クリアファイルのその中は

何気ない毎日は、何気なく良い。

奈良のお母さん

2013-05-05 10:22:53 | 日記
奈良に越して6年になる。

その頃からお付き合いのある化粧品屋さん。
「奈良のお母さんだと思っているのよ」と言ってくださる店長さんが、いつも私を叱咤激励してくれる。

私は客としては最悪で、このお店ではサンプルを頂戴するだけで、肝心の化粧品はドラッグストアで買っている。
それを知っていて、店長のHさんは「買わなくて良いから顔を見せにおいで」と言ってくださる。

最近の私の状況から友達には「奈良にいてね~」と言われても、Hさんだけが
「冷静に考えたら、富山に帰らなきゃダメだよ」
とアドバイスしてくださる。
本当にありがたい存在なのだ。


Hさんのお店は近所の大型モールの中にある。
資生堂に限って言えば、近畿圏で売り上げはいつもトップクラス。
モールの中でも店舗売り上げは常にトップ3に入っている優良店だ。

そんな好成績のお店なのに、モールを改築するから移動してくれとお達しがあった。
専門店スペースなのに、プライベートブランド専門ブースにするらしい。

移動先はモールの端っこで、契約も1年半。
その後またどこかに移れとのことだそうだ。
勝手な話。

その度に発生する改築費や原状復帰改装費などを考えると、移転より撤退の道を本社は選択された。
奈良県内に数店舗を経営する化粧品店なので、お店の社員たちは彼方此方に移動になるそうだ。
でもHさんはこれを機に隠居し、余生を楽しむことにされた。


明日、とうとう閉店の日を迎える。
買い物のついでに立ち寄って、世間話や相談事をすることが出来なくなる。

Hさんは親でも言いにくい事をキッチリ指摘してくれる。
お店ではもう会えないけれど、これからはお茶飲み友達(?)になるつもり。

6年前、1本の化粧水を買うためにフラっと入ったお店。
まさかこんなに素敵な関係になれるなんてね。(しかも私はほとんどお客とは言えないし^^;)

奈良のお母さん、これからも宜しくお願いします。

王様になれなかった孔雀

2013-05-02 22:03:01 | 日記
東京で独り暮らしを始めた頃、下宿先近くには2つのスーパーがあった。

一つは西友。
もう一つはpeacockstoa。

日々の買い物は西友で、ちょっとした高級品(?)が欲しい時はpeacockへ。
そんなパターンだった。


奈良にもpeacockがあり、たま~に利用する。

でも、成城石井や紀伊国屋等のプレミアムストアに比べると普通の店になる。

品揃えもイマイチで価格も高めなので、昔ほど魅力を感じていない。


昨日、久しぶりにpeacockに行った。

枚方市の知人宅の向かい側にあり、地域に根ざした昔ながらの店舗のようだった。

レジで会計をするとき、ワオンカードの読み込み装置があった。

「え?peacockもイオン化するの??」

イオンには申し訳ないが、どこもかしこもイオンになってしまい、利用者としてはつまらないものだ。



サッカー台で商品を袋詰めしていると、隣に老夫婦がいらしてレジ袋を開いていた。

「あら・・・peacockの袋じゃなくなったやん。」

見ると何も印刷していない無地のレジ袋だった。

ご主人が「今更peacockの宣伝しても意味ないし。32年通ったのに寂しくなるわぁ。」と言われた。


ふと視線を上げると

「大丸・松坂屋カードが使えなくなる」という告知と、

「イオンカードが使えるようになりました」というポスターが貼ってあった。

前者は文字だけの2色刷りで、後者はカラー印刷の多色刷り。

なんだかね・・・寂しいもんだなぁ。



高田馬場のpeacockは地下1階から2階まで売り場があり、あの当時にしてみれば大型スーパーの部類に入る。

田舎から出てきたイモ娘にしてみれば、peacockは都会のスーパーだった。
紀伊国屋や明治屋の次に来るプレミアムな店でもあった。

贅沢気分を味わえるお買い物が出来るってこと自体が楽しいイベント。
キッコーマンの醤油じゃなく、小豆島のご当地醤油を買うだけで「リッチな気分」になったものだ。

今ではpeacockは普通のスーパーだが、私の中では何処か特別な店であることに変わりはない。


・・・老兵は死なず、ただ消え去るのみ・・・そんな感じかな。