クリアファイルのその中は

何気ない毎日は、何気なく良い。

ありがたい時代の産物

2012-06-01 22:47:08 | 日記
午前中は電話とメールとウェブサイトを駆使して、4都市の取引先と仕事をした。

「こんな感じ」の【こんな】を、画像送信で説明したり、
膨大な量の資料もメールで送信で理解を求める。

携帯一つ持って出れば、外回りの最中だって仕事をこなせる。

今や何処に暮らしていてもそこそこの仕事はできるのだ。

テクノロジー万歳。


午後からは農家でバイトだった。

ジッとしていても汗ばむハウスの中で、延々とポットに土を入れる。

それが終わったら、ポットの数だけのピンチを針金とペンチで作り続ける。

ハウスのドアに引っかけてあるラジオから聞こえる他愛もないおしゃべりや、
古臭いド演歌が暑いハウスを益々暑苦しくする。

同じことを繰り返す単純作業と暑さでボーっとする思考回路は、夕飯のおかずは何にしよう?
しか考えられなくなっていた。

平和な時間だなぁ・・・


と、携帯がなる。
その呼び出し音で営業モードスイッチが入る。

股をおっぴろげてオッサン座りしていたのに、電話と同時にスクッと立ち上がる。
「ありがとうございます」と言う度にお辞儀までしている。
止っていた回路がフル回転し、暑さで沸騰していた脳が冷静な指令を出し続ける。


電話が終わると、またヨッコイセと作業椅子に座る。

「さ~やりますか~」と一声出して、再び農作業モードへ。

でも、平和な気持ちの境地に達するには結構時間がかかるのだ。
ボーっとする方が難しいなんて、何だか変な感じ。
こっちのスイッチはアナログなのだな。


現代人にストレスが多いのってこのせいかもしれない。

ボーっとする時間が少なくなったんじゃなくて、やり方が分からなくなってきたのかもしれない。