と、獣医さんを呼んで診てもらった。

破裂はしておらず、おしっこが出にくいだけと診断された。

尿カテーテルを入れて出るだけ出してもらって、抗生物質を打って様子を見ることに。

ほっとして、次の馬の夜番をしながら、獣医さんの書いてるブログ「馬医者修行日記」で、膀胱破裂を検索してみた。

すると・・・、「分娩の時に破裂するのだという成書の記載は間違いだと思っています。ほとんどの症例は出世後に尿閉を起こすことで破裂していると考えています。」と、書いてあった。

いつも思うことだが、医学書を読むと不安が募る。症状なんて字で書いてあっても目で見なければわからない。

一番大切なのは冷静で落ち着いた心、だと思う。