クリアファイルのその中は

何気ない毎日は、何気なく良い。

王様になれなかった孔雀

2013-05-02 22:03:01 | 日記
東京で独り暮らしを始めた頃、下宿先近くには2つのスーパーがあった。

一つは西友。
もう一つはpeacockstoa。

日々の買い物は西友で、ちょっとした高級品(?)が欲しい時はpeacockへ。
そんなパターンだった。


奈良にもpeacockがあり、たま~に利用する。

でも、成城石井や紀伊国屋等のプレミアムストアに比べると普通の店になる。

品揃えもイマイチで価格も高めなので、昔ほど魅力を感じていない。


昨日、久しぶりにpeacockに行った。

枚方市の知人宅の向かい側にあり、地域に根ざした昔ながらの店舗のようだった。

レジで会計をするとき、ワオンカードの読み込み装置があった。

「え?peacockもイオン化するの??」

イオンには申し訳ないが、どこもかしこもイオンになってしまい、利用者としてはつまらないものだ。



サッカー台で商品を袋詰めしていると、隣に老夫婦がいらしてレジ袋を開いていた。

「あら・・・peacockの袋じゃなくなったやん。」

見ると何も印刷していない無地のレジ袋だった。

ご主人が「今更peacockの宣伝しても意味ないし。32年通ったのに寂しくなるわぁ。」と言われた。


ふと視線を上げると

「大丸・松坂屋カードが使えなくなる」という告知と、

「イオンカードが使えるようになりました」というポスターが貼ってあった。

前者は文字だけの2色刷りで、後者はカラー印刷の多色刷り。

なんだかね・・・寂しいもんだなぁ。



高田馬場のpeacockは地下1階から2階まで売り場があり、あの当時にしてみれば大型スーパーの部類に入る。

田舎から出てきたイモ娘にしてみれば、peacockは都会のスーパーだった。
紀伊国屋や明治屋の次に来るプレミアムな店でもあった。

贅沢気分を味わえるお買い物が出来るってこと自体が楽しいイベント。
キッコーマンの醤油じゃなく、小豆島のご当地醤油を買うだけで「リッチな気分」になったものだ。

今ではpeacockは普通のスーパーだが、私の中では何処か特別な店であることに変わりはない。


・・・老兵は死なず、ただ消え去るのみ・・・そんな感じかな。