ウィーンで研究留学!

以前はウィーンでの留学生活を綴っておりました。今後はクラッシック音楽を中心に細く長く続けていけたらと思っています。

運命の流れの行き着くところ

2009年05月10日 08時38分13秒 | 雑記
そもそも「運命」なんて言葉を使ってる時点でまともに頭が働いていないのですが、この記事を書いてから1年余りたってどうやらその行き着くところがはっきりしそうです。

このときに書いた「運命の流れが強すぎて」というのは要するにとんでもなく大変な状況に陥っている時の話で、そろそろ逆も有ってもいいんじゃないかと思い始めて書いていたような気がします。二十歳前くらいまでは自分はラッキーな人間だと信じて疑っていなかった私も厳しい現実にさらされて、すっかり悲観的な思考回路が身について、ちょっと良さそうなデータがでてもそう簡単には信じなくなっています。これは実験科学者としてはしかるべき姿だとは思うのですが、たまにはびっくりするようないいデータ、というか思い通りのいいデータがとれることがあってもいいんじゃないか、とは思います。でも振り返ってみてもあんまりそういう経験が有りません。というかいいデータになった頃には、そこに到達するまでに過程ですっかり疲れてしまってそんな感慨がないというところです。今かなり期待してやっているプロジェクトもそんな感じで、ずうっと半信半疑、でも当たりだったらすごいのでやってみていると言う状態が続いていて、本当はとっくに白黒付いていなくてはいけないのですが、なかなかそうも思ったようには行かないものです。

意を決して始めた遺伝子組み換えを駆使した材料の準備がやっとおわって(一度は終わったと思っていたのが勘違いで数ヶ月ロス)、先日ついにはじめのデータがとれたのですが、これがほとんど予想した通りのデータ。余りに都合が良すぎるので信じられない状態で、次の結果でconfirmされるかどうか、内心びくびくして実験しています。過去にこういう状況で裏切られたことが沢山あるのでそんな可能性ばかり考えているのですが、まあどう転ぶのか、人生たまにはいいことがあるかなあ、研究者やってるのも悪くないのかなあ、という問いに力強くYes!と言ってくれるといいのですが。こういうときこっちの人間はもっと強いんですよね。データが明らかに仮説を否定しているのになかなかそれを信じようとしないような人もいます(笑)。

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