信友直子監督のドキュメンタリー「ぼけますから、よろしくお願いします。」第1作、第2作のことは何も知らなかった。わが故郷の呉市で暮らす90代の両親をひとり娘で東京在住の信友さんが数年に渡って撮り続けた作品。
年齢は8歳下だがなにもかも私と似たような状況。こんなことがあるんだろうかと最初は思ったが、この高齢化社会ではどの家庭にも起こりうるハナシだ。
このお母さんは認知症、脳梗塞を患った末に永眠された大正10年生まれのお父さんはまだ自宅で自活されている。
ご本人たちと家族の大変なご苦労の記録ではあるが、絶望感を抱くことなくいっぱいの家族愛を感じて勇気をもらえた。私も父のことをこんなふうに暖かく見守っていこうと思った。
信友さんの言葉が素晴らしい。
「人が生きて老いてゆく先には、必ず死と別れがあります。でも人生の最終章は悲しいだけではありません。お互いを思いやり、かわす笑顔もありました。
今回もまた、誰もが自分のこととして感じてもらえる物語になったと思います。」
お父さんがまだ頑張っておられるから第3作もあるのだろう。楽しみにしていよう。