手紙の差出人はかつてのsakuraの古い男友達＝Ｓ君としときます。
歳は３～４歳上だったかな～。もう１０年以上前のことなので、顔はインパクトあったのではっきり思い出せるけど（オレは男だ！の主役で出てた人に似てます）名前は忘れてました。
なぜ探していたかとゆーと、Ｓ君は現在新潟の小千谷に引越してしまい、札幌にいた時は仲良かったのだけど、すっかり音信不通になってしまって（確かこっちが返事出さないでいたと思う、、、）ある時、新潟中越地震で小千谷が大変な被害にあったのを知り、ふと安否が気になったからです。「あ～～～ひどいな～大丈夫かな～。」と思ってとても気になってました。
それが昨日ひょっこり箪笥の奥から出てきたのです。
本当はへそくりでも出てこないか期待してたんですけどね。（笑）
思わず懐かしい文面に、まじまじとご対面してしまいました。
Ｓ君は、数学を勉強しにアメリカに４年間留学後、台湾で２年間日本語教師をし、台湾の彼女から逃げるため？？？その後札幌に２年ほど遊学？していたとゆーかなりユニークな方でした。
いただいた手紙も、本人同様、今読み返してもあまりにも面白いので、印象的だったとこを、自分の備忘録としてほんの少しのせてみます。
以下に続くのは、当時の仲良しメンバーで飲みに行った時の写真も同封して、共通の知人がエイズで亡くなったことを知らせた手紙のＳ君からの返信の一部抜粋です。
手紙どうもありがとう。人はやはり必ず死ぬもので、改めて気づくと、一瞬頭の中真っ白になって、その後じわじわ安心感が出てくる。
ー中略ー
老いてますます盛んな人たちが、”Ｏｎｌｙ ｔｈｅ Ｇｏｏｄ ｄｉｅ Ｙｏｕｎｇ”とか言っているのが目に浮かぶ。
ー中略ー
健康に気をつけて。健康であるだけで、かなり幸運なことだから。
ー中略ー
アレックスは（共通の外国人の友人）元気じゃなさそうだけど、自分の鏡として見ると、時々落ち込んで自分を変えなきゃと思うし、歳とってガンコになると大変だから、変な髪形は素直に大笑いしてやるのも隣人への愛かな。
ー中略ー
オレの顔は９６度のウォッカにやられて夢の中だったけど、心霊写真写らなくて残念だった。
ー中略ー
田舎に帰ってきて特に今感じているのは、人生のバランス感覚を保つのはかなり難しいということ。旧い友人たちと会っているとバランス感覚のいい人は少ない。例えば何かを強く信じていると頑なになるし、何も信じていないと、フラフラと動いてしまう。
私の最近のカラオケの十八番は、I'm proud と Sweet Painのマークの出だしセリフである。（この方はＧｌｏｂｅをカラオケでよく歌ってました）
他に４通あるのだけど、どれもかなり面白く、しかしどこか哲学的なことも書いてあります。
この方とはお別れの会の食事の席で、ここで１０年後にまた会おうと言われましたが、もう既にはるかに１０年が経過してしまいました。
今頃連絡をとるつもりは毛頭ありません。手紙は懐かしい思い出として、また箪笥の中にしまっておこうと思います。
こうした手書きの手紙のやり取りなど、今の携帯とかメールの時代には考えられなかったことです。
今は手紙を書く機会がなくなったかわりに、メールのやり取りはさかんにはなりましたが、こうした今の連絡ツールは、あまりに簡単でご都合主義に傾く感があり、人と人との繋がりもどこか容易でもろ過ぎ、感動とか出逢いの重みがとても軽く、すぐに消えてしまうひとひらの雪のように思えてきます。
「元気？」という言葉にしても手紙とメールでは全然重みが違います。
知らない人にでもメアドさえ知っていれば「元気？」と送信できます。
しかし手紙なら＜その人というもの＞を知って、ほんとうに気にしていない限り「元気？」のひと言も発生しません。
なんだか昭和を長く過ごした人間には、便利さと引き換えに何か貴重なものを失った気がした大雪の土曜の午後でした。
